11総法不審第120号

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処分済み

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処分済み

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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処分済み

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ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

軽自動車税 ( 種別割 ) 減免に関する取扱基準 ( 趣旨 ) 第 1 条この基準は 船橋市市税条例第 89 条及び第 90 条の規定に基づき 軽自動車税 ( 種別割 ) の減免の取り扱いに関し 必要な事項を定める ( 公益のために直接専用するものの範囲 ) 第 2 条条例第 89 条第 1 項第

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

葉山町身体障害者自動車改造費助成事業実施要綱 平成 26 年 4 月 1 日制定 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 身体障害者 ( 身体障害者福祉法 ( 昭和 24 年法律第 283 号 ) 第 15 条第 4 項の規定により身体障害者手帳の交付を受けているものをいう 以下に同じ ) が移動手段と

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

第 5 条市長は 前条に規定する申請書等に基づいて健康管理費を受けることができる者であることを確認したときは 当該資格を認定する 2 市長は 前項により資格を認定した者 ( 以下 受給者 という ) に対し 重障老人健康管理事業対象者証 ( 以下 対象者証 という ) を交付する ( 不認定の通知

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

(2) 電子計算機処理の制限に係る規定ア電子計算機処理に係る個人情報の提供の制限の改正 ( 条例第 10 条第 2 項関係 ) 電子計算機処理に係る個人情報を国等に提供しようとする際の千葉市情報公開 個人情報保護審議会 ( 以下 審議会 といいます ) への諮問を不要とし 審議会には事後に報告するも

Microsoft Word - toukyuhyo

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

議案第07号-給与に関する条例の一部改正【確定】

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

粕屋町重度障害者医療費の支給に関する条例

第 3 条市長は 前条に規定する申請に基づいて医療費の給付を受けることができる者であることを確認したときは 申請者に重度心身障がい者医療費受給者証 ( 第 2 号様式 以下 受給者証 という ) を交付するものとする 2 前項の受給者証の資格取得日は 市長が交付決定をした日の属する月の翌月の初日 (

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

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議案第  号

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

平成14年7月3日

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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152 号 ) (6) 保険医療機関等健康保険法第 63 条第 3 項第 1 号に規定する保険医療機関若しくは保険薬局又は同法第 88 条第 1 項に規定する指定訪問看護事業者 ( 平 6 条例 30 平 8 条例 29 平 9 条例 16 平 10 条例 2 平 11 条例 15 平 14 条例

6 この条例において 医療保険各法 とは, 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192 号 ), 高齢者の医療の確保に関する法律 ( 昭和 57 年法律第 80 号 ) 及び規則で定める社会保険各法をいう 7 この条例において 医療に関する給付 とは, 次の各号のいずれかに該当するものをいう

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情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

1 経 緯

第1 総 括 的 事 項

⑵ 街頭防犯カメラの設置は 補助金の交付申請を行った年度に着手し 当該年度内に完了できるものであること ⑶ 補助金の交付を受けようとする街頭防犯カメラに関し 他の法令等により 国 県又は市から同種の補助金の交付を受けていないこと ( 補助対象経費 ) 第 5 条補助の対象となる経費 ( 以下 補助対

* 1.請求の要旨

Microsoft Word 答申件数表

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

和光市保育の必要性の認定に関する条例施行規則 ( 制定準備資料 ) 資料 2 1 条例第 3 条第 1 項関係 ( 保育の必要性の基準 ) 市長は 小学校就学前子どものうちその保護者のいずれもが次の各号のいずれかの事由 ( 以下 保育の必要性の基準 という ) に該当するものを法第 19 条第 1

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

手当 年金 4-1 障害基礎年金 身 知 精 難 窓口 : 保険年金課国民年金係 ( 電話 FAX ) 病気やケガで障がいがあり 日常生活が困難な方に支給される国民年金です 支給条件( 次のいずれにも該当 ) 1 障がいの原因となった病気 ケガについての初診日に国民年金に

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0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

障害共済年金に係る事務

その額に老人扶養親族 1 人につき ( 当該老人扶養親族のほかに扶養親族等がないときは 当該老人扶養親族のうち1 人を除いた老人扶養親族 1 人につき ) 60,000 円を加算した額 ) (3) 条例第 3 条第 2 項第 4 号に規定する心身障害者に 扶養親族等がないときは 3,604,000

区分に応じ 当該各号に掲げる書類に必要な事項を記載して交付しなければならない (1) 条例第 2 条第 2 項第 1 号に掲げる重度心身障害者等である受給者重度心身障害者等医療費受給資格証 ( 様式第 3 号 ) 及び福祉医療費請求書 ( 様式第 6 号 ) 又は重度心身障害者等医療費 ( 療養費払

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した重度心身障害者 手当受給資格非該当通知に係る審査請求について 審査庁から諮問が あったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都知事 ( 以下 処分庁 という ) が 東京都重度心身障害者手当条例 ( 昭和 4 8 年東京都条例第 6 8 号 以下 条例 という ) 1 条に定める手当に係る請求人からの申請に対して 平成 2 8 年 9 月 1 5 日付けで行った重度心身障害者手当受給資格非該当通知 ( 以下 本件処分 という ) について その取消しを求めるというものである 第 3 請求人の主張の要旨 請求人は おおむね次のように本件処分の違法性を主張する 本件処分は申請者 ( 注 : 請求人を指す ) の実情を反映してお らず 申請者は重度心身障害者に相当する 日常生活を介護に委ねざるを得ず 肢体不自由に加え 高次脳 マ機能障害 ( 精神 マ障害者 手帳 1 級 ) のもたらす症状は 失語 失行 失見当識等著しく 精神的変容等は壮絶で その窮状は惨憺たる ものである 常に他の介護を要し 常時 監視が必要な日々であ る 医師によれば 改善の見込みはなく 増幅 増悪の一途であ る 1

本件処分の取消しを求める なお 審査請求書には 参考資料 1 ~ 6 と付して 各種診断書 4 通 精神障害者保健福祉手帳 ( 1 級 転入によるもの ) 及び身体障害者手帳 ( 2 級 ( 左上肢機能障害 3 級 左下肢機能障害 4 級 体幹機能障害 5 級 ) ) の各写し並びに 打撲痕 と表題を付した普通紙印刷の画像 2 葉 ( 被写体は妻と推測される ) が添付されている ( 以下 これらを 参考資料 という ) 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 45 条 2 項に より 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 2 9 年 3 月 3 1 日 諮問 平成 2 9 年 5 月 2 4 日審議 ( 第 9 回第 3 部会 ) 平成 2 9 年 6 月 3 0 日審議 ( 第 1 0 回第 3 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め重度手当の支給要件は 条例別表一号ないし三号に定める程度の障害のいずれかに該当することが必要とされ ( 条例 2 条 別紙 1 ) 重度手当の支給を受けようとする者は 受給資格について知事の認定を受けることとされている ( 条例 4 条 ) その認定手続は 所長が 受給資格の認定要件を満たしている 2

か否かについての判定を行い その結果を知事に報告し ( 条例 5 条 規則 7 条 1 項及び 2 項 ) 知事は 申請及び所長の報告に基づいて受給資格の有無を認定することとされている ( 規則 8 条 1 項及び 2 項 ) 2 これを本件についてみると 所長は 判定のため 医師に請求人を診察させ 本件診断書を作成させたことが認められる そうすると 請求人が重度手当の支給要件を満たすものであるか否かの判断は 本件申請書及び本件判定書に反映されている本件診断書に記載された請求人の障害の程度及びその所見により 条例別表の程度の障害があるか否かを検討して行うのが相当と解される ⑴ 条例別表一号又は二号について本件申請書には 請求人の障害の状況として 高次脳機能障害により条例別表一号に該当する旨 また 条例別表二号の6 ( 体幹の機能障害により座位又は起立位を保つことが困難なもの ) 及び8( 前各号に掲げる程度以上の身体障害を有するもの ) に該当する旨の記入があることから まず 請求人の障害が条例別表一号又は二号に該当するかどうかを検討する ア条例別表及び要領の定め条例別表一号は 重度の知的障害であつて 日常生活について常時複雑な配慮を必要とする程度の著しい精神症状を有するもの と 同二号は 重度の知的障害であつて 身体の障害の程度が次の各号のいずれかに該当するもの ( 各号略 ) と定め ( 別紙 1 参照 ) いずれも重度の知的障害であることを要件とする 条例の運用に係る事務を公平適正に行うため処分庁が作成した重度心身障害者手当取扱要領 ( 昭和 4 8 年 8 月 1 日付 4 8 民障福第 4 2 5 号 以下 要領 という ) によれば 3

知的障害 とは ほぼ 1 8 歳までの発達期に起きた障害をいう とされている イ請求人の障害について本件診断書の所見欄には 平成 2 2 年の交通事故後に高次脳機能障害と診断を受けるまで知的面には健常だった方 知的障害としては非該当であり 重度手当としては 1 号 2 号いずれも該当しない と記載され 請求人に重度の知的障害はないと診断されている これらの記載から 請求人は 6 年前 5 0 歳代で交通事故により高次脳機能障害を負ったものであり 条例別表一号及び二号が要件とする 知的障害 ( 要領において ほぼ 1 8 歳までの発達期に起きた障害である とされている ) を有するとはいえない したがって 条例別表一号 二号のいずれにも該当しないものと認められる ⑵ 条例別表三号について次に 本件申請書には請求人の障害として条例別表三号に該当する旨の記載はないが 本件申請は重度手当の認定を求めてなされたものであるから 請求人が条例別表三号に該当するかどうかを 以下検討する ア条例 要領等の定め条例別表三号は 重度の肢体不自由であつて 両上肢及び両下肢の機能が失われ かつ 座つていることが困難な程度以上の身体障害を有するもの と定める 要領によれば 条例別表三号の該当者については 両上肢及び両下肢の機能が失われ かつ 座っていることが困難であり その障害があるために ほとんど寝たきりと同様の状態であって 身辺処理に関し 全面的に介護者の介助を受けているもの とされ ここでいう 両上肢及び両下肢の機 4

能が失われ とは 四肢のいずれにも 筋力 関節可動域 運動調整機能などに回復困難な重度の障害があり その障害があるために 四肢本来の機能を果たすことができず 簡単な身辺処理の用にさえ供することができない状態である と 座っていることが困難 とは 体幹の筋力 平行機能などに回復困難な重度の障害があり 物や人の介助がなければ座位を保っていることができない者をいう と 回復困難な重度の障害 とは 四肢及び体幹の障害が永続し将来にわたって機能が回復することが困難な場合をいう とされている ( 要領第 2 3 ⑸ ) なお 東京都重度心身障害者手当における障害要件について ( 通知 ) ( 平成 1 1 年 3 月 1 8 日付 1 0 福障在第 1 2 3 8 号 ) は 障害要件を具体的にしたものであり 条例別表三号の両上肢及び両下肢の機能に関して要領が定める 簡単な身辺処理の用に供する ことについて 以下のとおり記述する 簡単な身辺処理の用に供する 状態とは次のような状態をいう ただし 身体の障害ではなく 意識や精神の障害等により身辺処理ができない場合とは異なる ( ア ) スプーンなどを保持して食事動作ができる ( イ ) 寝返り 起き上がりができる ( ウ ) 上肢を使って移動できる ( エ ) 介助すれば立位 歩行ができる また 同通知は 座っていることが困難 な場合に関する 重度の障害 について 重度の障害 とは ( ア ) 背もたれやシートベルトあるいは人的介助などがなければ 体幹を直立位に保持できないもの かつ ( イ ) 座位はイス座 正座 横座り 長座及びあぐらなどいかなる方法でも座 5

位を保持できないもの の状態であるものをいう とする イ請求人の障害について本件診断書の所見欄には 現在は両上肢挙上 保持可 手指の模倣 ( グーチョキパー ) 指折りはゆっくりとだが左右差なく可 食事動作もこぼすがスプーン フォークで可 実用手 体幹機能としても 1 0 分程度の座位保持は可能 端座位も安定して可 下肢機能としては 右手で杖を使わないと椅子から立ち上がることはできないが 立ち上がれば杖を使って独歩可能 著しい四肢体幹の機能障害を有するとは認められない と記載され 請求人は 両上肢機能が失われているとは認められない 両下肢機能が失われているとは認められない 座位困難とは認められない と診断されている これらの記載から 請求人は こぼしはしてもスプーン フォークで食事動作をすることができ また 杖を使用してではあるが椅子から立ち上がって独歩することも可能であることから 簡単な身辺処理の用にさえ供することができない状態 であるとはいえず 両上肢及び両下肢の機能が失われている状態ではない また 体幹機能についても 1 0 分程度の座位保持が可能で 端座位も安定してできると本件診断書に記載されていることから 物や人の介助がなければ座位を保っていることができない者 であるとはいえない ウ以上から 本件診断書の記載内容を要領等によって判断すると 請求人の障害の状態は 条例別表三号の 重度の肢体不自由であって 両上肢及び両下肢の機能が失われ かつ 座っていることが困難な程度以上の身体障害を有するもの には該当しない 3 請求人の主張について 6

請求人は 上記第 3 のとおり 本件処分は請求人の実情を反映していないとして 本件処分の取消しを求めている しかし 重度手当の受給資格に係る判定は 本件判定書に反映されている本件診断書の記載内容に基づいてなされるべきものと解されるところ 本件診断書によれば 請求人の症状は 要領に照らし 条例別表一号又は二号の要件である知的障害に当たらず 三号が定める身体障害の程度にも至っていないことから 条例別表に該当すると判定すべき要素を欠いていると認定するのが相当であることは 上記 2 に記載するとおりであるから 請求人の主張は理由がない なお 審査請求書に添付された参考資料について言及すると 自動車損害賠償責任共済後遺障害診断書等の各種診断書 4 通については 平成 26 年 4 月から平成 2 8 年 3 月までの間にいずれも重度手当とは異なる目的のために作成されたものであり 平成 2 8 年 7 月 2 6 日付けで作成された本件診断書に基づいてなされた本件の判定に影響するものとは認められない また 精神障害者保健福祉手帳及び身体障害者手帳も 重度手当とは判定基準を異にする制度であり 本件の判定に影響するものとはいえない ところで 痣の画像のプリントアウトは請求人の精神症状を示すために審査請求書の参考資料として添付されたものと推測するが 上記 (2⑴) のとおり 請求人は知的障害を有せず 条例別表一号には該当しないとする本件の判定に影響するものではない よって 参考資料は いずれも本件処分の妥当性に影響を与えるものとは認められない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や 7

法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適 正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 外山秀行 渡井理佳子 羽根一成 別紙 1 ( 略 ) 別紙 2 ( 略 ) 8