懸念事項

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れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

PowerPoint プレゼンテーション

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

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(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

プレゼンテーションタイトル

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

平成23年度第1回人材確保・育成部会

ろんだん.indd

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

2 低入札対策の拡充

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Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

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1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

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スライド 1

(2) 法定福利費の算出方法 1 法定福利費 = 労務費総額 社会保険料率法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料を乗じて

p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

Microsoft Word - QandA-tyougai

標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出

資料6 標準見積書の活用グラフ道塗連全体

事務連絡 平成 30 年 11 月 9 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 公共工事の円滑な施工確保について 公共工事の適正な入札及び契約を通じて建設業の健全な発達を図るとともに 平成 30 年 7 月豪雨や平成 30 年北海道胆振東部地震等の大規模災害からの復旧 復興の加速

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

建設業における社会保険未加入問題への行政の取り組み

様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

社会保険加入促進計画 平成 24 年 4 月 19 日 社団法人日本建設業連合会 1. 基本的な方針社会保険等の加入促進の実効性を確保するためには 行政 元請企業 下請企業等が一体となって推進していくことが必要である 日建連は 元請企業としての責務を果たすべく 団体が取り組むべき対策 正会員 ( 以

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財営第   号

Microsoft Word - 修正2_建設業における社会保険未加入対策について

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン改訂案 現行第 1 趣旨建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険 という ) について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保障が確保さ

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貴社についてご記入下さい 貴社の概要について 会社名会社の形態 ( は一つ ) 1 法 2 個 本社所在地 [ ] 都道府県 建設業許可 ( は一つ ) 複数の許可をお持ちの場合 年間完成工事高が一番多いものを一つ回答して下さい 主な許可業種 ( はいくつでも ) 従業者数 ( は一つ ) 期間の定

これまで建設業界では 厳しい状況の中で企業経営を成り立たせるため 従来からの直庸など雇用関係が不明確な労働慣行 重層化した下請構造の中で 技能労働者の非社員化 非常勤化 月給制から日給月給制への転換などを進めてきました その結果 本来固定費であるはずの労務費が変動費化し 賃金が低下するとともに 法令

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他方で 下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改善していくためには 元請企業において下請企業の保険加入を指導する役割を担うことが求められる これについては 従来から 建設産業における生産システム合理化指針 ( 平成 3 年 2 月 5 日建設省経構発第 2 号 ) において 元請企業が下

動の徹底に関する決議 を行い 会員企業に適正価格での受注の徹底を要請したとこ ろである 今後の取り組み事項その 1 日建連は主な民間発注者団体に対し 法定福利費を適正に考慮した金額により見積及び契約締結を行うよう要請を行う予定であり 要請次第 会員企業に当該要請を踏まえた対応の周知を行う (2) 見

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

役務契約における労働社会保険諸法令遵守状況確認実施方針

下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

建築積算士更新講習

工事の定義 1. 工事 建設業法等に定義なし 建設業法における用例 : この法律において 建設工事 とは 土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう ( 建設業法第 2 条第 1 項 ) 出典 意味 広辞苑 明鏡国語辞典 デジタル大辞泉 振動規制法 ( 昭和 51 年法律第 64 号 )

特別の事情 が認められる場合( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しない

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1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

建設業における社会保険未加入対策 ( 今までの主な取組 ) 中央建設業審議会 建設産業における社会保険加入の徹底について ( 提言 ) ( 平成 24 年 3 月 ) 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進めることで 技能労働者の処遇の向上 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保 法定福利費

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2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

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元請企業から下請企業への指導 25. 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン とは P10 平成 27 年 4 月 1 日から適用する 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の具体的な改訂内 26. 容は P 元請企業に求められる保険未加入者の排除措置はどのようなものか P11

懸念事項

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状況を目指すべきである とされており 本ガイドラインは この目標を達成するため 建設業における社会保険の加入について 元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割 と責任を明確にしたものであり 建設企業の取組の指針となるべきものである 第 2 元請企業の役割と責任 (1) 総論元請企業は 請け負った工

建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

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Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

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技術者等及び現場代理人の適正配置について

平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできな

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

PowerPoint プレゼンテーション

Q&A で読み解く 担い手 3 法 改正ポイント 5 月 29 日の衆院本会議で改正公共工事品質確保促進法 ( 公共工事品確法 ) 改正公共工事入札契約適正化法 ( 入契法 ) 改正建設業法の3 法が全会一致で可決 成立した 一連の法改正は インフラの品質確保とその担い手の確保を実現することを大きな

社会保険等の未加入対策 ( 建設業 ) に関する FAQ 平成 31 年度以後 Q1 発注者として 社会保険等の未加入対策に取り組んでいるのはなぜか A1 社会保険等に加入し 法定福利費を適正に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすること等を通じて 技能労働者の処遇の向上を図り 建設業の持続的な発

特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

2011年9月30日

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

建設業における社会保険未加入対策の概要 参考 1 背景 ( 建設業における課題 ) 社会保険未加入企業が多く存在し いざというときの公的保障が確保されず 若年入職者減少の一因となっている 適正に保険に加入し 法定福利費を負担している事業者が競争上不利になる 中央建設業審議会提言 ( 平成 24 年

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Q4 建設業の許可を有しない下請負人 ( 下請業者 ) も対象になるのか A4 本対策は 建設業許可を有する者のうち 社会保険等の加入義務を履行していない者を取組みの対象としています 建設業の許可を有しない者との一次下請契約の締結を禁止していません ( 交通誘導員等の警備業のみを行う者も対象外 )

9. システムの利用規約 Q&A Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 44

円高の是正と経済対策の実施について(要望)

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なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

管理技術者の手持ち業務量の制限等の試行について【改正全文】

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1

2. その他 (1) 現場事務所や工事現場の出入口等の 建退共対象労働者の見やすい場所に 建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識 を貼り付けてください (2) 元請業者においては 下請業者に建退共制度への加入指導に努めるとともに 下請業者の建退共制度の事務処理能力が十分でない場合には 下請業者に

公共工事における予定価格設定時の 歩切り に関する調査の結果について 平成 27 年 4 月 28 日総務省国土交通省 昨年 6 月の公共工事の品質確保の促進に関する法律 ( 平成 17 年法律第 18 号 以下 公共工事品質確保法 という ) の改正により 予定価格の適正な設定が発注者の責務として

該当するか否かについて判断し その結果を式第 3により記録しなければならない 3 社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結することについて 提出期限内に理由書の提出がなかった場合は 工事担当課長は 式第 4により以下の額について制裁金を請求する旨を受注者に通知するものとする P=C 0.1 P: 制

Transcription:

資料 7 法定福利費の確保 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

法定福利費の確保 (1 概要 ) 概 要 発注者への周知徹底 元請業者への指導 保険加入を促進するとともに 事業主負担分の労働者への賃金へのしわ寄せを防ぐため 法定福利費を確保し 下請業者に流れるようにするための取組を行う 民間発注者への要請 周知 元請業者への指導 公共発注者におけるダンピング対策 重層下請構造の是正 民間発注者 ( デベロッパー ハウスメーカーなど ) 団体に対し 法定福利費は 本来 発注者が負担する工事価格に含まれる経費であることを周知徹底する ( 発注者 受注者間における法令遵守ガイドライン ( 平成 2 3 年 8 月 )) 元請業者 団体に対し 個別の請負契約の当事者間において見積時から適正に考慮するよう徹底していくなど 法定福利費が下請業者まで適正に流れていくよう周知徹底する ( 建設業者団体当て通知 下請契約及び下請代金支払いの適正化並びに施工管理の徹底等について ( いわゆる 盆暮通達 等 )) 公共発注者である地方公共団体に対し 国と同等以上の水準でダンピング対策を実施するよう要請する 1

法定福利費の確保 (2 検討課題 ) 主な検討事項 法定福利費を確保するため 請負業者の見積時に工事費の内訳を明示することが可能か 民間工事の発注者 元請間や 元請 下請間 下請 再下請間では トン単価 m2単価による見積が一般的となっている中で 法定福利費のみを直ちに明示することは困難 見積の方式を変更し 新たに法定福利費見込額を他の工事費等から別途切り分ける方式を業界全体に定着させることが可能か 関係団体の取組 ( 日建連 全建 建専連等の関係団体が一体となった取組 ) 請負業者に対する指導 ( 見積を出す際には 法定福利費を工事費の内訳として明示することについて指導 ) 契約上の法定福利費の別枠明示 精算の仕組みを構築し 実施することは 現段階において現実的に可能か [ 公共工事 ] 請負契約は 仕事の結果に対して報酬を支払うことを約するものであり 工事目的物を完成させるために必要な使用人数 報酬額は 請負業者の責任で決められる 契約上 総価とは別に法定福利費を計上することにより 必要以上に請負業者を拘束することはできない 予算決算及び会計令により 予定価格は 競争入札に付する事項の価格の総額について定めることとされている ( 予算決算及び会計令第 80 条 : 予定価格は 競争入札に付する事項の価格の総額について定めなければならない ただし 一定期間継続してする製造 修理 加工 売買 供給 使用等の契約の場合においては 単価についてその予定価格を定めることができる ) [ 民間工事 元請 下請間 下請 元請間 ] 請負契約は 仕事の結果に対して報酬を支払うことを約するものであり 工事目的物を完成させるために必要な使用人数 報酬額は 請負業者の責任で決められる 契約上 総価とは別に法定福利費を計上することにより 必要以上に請負業者を拘束するのではないか ( 作業人数 報酬額の積み上げで対応する場合 ) 法定福利費は 消費税のように5% と一律に定められているものではなく 労働者の人数 報酬額により異なることから 請負業者では 下請業者の分を含めた経費をあらかじめ正確に見積もることが困難 注文者 ( 発注者 元請業者 下請業者 ) は 実績に応じた精算を行うため 請負業者から労務費の実績 ( 使用人数 日数 支払報酬額 ) を報告させ 実際に現場に就労した人数 労働者の報酬額を確認することが必要となるが 就労履歴管理システムや国民 IDがない中で 1 全ての請負業者から支払った労務費の実績を正確に報告させること 2 報告の内容が正しいかどうか確認することが困難 ( 工事費に法定福利費割合をかけて対応する場合 ) 労働者の人数 報酬額に応じた正確な法定福利費の見積 精算が行われない 2

過去に提言された法定福利費別枠措置の概要 法定福利費別枠措置については 昭和 63 年に ( 社 ) 建築業協会が提言したが 当時の情勢から日の目を見なかった ( 90 年代の建設労働研究 ( 三 )- 業界大手の推進しようとした 法定福利費別枠支給措置 の検証 ( 平成 11 年佐崎昭二建設労務安全研究会顧問 ) より 1 当時の提言の概要 (1) 提言主体 :( 社 ) 建築業協会資材 労務委員会 (2) 提言の背景 : 他産業の労働者と比較した場合 労働対価が低く 労働福祉が貧困 若年労働者の確保が困難な状況 老齢化 従来の直用労働者を再下請に分離する傾向 (3) 提言の概要 1) 目的 : 労働者の社会保険加入の基盤を整える 不公正競争を是正し 適法処理業者を保護 育成する 2) 対象業種 : 型枠大工 鳶 土工 鉄筋 左官 それ以外の業種は 元請の判断で追加可能 3) 基本スキーム : 下請業者は 所定の時期に 法定福利費支給実績を元請業者に報告 各元請業者は それぞれのシェア ( 例えば下請の完成工事高に占める当該元請業者に係る分のシェア ) の割合で 法定福利費を別枠で後払いする ( 右図参照 ) 実施手順 2 実施されなかった理由 ( 業界大手の推進しようとした 法定福利費別枠支給措置 の検証 より ) 元請業者も急な提案には対応できない状況にあった 低水準な社会保険加入の上にあらゆる建設労働問題が組み立てられていた 建設省もすぐ積算の改訂をする体制になっていなかった 建築協の提言を受けて土工協が行った調査の結果 事務量 手続等の煩雑さなど合意形成にはなお多くの検討が必要とされた 3

社会保険未加入対策に関するヒアリング結果 ( 法定福利費関係 ) 項目総合建設業者 (5 企業 ) 専門工事業団体 (15 団体 ) 法定福利費の流れ 法定福利費の別枠支給は困難 法定福利費の別枠支給は 事務手続きが煩雑 膨大 ( 企業 A,B) 個人精算は不可能 ( 企業 C) 最終的には総価競争になるので意味がない ( 企業 C) 施主に対し 細かい内訳を出すと 安いところい合わせられる ( 企業 D) ( その他 ) 法定福利費は競争しないとすることが必要 ( 企業 E) 発注者に対する国からの指導が必要 ( 企業 E) 法定福利費の別枠支給が必要 法定福利費の別枠計上が必要 ( 団体 A) 労務費とは別に保険料をもらえるのであれば 保険加入が進む ( 団体 C) 見積書 注文書に管理費用を明確に示すべき ( 団体 G) 取り決め金額に乗じる 適切な社会保険料負担率を定めるべき ( 団体 I) 法定福利費の別枠支給は困難 あるべき論としては別途支給が必要だが 実際は難しい ( 団体 B) ( その他 ) 発注者に対して費用を出すよう 国からの指導が必要 ( 団体 A) 保険料に関し ゼネコン 発注者に理解を求められるようにしてほしい ( 団体 G) 下請へ適正な経費が支払える単価での発注を指導してほしい ( 団体 J) 特に民間工事について ダンピング対策を実施してほしい ( 団体 K) 4

発注者 受注者間における建設業法令遵守ガイドライン ( 平成 23 年 8 月 ) 8. 関係法令 8-2 社会保険 労働保険 ( 法定福利費 ) について 社会保険や労働保険は労働者が安心して働くために必要な制度であり 強制加入の方式がとられている 具体的には 健康保険と厚生年金保険については 法人の場合にはすべての事業所について 個人経営の場合でも常時 5 人以上の従業員を使用する限り 必ず加入手続を行わなければならず また 雇用保険については 建設事業主の場合 個人経営か法人かにかかわらず 労働者を1 人でも雇用する限り 必ず加入手続をとらなければならない このため 受注者には これらの保険料に係る費用負担が不可避となっている これらの保険料にかかる受注者の費用は 労災保険料とともに受注者が義務的に負担しなければならない法定福利費であり 建設業法第 19 条の3に規定する 通常必要と認められる原価 に含まれるべきものである このため 発注者及び受注者は見積時から法定福利費を必要経費として適正に考慮すべきであり 法定福利費相当額を含まない金額で建設工事の請負契約を締結した場合には 発注者がこれらの保険への加入義務を定めた法令の違反を誘発するおそれがあるとともに 発注者が建設業法第 19 条の3に違反するおそれがある 5

下請契約及び下請代金支払の適正化並びに施工管理の徹底等について ( 平成 23 年 12 月 ) 5. 下請負人への配慮等について 中小企業をめぐる昨今の厳しい経営環境や 工事現場における適切な施工管理の必要性にかんがみ 元請負人は下請契約の締結に際し 法定福利費 その他建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額等の必要な諸経費を適切に考慮するとともに 下請負人の資金繰りや雇用確保に十分配慮すること また 元請負人は 下請負人の倒産 資金繰りの悪化等により 下請契約における関係者に対し 建設工事の施工に係る請負代金 賃金の不払等 不測の損害を与えることのないよう十分配慮すること 特に 元請建設企業は 公共工事等については 平成 20 年 11 月より実施されている 地域建設業経営強化融資制度 による資金調達も可能となっており その活用による下請負人への支払の適正化に配慮すること なお 発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は 建設業法第 24 条の6において 下請負人が建設業法その他関係法令に違反しないよう指導に努めるものとされていることを踏まえ 下請負人が建設業法第 19 条 第 24 条の3, 第 24 条の5 等の規定に違反しないよう指導に努めること また 第 41 条第 2 項及び第 3 項の適用があることも踏まえ 下請契約の関係者保護に特に配慮すること 6

ダンピング対策について 低入札価格調査制度の活用 契約内容に適合した履行がされないこととなるおそれがあると認められる価格で入札があったときは 調査を行った上で 契約相手とするかどうかを判断 ( 予算決算及び会計令第 85 条 ) この調査の基準となる価格について 工事の品質確保の観点から 平成 20 年 4 月 平成 21 年 4 月 平成 23 年 4 月の 3 度にわたり引上げ ( 予定価格の 70%~90% の範囲内で設定 ) 予定価格等の事前公表の取りやめの要請 予定価格等を事前公表すると 建設企業の見積努力を損なわせる くじ引きによる落札件数が増加する 偶然による受注が増加することにより 経営面 技術面で努力するインセンティブが低下 地方公共団体に対し 事前公表を取りやめるよう要請 地方公共団体への要請 地方公共団体に対し 国と同等以上の水準となるよう要請 都道府県の 35 団体 (74.5%) 指定都市の 10 団体 (52.6%) が平成 23 年の計算式と同水準以上に見直し済み ( 平成 23 年 9 月 1 日現在 ) 都道府県における予定価格の事後公表への移行状況 ( 平成 23 年 9 月 1 日現在 ) H20.9.1 H22.9.1 H23.9.1 事後公表のみ 8 団体 11 団体 (+3) 12 団体 (+1) 事前と事後の併用 7 団体 16 団体 (+9) 17 団体 (+1) ( 試行を含む ) 事前公表のみ 32 団体 20 団体 ( 12) 18 団体 ( 2) 7