基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

Similar documents
異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

Microsoft Word - 20年度(行情)答申第585号.doc

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

< F2D95F193B98E9197BF D86A D D96B1>

り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 30 年 9 月 26 日 ( 平成 30 年 ( 行情 ) 諮問第 424 号 ) 答申日 : 平成 31 年 3 月 29 日 ( 平成 30 年度 ( 行情 ) 答申第 554 号 ) 事件名 : 不動産鑑定士に対する懲戒処分について に係る決裁文書の

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

11総法不審第120号

ださい との付記があったことから, 処分庁が行政文書の特定を容易にできるよう, 審査請求人において法人設立時に提出されたものと思われる行政文書の名称を列記して記載したところである 本件請求を受けて, 処分庁は, 補正を要する事項があるとして, 平成 27 年 11 月 17 日付け特定記号第 136

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第183号.doc

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

これを公にした場合には 政府の情勢認識 関心事項 情報収集能力等が明らかとなり 又は推察されると認められる したがって 当該不開示部分を公にすることにより 我が国の安全が害されるおそれ 又は公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき 相当の理由があるとして法 5

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

大情審答申第 号

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

Microsoft Word - 答申第141号.doc

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

答申第693号

(案)

025 of 訪問介護員のための魅力ある就労環境づくり

ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

第1 審査会の結論

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

sannomaruriyou

11総法不審第120号

Taro-答申第64号

Taro-"㕕å−´å…“å�ºæºŒæ³Łã••æœ•çµ‡.jtd

個人情報保護規程

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

貨物自動車運送事業のモデル三六協定およびその届 様式第 9 号 ( 第 17 条関係 ) 時間外労働休日労働に関する協定届 事業の種類 事業の名称 事業の所在地 ( 電話番号 ) 貨物自動車運送事業 新宿運輸株式会社 新宿区西新宿 ( ) 延長することができる時間

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

中央教育審議会(第119回)配付資料

 

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

を原因としたものであるのか, あるいは処分庁の事務又は事業の在り方自体に内在する問題を原因としたものであるのかを精査した上で4 号該当の適否を判断するべきである 後者を原因とした不都合であるとすれば, 開示情報により処分庁の諸活動を国民に説明する責務が全うされるように, 処分庁の事務又は事業の在り方

う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

書のみが公開されており, 設計書は事前にも事後にも公開されていない 設計書が公開されていないことにより, 測量業務における加減率 ( 耕地, 村落地, 準市街地, 市街地, 過密市街地等のどれに該当するかによる人員や作業時間 ) が不明であり, また, 測量の変化率の諸条件係数 ( 傾斜区分, 視通

個人情報の保護に関する規程(案)

労働時間の適正な把握のために.indd

11総法不審第120号

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

Microsoft Word - 答申第41号.doc

答申第203号(公表用)

雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての

イ不動産鑑定評価書のうち次の部分 ( ア ) 鑑定評価額並びに鑑定評価額を導くための単価 補正係数 補正事項 想定係数及び想定事項 ( イ ) 取引事例に関する情報 ( 市町村名を除く ) (3) 開示しない理由ア (2) のア当該文書の作成又は取得をしていないためイ (2) のイの ( ア ) 条

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

11総法不審第120号

11総法不審第120号

学校法人金沢工業大学個人情報の保護に関する規則

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

改正労働基準法

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

個人情報保護規程例 本文

H30管理の手引きcs5.indd

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

処分済み

Transcription:

諮問庁 : 厚生労働大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 78 号 ) 答申日 : 平成 28 年 10 月 18 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 421 号 ) 事件名 : 特定期間に提出された特定事業場の就業規則等の一部開示決定に関する件 答申書 第 1 審査会の結論 特定労働基準監督署へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書 ( 以下, 併せて 本件対象文書 という ) につき, その一部を不開示とした各決定は, 妥当である 第 2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 以下 法 という )3 条の規定に基づく本件対象文書の開示請求に対し, 三重労働局長 ( 以下 処分庁 という ) が平成 27 年 10 月 28 日付け三労発開 27-12 号及び27-13 号で行った各一部開示決定 ( 以下, 併せて 原処分 という ) の取消しを求める 2 審査請求の理由 (1) 審査請求書審査請求の理由は, 審査請求書の記載によると, おおむね以下のとおりである 審査請求人の職業訓練について合理的配慮が必要とするため審査請求書の不開示とした部分とその理由について全てこれを取消し全部開示を求める 当時審査請求人と特定事業場との36 協定が適正に運用されているかどうかということを確認する必要があるので審査請求書の不開示とした部分とその理由について全てこれを取消し全部開示を求める (2) 意見書審査請求人より, 平成 28 年 3 月 8 日付けで意見書が当審査会宛て提出された ( 諮問庁の閲覧に供することは適当でない旨の意見が提出されており, その内容は記載しない ) 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件審査請求の経緯 (1) 本件審査請求人である開示請求者は, 処分庁に対して法 3 条の規定に 1

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重労働局において, 開示請求対象文書の特定のため, 審査請求人に補正を求めたところ, 審査請求人より29 日付け開示請求については 特定署へ特定期間に提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 に,30 日付け開示請求については 特定署へ特定期間に提出された特定事業場の36 協定 に補正する旨の申出があった (3) 補正された開示請求に対して, 処分庁が原処分を行ったところ, 審査請求人が, これを不服として, 同年 11 月 9 日付けで審査請求を提起したものである 2 諮問庁としての考え方本件審査請求に関し, 原処分における法の適用条項を法 5 条 6 号から同号柱書きに改めた上で, 法 5 条 1 号,2 号イ,4 号及び6 号柱書きに基づき部分開示とした原処分は妥当であり, 本件審査請求は棄却すべきものと考える 3 理由 (1) 本件対象行政文書について本件開示請求は, 特定事業場が特定期間に特定署に対して届出を行った就業規則, 就業規則 ( 変更 ) 届出書, 意見書及び時間外 休日労働に関する協定届 ( 以下 36 協定 という ) に関して行われたものであり, 特定署において探索を行ったところ, 平成 25 年 11 月 1 日付けで届け出られた就業規則 ( 変更 ) 届, 意見書及び就業規則並びに平成 25 年 1 月 11 日, 平成 25 年 12 月 27 日及び平成 26 年 1 2 月 26 日付けで届け出られた3 件の36 協定が認められたため, これらを本件対象文書として特定した ア就業規則就業規則は, 職場における労働契約を集合的に処理するものであり, 使用者と労働者との間の個々の労働条件, 職場規律等を全般にわたって画一的に規律しているものである 換言すれば, 労使当事者間の民事上の私的な契約内容そのものを表すものであり, その作成及び変更は当該事業場において決定され, その管理についても当該事業場の意思により行われている 労働基準法 ( 昭和 22 年法律第 49 号 以下 労基法 という ) 89 条においては, 就業規則の作成及び変更について, 労働基準監督署長への届出を義務付けているところであるが, その趣旨 目的は, 労働基準監督署において, 当該事業場において施行されている 2

就業規則から, 当該事業場の労働条件の実態把握を行うとともに, 労働基準監督機関による同法の適正な施行によって, 当該事業場の労働者に係る法定労働条件の確保を図ろうとすることにある 就業規則は, 同条の規定に基づき, 当該事業場の労働者に適用される定めに関する事項一切, 例えば労働時間及び休暇に関する事項 ( 始業及び終業の時刻, 休憩時間, 休日, 休暇 ), 賃金に関する事項 ( 賃金の決定, 賃金の計算及び支払の方法, 賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関すること ), 退職に関する事項, 退職手当の定めをする場合においては適用される労働者の範囲, 退職手当の決定, 計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項等を規定することとされている イ就業規則 ( 変更 ) 届出書就業規則 ( 変更 ) 届出書は, 就業規則の作成及び変更時に, 労働基準監督署へ当該就業規則を届け出る際に提出するものである 就業規則 ( 変更 ) 届出書には,1 表題,2 届出先の労働基準監督署長名,3 届出年月日,4 届出を行う旨の文,5 事業場の所在地,6 事業場の名称,7 使用者職氏名,8 法人の印影及び9 特定署の受付印が記載されている ウ意見書について意見書は, 労基法 99 条 1 項により, 就業規則の作成又は変更について, 労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合, 労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならず, 同条 2 項により, 就業規則の届出の際に添付しなければならないこととされている 意見書には,1 表題,2 意見書作成年月日,3 事業場の名称,4 使用者職氏名,5 意見を求められた旨の文,6 意見,7 労働者の過半数を代表する者の氏名及び印影並びに8 特定署の受付印が記載されている エ 36 協定労基法は,1 週 40 時間 1 日 8 時間労働制及び週休制の原則を定めているが ( 労基法 32 条及び35 条 ), 法定時間外労働又は法定休日労働について労使が36 協定を締結し, 所轄労働基準監督署長に届け出ることにより, これらを適法に行わせることができるとしている ( 労基法 36 条 1 項 ) 36 協定においては,1 時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由,2 業務の種類,3 労働者の数並びに41 日及び1 日を超える一定の期間について延長することができる時間又は労働さ 3

せることができる休日について協定しなければならないこととされている ( 労働基準法施行規則 ( 昭和 22 年厚生省令第 23 号 以下 労基則 という )16 条 1 項 ) 36 協定は, 使用者と労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間に締結され, その効力は, これを労働基準監督署長に届け出ることにより, 当事者たる労使双方に及び, 当該 36 協定の範囲において時間外労働が可能となるものである 36 協定届には, 労基則に定める様式に従い,1 事業の種類,2 事業の名称,3 事業の所在地 ( 電話番号を含む ),4a 時間外労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類,c 労働者数,d 所定労働時間,e 延長することができる時間及びf 期間,5a 休日労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類,c 労働者数,d 所定休日,e 労働させることができる休日並びに始業及び終業の時刻並びにf 期間,6 労働者の過半数を代表する者のa 職名,b 氏名及びc 印影,7 使用者のa 職名,b 氏名及びc 印影,836 協定届を受理した労働基準監督署のa 名称及びb 受付印,936 協定届の a 標題及びb 様式の名称が記載されている (2) 原処分における不開示部分についてア就業規則について就業規則については, 原処分において, その全部を不開示としている イ就業規則 ( 変更 ) 届出書について就業規則 ( 変更 ) 届出書の記載事項のうち, 原処分においては, 8 法人の印影を不開示としている ウ意見書について意見書の記載事項のうち, 原処分においては,6 意見並びに7 労働者の過半数を代表する者の氏名及び印影を不開示としている エ 36 協定について 36 協定届の記載事項のうち,4a 時間外労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類,c 労働者数,5a 休日労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類,c 労働者数,6 労働者の過半数を代表する者のb 氏名及びc 印影並びに7 使用者のc 印影を不開示としている (3) 不開示情報該当性についてア法 5 条 1 号の該当性について意見書の記載事項のうち7 労働者の過半数を代表する者の氏名及び印影並びに36 協定の記載事項のうち6 労働者の過半数を代表す 4

る者の氏名及び印影については, 個人に関する情報であって, 特定の個人を識別できる情報に該当し, 法 5 条 1 号ただし書に該当しないことから不開示情報に該当するものである イ法 5 条 2 号の該当性について就業規則は, 職場における労働契約を集合的に処理することを目的として個々の労働条件を全般にわたって画一的に規律しているものであり, 労使当事者間の私的な契約内容そのものを表している その規定はそれぞれの使用者が適正な事業を遂行するため, どのような人事戦略をもって, どのような労務管理を採用するかという法人の戦略的な内部管理情報であるという性質を有する また, 当該就業規則に係る労働者代表の意見を記載した意見書の6 意見についても, 当事者間のみに関係するものであり, 就業規則の作成又は変更に当たってどのような意見が出されたかは, みだりに他者に明かすことのない企業の内部管理情報ということができる 法 5 条 2 号イによれば, 法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該情報に関する情報であって, 公にすることにより, 当該法人等又は当該個人の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの を不開示の条件としているが, この規定における 競争上の地位 とは 法人等又は事業を営む個人の公正な競争関係における地位, その他正当な利益 については ノウハウ, 信用等法人等又は事業を営む個人の運営上の地位を広く含むもの と解されている これにより, 本件就業規則が公にされた場合には, 当該法人との競争上の地位にある他の法人等に, 当該法人の人事及び労務の施策の一端を知られることになり, 法人の経営上の利点や弱点を把握され, 今後の労働力の確保, 特に人材の獲得の上で対抗的ないし妨害的な措置や行動をとられ不利益を被ることがあり得ると考えられ, また, 意見書に記載された意見の内容が公にされた場合は, その意見の内容等をめぐって当該法人とその労働者の関係について種々の憶測を生じさせることから, 本件意見書に記載された意見の内容を開示することにより, 当該法人の権利, 競争上の地位その他正当な利益が侵害されるおそれがあるというべきであり, 法 5 条 2 号イの不開示情報に該当するものである また, 就業規則 ( 変更 ) 届出書の記載事項のうち8 法人の印影は, 当該法人が真正に真意に基づいて作成した文書であることを証明する役割を有し, これらが公にされた場合には当該法人の各種書類の作成等に悪用されるなど, 当該法人の正当な利益が害されるおそれがあることから, 法 5 条 2 号イに該当し, 不開示情報に該当するも 5

のである 36 協定届のうち4a 時間外労働をさせる必要のある具体的事由, b 業務の種類及びc 労働者数,5a 休日労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類及びc 労働者数については, 当該企業における労働条件の内容を示すとともに, 使用者が事業を遂行するため, どのような人事戦略を持ち, どのような経営管理を行うかという, 専ら当該企業独自の戦略ないし経営のノウハウに関わるものと言うことができる このため, これらが公にされた場合には, 当該企業と競争上の地位にある他の企業にとって, 当該企業の人事管理や経営管理に関する情報の収集が容易となり, 今後の人材獲得等の人事戦略や経営戦略の展開について, 当該企業が不利益を受けるおそれがある 以上より, これらを公にすることは当該企業の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあり, 法 5 条 2 号イの不開示情報に該当するため, 原処分を維持して不開示とすることが妥当である ウ法 5 条 4 号の該当性について就業規則 ( 変更 ) 届出書の記載事項のうち8 法人の印影, 意見書の記載事項のうち7 労働者の過半数を代表する者の印影並びに36 協定届の記載事項のうち6c 労働者の過半数を代表する者の印影及び 7c 使用者の印影については, 記載事項の内容が真正なものであることを示す認証的機能を有する性質のものであり, 偽造により悪用されるおそれがあり, 公にすることにより, 犯罪の予防等公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあり, 法 5 条 4 号の不開示情報に該当するため, 原処分を維持して不開示とすることが妥当である エ法 5 条 6 号柱書きの該当性について就業規則, 意見書の記載事項のうち6 意見並びに36 協定届の記載事項のうち,4a 時間外労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類及びc 労働者数,5a 休日労働をさせる必要のある具体的事由,b 業務の種類及びc 労働者数については, 公にすることにより, 当該企業の正当な利益を損なうおそれがあり, 就業規則, 意見書及び36 協定を行政官庁に届け出る制度そのものの信頼を損なうおそれがあることから, 法 5 条 6 号柱書きの不開示情報に該当し, 不開示とすべきである (4) 審査請求人の主張について審査請求者は, 審査請求書の中で, 審査請求人の職業訓練について合理的配慮が必要とするため ( 原文ママ ), あるいは 当時審査請求人 6

と特定事業場との36 協定が適正に運用されているかどうかということを確認する必要があるため 全部開示を求める等と主張しているが, 不開示情報該当性については, 上記 (3) で示したとおりであることから, 審査請求人の主張は失当である 4 結論以上のとおり, 原処分は妥当であり, 本件審査請求は棄却すべきと考える 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 調査審議を行った 1 平成 28 年 2 月 8 日諮問の受理 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 3 同年 3 月 2 日審議 4 同月 8 日審査請求人から意見書を収受 5 同年 9 月 15 日委員の交代に伴う所要の手続の実施, 本件対象文書の見分及び審議 6 同年 10 月 14 日審議第 5 審査会の判断の理由 1 本件開示請求について本件開示請求は, 特定労働基準監督署へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書 ( 本件対象文書 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件対象文書を特定し, その一部について, 法 5 条 1 号,2 号イ,4 号及び6 号に該当するとして不開示とする原処分を行った これに対し, 審査請求人は, 原処分の取消しを求めているが, 諮問庁は, 原処分における法の適用条項を変更し, 法 5 条 1 号,2 号イ,4 号及び6 号柱書きに該当するとして, 原処分を維持して不開示とすることが妥当であるとしているので, 以下, 本件対象文書の見分結果を踏まえて, 本件不開示部分の不開示情報該当性について検討する 2 不開示情報該当性について (1) 就業規則 ( 変更 ) 届 (1 頁 ) の不開示部分について当該部分は, 特定事業場の印影であり, 当該文書が真正に作成されたことを示す認証的機能を有するものとして, それにふさわしい形状をしているものと認められ, これを公にすると, 当該事業場の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる したがって, 当該部分は, 法 5 条 2 号イに該当し, 同条 4 号について判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である (2) 意見書 (2 頁 ) の不開示部分について当該部分は, 労働者代表の氏名, 印影及び意見である 7

ア労働者代表の氏名及び印影について当該部分は, 法 5 条 1 号本文前段に規定する個人に関する情報であって, 特定の個人を識別することができるものに該当し, 同号ただし書イないしハのいずれにも該当する事情は認められず, 当該部分は個人識別部分であることから, 法 6 条 2 項による部分開示の余地もない したがって, 当該部分は, 法 5 条 1 号に該当し, 同条 4 号について判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である イ意見が記載されている部分について当該部分は, 特定事業場の使用者と労働者の当事者間のみに関係する当該事業場の内部管理情報であると認められ, これを公にすると, その内容等をめぐって当該事業場における労使関係について種々の憶測を生じさせ, 当該事業場の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる したがって, 当該部分は, 法 5 条 2 号イに該当し, 同条 6 号柱書きについて判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である (3) 就業規則の不開示部分について当該文書は, 特定事業場が労働基準監督署に届け出た就業規則であり, その全てが不開示とされている 当該文書を見分したところ, 特定事業場における社員の採用 退職, 労働時間, 休暇, 賃金等に関する規定が記載されていることが認められる これらは, 専ら特定事業場の労働条件に関する情報であって, 使用者が事業の遂行上, 労基法を始めとする関連法令等の規制の下で, 人事及び労務管理面でどのような方針を採用しているかという情報が盛り込まれており, 特定事業場における人事及び労務管理の施策の一端を示すものであると認められる このため, 当該部分を公にすると, 同業他社等において, 特定事業場のこれまで他に知られていない内部情報を知ることができ, 特定事業場の就業規則の内容を分析し, その労務管理方策等の情報を収集することが容易となり, 特定事業場に対抗する措置を講ずること等により, 特定事業場の事業の運営に影響を及ぼす可能性は否定できず, 特定事業場の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる したがって, 当該部分は, 法 5 条 2 号イに該当し, 同条 6 号柱書きについて判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である (4)36 協定 (51 頁ないし53 頁 ) の不開示部分についてア 時間外労働をさせる必要のある具体的事由, 業務の種類及び労働者数 及び 休日労働をさせる必要のある具体的事由, 業務の種類及 8

び労働者数 について当該部分は, 特定事業場における労働条件の内容を示すとともに, 使用者が事業を遂行するため, どのような人事戦略を持ち, どのような経営管理を行うかという, 専ら特定事業場独自の戦略ないし経営のノウハウに関わるものであると認められる このため, これを公にすると, 同業他社等において, 特定事業場の人事管理や経営管理に関する情報の収集が容易となり, 今後の人材獲得等の人事戦略や経営戦略の展開について特定事業場が不利益を受けるおそれがあり, 特定事業場の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる したがって, 当該部分は, 法 5 条 2 号イに該当し, 同条 6 号柱書きについて判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である イ労働者の過半数を代表する者の氏名及び印影について当該部分は, 法 5 条 1 号本文前段に規定する個人に関する情報であって, 特定の個人を識別することができるものに該当し, 同号ただし書イないしハのいずれにも該当する事情は認められず, 当該部分は個人識別部分であることから, 法 6 条 2 項による部分開示の余地もない したがって, 当該部分は, 法 5 条 1 号に該当し, 同条 4 号について判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である ウ使用者の印影について当該部分は, 当該文書が真正に作成されたことを示す認証的機能を有するものとして, それにふさわしい形状をしているものと認められ, これを公にすると, 当該事業場の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められる したがって, 当該部分は, 法 5 条 2 号イに該当し, 同条 4 号について判断するまでもなく, 不開示とすることが妥当である 3 審査請求人のその他の主張について審査請求人は, その他種々主張するが, いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない 4 本件各一部開示決定の妥当性について以上のことから, 本件対象文書につき, その一部を法 5 条 1 号,2 号イ, 4 号及び6 号に該当するとして不開示とした各決定について, 諮問庁が, 不開示とされた部分は同条 1 号,2 号イ,4 号及び6 号柱書きに該当することから不開示とすべきとしていることについては, 不開示とされた部分は, 同条 1 号及び2 号イに該当すると認められるので, 同条 4 号及び6 号柱書きについて判断するまでもなく, 妥当であると判断した ( 第 3 部会 ) 委員岡島敦子, 委員葭葉裕子, 委員渡井理佳子 9