K2 第 1 編営業秘密管理の重要性について 1. 情報流出が疑われる最近の事例 2. 技術流出を防ぎましょう 第 2 編営業秘密として 法的保護 を受けるためには 3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 4. 営業秘密の民事的保護 5. 営業秘密の刑事的保護 第 3 編情報漏えい対策等

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また 営業秘密の取扱いについても 社内の規程を整備することが秘密情報の流出時に法的保護を受ける上で重要であることから 今回の職務発明規程の整備に併せて 同期間 IN PITでは 営業秘密管理規程を含む企業の秘密情報管理体制の構築に関する情報提供や周知活動も積極的に行っていきます ( 本発表資料のお問

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法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

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はじめに 個人情報保護法への対策を支援いたします!! 2005 年 4 月 個人情報保護法 全面施行致しました 個人情報が漏洩した場合の管理 責任について民事での損害賠償請求や行政処分などのリスクを追う可能性がござい ます 個人情報を取り扱う企業は いち早く法律への対応が必要になります コラボレーシ

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特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

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2 センターは 前項の届出を受理したときは 当該利用者の設定を解除するものとする ( 設定票等の再発行 ) 第 7 条利用者は センターが交付した Web-EDI 機能利用情報の書類の再交付を申請するときは 様式 WE-04 号 Web-EDI 機能利用証等再交付申込書 に必要事項を記載して センタ

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8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

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2. 開催内容開催期間 : 平成 29 年 8 月 21 日 ( 月曜日 )~9 月 15 日 ( 金曜日 ) 開催場所 :( 出張面接審査 ) 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 ( イベント開催場所 ) 仙台市 盛岡市主催 : 特許庁 東北経済産業局共催 :( 独 ) 工業所有権情報

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Transcription:

K1 営業秘密 知財戦略セミナー 基礎編 ~ あなたの会社の独自技術をシッカリ守り 活かすために ~ 独立行政法人工業所有権情報 研修館 (INPIT) 営業秘密 知財戦略相談窓口 営業秘密 110 番 trade-secret@inpit.jpo.go.jp 特許庁代表 03(3581)1101 内線 3844

K2 第 1 編営業秘密管理の重要性について 1. 情報流出が疑われる最近の事例 2. 技術流出を防ぎましょう 第 2 編営業秘密として 法的保護 を受けるためには 3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 4. 営業秘密の民事的保護 5. 営業秘密の刑事的保護 第 3 編情報漏えい対策等 6. 情報漏えい対策等 第 4 編知財戦略 7. 権利化と秘匿化 8. 先使用権制度による保護 9. オープン & クローズ戦略 第 5 編窓口紹介 10. 営業秘密 知財戦略相談窓口 知財総合支援窓口のご紹介 ご利用方法

1. 情報流出が疑われる事例 術情報不明技顧客情報K3 被害企業 発覚時期 漏えい情報 流出先など 被害額 ニコン 2006 年 軍事転用可能な光通信機器 ロシア軍関係者 不 明 新日本製鐵 ( 現新日鐵住金 ) 2012 年 変圧器に使われる高級鋼板の製造法 韓国鉄鋼大手ポスコ 約 1000 億円 ヨシツカ精機 2012 年 車エンジン部品プレス機械の設計図 ライバル関係にある中国企業 東 芝 2014 年 半導体メモリの研究データ 韓国半導体大手 SK ハイニックス 約 1000 億円 ベネッセコーポレーション 2014 年 顧客 ( 含保護者 ) の個人情報 ジャストシステム ( 名簿業者経由 ) 2070 万件流出対策費約 300 億円 読売新聞 (2014/10/31 朝刊記事 ) および技術流出防止 営業秘密強化について (2014 年 6 月経済産業省 ) を参考に作成

1. 情報流出が疑われる最近の事例 ( 日本 ) ( 韓国 ) ( 中国 ) 営業秘密保護に向けた取組について平成 27 年 1 月経済産業省を参考に作成 日本の技術が韓国を経由して中国に流出 韓国から中国への技術漏えい 裁判で発覚 K4

1. 情報流出が疑われる最近の事例 営業秘密保護に向けた取組について平成 27 年 1 月経済産業省を参考に作成 業務提携先社員による韓国への技術流出 5 K5

1. 情報流出が疑われる最近の事例 委託先社員逮捕 平成 28 年 3 月東京地裁判決 懲役 3 年 6 月 罰金 300 万円 営業秘密保護に向けた取組について平成 27 年 1 月経済産業省を参考に作成 顧客情報が 転々と 流出事件後会員大幅減 6 K6

1. 情報流出が疑われる最近の事例 ( 賠償額約 9 億円 ) http://www.sankei.com/world/print/151021/wor1510210016-c.html 営業秘密保護に向けた取組について平成 27 年 1 月経済産業省を参考に作成 企業のサーバに保管された大量のデータが短時間に盗み取られ 瞬時に他国に渡った事件 7 K7

2. 技術流出を防ぎましょう 企業で保有する情報が 不正競争防止法上の 営業秘密 に該当すれば 営業秘密の不正使用など一定の要件を全て満たした侵害行為に対し 差止請求や損害賠償などの民事請求の他 刑事告訴することができます 大事な情報を守るために まずは 一般情報と合理的な区分をして 重要な情報については 営業秘密 として管理しましょう 企業情報 経営情報 営業秘密 図面類 ( 紙情報 ) 一般情報 顧客情報 研究開発情報 K8

3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには この法律において 営業秘密 とは 秘密として管理されている生産方法 販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって 公然と知られていないものをいう ( 不正競争防止法第 2 条第 6 項 ) 営業秘密 とは 秘密管理性 有用性 非公知性の三要件を満たす技術上 営業上の情報です 営業秘密 には 技術的な情報も含まれます 9 K9

3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 秘密管理性 有用性有用な営業上又は技術上の情報であること 非公知性 秘密として管理されていること その情報に合法的かつ現実に接触することができる従業員等からみて その情報が会社にとって秘密としたい情報であることが分かる程度に アクセス制限やマル秘表示といった秘密管理措置がなされていること 現実に利用されていなくても良く 失敗した実験データというようなネガティブ インフォメーションにも有用性が認められ得る 但し 脱税情報や有害物質の垂れ流し情報などの公序良俗に反する内容の情報は 法律上の保護の範囲から除外される 公然と知られていないこと 合理的な努力の範囲内で入手可能な刊行物には記載されていないなど 保有者の管理下以外では一般に入手できないこと 公知情報の組合せであっても その組合せの容易性やコストに鑑み非公知性が認められ得る K10

3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 秘密管理措置 ( 管理方法 ) の具体例 紙媒体の場合 ( 書類等 ) 営業秘密である文書に秘など 秘密であることを表示する 電子媒体の場合 電子媒体への秘表示の貼付 電子ファイル名 フォルダ名への秘付記 アクセス制限など 製造機械や金型など物件に営業秘密が化体している場合 扉に 関係者以外立入禁止 の張り紙を掲示 警備員配置 入館 ID カードによる立ち入り制限 写真撮影禁止 の張り紙 営業秘密該当物件をリスト化し 閲覧 共有化 媒体が利用されない場合 営業秘密のカテゴリーをリストにすること 営業秘密を具体的に文書等に記載すること ( 出典 ) 経済産業省営業秘密管理指針 ( 平成 27 年 1 月全部改訂版 ) K11

3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 秘密管理性要件について 営業秘密は ( 情報自体が無形で その保有 管理形態も様々であること等 ) その情報の取得 使用又は開示を行おうとする従業員や 取引相手先 ( の従業員等 ) にとって その情報が営業秘密であることを容易に知り得ない状況が想定されます 秘密管理性要件 の趣旨 営業秘密の性質を踏まえ 企業が 秘密として管理しようとする対象 ( 情報の範囲 ) を明確化することによって 当該営業秘密に接した者が事後に不測の嫌疑を受けることを防止し 従業員等の予見可能性 ひいては経済活動の安定性を確保することにあります 予見可能性 = 事前に その情報が 営業秘密であるかを予測できたかどうか ( 出典 ) 経済産業省営業秘密管理指針 ( 平成 27 年 1 月全部改訂版 ) 秘密にしたいという保有者の意思を 何らかの措置を通じて 当該情報に合法的に かつ現実に接することができる者に対して明らかにするのが 秘密として管理する ことです 12 K12

K13 3. 営業秘密として 法的保護 を受けるためには 秘密管理意思と秘密管理措置一般情報との合理的区分 企業の秘密管理意思の対象 ( 従業員にとっての認識の対象 ) を従業員に対して相当程度明確にする観点から 営業秘密が 情報の性質 選択された媒体 機密性の高低 情報量等に応じて 一般情報と合理的に区分されることが必要です 必要な秘密管理措置の内容 程度は 認識可能性の程度 その内容 程度は 企業の規模 業態 従業員の職務 情報の性質その他の事情によって異なるものであり 営業秘密の管理単位における一般的な従業員が それを容易に認識できる程度のものである必要があります 従業員が 企業の秘密管理意思を容易に認識 企業が 対象となる情報を 秘密である と 単に主観的に認識しているだけでは 不十分です

4. 営業秘密の民事的保護 営業秘密侵害行為の類型 悪意 or 重過失 = 当該行為があったことを知っている あるいは重大な過失により知らない 善意 and 無重過失 = 当該行為があったことを 重大な過失なく知らない 14 K14

4. 営業秘密の民事的保護 不幸にして 営業秘密が流出してしまった場合には 営業秘密侵害行為 ( 不正競争行為 ) に対して 以下の請求ができます 差止請求 ( 不正競争防止法第 3 条 ) 侵害の停止又は予防 侵害行為を組成した物の廃棄 侵害行為に供した設備の除去 等 損害賠償請求 ( 不正競争防止法第 4 条 ) 故意又は過失 による侵害に対して ( 損害額の推定規定あり ( 第 5 条 )) 信用回復措置請求 ( 不正競争防止法第 14 条 ) 故意又は過失 により営業上の信用を害された場合は 信用回復措置を請求できます K15

5. 営業秘密の刑事的保護営業秘密侵害行為の類型 16 K16

5. 営業秘密の刑事的保護営業秘密侵害行為の類型 17 K17

5. 営業秘密の刑事的保護 ( 平成 27 年主な改正事項 ) 刑事罰 ( 非親告罪 未遂処罰 ) が適用される場合があります 一定の営業秘密の不正取得 領得 不正使用 不正開示の行為について 10 年以下の懲役又は 2000 万円 ( 海外重課 3000 万円 ) ( 改正前は 1000 万円 ) 以下の罰金 ( 又はその両方 ) を科すこととしています 国内で事業を行う保有者の営業秘密 ( 国外での管理含む ) を 国外で不正使用 不正開示した場合も処罰されます 両罰規定 行為者だけでなく会社も一緒に罰せられることがあります 法人の業務に関し営業秘密侵害罪が行われた場合 行為者だけでなく 法人も5 億円 ( 海外重課 10 億円 )( 改正前は3 億円 ) 以下の罰金 となり得ます 18 K18

6. 情報漏えい対策等 秘密情報の保護ハンドブック の位置付け 漏えい防止レベル 法的保護レベル 営業秘密管理指針 ( 平成 27 年 1 月 ) 営業秘密として法的保護を受けるために必要となる最低限の水準の対策を提示 秘密情報の保護ハンドブック ~ 企業価値向上に向けて ~ で対応 より良い漏えい対策を講じたい企業の方々に 企業の実情に応じて対策を取捨選択したり 参考としていただけるよう 秘密情報の漏えい対策 漏えいしてしまった場合の対応策 各種規程 契約等のひな形 窓口等様々な対策を網羅的に紹介 http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/full.pdf ( 出典 ) 経産省 秘密情報の保護ハンドブック P232 19 K19

6. 情報漏えい対策等 物理的 技術的な防御 5 つの 対策の目的 漏えい要因を考慮した 5 つの 対策の目的 を設定 各社の状況に応じ 目的ごとに ムリ ムダ ムラのない形で対策を取捨選択 心理的な抑止 にくくする ための対策 接近の制御 ( 具体例 ) アクセス権の限定 秘密情報を保存した PC はインターネットにつながない 2 秘密情報の 持出しを困難にする ための対策 持出し困難化 ( 具体例 ) 私物 USB メモリ等の利用 持込み禁止 秘密情報 情報漏えい行為者 5 社員のやる気を高めるための対策 信頼関係の維持 向上等 ( 具体例 ) ワークライフバランス 社内コミュニケーション ( 出典 ) 経産省 秘密情報の保護ハンドブック P233 抑止1 秘密情報に 近寄り 3 漏えいが 見つかりやすい 環境づくりのための対策 視認性の確保 ( 具体例 ) レイアウトの工夫 防犯カメラの設置 4 秘密情報と思わなかった という事態を招かないための対策 秘密情報に対する認識向上 ( 具体例 ) マル秘表示 ルールの策定 周知 K20

6. 情報漏えい対策等ハンドブックにおける漏えい対策 ( 出典 ) 経産省 秘密情報の保護ハンドブック P234 21 K21

6. 情報漏えい対策等ハンドブックにおける漏えい対策 ( 出典 ) 経産省 秘密情報の保護ハンドブック P235 22 K22

K23 6. 情報漏えい対策等 不幸にも流出した場合の対応 http://www.ipa.go.jp/security /awareness/johorouei/rouei_taiou.pdf

7. 権利化と秘匿化 中小企業では困難な特許化 秘匿化の選択と管理 例. 特許出願とノウハウ管理 ( 営業秘密管理 ) との選択 ( 相談事例 ) ある植物を用いた健康食品の売上げが好調であり 他人にまねされないようにするため 特許出願をしたい ( 相談事例 ) 複数の濃縮したエキスと調味料をブレンドした製品の製法を特許出願したい 製造方法は 権利行使が困難であるにもかかわらず 特許出願した結果 公開公報によって模倣が容易になってしまう技術のひとつです 特許出願するか / ノウハウとして管理するかの選択を十分に検討してください ( 参考 ) 産業構造審議会知的財産分科会営業秘密の保護 活用に関する小委員会 ( 第 2 回 ) 資料 6 中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制 ( 特許庁 ) K24

7. 権利化と秘匿化 特許権の取得 特許権と営業秘密による保護のメリット デメリット 営業秘密による秘匿化 メリット 審査 登録を通じた権利内容の明確化と権利存否の明確化 排他的な権利活用からライセンス パテントプール 標準化によるロイヤリティ確保等 幅広い権利活用 技術的思想としての 面 での権利保護 保護期間の制限がなく 長期に技術秘匿 製品の差別化等が可能 自社の事業戦略の方向性を秘匿可能 特許になじまないノウハウ等の技術情報も保護が可能 出願内容の公開が前提であるため 自社のデメリット開発動向を知られたり 模倣品発生の可能性 保護期間が満了した場合 誰でも使用可能 技術自体の保護による 点 での保護に限定される可能性 他社の独自開発 リバースエンジニアリング 特許権取得により 技術独占ができなくなる可能性 適切な管理をしていないと法的保護が受けられない可能性 < 特許出願と営業秘密をめぐりよく指摘される誤解 > 誤解 : 特許出願は 公開されるから技術が漏れてしまう 特許の公開による不用意な技術流出は 出願書類の適切な作成により防ぐことが可能 誤解 : 営業秘密として適法に管理していれば技術を秘匿したまま保護を受けることができるため安心 営業秘密は 保有している技術それ自体の保護による 点 での保護に限定される可能性があり 過信は禁物 特許権と営業秘密の特性を理解した権利活用が必要です ( 出典 ) 産業構造審議会知的財産分科会営業秘密の保護 活用に関する小委員会 ( 第 2 回 ) 資料 6 中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制 ( 特許庁 ) K25

K26 7. 権利化と秘匿化 特許化 独自開発の IT を活用した最新鋭の 生産性向上支援システム 品質管理システム に関する特許を取得 リアルタイムに 見える化 した生産管理体制が取引先にも好評 中小企業での使い分け例 ( 株 )JKB 高精度金型 プレス部品メーカー ( 本社 : 神奈川 工場 : 山形県 社員約 30 名 ) 秘匿化 製品 ( 金型 ) からは 全く製作工程が分からない しかし ( 金型 ) 図面を見れば 簡単に模倣が可能 過去に取引先の要請に根負けし 金型図面を開示して海外生産され 注文が途絶えた苦い経験あり 金型設計技術を 完全に ブラックボックス化 ( 出典 ) 経済産業ジャーナル 2010 年 7 8 月号経済産業省

8. 先使用権制度による保護 先使用権制度とは他者 ( 特許権者 ) による特許出願時以前から 独自に同一内容の発明を完成させ さらに その発明の実施である事業をし あるいは その実施事業の準備をしていた者 ( 先使用権者 ) について 法律の定める一定の範囲で 当該他者の特許発明を無償で実施し 事業を継続することを認める制度 発明者 A 発明完成 ( 秘匿 ) 事業準備の開始 事業の開始 事業継続可能 発明者 B 特許出願 特許取得 なお 先使用権は 特許庁に登録するものではない 先使用権者が特許権者から特許権侵害の訴訟を受けた場合等に 裁判所が認めることによって その特許権に対して効力を有する ( 出典 ) 戦略的な知財保護のために ~ 先使用権制度を中心に ~( 平成 26 年度特許庁 ) K27

9. オープン & クローズ戦略 知財マネジメントにおいては 技術情報の 公開 権利化 秘匿化 の切り分け 組み合わせを考慮することが重要です また 開発した技術について オープン化 と クローズ化 オープン化他者 ( 他社 ) に公開 又はライセンスする など クローズ化と秘匿化 又は権利化し他者の使用を排除する など を 戦略的に判断する必要があります つまり 他者に 使用させる部分 と 使用させない部分 を明確に区別しておく必要があります K28

9. オープン & クローズ戦略 特許として権利行使が困難な発明 ( 製造方法等 ) 独自技術としてブラックボックス化すべき技術等 先使 権も考慮 秘匿の際にはノウハウとして秘匿 営業秘密として管理 設計図 発注書類 研究ノート 詳細仕様 製造ノウハウ 等 ( 新規 ) 技術 技術の戦略的な保護とオープン化 クローズ化 特許出願 公開 審査 特許権取得 企業での総合的な知財戦略 標準化等 国際標準などライセンスが見込める技術 コア技術等の重要な技術等 クローズ化 オープン化 秘匿化 知財実独施占 クローズ 知ラ財イ独セ占ンス クロスライセンス パテントプール オープン 無償実施 総合的なオープン クローズ 特許化 秘匿化戦略が必要 ( 出典 ) 産業構造審議会知的財産分科会営業秘密の保護 活用に関する小委員会 ( 第 2 回 ) 資料 6 中小企業等に対する営業秘密保護を含めた知的財産のワンストップ支援体制 ( 特許庁 ) K29

9. オープン & クローズ戦略 日本企業での実例 三菱電機 ( 株 ) のFA( ファクトリーオートメーション ) システム事業国際標準化 ( オープン戦略 ) 2000 年に コンソーシアム CC-Link 協会 を設立 CC-Link(FA ネットワークシステム ) プロトコルのインタフェイスに絞った オープン化 と 国際標準化 を行う オープン化 することで CC-Link に接続するパートナーを増やし FA システムをネットワーク化した製品の海外市場での普及拡大を図る コア技術のブラックボックス化 ( クローズ戦略 ) 高度なモーション制御を可能とする光通信ネットワーク SSCNETⅢ/H については パートナーに絞った情報開示 ( クローズ戦略 ) で技術を独占 コア技術を独占しつつも デファクト化を目指す事業内容に応じて オープン戦略 / クローズ戦略 の使い分けを行っている ( 出典 ) 経済産業省 2013 年ものづくり白書 K30

9. オープン & クローズ戦略 欧米企業での実例 欧米企業のオープン & クローズ戦略の例 上記の欧米企業各社は ( 出典 ) 経済産業省 2013 年ものづくり白書 オープン化により製品を広く普及させる仕組みを作り 加えて 自社のコア技術 ( 差別化部分 ) をクローズ化する ことで 製品市場の拡大 と 競争力の確保 の同時実現を図っています K31