平成26年版 特別会計ガイドブック

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図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

資料 1-1 資料 1-1 平成 29 年度財政融資資金運用報告について 平成 30 年度財政融資資金運用報告について 平成令和元年 30 年 7 月 26 日財務省理財局財務省理財局

平成 31 年度社会保障関係予算のポイント 頁 新 ( 平成 31 年 1 月 18 日閣議決定 ) 旧 ( 平成 年 12 月 21 日閣議決定 ) 1 平成 31 年度社会保障関係費の姿 平成 31 年度社会保障関係費の姿 ( 注 ) 年度 31 年度増 減 329, ,914 +1

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.4% 10.8% 実質公債費比率 平成 21 年度 9.9% 平成 22 年度 11.7% 平成 23 年度 11.4% 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.8% 12.6% 実質公債費比率 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 平成 26 年度 11.8% 平成 27 年度 12.6% 平成 28 年度 13.7% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等

29 那珂川町 実質公債費比率の状況と推移 4.6% 4.0% 実質公債費比率 平成 23 年度 5.6% 平成 24 年度 5.1% 平成 25 年度 4.6% 平成 26 年度 4.0% 平成 27 年度 3.6% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の額を その

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

15 小郡市 13.9% 13.5% 比較する財政の規模 ( 分母 ) の内訳について 計算式 : 標準財政規模 (c) - 算入公債費等の額 (b) 標準財政規模 (c) の内訳 ( 単位 : 千円 %) H22 決算 H23 決算 H24 決算 H25 決算 標準税収入額等 7,265,856

平成26年版 特別会計ガイドブック

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

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総務省予算のポイント 30 年度予算編成の基本的な考え方 1. 情報通信予算については ICT による経済成長を実現するため サイバーセキュリティの強化 ICT の安心 安全の確保や世界最高水準の ICT 環境の整備などの施策に重点化 2. 地方自治予算については 地域への ヒト 情報 の流れの創出

貝監第  号

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

1 北九州市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 20 年度 171.8% 平成 21 年度 173.5% 平成 22 年度 平成 23 年度 166.9% 166.0% 166.9% 平成 24 年度 170.3% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め

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21,085,449,993 21,085,449, ,194,200 9,323, , ,018,439 6,727,540 1,709, ,178,923,009 1,901,068, ,145, ,27

16 筑紫野市 22.91% 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

Microsoft Word _【再々修正】公表資料<厚生年金・国民年金の平成28年度収支決算の概要>

15 小郡市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 21 年度 118.0% 平成 22 年度 102.9% 平成 23 年度 平成 24 年度 81.4% 92.7% 81.4% 平成 25 年度 76.4% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め その地

(2) 具体的な事業の内容 本特別会計は 一般会計において発行された公債を中心に 国全体の債務状況を明らかにすることを目的とした整理区分会計であるとともに 定率繰入等の形で一般会計から資金を繰入れ 普通国債等の償還財源として備える 減債基金 の役割を担っています また 国債整理基金には 一般会計や他

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

2007財政健全化判断比率を公表いたします

(2) 具体的な事業の内容 本特別会計は 一般会計において発行された公債を中心に 国全体の債務状況を明らかにすることを目的とした整理区分会計であるとともに 定率繰入等の形で一般会計から資金を繰入れ 普通国債等の償還財源として備える 減債基金 の役割を担っています また 国債整理基金は 一般会計や他の

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報


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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

9 地方歳入中に占める地方税収入の割合の推移 ( その 1) 区 都道府県 分 昭和 2 年度昭和 5 年度昭和 10 年度昭和 15 年度 金額比率 % 金額比率 % 金額比率 % 金額比率 % 地方税

特別会計の改革について

平成 25 年度 佐賀市財務諸類の公表公表についてについて Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示され

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

Taro-中期計画(別紙)

 資 料 2 

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平成 26 年度 佐賀市財務諸類の公表について Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデ

02_公表資料<厚生年金・国民年金の平成27年度収支決算の概要>

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

第3 法非適用企業の状況

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2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

2 決算収支 実質収支は 59 億 63 百万円の黒字で 11 年連続で全団体黒字となった 単収支は 9 億 92 百万円の黒字となった また 赤字団体は35 団体中 15 団体となり 前と比べて8 団体減少した 実質単収支は 189 億 82 百万円の赤字となり 前と比べて41 億 47 百万円赤

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

平成 2 4 年度 佐賀市財務書類 基準モデル 平成 26 年 3 月佐賀市総務部財政課

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

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その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,


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1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

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(2) 具体的な事業の内容 地震再保険事業は 民間損害保険会社が引き受けた地震保険の責任の一部を政府が再保険するものです すなわち 地震被害が大きく 損害額が巨額に上る場合 民間損害保険会社だけでは支払いが困難になるので 損害額が一定の額を超過した場合 その超過した部分について 国が再保険金を支払う

Microsoft Word - 5第Ⅰ部第1章

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

Microsoft Word 決算短信修正( ) - 反映.doc

2017 年度第 1 四半期業績の概要 年 8 月 9 日 日本生命保険相互会社

1. 国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 抜粋 翻訳 ) 国際財務報告基準に準拠した財務諸表の作成方法について当行の国際財務報告基準に準拠した財務諸表 ( 以下 IFRS 財務諸表 という ) は 平成 27 年 3 月末時点で国際会計基準審議会 (IAS B) が公表している基準及び解釈指針に

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資産の部 道路 小 中学校など公共施設の現在価値のほか 他団体に対する出資金や預金など これまで積み上げてきた金額 負債の部 借入金の残高 退職手当の引当金など 将来の世代が負担しなければならない金額 純資産の部 資産のうち税金などによって形成され これまでの世代が負担した金額 公共資産 自治体が所

連結実質赤字比率 ) 実質赤字比率 =A/B*100が負一般会計等 2 会計名学童等災害共済学童等災害共済事業 数の場合における A/B*100の絶対 一般会計等 2 実質収支額 値 一般会計等 3 会計名 中小企業従業員中小企業従業員退職金等

資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな

平成11年度決算:計数資料

図表 1 各特別会計ごとの平成 17 年度歳入歳出決算状況 ( 単位 : 億円 ) 1. 事業特別会計 収納済歳入額 (1) 支出済歳出額 (2) 繰越額 不用額 歳計剰余金 (1-2) 翌年度歳入に繰入 歳計剰余金の処理状況 他勘定に繰入 翌年度の一般会計に繰入 44 条資金に積立て 積立金 資金

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Microsoft Word - ●01 第1章・第2章

平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について

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平成 28 年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率に関する審査意見書 春日井市監査委員

さぬき市普通会計決算状況 普通会計決算状況及び財政指標等 1P 普通会計歳入決算状況 普通会計歳出決算状況 主な一般財源の推移 ( 市税及び地方交付税 ) 普通建設事業費と義務的経費の推移 基金 市債及び元利償還金等の状況 2P 3P 4P 5P 6~8P

資料 1 税財政制度を通じた論点 Ⅰ 現状と課題 1. 地方財政の財政の概要 地方財政の平成 23 年度決算は 歳入約 兆円 歳出 97.0 兆円となっている なお 借入金残高は約 兆円と依然と高い水準にある 国と地方における最終支出ベースにおける比率は 42:58 となって

移行認定の申請書類目次

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

3 貸借対照表 当該年度末時点での資産 負債 基本金の状況を表し 財政状態を明らかにするものです 資金収支計算書と事業活動収支計算書は単年度の収支状況を表すもので 貸借対照表は今までの財政活動における積み重ねの結果を表すものです 貸借対照表は学校法人会計基準第 4 章に掲げられており 基本的には企業

平成14年度社会保障給付費(概要)

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

平成 30 事業年度予算の概要 平成 30 事業年度予算は 拠出金収入 手数料収入 運営費交付金等により実施する救済 審査 安全対策の各業務に係る所要経費を適切に上し 国の平成 30 年度予算に上されている事業を盛り込むとともに 中期画に掲げた目標達成に必要な経費を上している 予算 29 年度 (

2 決算規模及び収支 (1) 決算規模 特別の平成 26 年度普通会計決算は 歳入総額 3 兆 5,779 億 31 百万円 歳出総額 3 兆 4,423 億 40 百万円となった 決算規模は 前年度に比べて歳入は8.0% の増 歳出は8.3% の増となり 歳入 歳出ともに4 年連続の増となった (

リリース

特別会計のはなし

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国立大学法人等の平成23事業年度決算について

平成14年度社会保障給付費(概要)

Microsoft Word - 訂正短信提出2303.docx

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国の財政規模の見方について

国の財政規模の見方について国の財政規模の見方について 1 一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞれの性格や目的は多種多様であり その歳出の中にも性格の異なる様々なものがあります このため 特別会計を含めた国全体の財政規模を見るうえでは 単純に一般会計と全特別会計の総額を見るだけでなく 重複計上額及び国債の借換額を除いたり ( 重複計上額等を除いたものを純計額といいます ) 歳入 歳出のそれぞれの性格や目的に応じた整理を行ったうえで その規模を捉えることが求められます (2) 総額ベースで見た国全体の財政規模まず 一般会計と全特別会計を単純に合計した総額ベースで国の財政を見てみましょう 総額ベースで見た国の財政規模は 平成 26 年度予算では 歳入が 510.5 ( 対前年度 +9.6 ) 歳出が 507.3 ( 対前年度 +28.2 ) となっています (3) 純計ベースで見た国全体の財政規模 1 国全体の財政規模を純計ベースで見る必要性我が国の予算は 予算の全貌を明らかにする観点から コストの重複計上による部分についても 財政法第 14 条により その歳入歳出につき各々その総額を予算に計上することとしています ( 総計予算主義 ) そのため それらの歳入 歳出を単純に全て積み上げると 実質的な国の財政規模をはるかに超えた額になってしまいます 例えば 一般会計から特別会計へ繰入れを行い その特別会計で事業を行った場合 当該事業費に相当する一般会計の歳入額 ( 一般税収等 ) とともに その特別会計にも重複して同額の歳入額 ( 一般会計からの繰入額 ) が計上されることから 総額ベースでは倍の収入があるように見えます 同様に 歳出についても 特別会計の歳出額 ( 当該事業費 ) だけでなく一般会計にも同額の歳出額 ( 特別会計への繰入額 ) が計上されて倍の歳出があるように見えます ( 注 1) 国民経済計算 (SNA) による国民所得統計の計算に当たっては 企業の内部取引に当たる部分は重複計上されないようになっています その結果算出された平成 24 年度における我が国の経済規模 472.6 に占める公的需要は 国と地方を合わせて 118.1 ( 政府最終消費支出 97.1 公的資本形成等 21.0 ) となっています ( 注 2) 重複計上部分は 企業でいえば倉庫から工場への材料の移出や工場同士の間での製品の移出といった内部取引に当たるものです このような会計のやり方は 資金のやり取りの内容の細かい部分まで正確に捉えることができますが 単純に加算したのでは見かけ上の規模が実際よりも大きくなってしまい実質的な規模を見るには適していません

2 国の財政規模の見方について 2 国の財政規模の見方について 図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 26 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政国の財政 507.3 479.2 兆 国の財政国の財政 237.4 223.0 兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 C 特会 C 特会 個々の会計単位の収支が全て把握できます 一般会計と特別会計との間の入り繰り 特別会計間の入り繰りなどの重複額が計上されます 一般会計と特別会計との間の入り繰り 特別会計間の入り繰りなどの重複額を除くため 実質的な規模が把握できます したがって 一般会計と特別会計を合わせた実質的な国の財政規模を見ていくには 会計間取引額がすべてそれぞれの歳入 歳出に計上された額を合計した 総額 ではなく 総額から会計間の取引として重複計上されているもの等を除いた 純計 で見ていく必要があるのです ( 図 4-1 上の矢印の合計サイズの違い ) 2 純計ベースで見た国全体の財政規模一般会計と全特別会計の歳入 歳出の総額から 会計間相互の重複計上額及び国債の借換額を除いた純計ベースで見た国の財政規模は 平成 26 年度予算では 歳入が 238.9 ( 対前年度 4.0 ) 歳出が 237.4 ( 対前年度 +14.4 ) となっています 図 4-2 総額と純計の違い ( 平成 26 年度当初予算 ) ( 注 1) 総額及び純計の歳入歳出差額は 外国為替資金特別会計の運用収入等と利払費等との差 0.8 財政投融資特別会計の運用収入と利払費等との差 0.3 など各特別会計の歳入歳出差額の合計です なお 純計の歳入歳出差額の算出において 一般会計歳入のうち特別会計からの剰余金受入等 1.7 については 歳入の重複分に加えています ( 注 2) 一般会計の歳出純計額 42.2 と比べ 特別会計の歳出純計額は 195.2 と規模が大きくなっていますが これは国債整理基金特別会計 年金特別会計等 一般会計からの繰入れとその他の収入とを合わせて財源とし 歳出を行っている特別会計が多いためです

国の財政規模の見方について国の財政規模の見方について 1 3 一般会計と特別会計の主要経費別純計 国全体の財政状況の一覧性を確保するため 一般会計と特別会計の歳出予算を合計した主要経費別純計を 平成 20 年度予算から公表することとなりました これは会計間の入り繰り等を除く歳出について 政策分野ごとの整理を行ったものであり 国全体の歳出の全体像を示すものです これを見ると 一般会計と特別会計の歳出純計額約 237.4 のうち 約 4 割が 国債の償還 利払い等に充てられる国債費 さらに約 3 割が 社会保障費関係費となっており この 2 つの経費で全体の 7 割以上を占めています 図 4-3 一般会計と特別会計の主要経費別歳入歳出純計額 ( 平成 26 年度当初予算 ) 円 (4) 企業会計ベースで見た国全体の財政規模 会計間相互の重複計上額を除いた純計でも 国債等の償還費など企業の財務活動に相当する項目が含まれています これに対し 国民が負担する税金と社会保険料の使い途にほぼ対応するのは企業会計ベースで見た国全体の財政規模となります 企業会計ベースでのとらえ方は 歳出面で企業の借入金の返済に相当する債務償還費や 財政投融資が費用として認識されず 歳入面でも国債や財投債発行による歳入が財源とはされないため 国の行政活動に係る費用や実質的な財源を把握するのに適するとともに 債務償還費や財政投融資といった金融取引に類する収入支出が大きく変動した場合にもこれらが除かれるため 国の財政規模の経年比較にも適しています 他方 減価償却費や退職給付引当金繰入額など 当期の費用として処理すべき項目が含まれることになります 企業会計ベースで国の財政規模を見る場合には 具体的には 民間企業の損益計算書 (P/ L) のコスト部分に相当する 国の財務書類 における業務費用計算書 ( 一般会計と特別会計を合わせたもの ) を見ることが適当と考えられます 企業会計ベースで見た我が国の財政規模は 137.9 ( 平成 24 年度決算ベース ) となっています ( 注 ) 平成 24 年度の決算を基礎として 発生主義に基づいて費用を認識することにより 債務償還費から元本償還部分を除く他 国の資産を形成する公共事業費を計上せず その代わりに過去に整備された公共事業資産の減価償却費を計上しています

2 国の財政規模の見方について 2 国の財政規模の見方について 図 4-4 企業会計ベースで見た国全体 ( 一般会計 + 特別会計 ) の財政規模 ( 平成 24 年度決算ベース ) 企業会計ベースで見た国の歳入 98.3 租税等収入 社会保険料 その他の財源 47.0 40.1 11.2 財源不足 39.5 人件費 事務費 4.7 3.7 年金等 46.0 補助金等 そ 44.7 文部土そ学通他省省4.4 国減そ価償却費 年金の厚生労働省地方交付税の科交の他交付金等 他 43.3 2.8 5.6 27.8 6.9 5.2 3.4 20.7 利払費 9.4 企業会計ベースで見た国の歳出 137.9 ( 注 )1 企業会計の考え方を活用した国の財務書類では 歳出面で債務償還費が費用とはされず 歳入面でも国債発行による収入が財源とはされません 2 企業会計の考え方を活用した国の財務書類では 財政投融資が費用とはされず 歳入面でも財投債発行による収入が財源とはされません これは 銀行の財務諸表の場合と同様の扱いです 3 国の財務書類は 国の財政を企業会計に準じた手法により表示することによって説明責任を高めるために作成されるようになったものです 国の財務書類を見ることによって 企業の財務状況を分析するのと同じ感覚で国の人件費や物件費あるいは利払費などについて考えることができるようになりました 4 現金主義である予算 決算と企業会計の考え方を活用した財務書類を比べた場合 金額として最大の違いが出てくるのが国債整理基金特別会計の支出ですが この国債整理基金特別会計は 明治 39 年 日露戦争後に多額の公債を抱えることとなった明治政府が 公債管理の状況を現金ベースで内外に明らかにするために設けた特別会計であり 説明責任を高める目的で設置されたものと考えられます ( 参考 ) 企業会計ベースで見た一般会計の財政規模国の一般会計のみに着目して 特別会計とのやり繰りを含めたその財政規模を企業会計ベースで見ると 平成 24 年度決算ベースでは 財源が 48.2 費用が 87.3 となっています この財源と費用とのギャップは 国債発行による収入が財源とはされないために生じるもので 財源不足分が国債発行による収入に概ね相当することとなります 他方 費用 87.3 は 平成 24 年度歳出決算 ( 現金ベース )97.1 を 9.8 下回っていますが 企業会計ベースで見た支出が発生主義に基づくものであり 公共事業費を費用ではなく資産の取得としてとらえる ( その代わりに過去に整備された公共事業資産の減価償却費を費用として計上する ) 等によるものです

国の財政規模の見方について国の財政規模の見方について 1 図 4-5 企業会計ベースで見た一般会計の財政規模 ( 平成 24 年度決算ベース ) 企業会計ベースで見た一般会計の歳入 48.2 租税等収入 43.9 その他の財源 4.3 財源不足 39.1 公共事業関係 2.3 その他 3.6 その他 0.7 人件費 4.4 事務費 2.7 特別会計への繰入 34.6 交付税 16.5 社会保障関係 12.2 補助金等 厚生労働省 17.1 32.0 文部科学省 国土交通省 5.3 4.0 その他 5.6 減価償却費 5.0 利払費 8.0 企業会計ベースで見た一般会計の歳出 87.3 (5) 国際比較ベースで見た我が国の財政規模 OECDによる各国比較に用いられる国民経済計算 (SNA) では 一般政府 ( 中央政府 地方政府 社会保障基金を合わせたもの ) の支出には 債務償還費や財政投融資等に係る支出は含まれていません また アメリカ フランスなどの諸外国でも国債の債務償還費は 予算に含まれていません そこで 我が国の財政規模を諸外国と比較する際には 会計間の取引額などの重複額を除いた上で さらにこれらを除く必要があります この場合 我が国の財政規模は 194.2 ( 平成 24 年度 ) となります なお OECDのデータ等による平成 24 年 (2012 年 ) の政府規模 ( 中央政府 地方政府 社会保障基金を合わせた一般政府総収入 総支出 ) の各国比較は次のとおりです

2 国の財政規模の見方について 2 国の財政規模の見方について 図 4-6 一般政府総支出の国際比較 (2012 年 ) 総収入 ( 実績値 ) 日本アメリカイギリスドイツフランス 152.8 兆 ( 円 ) 5 兆 84 億 ( ドル ) 6,546 億 ( ポンド ) 1 兆 1,938 億 1 兆 527 億 対名目 GDP 比 32.3% 30.8% 42.0% 44.8% 51.8% 総支出 ( 実績値 ) 194.2 兆 ( 円 ) 6 兆 4,948 億 ( ドル ) 7,500 億 ( ポンド ) 1 兆 1,915 億 1 兆 1,521 億 対名目 GDP 比 41.1% 40.0% 48.1% 44.7% 56.7% ( 注 )1 日本は年度 外国は暦年 2 一般政府総支出には 債務償還費及び財政投融資に係る支出は含まれません ( 出典 ) 日本 : 平成 24 年度国民経済計算確報諸外国 :OECD Stat Extracts/National Accounts (2014.8 取得データ )