保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

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査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規程等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の保険料徴収がある 営業所 机 パソコン 文具等は本件会社の提供に係るものであり 経費は立替精算であ

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

11総法不審第120号

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

である なお 国の通達でも 生命保険外交員は 代理業でない限り個人事業税の課税は不可とされている 仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規定等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の

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第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 次のとおり 本件処分は 違法又は不当である旨を主張している (1) 審査請求人が 複数の取引先から依頼を受けて行っている翻訳の業務は 法第 72 条の2 第 3 項の規定により個人事業税が課されるべきいずれの事業としても法に定められて

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Microsoft Word - zeisyou9記載の手引.doc

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

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9 試験研究費の額に係る法人税額の特別控除額 2 10 還付法人税額等の控除額 3 11 退職年金等積立金に係る法人税額 4 12 課税標準となる法人税額又は個別帰属法人税額及びその法人税割額 の5の欄 ) リース特別控除取戻税額( 別表 1(2) の5の欄又は別表 1(3)

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

11総法不審第120号

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

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(1) 理由付記等

11 市町村民税の申告書 空欄は 次のように記載します (1) 法人税の中間申告書に係る申告の場合は 中問 (2) 法人税の確定申告書 ( 退職年金等積立金に係るものを除きます ) 又は連結確定申告書に係る申告の場合は 確定 (3) (1) 又は (2) に係る修正申告の場合は 修正中間 又は 修正

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

第20号様式記載要領

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

第 20 号様式の記載について 1 この申告書の用途等 (1) この申告書は 仮決算に基づく中間申告 ( 連結法人以外の法人が行う中間申告に限ります ) 確定した決算に基づく確定申告及びこれらに係る修正申告をする場合に使用します (2) この申告書は 堺市長に 1 通 ( 提出用及び入力用 ) を提

11総法不審第120号

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

準用する政令第 6 条の 25 第 1 号に定める金額 11 市町村民税の 申告書 空欄は 次のように記載します (1) 法人税の中間申告書に係る申告の場合は 中間 (2) 法人税の確定申告書 ( 退職年金等積立金に係るものを除きます ) 又は連結確定申告書に係る申告の場合は 確定 (3) (1)

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11総法不審第120号

平成  年(オ)第  号

弘前市町会等事務費交付金交付要綱

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

Q3. 資本金 500 万円で豊中市内の従業員が 60 人の法人です 均等割の金額を教えてください 豊中市の税率 ( 市町村によって違います ) 資本金等の額 * 従業者数 ( 豊中市内 ) 税額 ( 年額 ) * 50 億円超 10 億超 ~50 億円以下 1 億超 ~10 億円以下 1 千万超

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

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11総法不審第120号

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

3 減免の期間及び割合 下表の左欄の期間に終了する事業年度又は課税期間に応じて右欄の減免割合を適用します H27.6.1~H 減免割合 5/6 納付割合 1/6 H28.6.1~H 減免割合 4/6 納付割合 2/6 H29.6.1~H 減免割合 3/6 納

11総法不審第120号

をしていないもの と読み替えた場合に同号イに該当する所得割の納税義務者又は同項第 12 号中 妻と死別し 若しくは妻と離婚した後婚姻をしていない者又は妻の生死の明らかでない者で政令で定めるもの とあるのを 婚姻によらないで父となった男子であって 現に婚姻をしていないもの と読み替えた場合に同号に該当

平成 30 年度改正版 平成 30 年 6 月 1 日から平成 31(2019) 年 5 月 31 日までの間に終了する事業年度に ついては 減免割合が 2/6 に変更となりましたので 30 年度改正版をご使用くださ 1 減免の対象 ( 変更はありません ) 詳細は次ページをご覧ください 1 資本金

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Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

静岡市スポーツ競技大会出場補助金交付要綱(案)

議案用 12P

する軽自動車をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該 3 輪以上の軽自動車の取得者に環境性能割によって 軽自動車等 ( 法第 442 条第 3 号に規定する軽自動車等をいう 以下軽自動車税について同じ ) に対し 当該軽自動車等の所有者に種別割によって課する 2 前項に規定するもののほか

(4) 今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに 法令解釈通達を発遣し 上記のとおり 保険年金 に係る所得税の取扱いを変更いたします 取扱い変更後 所得税の還付の手続きが可能となります なお 納税者の方々には 次の点にご注意いただく必要があります 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

H27記載の手引(溶込版)

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

第 20 号様式記載の手引 この申告書の用途等 () この申告書は 仮決算に基づく中間申告 ( 連結法以外の法が行う中間申告に限ります ) 確定した決算に基づく確定申告及びこれらに係る修正申告をする場合に使用します (2) この申告書は 事務所又は事業所 ( 以下 事務所等 といいます ) 所在地の

Microsoft Word - zeisyou6記載の手引.doc

法人市民税に関するQ&A

1 審査請求人の主張 審査請求人は おおむね次のとおり主張し 本件処分が違法不当であ るとして 本件処分の取消しを求めている ⑴ 審査請求人が平成 28 年〇〇月に申し立てた婚姻費用の調停で 参加人から仕送りすべき額は毎月〇〇万円と決まったが 同月 銀行の通帳及びキャッシュカードの使用停止手続がなさ

(100分の9.7)

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

第20号様式記載の手引

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した地方税法 ( 以下 法 という ) に基づき法人に対して課する都民税 ( 以下 法人都民税 という ) 各決定処分に係る各審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件各審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件各審査請求の趣旨は 都税事務所長 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対し 平成 30 年 1 月 26 日付けで行った 平成 27 年 3 月 1 日から平成 28 年 2 月 29 日までの事業年度 ( 以下 平成 27 事業年度 という ) に係る法人都民税 ( 均等割額 ) の決定処分及び平成 2 8 年 3 月 1 日から平成 29 年 2 月 28 日までの事業年度 ( 以下 平成 28 事業年度 といい 平成 2 7 事業年度と併せて 本件各事業年度 という ) に係る法人都民税 ( 均等割額 ) の決定処分 ( 以下 本件各処分 という ) について それぞれその取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨請求人は 本件各事業年度において事業は行っていない そのような企業に対して課税するのは違法 不当である なお 本件各事業年度の請求人の収入ないし経費は 請求人代表取締役の個人的な事情等に基づいて発生したものである また 請求人は 現在 生命保険代理店及び損害保険代理店を営業していないから 生命保険代理店手数料及び損害 - 1 -

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30 年 8 月 10 日 諮問 平成 30 年 9 月 18 日審議 ( 第 25 回第 4 部会 ) 平成 30 年 10 月 15 日審議 ( 第 26 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法人都民税とその納税義務者ア東京都は 特別区の存する区域内において 法 1 条 2 項の規定にかかわらず 道府県民税 ( 法 4 条 2 項 1 号 ) 及び市町村民税 ( 法 5 条 2 項 1 号 ) のうち 法人に対して課するものを都民税として課するとしている ( 法 734 条 2 項 2 号 ) また 法 734 条 3 項は 同条 2 項 2 号の場合において 法人都民税については 道府県民税に相当する税と市町村民税に相当する税とを合わせて一の税とみなして 法第三章第一節 ( 市町村民税に関する規定 ただし 個人の市町村民税に関する部分の規定を除く ) の規定を準用するとしている - 2 -

イ特別区の存する区域において 法人都民税は 特別区内に事務所又は事業所 ( 以下 事務所等 という ) を有する法人 ( 以下 対象法人 という ) に対して 均等割額及び法人税割額の合算額によって課するとされている ( 法 294 条 1 項 3 号及び東京都都税条例 ( 昭和 2 5 年東京都条例第 5 6 号 以下 条例 という )1 0 4 条 1 項 1 号 ) なお 事務所等とは それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず 事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって そこで継続して事業が行われる場所をいう この場合において 事務所等において行われる事業は 当該法人の本来の事業に直接 間接に関連して行われる附随的事業であっても 社会通念上そこで事業が行われていると考えられるものについては 事務所等として取り扱って差し支えないとされている ( 地方税法の施行に関する取扱いについて ( 市町村税関係 ) ( 平成 22 年 4 月 1 日付け総税市第 16 号総務大臣通知 以下 取扱通知 という ) 第 1 章 第 1 節 6) ⑵ 法人都民税の申告対象法人は 都知事に対し 法人税の申告書の提出義務がある場合には その期限までに法人都民税の均等割額及び法人税割額を申告書により申告納付しなければならないとされている ( 法 321 条の8 第 1 項及び条例 1 1 3 条 ) なお 対象法人は 事務所等を廃止した場合には 当該事実の発生した日から 1 0 日以内にその旨を都知事に申告する義務があるとされている ( 条例 114 条の2 第 2 項 ) また 会社は 本店の所在場所を変更した場合には 変更又は移転の登記をしなければならないとされている ( 会社法 915 条及び91 6 条 ) - 3 -

⑶ 法人都民税の決定都知事は 対象法人から法人都民税の申告書が提出されなかった場合においては その調査によって 対象法人が申告すべき法人税割額及び均等割額を決定するものとされている ( 法 3 2 1 条の 1 1 第 2 項 ) ⑷ 法人都民税 ( 均等割額 ) の算定方法対象法人の各事業年度における法人都民税 ( 均等割額 ) については 資本金等の額及び特別区ごとに置かれる事務所等の従業者数に応じて額が定められており ( 法 312 条 1 項及び条例 1 0 6 条 ) 条例 1 0 6 条に定める額に法人税額の課税標準の算定期間中において事務所等を有していた月数を乗じて得た額を 1 2 で除して算定した額を法人都民税均等割額とする ( 法 312 条 4 項 ) なお 法人税額の課税標準の算定期間とは 法人税の課税標準である所得の算定期間である事業年度をいい 事業年度とは 原則 法人の会計期間をいうとされている ( 法 321 条の8 第 1 項 法人税法 7 4 条 1 項及び13 条 ) 2 本件各処分について ⑴ 法人都民税 ( 均等割額 ) 納付義務の有無について請求人の本店所在地は 本件各事業年度において 東京都 区内に所在することが認められる このことは 請求人が 税務署長に提出した本件各事業年度における法人税の確定申告書に記載されている納税地 ( 法人税法 1 6 条により その本店又は主たる事務所の所在地である ) が 東京都 区 丁目 番 号 であることとも一致する また 本件各事業年度に係る損益計算書等によれば 請求人は 本件各事業年度において 収入として 売上高ないし雑収入等の営業外収益を計上する一方 販売費及び一般管理費として 車両諸掛 減価 - 4 -

償却費 地代家賃 通信交通費 水道光熱費 接待交際費 保険料等の経費を計上している これらの経費は請求人が自ら運営する事業に係る収入を得る目的で支出されるものであることから 請求人が 本件各事業年度において当該各費目の支出を現に行い 当該各支出を請求人が自ら運営する事業の各経費として計上して 本件各事業年度に係る法人税の確定申告をしたというのであれば 請求人は本件各事業年度において継続して事業を行っていたものと認めるほかはない 以上により 請求人は 東京都 区 丁目 番 号において 継続的に事業を行っていたものといえることから 本件各事業年度において法人都民税 ( 均等割額 ) の課税要件である東京都特別区内に事務所等を有する法人として 法人都民税 ( 均等割額 ) の納付義務があるといえる ⑵ 法人都民税 ( 均等割額 ) の算出について本件各事業年度における請求人の資本金の額は 1,0 0 0 万円 従業員数が50 人以下であることが認められるから 条例 106 条 1 項 1 号ホの規定より 請求人の均等割の税率はそれぞれ年額 70,00 0 円であるといえる そして 当該額に平成 2 7 事業年度及び平成 2 8 事業年度それぞれの年度における事務所等を保有していた月数 1 2 を乗じて得た額を 12で除して得た金額 (70,000 円 12/12=70,000 円 ) が 請求人の納付すべき本件各事業年度における法人都民税均等割額となる そして 本件各処分における各税額 7 0,0 0 0 円は これに一致しており そうすると 各税額の決定に当たり違算等の事実は認められないことは明らかである ⑶ 結論以上のとおり 本件各処分は 請求人に対して 本件各事業年度に - 5 -

おいて 法令等の定めに基づき 法人都民税を課し かつ 税額を算定したものであり 違法又は不当な点を認めることはできないものである 3 請求人は 上記 ( 第 3 ) のとおり 要するに本件各事業年度において事業を行っていないから 本件各処分は違法 不当であると主張する しかし 請求人が 本件各事業年度において 継続的に事業活動を行っていたと認められることは 上記 2 ⑴に示したとおりである 請求人は 本件各事業年度に係る法人税の各確定申告書に計上されている収入及び経費は 請求人代表取締役の個人的な事情に基づいて発生したものであり 請求人の収入及び経費として計上されていることをもって請求人が事業を行っているということはできないと主張する 確かに 請求人代表取締役が法人である請求人の業務執行の一環として行う活動に係る経理は あくまで一個人として行う活動に係る経理と 厳に峻別されなければならないものであるといえるが 請求人の収入及び経費として計上され 税務署長に対して申告された収支は あくまで法人である請求人の収入及び経費として認めるほかない したがって 請求人の主張を採用することはできない また 請求人は 現在 生命保険代理店及び損害保険代理店を営業していないから 生命保険代理店手数料及び損害保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとはいえない旨主張する しかし 上記手数料及び情報提供料の収入は 請求人の本件各事業年度における事業活動に基づく収入であると認めるほかはなく 請求人の主張には理由がない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件各処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令 解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行わ - 6 -

れているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 松井多美雄 宗宮英俊 大橋真由美 - 7 -