. Ⅰ. 財政状況の年度推移編 ( 一般会計 ) 本資料中の中核市のデータは 平成 29 年 9 月 3 日現在における中核市市長会ホームページ上の各市のデータを基に作成したのものです また 四捨五入の関係上 各グラフ間の数値が合計と合わない場合があります 1. 決算概況 ( 単位 : 億円 ) 歳入総額 歳出総額 1,8 1,6 1,4 1, 1, 8 6 4 歳入総額歳出総額実質収支実質単年度収支 1,7 1,634 1,525 1,529 1,539 1,537 1,564 1,64 1,579 1,568 1,476 1,477 1,472 1,384 1,459 1,497 1,517 1,357 1,336 1,36 56 67 49 32 41 38 55 35 41 38 5 41 17 1 5 1 41 46 37 35 12 1 8 6 4 2 2 4 6 実質収支 実質単年度収支 グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向で 平成 28 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大となっています 28 年度の実質収支は 38 億円となり 前年度より 11 億円の減となりました 実質単年度収支は 平成 23 年度に黒字になったものの それ以降は赤字が続いており 28 年度は 46 億円の赤字となっています これは 実質的な赤字要素である基金の取崩しを行っていることが要因です 家計で考えると 収入 支出ともに増加傾向となっており 余裕があるように見えますが 実は貯金を取り崩しながらやりくりしている状況です 実質収支歳入と歳出の差から 未払いとなっている金額を差し引いたもの ( 最終的に手元に残る金額 ) 実質単年度収支実質収支と基金 ( 貯金 ) の合計額が前年度に比べてどのくらい増減したかを示すもの 家計で考えると 実質収支 歳入額 1 年間に稼いだ収入と取崩した貯金の合計額 歳出額 1 年間で実際に支払った金額 翌年度に繰越す財源 注文した品物が年内に取寄せできなかったために未払いとなっている金額 実質収支最終的に手元に残る金額 実質単年度収支今年実質収支昨年実質収支 実質単年度収支黒字 今年 昨年 実質収支 実質収支 実質単年度収支赤字
2. 歳入の状況 ( 単位 : 億円 ) 1,8 1,6 1,4 1, 1, 1,357 71 19 市債 国庫 県支出金 地方交付税 地方譲与税 交付金 市税以外の自主財源 市税 自主財源総額 比率 1,384 1,525 1,529 1,539 1,537 133 16 159 16 1,564 1,579 161 194 1,634 196 1,7 237 依存財源 8 6 4 62.2% 58.7% 51.7% 51.6% 5.5% 53.% 51.9% 5.7% 49.9% 49.4% 845 813 789 789 777 814 812 81 816 841 自主財源 グラフの解説 歳入において 本市が自主的に確保できた自主財源の金額は増加傾向ですが 割合は下落傾向にあり 28 年度は 841 億円 49.4% となっています 逆に自主財源以外の依存財源の割合は 増加傾向で 28 年度は 5.6% となっています 特に依存財源のうち 市債は 1 年間で 3 倍 (71 億円 237 億円 ) となっており これは公共施設整備や大規模修繕などの増加が要因です 今後とも市債の圧縮に努めつつ 自主財源の更なる確保に取り組む必要があります 家計で考えると 収入の半分は自分たちで稼ぎ 残りの半分は仕送りや借金に頼っている状況です 借金の金額は毎年増加しています 自主財源 市税住民の皆さんからの税金収入 ( 個人住民税 法人住民税 固定資産税など ) 市税以外の自主財源施設の使用料収入や手数料収入 財産収入 寄付金 基金 ( 貯金 ) の取崩し ( 繰入金 ) 前年度からの繰越金 諸収入 自主財源比率歳入総額に占める自主財源の比率 行政活動の自主性と安定性の確保のため 高いほうが望ましい 依存財源 地方交付税普通交付税と特別交付税があり 地方の実情に応じて国から交付されるお金 普通交付税 すべての地方公共団体が一定の水準となるよう財源を保障するため 財源不足分が生じる場合に国から交付される 特別交付税 渇水や災害対策など自治体の特殊事情に対して交付される 地方譲与税地方公共団体の財源とされているものについて 課税の便宜などの事情で国が代行徴収し 地方に配分する地方税 国庫 県支出金特定の事業や施策に関して国や県が市に対して支出する負担金 委託料 補助金 市債建設事業などまちづくりのために借りたお金
3-1. 歳出の状況 ( 目的別 ) ( 単位 : 億円 ) その他公債費教育費消防費土木費 1,8 商工費農林水産業費衛生費民生費総務費 1,6 1,4 1, 1, 8 1,36 1,336 189 185 128 198 143 134 1,476 1,477 1,517 1,472 1,459 1,497 193 165 176 18 169 166 151 175 171 212 183 169 124 142 113 146 128 123 128 138 139 133 14 1,568 164 22 13 142 1,64 その他 168 公債費 25 教育費消防費 142 土木費商工費農林水産業費 145 衛生費 6 4 126 119 446 458 479 561 584 582 579 621 641 696 民生費 154 145 225 156 155 165 189 162 171 172 総務費 グラフの解説 歳出 ( 目的別 ) において 28 年度で大きな割合を占めているのは 高齢者 障がい者 児童に関する福祉サービスや生活保護などの民生費 (696 億円 ) 学校教育や社会教育の振興などの教育費 (25 億円 ) 本庁舎管理や職員に要する経費などの総務費 (172 億円 ) 市が発行した地方債の償還金などの公債費 (168 億円 ) などです 推移を見ると 民生費が 福祉 医療 介護などの社会保障費の増大により 平成 19 年度以降で 1.5 倍以上となっており 歳出総額に占める割合も 34.2% から 42.4% と大きく増加しています 家計で考えると 祖父母の介護や医療 子どもの成長に要する費用が年々大きくなっており 支出の 4 割を超すようになってきました 総務費本庁舎管理 戸籍 統計 徴税 選挙 職員に要する経費等 市の全般的な管理事務に要する経費 民生費生活保護 障がい者 老人 児童福祉等 社会生活の安全等に要する経費 衛生費健康づくりや環境対策 ごみ し尿処理等に要する経費 商工費商工業の育成 観光の振興等に要する経費 土木費道路 公園 住宅の整備等に要する経費 教育費学校教育や社会教育の振興等に要する経費 公債費地方公共団体が発行した地方債の元利償還等に要する経費
3-2. 歳出の状況 ( 性質別 ) ( 単位 : 億円 ) 積立 投資 貸付 維持補修費 繰出金 補助費等 物件費 建設事業費 公債費 扶助費 人件費義務的経費総額 1,8 1,64 1,568 1,6 1,517 1,476 1,477 1,472 1,459 1,497 1,336 1,4 1,36 1, 1, 8 6 4 建設 223 283 事業費 216 171 56.2% 176 176 179 57.% 56.9% 54.3% 51.7% 111 174 53.% 54.3% 53.9% 58.9% 56.5% 公債費 261 271 285 352 367 368 366 373 387 386 32 3 31 298 297 293 28 279 299 295 扶助費 義務的経費 人件費 グラフの解説 歳出 ( 性質別 ) において 大きな割合を占めているのは 扶助費や人件費 建設事業費です 推移を見ると 財政の硬直化を示す人件費 扶助費 公債費を合わせた義務的経費の歳出に占める割合は 28 年度において 51.7% となっています 今後も社会保障費の増大による扶助費の増 近年大型建設事業が続いていたことによる公債費の増が予想され 義務的経費は増加していくことが予想されます 家計で考えると 生活費や家のローンなど必ず支払わなければいけないお金は支出のうち半分程度という状況です 今後は 最近家を増築したためローンが高くなる予定です 人件費職員の給料や退職金 議員 非常勤嘱託職員への報酬など 扶助費生活保護や児童手当など 国の法律 ( 社会保障制度 ) に基づく支給と市独自で行う各扶助のための支給 公債費市債 ( 借金 ) の返済 義務的経費行政運営上 毎年固定的に必要になる経費で その支出が義務付けられ 任意に削減し難い性質を持っている 建設事業費その支出の効果が道路や橋などのインフラや 学校やごみ焼却施設等の施設など 資産として将来に残るものに支出される経費 繰出金国民健康保険事業や介護事業 水道事業などの特別会計や企業会計へ拠出するお金
4. プライマリーバランス ( 単位 : 億円 ) 18 168 13 8 124 113 83 88 72 72 34 35 3 2 8 グラフの解説 全体として悪化傾向にあり 平成 28 年度は 13 年ぶりに赤字 ( 8 億円 ) となりました これは 大型建設事業の進捗により建設事業費とそのための市債 ( 借金 ) が増えていることが要因です 赤字になったことで 即刻 何か対応するまでの必要はありませんが 改善するためには今後の大型建設事業をはじめ事業の見直し等によって市債 ( 借金 ) を抑制することと 市債以外の収入を伸ばすことが課題です 家計で考えると 収入のうち 借金を除いた自分たちで稼いだお金や仕送り以上にお金を使っている状況です プライマリーバランス政策的な支出を新たな借金に頼らずに その年度の税収等で賄われているかどうか 子どもや孫など次の世代に負担を先送りしているかどうかを示す指標 マイナス ( 赤字 ) になると 借金の返済以外の支出が税収など借金以外の収入で賄えていないことになり 将来へ負担を先送りしていることになる 算出方法 ( 歳入総額 - 市債収入 )-( 歳出総額 - 公債費 ) 歳入総額 黒字の場合 市債以外の収入市債 ( 借金 ) 公債費以外の支出 歳出総額 借金の返済の一部は借金以外の収入で賄うことができている ( 自力返済部分がある ) 公債費 ( 市債の償還 ) 歳入総額 赤字の場合 市債以外の収入市債 ( 借金 ) 歳出総額 自力返済部分がないため 新たな借金に頼っていることになる 公債費以外の支出公債費 ( 市債の償還 )
5-1. 市債現在高の推移 1,8 1,6 1,4 臨時財政対策債を除いた額 臨時財政対策債現在高 臨時財政対策債とは 国において地方交付税総額が不足する場合 不足額を国と地方で折半し 地方分について各団体が発行する市債です 償還に要する費用は後年度の地方交付税で措置されるため 実質的な地方交付税とも言われています 臨時財政対策債を除いた市債現在高は減少傾向にありましたが 大型建設事業の増加により平成 27 年度から増加しています 1,458 1,453 1,458 1,468 1,482 1,45 1,47 1,526 1,572 ( 単位 : 億円 ) 1,653 1, 1, 8 1,165 1,94 1,1 1,26 97 924 869 862 869 923 6 4 293 313 35 426 487 545 612 665 73 73 5-2. 市民 1 人当たり市債現在高の推移 ( 単位 : 万円 ) 4. 高松市 中核市平均 39. 38. 39.2 38.4 38.9 39.7 38.9 38. 38.2 38. 38. 38.7 38.6 37. 36. 35. 市民 1 人当たりの市債現在高は 中核市平均を下回る状態が続いていましたが 平成 28 年度には平均を上回りました 臨時財政対策債が増加していることが主な要因です 35.7 36.8 34. 33. 32. 34.4 34.7 34.4 34.1 34. 34.2 33.1
6-1. 積立基金現在高の推移 ( 単位 : 億円 ) 3 その他特定目的基金減債基金財政調整基金 25 15 1 131 39 特定目的基金のうち 主な基金は 将来の市有施設の長寿命化や大規模改修に備えた施設整備基金です 平成 27 年度以降は基金の取り崩しが増えたため 残高の減少が続いています 141 4 153 39 14 41 155 41 175 47 23 75 252 92 231 79 26 71 5 88 97 17 94 19 123 135 141 133 12 6-2. 市民 1 人当たり積立基金現在高の推移 ( 単位 : 万円 ) 6.5 積立基金現在高 6. 5.5 5.9 5. 5.4 5.4 4.8 4.5 4. 4.1 3.5 3.6 3.6 3. 3.1 3.3 3.3 2.5