我が国の科学技術イノベーション戦略 - Society 5.0 実現に向けて - 内閣府総合科学技術 イノベーション会議 久間和生
第 1 章第 2 章 第 6 章第 7 章 第 5 期科学技術基本計画 基本的考え 未来の産業創造と社会変 に向けた新たな価値創出の取組 未来に果敢に挑戦する研究開発と 材の強化 世界に先駆けた 超スマート社会 の実現 (Society 5.0) 超スマート社会 の競争 向上と基盤技術の戦略的強化 第 3 章 経済 社会的課題への対応 持続的な成 と地域社会の 律的発展など 第 4 章 科学技術イノベーションの基盤的な の強化 材 の強化 知の基盤の強化 資 改 の強化 第 5 章 イノヘ ーション創出に向けた 材 知 資 の好循環システムの構築 オープンイノベーションを推進する仕組みの強化 新規事業に挑戦する中 ベンチャー企業の創出強化 国際的な知的財産 標準化の戦略的活 など 科学技術イノベーションと社会との関係深化科学技術イノベーションの推進機能の強化 ( 参考 ) 課題の多くは STI で解決 SDGs の多くの 標と 致 目標 1 貧困をなくそう目標 2 飢餓をゼロに目標 3 すべての人に健康と福祉を目標 4 質の高い教育をみんなに目標 5 ジェンダー平等を実現しよう目標 6 安全な水とトイレをみんなに目標 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに目標 8 働きがいも経済成長も目標 9 産業と技術革新の基盤をつくろう目標 10 人や国の不平等をなくそう目標 11 住み続けられるまちづくりを目標 12 つくる責任つかう責任目標 13 候変動に具体的な対策を目標 14 海の豊かさを守ろう目標 15 陸の豊かさも守ろう目標 16 平和と公正をすべての人に目標 17 パートナーシップで目標を達成しよう ( グローバルコンパクトネットワークジャパン HP より引用 ) 1
Society 5.0 の概念 Society5.0 とは 狩猟社会 農耕社会 業社会 情報社会に続く 以下のような新たな経済社会 1 サイバー空間とフィジカル空間を 度に融合させることにより 2 地域 年齢 性別 語等による格差なく 多様なニーズ 潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両 し 3 々が快適で活 に満ちた質の い 活を送ることのできる 間中 の社会 産業だけではなく社会全体を改 する概念を 世界に先駆けて発信 2
Society5.0 のシステム構造と基盤技術 実空間のデータ 実空間 Sensor 現場システム Actuator インターネット 収集伝送 エッジコンピューティング フィードバックフィードバック解析結果 サイバー空間 プロセッサ解析 蓄積データ 実空間に係る基盤技術 ハ イオテクノロシ ーヒューマンインターフェース技術 素材 ナノテクノロシ ー光 量 技術 ロボット技術センサー技術アクチュエータ技術 エッジコンピューティング デバイス技術 ネットワーク技術 サイバー空間に係る基盤技術 AI 技術サイバーセキュリティ技術 IoTシステム構築技術ビッグデータ解析技術 3
躍的に進歩したエレクトロニクス 通信 情報処理 制御技術を活 し サイバー空間とフィジカル空間を融合させ 新たな価値を創出 産業価値はコンポーネントからシステムへ Society 5.0 プラットフォーム構築 総合戦略 2015で定めたシステムのうち 度道路交通システム エネルギーバリューチェーンの最適化 新たなものづくりシステム をコアシステムとして開発 他システムと連携協調を図り 新たな価値を創出 医療 統合型スマート フード材料開発システムスマートチェーンシステム 産システム 介護システム地球環境情報プラットフォーム ヒト モノ 位置情報 医療情報地球環境情報 Society 5.0 プラットフォーム構築 ものづくりシステム 異業種間データ流通促進 新たなサービス エネルギーバリューチェーン おもてなしシステム CPS サイバーフィジカルシステム 基盤技術 AI, ビッグデータ処理技術, サイバーセキュリティ ネットワーク, ロボティクス 省電 デバイス等 エネルギー需給情報 データベース 地域包括ケアシステム防災 減災インフラシステム 度道路維持管理システム交通システム 映像情報 知的財産戦略と国際標準化の推進 規制 制度改 の推進と社会的受容の醸成 能 開発 材育成の推進 共通的基盤機能 3 次元地図情報 1 基盤技術となる AI, ビックデータ, サイバーセキュリティ, ネットワーク, ロボティクス, 省電 デバイス技術等の強化 衛星観測情報 2 各システムの 度化に資するデータベース 複数システム間での利活 を可能とするデータベースの構築 3 将来のシステム連携に備えた通信インターフェース データフォーマットの標準化 今回取り上げたデータベースは参考例 4
CSTI を中心とした Society 5.0 実現の取り組み CSTI が司令塔機能を発揮し 内閣府各プロジェクトや委員会等を 格に 産業界と共に Society 5.0 実現の推進策を具現化 特に出 戦略が明確で産業界から く評価されてる SIP と 知能技術戦略会議や他省庁プロジェクト等との連携を強化し実現を加速 COCN: 産業競争力懇談会 COCN 本格的産学官連携 府省連携で Society 5.0 推進のモデルケース化 産業界 経団連 Society 5.0 実現部会 連携 SIP/ImPACT 日本経済再生本部未来投資会議 人工知能技術戦略会議 ( 総務省 文科省 経産省 ) ロボット革命実現会議 連携 内閣府経済財政諮問会議 経済社会 科学技術イノベーション活性化委員会 連携 内閣府総合科学技術 イノベーション会議 (CSTI) 各戦略協議会 WG 基盤技術検討会他 SIP: 戦略的イノベーション創造プログラム ( 平成 28 年度政府予算 500 億円 ) ImPACT: 革新的研究開発推進プログラム ( 平成 25 年度補正予算 550 億円 ) 総務省 連携 文部科学省 エネルギー 環境イノベーション戦略 アクションプラン ( 各省予算施策の誘導 ) 官 ( 各省庁 ) 経済産業省 連携 技術 データ利活用促進 IoT 推進コンソーシアム ( 総務省 経産省 ) 5
産業競争力の強化を目指した人工知能開発戦略オールジャパンでの体制構築 産業界 研究成果の早期実 化 CSTI がリーダーシップを発揮して主導 内閣府 (SIP) 知能技術戦略会議 ( 未来投資会議の下で具体化 ) AI 研究開発 イノベ - ション施策の 3 省連携を主導 ( 安 議 CSTI 久間議員 5 法 の責任者 産業界 学術界 3 省の局 ) 総務省 情報通信研究機構 CiNet センター : 柳 敏雄 脳情報通信 声翻訳 新的ネットワーク等 関係省庁農林 産省 スマート農機 度 管理農作物の病徴診断 部科学省理化学研究所 新知能統合研究センターセンター : 杉 将 基礎研究 材育成 型計算機資源等 厚 労働省 画期的医薬品の創出診断補助技術 経済産業省産業技術総合研究所 知能研究センターセンター : 辻井潤 応 研究 標準化共通基盤技術等 研究開発 標の共有 国 交通省 ドローンによる 3 次元測量 ICT 建機 検査省 化 出 戦略の共有 動 システム 葛巻清吾 重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保 後藤厚宏 インフラ維持管理 更新 マネジメント技術藤野陽三 レジリエントな防災 減災機能の強化 堀宗朗 次世代農林 産業創造技術野 伸 新的構造材料 岸輝雄 6
600 兆円経済実現に向けて PRISM( 官 研究開発投資拡 プログラム ) 1 官 の研究開発投資を対 GDP 4% 以上に拡 ( 政府 1% 間 3%) 3SIP 型マネジメントの各省への拡 2Society 5.0 実現 PRISM (Public/Private R&D Investment Strategic Expansion PrograM= 官 研究開発投資拡 プログラム ) を平成 30 年度に内閣府に創設 内閣府の予算を追加配分し各府省施策を誘導する 研究開発投資ターゲット領域 と 領域統括を決定 1 担当ターゲット領域の 実施 針 策定 2 各省庁から提案される 対象施策 候補の評価 選定 3 対象施策への予算 ( 推進費 ) の追加配分 4 対象施策間の連携促進 5 対象施策に係るステージゲート評価 (3 年 以降に実施 ) など 内閣府 総合科学技術 イノベーション会議 (CSTI) PRISM ガバニングボード 運営委員会座 : 領域統括 各省庁は 領域統括が策定する 実施方針 に鑑み ターゲット領域に係る施策 ( 対象施策 ) 候補を提案 プログラムディレクター (PD) PD ターゲット領域 SIP SIP PD PD PD PD 各省庁施策 ( 推進費による追加配分対象 ) 関係省庁関係省庁関係省庁 関係省庁 * 図はPRISMとSIPが一体化した例 (SIP 単独の課題もあり ) 7
ターゲット領域の選定結果 ( 選定の視点を踏まえたターゲット領域検討委員会における検討結果 ) 平成 30 年度に設定することを前提に準備を進めるターゲット領域 (3 領域 ) 新的サイバー空間基盤技術 (AI / IoT / ビッグデータ ) 新的フィジカル空間基盤技術 ( センサ / アクチュエータ / 処理デバイス / ロボティクス / 光 量 ) 新的建設 インフラ維持管理技術 / 新的防災 減災技術 平成 31 年度以降に設定することが望ましいターゲット領域候補 (10 領域 ) 新的データベース構築 利活 技術 (System of Systems) 新的 ICT プラットフォーム技術 ( サイバーセキュリティ / ネットワーク / プロセッシング ) 新的蓄エネルギー技術 / 新的省エネルギー技術 新的 動 交通技術 / 新的三次元地図情報活 技術 新的ものづくり技術 新的 料 産流通技術 新的介護 くらし 援技術 新的医療 創薬技術 新的バイオ産業基盤技術 新的素材 / 新的材料開発技術 上記 針に基づき 各年度に設定するターゲット領域については 本プログラムへの予算措置や運 状況 戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) における次期課題等を勘案しつつ選定することが望ましい 8
内閣府 SIP ImPACT : http://www.cao.go.jp/ : http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/index.html : http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/about-kakushin.html