1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

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要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

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平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家につ

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

NO 年 1 月 23 日発行 編集 発行公益財団法人住宅リフォーム 紛争処理支援センター 東京都千代田区九段北 九段センタービル3F TEL FAX 消費者が安全で安心して暮らせる豊かな住生活の実現に

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

公的な住宅改修制度について

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

スライド 1

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

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国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

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第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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やさしい税金教室

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税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

Microsoft PowerPoint (確定)【住宅事業者様向け】平成29年度市場動向調査

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 4-5 福島 震災復興 租税特別措置等により達成しようとする目標 政策の達成目標と同じ 租税特別措置等による達成目標に係る測定指標 仮設施設の整備数 8 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 東日本大震災で

要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

資産運用として考える アパート・マンション経営

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

事務連絡 平成 31 年 2 月 28 日 ( 一社 ) 住宅リフォーム推進協議会ご担当者様 国土交通省住宅局住宅政策課 住宅企画官付 住宅生産課 建築指導課 税制特例に係る証明書における建築士等の個人の住所欄の削除について 平素より住宅行政の推進にご協力をいただき 誠に有難うございます 先般 パブ

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

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間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 53ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期間 5 年間

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同 修繕 基本融資額 補修資金引方移転資金整地資金 730 万円 440 万円 440 万円 引方移転資金と整地資金の両方を利用する場合は 合計で 440 万円が限度となる 引方移転資金および整地資金は 補修資金と併せて利用する場合に限り利用できる (2) 東日本大震災被災者向け特例措置 の改正 1

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

公益法人の寄附金税制について

2. 要望事項は 9 つのテーマ 一般社団法人プレハブ建築協会の要望事項は 以下の 9 項目となっている 要旨を紹介する 1. 住宅取得に係る消費税の負担軽減措置を含む住宅税制の見直しついて 住宅に係る税制は 消費税をはじめ多重に課税されており 特に住宅取得時には大きな負担となっている このため 国

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

所得税確定申告セミナー

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

新しい住宅ローン減税・投資型減税のしくみ(上)

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

平成16年版 真島のわかる社労士

第 5 章 N

個信センター概要

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

215 参考資料

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

第2 質疑応答

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

財団法人 神奈川県建築安全協会

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2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

2. 相談 29

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

平成 31 年度国土交通省税制改正概要 ( 主要項目の概要 ) 消費税率引上げを踏まえた需要変動の平準化等 1. 住宅取得対策 平成 31 年 10 月の消費税率引上げに際し需要変動の平準化に万全を期すため 消費税率 10% が適用される住宅の取得等をして 平成 31 年 10 月 1 日から平成

(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

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平成27年度 住宅・土地関連税制改正、住宅関連予算要望

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

控除の種類判定 次の表に従い 対象となる控除を判定します 区分対象となる控除該当ページ 一般住宅の新築等 A 一般住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 3 ページ 認定住宅の新築等 A2 認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 4 ページ 中古住宅の購入 A3 中古住宅の購入に係る住宅借入金等

Transcription:

( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート ズームイン 今後の住宅 不動産政策 近年 不動産流通の促進や空き家対策など既存住宅ストックの有効活用等に関する国の施策が拡充されている 今回は 国土交通省が示した 2019 年度の予算概算要求並びに税制改正要望等の内容から 不動産流通に関する施策を中心に主な概要を紹介する 1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 土地 建設産業局の 4 項目全体の予算は前年比で 1.10 倍だが 不動産市場の環境整備予算は 2.50 倍 民泊管理の環境整備は 2.0 倍で 所有者不明土地法の円滑な運用等も新設された ( 図表 1) 不動産情報の官民連携の環境整備では 賃料 利回りに関する指標の開発のほか REINS 等のデータ参照や住宅履歴情報等との連携に向けた不動産 ID 等の構築に関する予算が要望されている 空き家 空き地の流通 活用等の促進では 空き家の流通活用を図る不動産業団体等のモデル的な取組みを支援するほか 所有者不明土地法の円滑な運用に向けた地域支援も示されている 2. 国土交通省住宅局関係の施策 既存ストックの有効活用 市場の活性化では 安心 R 住宅や住宅リフォーム事業者団体制度の枠組みを活かした既存住宅流通 リフォームのモデル的な取組みを支援するとしている 住宅 建築物の省エネ化 長寿命化の推進では CO2 削減に向けて住宅等の省エネ改修を支援するほか 中小工務店等の連携による省エネ性能の高い住宅の整備と普及 啓発を進めるとした 3. 税制改正要望に関する内容 国土交通省の 19 年度税制改正要望では 買取再販業者が既存住宅を取得し一定のリフォームを行った場合 不動産取得税を減額する特例措置の延長などが盛り込まれた 19 年 10 月予定の消費増税対策では 住宅ローン減税の延長や住まい給付金と贈与税の非課税措置の拡充が決定しており 住宅エコポイントやフラット 35 の金利引き下げ幅拡大も検討されている 図表 1 国土交通省平成 31 年度予算概算要求の全体像 ( 土地 建設産業局関連 ) 注 ) レポートの内容は 18 年 11 月 15 日現在のもの 2018/11 No.71 1

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額は前年比で 1.10 倍である (P1 図表 1) このうち 不動産市場の環境整備に関する予算は 2.50 倍に上り 所有者不明土地法の円滑な運用や 健全な賃貸住宅管理業と個人の不動産投資環境整備の項目が新設されたほか 民泊管理業に関する環境整備の予算も前年比で 2.0 倍となった 住宅局の施策も 住宅市場整備に関する事業費予算は前年比で 1.11 倍だが 空き家対策総合支援事業では前年比で 1.48 倍となるなど 不動産流通の促進や既存住宅ストックの有効活用等を促すような施策に対する予算が重点的に配分されている 不動産情報の官民連携に向けた施策 土地 建設産業局に関する新規の予算要求項目の一つに 不動産情報における官民連携に向けた環境整備 ( 予算 1.4 億円 ) が挙げられる この施策では 賃料 利回り等の動向を把握 公表することで不動産市場の急激な変動に対する施策の検討に活用し 市場の透明化や取引の活性化の促進を目的としている ( 図表 2) その内容は 民間保有情報の活用や官民連携のあり方を検討し 多角的な市場分析が可能なデータ整備と賃料 利回りに関する指標の開発を行うものである また REINS 等のデータ参照や住宅履歴情報等との連携に向けた不動 図表 2 不動産情報における官民連携に向けた環境整備 出典 : 平成 31 年度土地 建設産業局関係予算概算要求概要 2018 年 8 月国土交通省 2018/11 No.71 2

産 ID 等の構築など情報蓄積の統一的なルール等を検討し 宅建業者 が各データにアクセス出来る仕組みの構築を検討する 空き家や所有者不明土地に関する施策を促進 不動産市場の環境整備に関する施策のうち空き家 空き地の流通 活用等の促進 ( 予算 1.3 億円 ) は 喫緊の課題である遊休不動産対策として 空き家 空き地バンク等を活用したマッチング支援や 地域資源としての活用等 地域連携による新たな需要の創出や流通促進等の支援が挙げられる ( 図表 3) これは 地方公共団体等と連携し地域の空き家等の流通 活用促進を図る不動産業団体等のモデル的な取組みを支援するものである また NPO 法人等による空き地の共同管理等の取組みに関する計画策定や合意形成の支援と ノウハウの蓄積 普及を促す 土地の管理等に関する所有者の責務やその担保についても アンケート調査や有識者検討会の開催等を通じて検討を行うとしている 新規施策としては 所有者不明土地法の円滑な運用に向けた地域支援 ( 予算 0.98 億円 ) も挙げられる この施策では 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の成立 (18 年 6 月 ) を受け 地域の課題に即した実務的な権利者探索の手引書の作成や 地域福利増進事業に係る取組み支援とノウハウの普及等を促進する ( 図表 4) また 管理不全の空き地情報の外部提供や 適切な管理に向けた運用マニュアルを作成するほか 市町村等のニーズを踏まえながら 権利者探索等の土地関係業務に関する講習会を全国で開催するとしている 図表 3 空き家 空き地の流通 活用等の促進 出典 : 平成 31 年度土地 建設産業局関係予算概算要求概要 2018 年 8 月国土交通省 2018/11 No.71 3

図表 4 所有者不明土地法の円滑な運用に向けた地域支援 出典 : 平成 31 年度土地 建設産業局関係予算概算要求概要 2018 年 8 月国土交通省 2. 国土交通省住宅局関係の施策 リフォーム インスペクション省エネ対策等の支援策 住宅局関係の予算要求の重点施策ポイントでは 既存ストックの有効活用 市場の活性化や空き家対策の強力な推進が挙げられる ( 図表 5) 前者の施策では消費者が安心して既存住宅の取得やリフォーム 図表 5 既存ストックの有効活用 市場の活性化 出典 : 平成 31 年度住宅局関係予算概算要求概要 2018 年 8 月国土交通省 2018/11 No.71 4

ができるよう 安心 R 住宅や住宅リフォーム事業者団体制度の枠組みを活かした既存住宅流通 リフォームのモデル的な取組みを支援するほか リフォームや維持管理等の一元的な相談体制の整備や 住宅瑕疵等に関する情報活用に向けた情報インフラの整備支援を行う このほか インスペクション等を活用した住宅ストックの維持向上 評価 流通 金融等の一体的な仕組みの開発 普及に対する支援を行う また 地方公共団体等が実施する管理が不十分なマンションの実態調査等の支援や 管理 再生に関するモデル的な取組みに対する支援を行うとしている 省エネ対策に関する予算も要求が拡大しており 住宅 建築物の省エネ化 長寿命化の推進では 民生部門 ( 業務 家庭部門 ) の CO2 削減目標の達成に向けて 住宅 建築物の省エネ改修 リフォームに対する支援を行うほか 複数の建築物の連携により効率的に高い省エネ性能を実現する取組みを支援する ( 図表 6) また 住宅 建築物の省エネ化 省 CO2 化や木造化などを支援するほか 中小工務店等の連携による省エネ性能の高い住宅の整備や 省エネ住宅に関する普及 啓発を進める さらに 住宅の長寿命化に向けて 長期優良住宅化リフォームや中小工務店等の連携による長期優良住宅の整備に対する支援を行うとしている 図表 6 住宅 建築物の省エネ化 長寿命化の推進 出典 : 平成 31 年度住宅局関係予算概算要求概要 2018 年 8 月国土交通省 3. 税制改正要望に関する内容 買取再販時の不動産取得税の減税措置延長 国土交通省では 19 年度税制改正要望についても公表しており その中で住宅 不動産流通に関する項目がある 買取再販での事業者の住宅取得時の特例措置もその一つで 買取再販業者が既存住宅を取得し一定のリフォームを行った場合 不動産取得税を減額する特例措置を 2 年間延長するとともに 省エネ改修の適用要件の合理化措置を 2018/11 No.71 5

図表 7 買取再販での事業者の住宅取得時の特例措置 出典 : 平成 31 年度国土交通省税制改正要望事項 2018 年 8 月国土交通省 講じる ( 図表 7) 不動産取得税については 住宅部分を築年月に応じて一定額を減額するほか 敷地部分については安心 R 住宅や既存住宅売買瑕疵保険への加入時に一定の税額を減額する措置を 2021 年 3 月末まで延長する措置を要望している 図表 8 空き家の発生抑制のための特例措置 出典 : 平成 31 年度国土交通省税制改正要望事項 2018 年 8 月国土交通省 2018/11 No.71 6

また 空き家の発生抑制のための特例措置では 空き家の譲渡所得の 3,000 万円控除の適用期間の延長に合わせ 被相続人の直前居住要件とリフォーム 除却時点に関する要件の緩和を求める ( 図表 8) 具体的には 所得税 個人住民税について相続日から起算して 3 年を経過する年の 12 月末までに 被相続人の居住していた家屋や取り壊し後の土地を相続人が譲渡した場合 譲渡所得から 3,000 万円を控除する これは 19 年 12 月末までの譲渡が対象で この特例措置を 2023 年末まで 4 年間延長する このほか 被相続人が老人ホーム等に入居していた場合や 譲渡後に家屋の除却または耐震リフォームを行った場合も対象に加えることを要望している 消費税率引き上げを踏まえた各種対策 2019 年 10 月に予定されている消費税率 10% への引き上げを踏まえた住宅取得対策の検討も本格化している 14 年時点の閣議決定で既に 10% への引き上げ時に実施することが決定している対策としては 住宅ローン減税 ( 一般住宅の借入限度額 4,000 万円で年末残高の 1% を所得税等から差し引く ) の延長や 住まい給付金の最大 50 万円までの拡充 贈与税の非課税措置 ( 質の高い住宅は最大 3,000 万円へ ) 拡充が挙げられる ( 図表 9) 消費税 8% への引き上げ後 15 年に実施した住宅エコポイント ( 一定の省エネ性能を持つ住宅の購入や断熱改修等に対して 1 戸当たり 30 万円相当のポイント支給 ) やフラット 35S の金利引き下げ幅拡大 図表 9 消費税率引き上げを踏まえた住宅取得対策 2018/11 No.71 7

出典 : 消費税率引き上げに係る住宅対策について 2018 年 7 月国土交通省 についても今回 類似制度の導入が検討されているほか 住宅ローン減税の適用期間の延長 (10 年 11~15 年程度 ) なども議論されている 業界団体も消費税率引き上げに対する要望事項を公表しており 住宅生産団体連合会では消費税 10% への引き上げに伴う需要落ち込み対策として大きく 4 つの要望事項を示している ( 図表 10) 要望 1 3 4 は国土交通省の増税対策と重なるが 要望 1 は省エネ対策としての住宅エコポイントだけでなく 耐震改修時の支給を想定した耐震ポイント制度の創設も求めている 要望 2 の ZEH 等補助制度の拡充 図表 10 住宅生産団体連合会の消費税率引き上げに関する要望事項 ( 抜粋 ) 2018/11 No.71 8

出典 : 消費税率 10% 引上げに伴う住宅需要落込み防止対策について ( 要望 ) 2018 年 7 月 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 については 2020 年までに標準的新築住宅 ( ハウスメーカー等の新築戸建の半数以上 ) で 30 年までに新築住宅の平均で ZEH を実現するため 補助対象の拡充や申請手続きの簡素化などを要望している なお 住宅に関する消費税は 新築の戸建住宅やマンションを事業者から購入する際に建物部分に課税され 中古住宅の個人間売買では課税されない ( 仲介手数料には課税 ) 点を知っておきたい 今回の消費税率引き上げによる影響は前回の 14 年を下回るとの指摘もあるが 前回と同等もしくはそれ以上の対策が政府 与党で検討されており 今後の議論の行方が注目される 注 ) レポートの内容は 18 年 11 月 15 日現在のもの 2018/11 No.71 9