る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

Similar documents
Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

御意見 1 現在 承認された医療行為に加えて尐しでも未承認の医療を付加すると 承認された医療行為のみの保険請求を行っても混合診療と認定され 薬事法違反に問われる可能性があるため 健康保険が使えず すべてが自費診療となってしまいます そこで臨床研究に関して 新しい医療の部分のみ各病院の自己負担とすれば

Microsoft Word - 【案1】登録認証機関立入要領改正通知(Ver )

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

Microsoft Word - 【発送版】製造所の登録通知

医療機器プログラムの取扱いに関する Q&A について ( その 2) ( 別紙 ) 用いた略語 改正法 : 薬事法等の一部を改正する法律 ( 平成 25 年法律第 84 号 ) 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行令

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

Microsoft Word - (発出)マル製通知案

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

機器承認

Microsoft Word _正当理由通知(薬局医薬品) (反映)

<4D F736F F D2089FC92F994ED8CB18ED295E58F5782CC82BD82DF82CC8FEE95F192F18B9F977697CC5F A2E646F63>

ICH Q4B Annex12

< F2D819B955C8EA692CA926D DC58F4994AD8F6F>

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

00 事務連絡案

( 別添 ) 薬食発 0513 第 1 号平成 23 年 5 月 13 日 都道府県知事各保健所設置市長特別区長 殿 厚生労働省医薬食品局長 薬事法の一部を改正する法律等の施行等についての一部改正について 薬事法の一部を改正する法律 ( 平成 18 年法律第 69 号 ) については 関係政省令とと

Microsoft Word - 【発送版】記載整備通知

Taro-再製造単回使用医療機器基準

本手順書で使用する用語の定義 用語電子的記録書面電子的記録利用システム実務担当者原データ治験関連文書サイボウズサイボウズメッセージ 定義人の知覚では認識できない, 電子式等の方法で記録され, コンピュータで処理される記録紙媒体による資料治験依頼者, 実施医療機関の長, 治験責任医師並びに治験審査委員

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

01 施行通知(都道府県宛)

Microsoft Word - 奈良県GQP-GVPガイドライン doc

<945F96F B3816A2E786264>

管下関係業者に周知いただくとともに 適切な指導を行い その実施に遺漏な きようお願いいたします 記 第 1 体外診断用医薬品の製造販売業又は製造業を行う旨の届出等について 1. 届出対象者旧薬事法に基づき 体外診断用医薬品を取り扱う以下の者 (1) 旧薬事法第 12 条第 1 項の第二種医薬品製造販

スライド 1

(Microsoft Word -

Microsoft Word _ネットQA(その2)set

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

< F2D F985E817A B8C91CE8FC6955C3132>

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

添付資料 (2) 美容医療広告について 医療広告ガイドラインに照らして 問題と考えられる点 平成 27 年 3 月 3 日 特定非営利活動法人消費者機構日本 医療法又は 医業 歯科医業若しくは助産師の業務又は病院 診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項 ( 平成 19 年厚生労働省告示

< F2D8E9197BF A836F815B2E6A7464>

<4D F736F F D A835E838A F8B7982D18AC48DB85F20534F A68CEB8E9A E9A8F4390B38DCF2

薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

<4D F736F F D E63188C4816A8D4C93878CA78BC696B18AC7979D91CC90A78A6D94468C9F8DB88EC08E7B97768D6A816989FC90B38CE3816A2E646F63>

平成18年7月28日

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

【事務連絡】偽造医薬品省令Q&A

雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての

Microsoft Word - 局長通知(新旧対照表).docx

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

事務連絡 平成 30 年 1 月 17 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課 厚生労働省医薬 生活衛生局監視指導 麻薬対策課 医薬品の製造販売業者における三役の適切な業務実施についての Q&A 医薬品の製造販売業者における三役の適切な業務実施について

④登録要領(医療分野)

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

事務連絡

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

(案)

特定個人情報の取扱いの対応について

改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

PowerPoint プレゼンテーション

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

14個人情報の取扱いに関する規程

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

通知(一括更新手続き)

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

臨床評価とは何か ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構医療機器審査第一部方眞美

JCROA自主ガイドライン第4版案 GCP監査WG改訂案及び意見

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

特定個人情報の取扱いの対応について

はじめて医療機器を製造販売または製造される方へ

医療用医薬品製造販売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約 ( 昭和 59 年 3 月 10 日公正取引委員会認定 ) ( 昭和 59 年 3 月 14 日官報 公正取引委員会告示第 8 号 ) 改定 ( 平成 6 年 1 月 20 日公正取引委員会認定 ) ( 平成 6 年 2 月 3

【資料1-2】脳神経外科手術用ナビゲーションユニット基準案あ

平成14年8月  日

Microsoft Word - 事務連絡 _7_.doc

個人情報の保護に関する規程(案)

じ ) その他の処方せん医薬品又は高度管理医療機器の製造販売に係る業務の責任者との密接な連携を図らせること ( 安全確保業務に係る組織及び職員 ) 第四条第一種製造販売業者は 次に掲げる要件を満たす安全確保業務の統括に係る部門 ( 以下この章において 安全管理統括部門 という ) を置かなければなら

薬局を利用するために必要な情報の掲示 ( 薬事法第 9 条の 4) 次の事項について 掲示板等により 薬局内に掲示 しなければなりません また 第 3 については 特定販売を行うことについての広告をする場合 ホームページ等に表示しなければなりません < 具体例 > 第 1 薬局の管理及び運営に関する

privacypolicy

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

株式会社フロンティアビジネス 別紙 1 1 処分内容 (1) 労働者派遣法第 21 条第 2 項に基づく労働者派遣事業停止命令 ( 労働者派遣事業停止命令の内容は 3 のとおり ) (2) 労働者派遣法第 49 条第 1 項に基づく労働者派遣事業改善命令 ( 労働者派遣事業改善命令の内容は 4 のと

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

標準業務手順 目次

医家向け医療用具プロモーションコード・解説別H9/3P4,18修正

Q1-8 法第 42 条第 1 項各号 ( 第 3 号を除く ) に掲げる業務 ( 以下 医療法人の附帯業務 ) を専ら行うための施設について 当該施設を一般公開している場合 当該施設単独の広告を行うことは可能でしょうか また その際には医療広告ガイドラインに従う必要があるのでしょうか A1-8 医

GVP省令

< F2D CFA90B6984A93AD8FC897DF91E632368D868169>

薬食審査発第 号

薬食発第      号

関する基本的考え方 2 医療安全管理委員会 ( 委員会を設ける場合について対象とする ) その他の当該病院等の組織に関する基本的事項 3 従業者に対する医療に係る安全管理のための研修に関する基本方針 4 ( 略 ) 5 医療事故等発生時の対応に関する基本方針 ( 医療安全管理委員会 ( 患者を入院さ

Microsoft Word (発出版)適正使用通知案(冷凍アブレーション)

<4D F736F F D2088E396F BB91A28BC EF C8EA695DB8AC78BE695AA816A C826F8AEE8F808F918EE88F878F B2E646F63>

通知(写入)

Microsoft PowerPoint - ⑨140925,30日薬連講習会(後発RMP)930.ppt [互換モード]

Microsoft Word - 公布通知(医政発0725第10号)

Microsoft Word - 【発出版2】製造所取扱いに関するQ&A -

前項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないもの に改め 同項を同条第三項とし 同条第一項の次に次の一項を加える 2治験依頼者は 被験薬について法第八十条の二第六項に規定する事項を知ったときは その発現症例一覧等を当該被験薬ごとに 当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等

年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

使用のため必要と認められる数量 ( 原則として 一人一包装単位 ( 一箱 一瓶等 ) まで ) に限り 販売 授与させること 医薬品の適正使用のため 薬局医薬品 要指導医薬品及び第 1 類医薬品を販売 授与する場合は 情報提供及び指導を行なった薬剤師の氏名を伝えている 薬局医薬品及び要指導医薬品の適

「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

老発第    第 号

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

Transcription:

都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 薬食発 0331 第 7 号 平成 22 年 3 月 31 日 厚生労働省医薬食品局長 臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る 薬事法の適用について 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) は 医療機器について品質 有効性及び安全性の確保がなされた製品のみが流通するよう種々の規制を設けているが 薬事法第 14 条第 1 項の承認を受けていない医療機器 ( 薬事法第 14 条第 9 項 ( 薬事法第 19 条の 2 第 5 項において準用する場合を含む ) の承認された事項の一部の変更承認を受けていないもの 薬事法第 14 条の 9 の製造販売の届出をしていないもの 薬事法第 19 条の 2 第 1 項の外国において製造される医療機器の製造販売の承認を受けていないもの 薬事法第 23 条の 2 第 1 項の製造販売の認証を受けていないもの 薬事法第 23 条の 2 第 4 項の認証された事項の一部の変更認証を受けていないものを含む 以下 未承認医療機器 という ) を臨床研究に使用する目的で提供等する行為に 薬事法が適用されるか否かについては その提供等の態様が様々であることから 従前より 個々のケース毎に その提供方法 提供の際の演述等を踏まえて 総合的かつ適正な判断を行っているところである 医療機器は 絶え間ない改良 改善を繰り返すことにより 新しい技術や治療 診断法が開発されているが 政府の規制改革会議は 臨床研究に用いるために提供される薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 未承認の医療機器については 薬事法違反となるか否かが十分に明確ではないため 実際は提供が可能であるにもかかわらず 有用な医療機器が臨床研究の現場に提供されない場合があるとの強い懸念があ

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る薬事法の適用に関する基本的な考え方として これまでの判断事例 関係各方面の意見等を踏まえつつ 別添のとおり 臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る薬事法の適用に関する考え方 ( 以下 考え方 という ) を作成したので 下記の点に留意し 貴下関係業者 団体等に対する周知方御取り計らいの上 薬事法適用の適正な判断の実施につき御配慮願いたい 記 1. 本考え方は 臨床研究に関する倫理指針 ( 平成 20 年厚生労働省告示第 415 号 ) が適用される臨床研究のうち 未承認医療機器の提供等がなされる臨床研究が対象となること 2. 薬事法の適用についての考え方については 未承認医療機器を臨床研究に使用する目的で提供等する際の提供者の行為及び未承認医療機器を提供等する研究の臨床研究としての妥当性に基づいて判断されること 3. 薬事法に基づく製造販売承認の申請に際して提出する臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする場合には 薬事法第 2 条第 16 項に規定する治験 ( 医師主導治験を含む ) に該当することから 必要な措置を講ずること 4. 臨床研究用として 未承認医療機器を輸入する場合は 臨床研究を実施する研究者等が自ら輸入すること その場合には 医薬品等輸入監視要領 ( 平成 17 年 3 月 31 日付け薬食発第 0331003 号厚生労働省医薬食品局長通知別添 ) に掲げる書類を地方厚生局薬事監視専門官に提出し 所要の確認を受けられたいこと 5. 本考え方は 医療機器全般に適用されるが 未承認医療機器の種類 提供方法等は様々であることから その運用に当たっては画一的な取扱いを避けるよう留意すること 6. 本考え方を参照してなお 個々の具体的な事例における薬事法の適用につき判然としない場合には 監視指導 麻薬対策課において 臨床研究に使用する未承認医療機器の提供等に関する相談 助言等を行っていることから これを活

用すること 特に 薬事法上の高度管理医療機器に該当する医療機器については 倫理審査委員会の審査に加え 高度医療評価制度のように臨床研究計画の評価がなされている場合を除き 積極的に活用することが望ましい なお 相談に際しては 未承認医療機器を提供等する企業等の担当者だけではなく 原則として 当該臨床研究の責任者も同席すること 7. 医療機器によっては 薬事法以外の他法令の規制を受ける場合があること 8. 本考え方は 現時点における暫定的なものであり 今後の事例の集積等を踏まえ 必要に応じて 内容の整備等が図られるものであること また 再生医療については 別途 制度的な枠組みについて検討しているところであり その検討結果を踏まえ 内容の整備等を行う場合があること 面談申込み等の連絡先厚生労働省医薬食品局監視指導 麻薬対策課電話 :03-3595-2436 FAX:03-3501-0034

臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る 薬事法の適用に関する考え方 ( 別添 ) 1. 対象となる臨床研究医療における疾病の予防方法 診断方法及び治療方法の改善 疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される介入を伴う 医療機器を用いた疾病の診断 治療若しくは予防に関する医学系研究であって 人を対象とする臨床研究に適用する 2. 臨床研究への未承認医療機器の提供等に係る薬事法の適用についての考え方 3. 未承認医療機器の提供等に薬事法が適用されない場合の妥当な臨床研究の範囲についての考え方 に適合する妥当な臨床研究への未承認医療機器の提供等については 一般に 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) は適用されない 但し 妥当な臨床研究であっても 提供者が 製造販売の承認を受けていない使用目的 効能 効果 性能等 ( 以下 効能等 という ) に着目して使用させる目的で医療機器を提供等した場合や 提供者が 製造販売の承認を受けた効能等以外の効能等を標榜したり パンフレットを使用したりするなどして顧客の購買意欲を昂進させて提供等した場合には 薬事法における禁止行為に該当することがある 従って 臨床研究への未承認医療機器の提供等が薬事法における禁止行為に該当するか否かについては 個別具体的に 提供方法 提供の際の演述等を踏まえて 総合的に判断を行う 3. 未承認医療機器の提供等に薬事法が適用されない場合の妥当な臨床研究の範囲についての考え方以下のような研究である場合に 妥当な臨床研究であると考えられる 臨床研究に関する倫理指針 ( 平成 20 年厚生労働省告示第 415 号 ) 及び ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針 ( 平成 18 年厚生労働省告示第 425 号 ) などの従来から適用されている指針を遵守して実施されること 医師又は歯科医師が主体的に実施する臨床研究であること

なお ここで主体的に実施とは 医師又は歯科医師自らが臨床研究の計画を立案し 企業等は医師又は歯科医師の求めに応じて未承認医療機器を提供等することであり かつ 未承認医療機器に関する必要な情報は 医師又は歯科医師の求めに応じて提供することをいう 医師又は歯科医師が責任主体となっていない場合 臨床研究用とされる一連の提供行為の正当性を担保することが困難となること 被験症例数 使用回数等の実施方法及び実施期間等は 臨床研究の内容 ( 実施目的 ) に即してあらかじめ合理的に設定されたものであり かつ 提供等される未承認医療機器の数量が実施目的に照らして必要な範囲内にとどまること 臨床研究の実施期間及び終了後に 疾病の診断 治療若しくは予防を目的とした使用を防止するための必要な措置をとること なお ここで必要な措置とは 提供等される未承認医療機器が当該臨床研究にのみ用いられるものであることを明示すること また その取扱いに関しあらかじめ必要な事項を定めること ( 反復継続して使用が可能な機械器具にあっては 当該臨床研究の終了後に 返却又は廃棄することなど ) などをいう 臨床研究に用いられる未承認医療機器の提供等に際し発生した費用は 提供者側の営利目的とみなされない範囲内 ( 製造に係る実費など ) にとどまるものであること 臨床研究において 被験者の費用負担が生じる場合には 同様に 営利目的とみなされない範囲内にとどまるものであること 4. 留意事項臨床研究として妥当な研究に対する未承認医療機器の提供等の透明性を確保するために 以下の事項を遵守すること 未承認医療機器の提供者は 1 提供及び返却の記録を適切に保管 管理すること 2 臨床研究を実施する医療機関に対し 遵守すべき事項に則して臨床研究が行われるように適切に情報提供等を行うこと 3 提供先の医療機関において 本考え方への遵守状況に問題等がある場合には 提供の停止 回収等の適切な対応を速やかに取ること ( 適切な対応が採られない場合には 薬事法に抵触する場合があることに留意すること ) 未承認医療機器の提供を受けて臨床研究を実施する医師又は歯科医師は

1 臨床研究の記録 ( 未承認医療機器が使用された患者等の予後等についても適宜 追跡調査を行うなど ) を適切に保管 管理すること 2 臨床研究に関する倫理指針 及び ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針 など 関連する指針を遵守して 臨床研究計画を立てるとともに あらかじめ 登録された臨床研究計画の内容が公開されているデータベースに当該臨床研究に係る臨床研究計画を登録し 更に 臨床研究の終了後に研究実績を公表すること 未承認医療機器の提供等に係る責任の所在を明確にするために 提供行為は 原則として提供者と医師又は歯科医師の間で直接行うこと 5. その他個々の具体的な事例における薬事法の適用につき判然としない場合には 監視指導 麻薬対策課において 臨床研究に使用する未承認医療機器の提供等に関する相談 助言等を行っていることから これを活用すること