プロジェクト ( 年 ) 独 (KfW): 西ナイル地区に特化した配電網の拡充 小水力の開発 ( 年 ) 3. 事業概要 (1) 事業の目的ウガンダにおける産業活性化が期待できる地方において 長距離配電線 (33kV 配電線 ) の資機材の調達 据付を行うことによ

Similar documents
事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部 運輸交通 情報通信グループ第二チーム 1. 案件名国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 和名国際空港保安能力強化プロジェクト英名 The Project for Security Improvement of International Ai

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

政府説明資料

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C E8ED88ABC F288DC58F4994C5816A2E646F63>

政府説明資料

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

事業事前評価表 1. 案件名 ( 国名 ) 国際協力機構南アジア部南アジア第四課 国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 貧困削減戦略支援無償 ( 教育 ) (Poverty reduction efforts) 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における初等教育セクターの現状と課題バン

事業事前評価表 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名農業保険実施能力向上プロジェクト英名 The Project of Capacity Development for the Implementation of Agr

政府説明資料

事業事前評価表 国際協力機構産業開発 公共政策部法 司法チーム 1. 案件名国名 : ブラジル連邦共和国案件名 : ( 和文 ) 地域警察活動普及プロジェクト ( 英文 )Project on Nationwide Dissemination of Community Policing 2. 事業の

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C D935393B990AE94F58E968BC B A816A2E646F63>

無償資金協力 案件概要書 2017 年 8 月 29 日 1. 基本情報 (1) 国名 : カンボジア王国 (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : シハヌークビル特別市 プノンペン (3) 案件名 : 港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画 (The Project for Port

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

事業事前評価表

<4D F736F F D E968BC68E96914F955D89BF955C C90BC8C6F8DCF89F1984C816A8DC58F4994C52E646F63>

政府説明資料

0528事業事前評価表(円借款+附帯技プロ)final.doc

政府説明資料

ログラムの審査に産業界からも参画を得ることで 大学がエンジニア予備軍である学部学生に対し社会のニーズに即した教育を実践できるよう 促進する役割を果たしている かかる状況の下 エンジニアの量的拡大が質を伴う形で実現されるよう インドネシア政府は我が国に対し LAM-PS としての インドネシアエンジニ

政府説明資料

untitled

は Blue Print for Air Transportation にて民間航空長期計画を作成 アクションプラン DGCA 5-Year Strategic Plan を作成した上 航空安全に係る総合的な対策の強化を図っており 本事業はこれに寄与するもので

ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インド

国 アメリカ ロシアに次いで世界第 4 位の電力消費国となっている (2014 年 ) 国内の電力供給に関しては 1,114,408GWh の需要に対して供給量は 1,090,851GWh と 2.1% の不足 供給能力もピーク時 153,366MW の需要に対して 148,463MW と 3.2%

区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみであり 十分な公共交通手段が確保されていないため 同エリアと周辺に住む住民はバスや自動車等により通勤しているが 道路の混雑により 通勤に大きな支障が出ている 加えて 南北鉄道事業南線 ( 通勤線 ) ( 以下 本事業 という ) の対象区間には

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 SATREPS) 国際協力機構農村開発部農業 農村開発第一グループ第二チーム 1. 案件名国名 : インドネシア共和国案件名 : 和名 ( 科学技術 ) 食料安全保障を目指した気候変動対応策としての農業保険における損害評価手法の構築と社会実装英名

事業事前評価表 1. 案件名国名 : ラオス人民民主共和国案件名 : ルアンパバーン世界遺産の持続可能な管理保全能力向上プロジェクト Project for Capacity Enhancement for Sustainable World Heritage Management and Pres

研究は重要項目とされている 本事業は CERMEL と長崎大学の共同研究を通じて 1 対象地域におけるウイルス感染症の流行状況の解明 2 新規に同定されたウイルスの性状解析 3 公衆衛生対策上優先度の高いウイルスに対する診断法の開発を行い ガボン側研究機関のウイルス感染症研究開発の能力向上に貢献する

2008年6月XX日

架鉄道三路線 ( うち 二路線は軽量 ) の総延長は 50km にとどまっている 首都圏南方については マニラ市ツツバンからカブヤオ市ママティッドまでの区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみである 首都圏北方は 居住エリアが拡大しているものの 十分な公共交通手段が確保されていないた

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

事業事前評価表

<4D F736F F D208E968BC68E96914F955D89BF955C F8BC F91BA8A4A94AD B D815B83938E968BC6816A2E646F63>

<4D F736F F D B834E90568B4B C48C8F8E96914F955D89BF955C979D8E9690E096BE8DC58F492E646F63>

護ディプロマ課程を 3 年制看護ディプロマ課程に変更したのに加え ディプロマ課程看護師の現任研修により学士が取得できる 2 年制ポスト ベーシック課程とは別に大学教育として看護学士課程制度 (4 年制 ) を導入することを定めた 学術的に高度な 4 年制看護学士課程の卒業生は輩出されたばかりであるが

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

事業事前評価表 国際協力機構社会基盤 平和構築部運輸交通 情報通信グループ 1. 案件名国名 : バングラデシュ国案件名 : 和名橋梁維持管理プロジェクト 有償勘定技術支援 英名 Bridge Management Capacity Development Project 2. 事業の背景と必要性

事業事前評価表 国際協力機構産業開発 公共政策部資源 エネルギーグループ第二チーム 1. 案件名国名 : ザンビア共和国案件名 : 和名ザンビアにおける鉛汚染のメカニズムの解明と健康 経済リスク評価手法および予防 修復技術の開発英名 The Project for Visualization of

事業事前評価表

事業事前評価表 国際協力機構地球環境部環境管理第一チーム 1. 案件名 国名 : パキスタン国案件名 : 和名パンジャブ州上下水道管理能力強化プロジェクト英名 Project for Improving the Capacity of WASAs in Punjab Province 2. 事業の背

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

事業事前評価表

令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25

政府説明資料

(Microsoft Word - \216\226\221O\225]\211\277\225\\ doc)

<4D F736F F D A F E968BC68E96914F955D89BF955C E646F63>

事業事前評価表

事業事前評価表

Microsoft Word - 13 地域イントラ.doc

政府説明資料

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

政府説明資料

と衝突して沈没し 147 人が死亡 2014 年 8 月にはパドマ川で約 250 人を乗せたフェリーが荒天のため転覆し 110 人が死亡等の大事故が発生している また 同国は 雨季には大型サイクロンが度々ベンガル湾から来襲し 沿岸部で遭難事故が多発するなど 地理的に自然災害の影響を受けやすい地域であ


政府説明資料

政府説明資料

援 GHGインベントリ策定にかかる技術移転等 気候変動対策を推し進めるための包括的な支援を実施した 同プロジェクトの成果として 国家気候変動緩和行動計画 (RAN-GRK) に基づき州気候変動緩和行動計画 (RAD-GRK) の策定が進められるとともに 国家気候変動適応行動計画 (RAN-API)

<4D F736F F D2092B789AA8E EE B193FC974490E693498C9F93A28B4B92F E378DF492E8816A2E646F6378>

政府説明資料

RIETI Highlight Vol.66

政府説明資料

の無償資金協力で整備されたニバンガⅢ 号 (2015 年 ) 及びマヌフォラウ号 (2002 年 ) が担っているが これら定期船 2 隻は 1 回の航海で複数の離島に寄港するため 限られた時間内での離島訪問等には対応できないため マナウイ号が補完的な役割を担っている しかしながら マナウイ号は現在

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

政府説明資料

RO ( 改修 Rehabilitate- 運営等 Operate) 方式ハ民間事業者が公共施設等の設計及び建 BT( 建設 Build- 移転 Transfer) 方式設又は製造を担う手法民間建設借上方式 2 優先的検討の対象とする事業及び検討開始時期一優先的検討の対象とする事業建築物の整備等に関

事業事前評価表

事業事前評価表

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

事業事前評価表

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

電力事情 BOP 実態調査レポート 調査実施日 :2012 年 12 月 調査対象 ヒヤリング : ダッカ電力供給会社 (DESCO) ダッカ農村電化庁 (REB) アンケート : ダッカ ( 都市と農村の中間地にあるサバール地域 ) の 26 名 ( 男性 6 名 女性 20 名 ) バングラデシ

5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

政府説明資料

政府説明資料

参考資料 5 用語集 SPC( 特別目的会社 ) SPC(Special Purpose Company) は特別目的会社ともいわれ プロジェクトファイナンスにおいては 特定のプロジェクトから生み出されるキャッシュフローを親会社の信用とは切り離す事がポイントであるが その独立性を法人格的に担保すべく

<4D F736F F D E96914F955D89BF816A836E836D83438CF68BA48CF092CA89FC D E83672E646F63>

事業事前評価表

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS)) 農村開発部農業 農村開発部第二グループ 1. 案件名国名 : スーダン共和国案件名 : 和名ストライガ防除による食料安全保障と貧困克服英名 The project for development of counter mea

DDL12Prnt001

鈴鹿市不燃物リサイクルセンター 2 期事業 特定事業の選定について 平成 19 年 4 月 12 日

資料 - 5 討議議事録 (M/D)

事業事前評価表

事業事前評価表

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

Microsoft Word - 事前評価

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

1.UR 都市機構における再開発共同事業者エントリー制度の概要 1 参考資料 1

Microsoft Word 後藤佑介.doc

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

おける成果としては まず組織運営 ( 交番活動 ) 面としてシフト制による 24 時間勤務 受け持ち区域 体制がつくられ 住民の要望を聞くとともに防犯上のアドバイスなどをする 巡回連絡 が行われるようになり そうした現場レベルでの市民警察活動の拠点として BKPM( 警察 市民パートナーシップ セン

大規模災害等に備えたバックアップや通信回線の考慮 庁舎内への保存等の構成について示すこと 1.5. 事業継続 事業者もしくは構成企業 製品製造元等の破綻等により サービスの継続が困難となった場合において それぞれのパターン毎に 具体的な対策を示すこと 事業者の破綻時には第三者へサービスの提供を引き継

また, 区域外の道路部分については, 区域内の道路の整備後に, 交通量等の利用状況をみて, 検討していきます 4 常磐自動車道の側道沿いの一方通行の道路について, 一方通行の制限を解除できないのか また, この道路の交通量についても調査を実施した上で, 区域外の道路の整備をしなければならないのではな

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

Transcription:

事業事前評価表 国際協力機構アフリカ部アフリカ第二課 1. 案件名 ( 国名 ) 国名 : ウガンダ共和国案件名 : 第三次地方電化計画 The Project for Rural Electrification Phase Ⅲ 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における電力セクターの現状と課題ウガンダ共和国 ( 以下 同国 ) の一人当たり電力消費量は 2009 年値 69.5 kwh とアフリカ全体の平均値 578 kwh を大きく下回り 地方電化率は 2010 年現在で 7% にとどまっているなど 未だ多くの人々の生活に電気が浸透していない 電化ニーズは 地方部の医療施設 教育施設 ( 学校等 ) 商業センター等で高く 配電系統延伸は 地域経済の活性化 雇用創出や収入増加の機会につながる また 一般世帯への接続の増加により照明器具の灯油燃料ランプから蛍光灯への代替が進むことで 二酸化炭素排出抑制につながることが期待される 同国では 2003 年に地方電化庁 (Rural Electrification Agency:REA) が設立され エネルギー鉱物開発省 (Ministry of Energy and Mineral Development:MEMD) の監督のもと地方電化事業を統括しているが 財政難から収益性の低い地方電化プロジェクトの資金調達に苦慮しており 特にローンでのプロジェクト実施は困難な状況にある このため 電源となる旧オーウェンフォールズ水力発電所近郊の未電化地域 県庁所在地 主要国道に面した産業活性化が期待できる地域を中心に 社会情勢を考慮しつつ特に緊急に電化が必要な地域を毎年選定し ドナーの支援を仰ぎつつ予算状況に合わせて配電事業を進める計画である (2) 当該国における電力セクターの開発政策と本事業の位置づけ同国の地方電化は 国家開発計画 ( 以下 NDP:National Development Plan) に基づき 地方電化庁 (Rural Electrification Agency: REA) が 地方電化計画 (Indicative Rural Electrification Master Plan: IREMP) 1 を2009 年 1 月に策定し 各地でのプロジェクトを進めてきている NDP では これまでの貧困撲滅を中心とした国家開発の取り組みに加え 経済成長 雇用拡大 社会経済の変革への取り組みを強化する方向性を打ち出している 特に エネルギーセクターの開発は社会経済の変革促進のために重要視されており 地方電化の推進が具体的取組み課題のひとつとして掲げられている 本事業は地方部の電化率向上に資するものであり 同国の方針と合致する (3) 電力セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績我が国の国別援助方針の中で 重点分野 経済成長を実現する環境整備 にある 電力供給強化プログラム に位置づけられる 地方電化関連の協力では 無償資金協力 地方電化計画 (1998-1999 年度 ) 第二次地方電化計画 (2007-2008 年度 ) を実施してきている なお 本事業は TICADⅣ 横浜行動計画における成長の加速化 インフラ支援にも位置づけられる (4) 他の援助機関の対応世界銀行 : 地方電化計画フェーズ 1(2002-2008 年 ) 及びフェーズ 2(2009 年 -) ノルウェー (NORAD): 西ナイル地区 ( ウガンダ北西部 ) 対象の33kV 配電線延伸

プロジェクト (2003-2006 年 ) 独 (KfW): 西ナイル地区に特化した配電網の拡充 小水力の開発 (2007-2010 年 ) 3. 事業概要 (1) 事業の目的ウガンダにおける産業活性化が期待できる地方において 長距離配電線 (33kV 配電線 ) の資機材の調達 据付を行うことにより 対象地域における配電網の基盤の整備を図り もって地方電化率の向上に寄与する (2) プロジェクトサイト / 対象地域名マユゲ県 イガンガ県 ブギリ県 ナマインゴ県 ブシア県 ( 電化村落人口計約 76,000 人 9,500 世帯 ) (3) 事業概要 1) 土木工事 調達機器等の内容 敷設 配電線資機材の調達及び据付 ( ア ) 中圧配電線の敷設 (33kV 配電線計約 134.4km) マユゲ村 - ナンコマ村間 ( 約 21.5km) ムプングウェ村 - マクトゥ村 ( 約 10.2km) ナンコマ村 - ルミノ村間 ( 約 37.5km) ナマインゴ市 - ブメル A 村及びブメル B 村 ( 約 29.9km) ナマインゴ市 - ブシロ港及びルガラ ( 約 24.8km) フケモ村 - ムンジンジ村及びムウェンベ - タヨリ村 ( 約 10.5km) 機材 配電線 配線資機材 配電用変圧器 電力量計等 ( ア )33/0.415-0.240kV 配電用変圧器 ( 総数 50 台 ) ( イ ) 取引用電力量計 4 台 ( ウ ) 自動再閉路装置 4 台 ( エ ) 負荷開閉器 14 台 33kV 配電線用交換部品及び保守工具の調達 ( オ ) 交換部品 保守工具など 2) コンサルティング サービス / ソフトコンポーネントの内容詳細設計 施工監理 (4) 総事業費 / 概算協力額総事業費 14.04 億円 ( 概算協力額日本側 :12.04 億円 ウガンダ側 :2.0 億円 ) (5) 事業実施スケジュール ( 協力期間 ) 2013 年 4 月 ~2015 年 1 月を予定 ( 計 22 ヶ月 詳細設計 入札期間を含む ) (6) 事業実施体制 ( 実施機関 / カウンターパート ) 及び実施能力 維持管理能力責任官庁 : エネルギー鉱物開発省 ( Ministry of Energy and Mineral Development: MEMD) 実施機関 : 地方電化庁 (REA) (7) 環境社会配慮 貧困削減 社会開発 1) 環境社会配慮 1 カテゴリ分類 :B 2 カテゴリ分類の根拠 : 本事業は 国際協力機構環境社会配慮ガイドライン (2004 年 4 月制定 ) に掲げる影響を及ぼしやすいセクター 特性及び影響を受けやすい地域に該当せず 環境への望ましくない影響は重大で

ないと判断されるため 3 環境許認可 : 本事業は国家環境管理庁 (NEMA) より EIA の義務付けはないものと判断され Project Brief( 事業概要書 ) をもって NEMA から 2011 年 11 月に承認を得た 4 汚染対策 : 工事は主に人力で 重機の使用は限定的なため 騒音 振動による影響は見込まれない 5 自然環境面 : 事業対象地域は国立公園等の影響を受けやすい地域またはその周辺に該当せず 自然環境への望ましくない影響は最小限であると想定される 6 社会環境面 : 本事業は既存道路用地内に配電線敷設するため 用地取得 住民移転は発生しない 他方 道路用地内ではあるが耕作に利用している場所があり 作物や樹木を取り除く必要が生じる ( 伐採された樹木の所有者に対しては ウガンダ側の基準に従い補償がなされる ) 7 その他 モニタリング :REA が伐採された樹木等に対する補償手続きをモニタリングする 2) 貧困削減促進 : 電力の安定供給により経済活性化に寄与するとともに 医療施設や教育機関 ( 学校等 ) 等の公共サービス施設及び住宅の電化促進により貧困層を含む住民の生活改善に寄与する 3) ジェンダー : 該当なし 4) 気候変動との関連 : 照明器具としてケロシンランプ ( 灯油燃料 ) の使用が盛んであるが これが電化後 蛍光灯に置き換えられると想定した場合 約 4,300t/ 年程度の二酸化炭素排出低減につながる (8) 他スキーム ドナー等との連携 役割分担世銀 KfW は地方部の接続率向上のため 接続料補助制度を導入すべく同国政府に対する支援を実施しており 本事業にて中圧配電線を敷設し 同補助制度で各戸接続が促進されるという補完関係にある (9) その他特記事項特になし 4. 外部条件 リスクコントロール (1) 事業実施の前提条件先方負担事項 (33kV 配電線ルートサーベイ及び樹木伐採等 ) の実施 (2) プロジェクト全体計画のための外部条件 1 ウガンダ側の低圧配電線の調達 据え付け 引き込み線の調達 据え付けが滞りなく実施される 2 世銀 KfW の支援が適切なタイミングで実現する 3 発電施設が正常に機能する 5. 過去の類似案件の評価結果と本事業への教訓 (1) 類似案件の評価結果同様な地方電化に関する無償資金協力では 幹線ルートから遠く離れた公共サービス施設の接続が遅れがちであるという課題が確認された (2) 本事業への教訓公共サービス施設 ( 県事務所 診療所 学校等 ) の接続については 先方政府での予算確保を合意済み 6. 評価結果

以下の内容から本案件の妥当性は高く また有効性が見込まれると判断される (1) 妥当性本事業は 2. 事業の背景と必要性 で記述のとおり 同国のニーズならびに開発政策と十分に合致している 本事業は 貧困層を含む地域住民が活用する行政サービス施設 ( 県事務所 医療施設 学校等 ) へ安定した電力供給の確保を目指すもので 地方部と都市部の生活水準の格差是正に資する観点から必要性が高い (2) 有効性 1) 定量的効果 ( 直接裨益人口 : 約 38,400 人 ) 成果指標基準値 (2011 年 : 現在 ) 目標値 (2018 年 : 事業完成 3 年後 ) 対象地域における一般世帯の配電網への接続数 ( 戸 ) 公共施設への配電網からの電力供給 0 4,800 前回協力 ( 第一次及び第二次地方電化計画 ) の需要家接続の進捗速度を考慮し 対象地域の総数約 9,500 戸 ( 約 76,000 人 ) の 50% 程度の接続を想定 ナマインゴ県庁 : 未接続 ナマインゴ警察署 : 未接続 医療施設ブインジャヘルスセンター IV: 未接続ヘルスセンター :0 施設 教育施設 :0 校 ナマインゴ県庁 : 接続 ナマインゴ警察署 : 接続 医療施設ブインジャヘルスセンター IV: 接続ヘルスセンター : 約 7 施設 対象地域で 接続可能な範囲にある全数 14 施設の 50% 程度の接続を想定 教育施設 : 約 50 校 対象地域で 接続可能な範囲にある全数約 100 校の 50% 程度の接続を想定 2) 定性的効果 < 医療施設 > 本事業対象地域の医療施設において X 線透視撮影装置等医師の診察に必要な基本診断機器 薬品 ワクチン用冷蔵庫 滅菌器等の使用が可能となり 医療環境が改善される < 教育施設 > 本事業対象地域の教育施設 ( 技術訓練校 小 中学校等 ) 及び附属の寄宿舎において 照明設備 パソコン 実習 実験機器等が使用することが可能となり 教育 学習環境が改善される < ナマインゴ県庁 > 本事業による安定的な電力供給により 県の地方自治に係る業務 また 住民 事業者データを管理する OA 機器の電力が確保され 業務効率が改善する また 現在使用しているディーゼル発電機器が不要となり 燃料支出が大幅に低減される < ナマインゴ警察署 > ナマインゴ県警察組織の連絡網として用いられている無線装置用の電源が確保され 治安維持活動の連絡体制が改善される また 街灯 周辺住民の電気照明の導入により 夜間の犯罪抑制に寄与する < 地域産業 > 本協力対象事業の対象地域の産業地域で電力供給が確保され 加工設備の稼働率 品質が改善する等 生産環境が改善し地域産業が活性化される

7. 今後の評価計画 (1) 今後の評価に用いる主な指標 6.(2) 1) のとおり (2) 今後の評価のタイミング事後評価事業完成 3 年後 以上