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包括利益の表示に関する会計基準第 1 回 : 包括利益の定義 目的 ( 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 1. はじめに企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 以下 会計基準 ) が平成 22 年 6 月 30 日に

「中小企業の会計に関する指針《新旧対照表

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

2 会計処理 ( 単位 : 百万円 ) 新株の発行に伴う会計処理現金預金 2,000 資本金資本準備金 1,000 1,000 剰余金の配当に伴う会計処理 繰越利益剰余金 1,100 利益準備金 現金預金 100 1,000 自己株式の取得に伴う会計処理 自己株式 400 現金預金 400 自己株式

2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

基礎演習問題 2(P.198) (SS2 連結精算表 : 単純合算表 (XXX6 年 3 月 31 日 )) ( 千円 ) NO 連結精算表科目 貸 3CC 3C American ライン 単純合算 借 Inc. [7 純資産 ] A811 資本金 期首 貸 1,080, ,000 A8

計算書類等


(訂正・数値データ修正)「平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

日本基準基礎講座 資本会計

2019年3月期 中間期決算短信〔日本基準〕(連結):東京スター銀行

本資料の記載数値について 第一生命保険株式会社 ( 旧 第一生命 : 下図 A) は 2016 年 10 月 1 日付で 第一生命ホールディングス株式会社 に商号を変更し 事業目的をグループ会社の経営管理等に変更しています 旧 第一生命が営んでいた国内生命保険事業は 会社分割により 第一生命保険株式

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

平成26年度 第138回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

営 業 報 告 書

新旧対照表(計算書類及び連結計算書類)

新旧対照表(計算書類及び連結計算書類)

第1章 財務諸表

2018年12月期.xls

公開草案 (2) その他利益剰余金 積立金繰越利益剰余金利益剰余金合計 5 自己株式 5 自己株式 6 自己株式申込証拠金 6 自己株式申込証拠金株主資本合計株主資本合計 Ⅱ 評価 換算差額等 Ⅱその他の包括利益累計額 1 その他有価証券評価差額金 1 その他有価証券評価差額金 2 繰延ヘッジ損益

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

(2) サマリー情報 1 ページ 1. 平成 29 年 3 月期の連結業績 ( 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ) (2) 連結財政状態 訂正前 総資産 純資産 自己資本比率 1 株当たり純資産 百万円 百万円 % 円銭 29 年 3 月期 2,699 1,23

3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

計算書類 貸借対照表 ( 平成 31 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 百万円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 17,707 流動負債 10,207 現金及び預金 690 電子記録債務 2,224 受取手形 307 買掛金 4,934 電子

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

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会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(計算書類及び連結計算書類)新旧対照表

第10期

注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ): 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無 2 1 以外の会計方針の変更 : 無 3 会計上の見積りの変更 : 無 4 修正再表示

2019年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

ずほ証券連結財務諸業績と財務の状況 みずほ証券連結財務諸表み表繰延税金資産 15,653 14,554 当社は 平成 28 年度及び平成 29 年度の連結貸借対照表 連結損益計算書及び連結株主資本等変動計算書について会社法第 444 条第 4 項の規 定に基づき 新日本有限責任監査法人の監査証明を受

注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 有 CMTH Preferred Capital 6 (Cayman) Limited 新規 社 ( 社名 ) 除外 2 社 ( 社名 ) STB Preferred Capital 4(Caym

平成30年3月期 第2四半期(中間期)決算短信[日本基準](連結)

第 36 期決算公告 浜松市中区常盤町 静岡エフエム放送株式会社代表取締役社長上野豊 貸借対照表 ( 平成 30 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 資産の部 負債の部 Ⅰ. 流 動 資 産 909,595 Ⅰ. 流 動 負 債 208,875 現金及び預金 508,

Microsoft Word - 記載要領.doc

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注記事項 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3) 発行

(3) 連結キャッシュ フローの状況 営業活動によるキャッシュ フロー 投資活動によるキャッシュ フロー 財務活動によるキャッシュ フロー 現金及び現金同等物期末残高 百万円 百万円 百万円 百万円 27 年 3 月期 495 2,552 5,252 5, 年 3 月期 2,529 71

第 9 章純資産の会計 問題 43 問題 43 資本剰余金の振替え 借方科目金額貸方科目金額 次の独立した取引の仕訳を示しなさい ⑴ 資本準備金 2,000,000 円とその他資本剰余金 800,000 円を資本金とすることを株主総会で決議し その効力が生じた ⑵ 資本金 500,000 円を資本準

自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

計算書類等

計 算 書 類

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2019 年 12 月期中間決算短信 ( 連結 ) 2019 年 9 月 10 日 会社名 株式会社日本経済新聞社 URL 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 岡田直敏 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 経理局長 ( 氏名 ) 木村研三

注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 有 MTH Preferred Capital 5 (Cayman) Limited 新規 社 ( 社名 ) 除外 2 社 ( 社名 ) STB Preferred Capital 3(Cayma

第 32 期 計算書類 自 至 2018 年 4 月 1 日 2019 年 3 月 31 日 株式会社 NHK グローバルメディアサービス

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第 76 期 計算書類 自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 大泉物流株式会社


2019 年 3 月期 第 2 四半期 ( 中間期 ) 決算短信 日本基準 ( 連結 ) 2018 年 11 月 14 日 上場会社名 株式会社かんぽ生命保険 上場取引所 東 コード番号 7181 URL 代 表 者 ( 役職名 )

第62期_計算書類_ xdw

平成28年度 第144回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 2017 年度末 2018 年 3 月 31 日現在 (

(1) 連結貸借対照表 ( 添付資料 16 ページ ) (3) 連結株主資本等変動計算書 ( 添付資料 28 ページ ) 6. 個別財務諸表 (1) 貸借対照表 ( 添付資料 31 ページ ) (3) 株主資本等変動計算書 以上 2

財剎諸表 (1).xlsx

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2019 年 3 月期 第 2 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 2018 年 10 月 30 日 上場会社名 日本冶金工業株式会社 上場取引所 東 コード番号 5480 URL 代 表 者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 木村 始 問合

(file:///C:/Users/edinet-user/AppData/Local/Temp/_AZTMP1_/H29.9„”)

問題 20 C 為替予約 攻める 6 分 問題 21 C 会社分割 持分法適用 攻める 6 分 問題 23 D 国内成果連結 のれん 攻める 4 分 問題 24 C 国内成果連結 繰延税金資産 攻める 6 分 問題 25 C 国内成果連結 非支配株主持分 攻める 6 分 問題 26 C 国内成果連結

会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型新旧対照表

計算書類 貸 損 借益 対計 照算 表書 株主資本等変動計算書 個 別 注 記 表 自 : 年 4 月 1 日 至 : 年 3 月 3 1 日 株式会社ウイン インターナショナル

6. 個別中間財務諸表等 株式会社キョーリン (1) 中間貸借対照表当社はより中間財務諸表を作成しているため 前中間会計期間末は記載しておりません 末 ( 平成 18 年 9 月 30 日 ) の要約貸借対照表 ( 平成 18 年 3 月 31 日 ) 区分 注記番号 構成比 構成比 ( 資産の部

2018 年 8 月 10 日 各 位 上場会社名 エムスリー株式会社 ( コード番号 :2413 東証第一部 ) ( ) 本社所在地 東京都港区赤坂一丁目 11 番 44 号 赤坂インターシティ 代表者 代表取締役 谷村格 問合せ先 取締役 辻高宏

BS_PL簡易版(平成28年度).xlsx

第 14 期 ( 平成 30 年 3 月期 ) 決算公告 平成 30 年 6 月 21 日 東京都港区白金一丁目 17 番 3 号 NBF プラチナタワー サクサ株式会社 代表取締役社長 磯野文久


平成30年公認会計士試験

貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針(案)

年 3 月期の連結業績予想 (2018 年 4 月 1 日 ~2019 年 3 月 31 日 ) (% 表示は 対前期増減率 ) 経常収益 経常利益 親会社株主に帰属する 1 株当たり当期純利益当期純利益 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭 通 期 6,429,

銀行法施行規則 昭和五十七年大蔵省令第十号 ) 別紙様式第 1 号の 2 別紙様式第 1 号の2 第 18 条第 1 項関係 ) 日本工業規格 A4) 別紙様式第 1 号の2 第 18 条第 1 項関係 ) 日本工業規格 A4) 第 1 第期中 年月日から年月日まで 中間事業概況書 第 1 第期中

平成 30 年 12 月期第 1 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 平成 30 年 4 月 27 日 上場会社名セーラー万年筆株式会社上場取引所東 コード番号 7992 URL 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 比佐泰 問合


第4期電子公告(東京)

ほくほくフィナンシャルグループ (8377) 2019 年 3 月期 4. 補足情報 株式会社北陸銀行の個別業績の概要 2019 年 5 月 10 日 代表者 ( 役職名 ) 取締役頭取 ( 氏名 ) 庵栄伸 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 執行役員総合企画部長 ( 氏名 ) 小林正彦 TEL (0

第 33 期決算公告 浜松市中区常盤町 静岡エフエム放送株式会社代表取締役社長上野豊 貸借対照表 ( 平成 27 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 資産の部負債の部 Ⅰ. 流動資産 665,173 Ⅰ. 流動負債 141,626 現金及び預金 290,479 未払金

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4


(1) (2) (3) (1) (2) (3) (4) 決算整理後残高試算表 勘定科目 金 額 勘定科目 金 額 現 金 預 金 ( ) 未払法人税等 ( ) 土 地 ( ) 租 税 公 課 ( ) 法 人 税 等 ( ) 2


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第 151 回日商簿記 2 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 解答 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 現 金 8,500,000 車両減価償却累計額 760,000 1 商 品 6,100,000 本 店 17,640,000 車 両 3,800,000 2 その他有価証券 2,000,00

設定方法 注意 事前にすべての決算書マスタ登録 決算書印刷マスタが済んでおり 決算書が正常に印刷できる状態であることを前提とします まだ 決算書マスタ登録 及び決算書印刷マスタの設定が済んでいない場合は 予め設定を行ったうえで 法人税の達人の設定を行うようにしてください また 決算書項目を設定する際

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平成 31 年 3 月期第 3 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 平成 31 年 2 月 4 日 上場会社名 大木ヘルスケアホールディングス株式会社 上場取引所 東 コード番号 3417 URLhttp:// 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏

小林製薬 (4967) 平成 30 年 12 月期決算短信 3. 連結財務諸表及び主な注記 (1) 連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 前連結会計年度 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) 当連結会計年度 ( 平成 30 年 12 月 31 日 ) 資産の部流動資産現金及び預金 64,9

第1章 簿記の一巡

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連結会計入門 ( 第 6 版 ) 練習問題解答 解説 練習問題 1 解答 解説 (129 頁 ) ( 解説 ) S 社株式の取得に係るP 社の個別上の処理は次のとおりである 第 1 回取得 ( 平成 1 年 3 月 31 日 ) ( 借 )S 社株式 48,000 ( 貸 ) 現預金 48,000

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第 16 回ビジネス会計検定試験より抜粋 ( 平成 27 年 3 月 8 日施行 ) 次の< 資料 1>から< 資料 5>により 問 1 から 問 11 の設問に答えなさい 分析にあたって 連結貸借対照表数値 従業員数 発行済株式数および株価は期末の数値を用いることとし 純資産を自己資本とみなす は

Transcription:

株主資本等変動計算書第 1 回株主資本等変動計算書の概要 2010.09.07 (2013.01.24 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 1. 株主資本等変動計算書の概要 (1) 株主資本等変動計算書の目的株主資本等変動計算書は 貸借対照表の純資産の部の一会計期間における変動額のうち 主として 株主に帰属する部分である株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成する開示書類です ( 株主資本等変動計算書会計基準 1 項 ) (2) 記載すべき開示書類 株主資本等変動計算書の作成が必要となる開示書類は 以下のとおりです (3) 四半期決算における取扱い四半期連結財務諸表 ( または四半期財務諸表 ) においては 四半期では開示の適時性が要請されていることなどから 株主資本等変動計算書は必要とされていません 株主資本の金額に著しい変動があった場合に 主な変動事由を注記事項として開示することとされています ( 四半期財務諸表に関する会計基準第 19 項 (13) および第 25 項 (11) 参照 ) (4) 関連する会計基準等株主資本等変動計算書については 企業会計基準第 6 号 株主資本等変動計算書に関する会計基準 および企業会計基準適用指針第 9 号 株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 ( 以下 適用指針 ) に従い 表示方法については会社計算規則 および財務諸表等規則等の定めるところに従います 株主資本等変動計算書の様式には 個別と連結それぞれに 純資産の項目を横に並べる方式と縦に並べる方式がありますが 財務諸表等規則等では縦方式が様式として定められています ( 画像をクリックすると拡大します ) 表 1 純資産の各項目を横に並べる様式例 ( 連結 : 連結株主資本等変動計算書 ) 1

表 2 純資産の各項目を縦に並べる様式例 ( 連結 : 連結株主資本等変動計算書 ) 株主資本資本金当期首残高 当期変動額新株の発行 資本剰余金当期首残高 当期変動額新株の発行 利益剰余金当期首残高 当期変動額剰余金の配当 当期純利益 その他 自己株式当期首残高 当期変動額自己株式の処分 株主資本合計当期首残高 当期変動額 その他の包括利益累計額 その他有価証券評価差額金当期首残高 2

繰延ヘッジ損益当期首残高 為替換算調整勘定当期首残高 退職給付に係る調整累計額 ( ) 当期首残高 その他の包括利益累計額合計前期末残高 当期変動額 新株予約権当期首残高 少数株主持分当期首残高 純資産合計当期首残高 当期変動額 平成 25 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度よりなお 遡及適用及び修正再表示を行った場合には 表示期間のうち最も古い期間の株主資本等変動計算書の期首残高に対する 表示期間より前の期間累積的影響額を区分表示するとともに 遡及適用及び修正再表示後の期首残高を記載することが求められています 3

株主資本等変動計算書第 2 回財務諸表 計算書類における株主資本等変動計算書の記載方法 2010.09.14 (2013.01.24 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 2. 財務諸表における株主資本等変動計算書の記載方法 (1) 純資産の区分株主資本等変動計算書は貸借対照表の純資産の部における各項目の変動事由を明らかにするものであり その表示区分は 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 ( 企業会計基準第 5 号 ) および財務諸表等規則に定める純資産の部の表示区分に従うことになります 純資産の部は 株主資本と 株主資本以外の項目とに区分されます 株主資本には以下の項目が含まれます 個別財務諸表では 資本剰余金と利益剰余金について内訳科目を記載します 資本準備金は資本準備金とその他資本剰余金とに区分して記載し 利益剰余金は利益準備金とその他利益剰余金とに区分した上で その他利益剰余金については 株主総会または取締役会の決議に基づく設定目的を示す科目と 繰越利益剰余金とをもって掲記します 上記のほか 申込期日経過後における新株式申込証拠金は 資本金の次に掲記することになっています 同様に 自己株式の処分に係る申込期日経過後における自己株式申込証拠金は 自己株式の次に掲記することになっています 株主資本以外の項目で 純資産の部に属する項目は 以下のとおりです 4

その他の包括利益累計額 ( 個別財務諸表では評価 換算差額等 ) には 以下の項目が含まれます 1 その他有価証券評価差額金時価のあるその他有価証券を時価評価することによって生ずる 取得価額との差額をいいます 2 繰延ヘッジ損益ヘッジ手段であるデリバティブ取引等を時価評価することによって生ずる評価差額で ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで繰り延べられているものをいいます 3 土地再評価差額金 土地の再評価に関する法律 ( 平成 10 年 3 月 31 日法律第 34 号 ) 第 7 条第 2 項に規定する再評価差額金をいいます 4 為替換算調整勘定連結財務諸表において 外国にある子会社または関連会社の資産および負債の換算に用いる為替相場と純資産の換算に用いる為替相場とが異なることによって生じる換算差額をいいます 5 退職給付に係る調整累計額 ( ) 連結財務諸表において 未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のうち まだ 当期純利益を構成する項目として損益処理されていない部分をいいます これらその他の包括利益累計額 ( 個別財務諸表では評価 換算差額等 ) に含まれる項目の金額は 税効果会計を適用し 繰延税金資産または繰延税金負債を控除した金額となります 新株予約権は 将来 権利行使されて払込資本となるか 権利行使されずに失効し利益となるか 権 利行使の有無が確定するまでの間 その性格が確定しないものですが 返済義務のある負債とはいえ ないことから 純資産の部に含まれます ( 純資産の部会計基準 22 項 ) 少数株主持分は 連結子会社の資本のうち親会社に帰属していない部分であり 返済義務のある負 債ではなく 純資産の部に含まれます ( 純資産の部会計基準 22 項 ) ( ) 平成 25 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度より (2) 株主資本の各項目の記載方法 5

株主資本の各項目は 当期首残高 当期変動額およびに区分し 当期変動額は変動事由ごとにその金額を表示します 以下は適用指針第 6 項に例示されている変動事由ですが このほかに適切な名称をもって記載することもできます なお 当期純利益 ( または当期純損失 ) および剰余金の配当は 必ず記載する変動事由とされています (1) 当期純利益または当期純損失 (2) 新株の発行または自己株式の処分 (3) 剰余金 ( その他資本剰余金またはその他利益剰余金 ) の配当 (4) 自己株式の取得 (5) 自己株式の消却 (6) 企業結合 ( 合併 会社分割 株式交換 株式移転など ) による増加または分割型の会社分割による減少 ( 第 7 項なお書き参照 ) (7) 株主資本の計数の変動 1 資本金から準備金または剰余金への振替 2 準備金から資本金または剰余金への振替 3 剰余金から資本金または準備金への振替 4 剰余金の内訳科目間の振替 (8) 連結範囲の変動または持分法の適用範囲の変動 ( 連結子会社または持分法適用会社の増加または減少 ) なお その他利益剰余金については その内訳科目の当期首残高 当期変動額 ( 変動事由ごとの金額 ) およびを個別株主資本等変動計算書に記載することに代えて 注記により開示することができます この場合には その他利益剰余金の前期末残高 当期変動額およびの各合計額を個別株主資本等変動計算書に記載します 1 株主資本以外の各項目の記載方法株主資本以外の各項目は 当期首残高 当期変動額およびに区分し 当期変動額は純額で表示するのが原則ですが 当期変動額について主な変動事由ごとにその金額を表示することもできます 以下は適用指針第 11 項を参考にした変動事由です (1) その他の包括利益累計額 ( 個別財務諸表では評価 換算差額等 ) 1 その他有価証券評価差額金その他有価証券の売却または減損処理による増減純資産の部に直接計上されたその他有価証券評価差額金の増減 2 繰延ヘッジ損益ヘッジ対象の損益認識またはヘッジ会計の終了による増減純資産の部に直接計上された繰延ヘッジ損益の増減 3 為替換算調整勘定 ( 連結財務諸表のみ ) 在外連結子会社等の株式の売却による増減連結範囲の変動に伴う為替換算調整勘定の増減純資産の部に直接計上された為替換算調整勘定の増減 6

(2) 新株予約権新株予約権の発行新株予約権の取得新株予約権の行使新株予約権の失効自己新株予約権の消却自己新株予約権の処分 (3) 少数株主持分少数株主利益 ( または少数株主損失 ) 連結子会社の増加 ( または減少 ) による少数株主持分の増減連結子会社株式の取得 ( または売却 ) による持分の増減連結子会社の増資による少数株主持分の増減 2 貸借対照表との整合記載に当たっては 株主資本等変動計算書に表示される各項目の当期首残高およびは 前期および当期の貸借対照表の純資産の部における各項目の期末残高と整合しているか 当期純利益 ( または当期純損失 ) の金額が損益計算書と一致しているかを確かめておく必要があります なお 遡及処理を行った場合には 会計方針の変更による累積的影響額を加味した当期首残高ではなく 遡及処理前の残高と前期の貸借対照表の純資産の部における各項目の期末残高とで整合性を確認します 3 記載方法に関するその他の取扱い I) 税法上の積立金の記載方法かつて利益処分案の株主総会決議によって積立ておよび取崩しがなされていた税法上の積立金 ( 圧縮積立金など ) は 会社法の下では 当期の決算手続として会計処理することになります 具体的には 当期末の個別貸借対照表に税法上の積立金の積立ておよび取崩しを反映させるとともに ( 個別 ) 株主資本等変動計算書に税法上の積立金の積立額と取崩額を記載 ( 注記により開示する場合を含む ) し 株主総会または取締役会で当該財務諸表を承認することになります ( 適用指針 25 項 ) II) 新株の発行の効力発生日に資本金または資本準備金の額の減少の効力が発生する場合の表示新株の発行の効力発生日に資本金または資本準備金の額の減少の効力が発生し 新株の発行により増加すべき資本金または資本準備金と同額の資本金または資本準備金の額を減少させた場合には 変動事由の表示方法として 以下のいずれかの方法により記載します a) 新株の発行として 資本金または資本準備金の額の増加を記載し また 株主資本の計数の変動手続 ( 資本金または資本準備金の額の減少に伴うその他資本剰余金の額の増加 ) として 資本金または資本準備金の額の減少およびその他資本剰余金の額の増加を記載する方法 b) 新株の発行として 直接 その他資本剰余金の額の増加を記載する方法 7

企業結合の効力発生日に資本金または資本準備金の額の減少の効力が発生した場合についても同 様に取り扱います 3. 会社法計算書類における株主資本等変動計算書の記載方法 会社法計算書類および連結計算書類の株主資本等変動計算書の記載方法は 以下の点を除けば 財務諸表等と同一となります (1) 株主資本等変動計算書の記載様式会社法は株主資本等変動計算書の様式を定めていないため 適用指針の様式例に従うことが期待されます 財務諸表等規則および連結財務諸表規則における様式は 純資産の各項目を縦に並べる様式のみとされていますが 適用指針では第 1 回での表 1~2 のように純資産の各項目を横に並べる様式も認めており 計算書類ではこちらの様式で作成することもできます (2) 純資産の区分計算書類における純資産の区分は会社計算規則第 76 条に定められています これは財務諸表と同様ですが ( 個別 ) 計算書類ではその他利益剰余金を株主総会または取締役会の決議に基づく設定目的を示す科目ごとに細分して表示することは求められていません 8

株主資本等変動計算書第 3 回注記事項の扱い 2010.09.21 (2013.01.24 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 4. 注記事項 (1) 財務諸表等における注記事項有価証券報告書における財務諸表では 株主資本等変動計算書に関する注記事項として以下の i) からiv) を記載します 連結財務諸表を作成している場合は 現在の情報開示の中心が連結財務諸表であることから 以下の注記事項は連結財務諸表に記載し 個別財務諸表では ii) 自己株式の種類および総数に関する事項以外は 注記を省略することができます i) 発行済株式の種類および総数に関する事項 a) 発行済株式の種類ごとに 当期首および当期末の発行済株式数ならびに当期に増加または減少した発行済株式数 b) 発行済株式の種類ごとの変動事由の概要 ii) 自己株式の種類および株式数に関する事項 a) 自己株式の種類ごとに 当期首および当期末の自己株式数ならびに当期に増加または減少した自己株式数 b) 自己株式の種類ごとの変動事由の概要なお 連結株主資本等変動計算書に開示する自己株式数は以下の合計となります ア. 親会社が保有する自己株式の株式数イ. 子会社または関連会社が保有する親会社株式または投資会社の株式の株式数のうち 親会社または投資会社の持分に相当する株式数 iii) 新株予約権および自己新株予約権に関する事項 a) 新株予約権の目的となる株式の種類 b) 新株予約権の目的となる株式の数 c) 新株予約権の d) 自己新株予約権に関する事項 iv) 配当に関する事項 a) 配当財産が金銭の場合には 株式の種類ごとの配当金の総額 1 株当たり配当額 基準日および効力発生日 b) 配当財産が金銭以外の場合 ( 分割型の会社分割を含む ) には 株式の種類ごとに配当財産の種類ならびに配当財産の帳簿価額 ( 配当の効力発生日における時価をもって純資産を減少させる場合には 当該時価により評価した後の帳簿価額をいう ) 1 株当たり配当額 基準日および効力発生日 c) 基準日が当期に属する配当のうち 配当の効力発生日が翌期となるものについては 配当の原資および a) または b) に準ずる事項 9

(2) 計算書類等における注記事項会社法による計算書類の個別注記表 および連結計算書類の連結注記表では 株主資本等変動計算書に関して以下の事項を注記します 財務諸表と同様 連結計算書類を作成している場合は 個別注記表においては以下の ii) の事項 ( 自己株式 ) 以外は 注記を省略することができます 財務諸表における注記事項と比べると 注記事項の項目は同様ですが 記載すべきと規定されている 内容は 以下のように財務諸表と異なっている点が見られます 10