<955C8E E6318FCD2E786477>

Similar documents
藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建

エ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計は 現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計を超えないこと オ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影部分の形状は 現に存する建築物又は現に建築の工事

上野原市規則第××号

東京都市計画高度地区変更(練馬区決定) 【原案(案)】

大阪市再開発地区計画にかかる

‘031209

[ 例 1] 敷地の分割例 1270 m2の敷地を 135 m2ずつに分割する場合 270 m2 135 m2 135 m m2の敷地を 140 m2と 130 m2に分割する場合 270 m2 140 m2 130 m2 2

目 次 流山インターチェンジ北部物流センター地区地区計画計画書 1P 流山インターチェンジ北部物流センター地区地区計画計画図 3P 流山インターチェンジ北部物流センター地区地区計画運用基準 4P 地区整備計画の運用について 運用基準の解説 5P 6P (1) 建築物等の用途の制限 6P (2) 建築

調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

住宅地区 A 約 41.1 ha (1) 長屋 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) (2) 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 建基法 という ) 別表第 2( い ) 項第 3 号に掲げる共同住宅 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) 寄宿舎又は下宿 (3) 建基法別表第

平方・中野久木物流施設地区

目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

地区整備計画書地区整備計画建築物等に関する事項地区の区分 地区の名称地区の面積 建築物等の用途の制限 建築物の敷地面積の最低限度 建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の最高限度建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度 壁面の位置の制限 独立住宅地区 A 約 21.9 ha (1) 長屋

170413_福岡市ガイドライン.indd

tosho_koudotiku

地区計画の届出とは

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

届出の手引き

風致地区制度

Microsoft Word - 宅地造成・区画形質変更の手引

風致地区一覧表 名称甲府城跡愛宕山護国神社酒折荒川和田峠計 面積 5.5 ha ha ha 7.4 ha 75.5 ha ha ha 告示年月日昭和 15 年 5 月 31 日 備考史跡周辺丘陵神社 森史跡周辺河川森林 添付図面等の留意事項 行為の種類

金沢都市計画地区計画の変更

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

高度地区計画書

区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

阪神間都市計画新住宅市街地開発事業の変更(兵庫県決定)

(案)

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

都市計画図 外神田二・三丁目地区(PDF)

Microsoft Word - 岡崎駅南リーフレット案【最終】

Microsoft Word - 法第43条第2項第2号許可基準

(古賀市)都市計画関係法による建築などの許可又は承認の申請の手続きに関する要綱


鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

第 5 地区拠点地区計画の区域には 次に掲げる区域及び地域は含まないものとする (1) 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 以下 農振法 という ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域 (2) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229 号 ) による農

渚地区計画について 地区計画とは? 一般にまちづくりは 都市 都市圏単位で広域的に定めた都市計画に基づき 都市計画法や建築基準法等によって土地利用や建築 開発行為等を規制することで進められていますが 都市の中には 特徴や条件の異なる様々な地域があり それぞれの地域で暮らしやすい環境を形成するには 地

Microsoft Word - 景観形成基準

種別 名称 幅員等 延長又は面積 摘要 道路 区画道路 1 号区画道路 2 号区画道路 3 号区画道路 4 号区画道路 5 号区画道路 6 号区画道路 7 号 12.0m 12.0m 0.8~5.0m 2.6~8.3m 2.25m 1.65m 1.65m 約 790m 約 220m 約 700m 約

Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

1 届出について Q1: 地区計画の届出が必要な行為にはどのようなものがありますか 地区整備計画が定められている区域において 下記の行為を行う場合は届出が必要になります 行為の種類内容 土地の区画形質の変更 ( 開発行為の許可申請を行うものは届出不要です ) 建築物の建築又は工作物の建設 建築物等の

最高限度1 制限の緩和 (1) この規定の適用による隣地との関係等による緩和に関する措置は 次の各号に定めるところによる ただし イの規定については 北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度 ( 以下 斜線型高さ制限 という ) が定められている場合において その高さを

東京都市計画用途地域の変更 ( 東京都決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する ( 中野区分 ) 種類面積容積率建ぺい率 第一種低層住居専用地域 第 二 種 低層住居 専用地域 /10 15/10 4/10 5/10 外壁の後退距離の限度 建築物の敷

面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

様式第1号(第1条関係)

Microsoft Word - 増改築の取扱い

<303689F090E041312D305F8B4B96CD947A92752E6169>

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

< F2D934B97708F9C8A4F95D2288E9F89F188F38DFC97708CB48D6529>

日本橋・東京駅前地区

Microsoft Word - 03第3章(p37-45)

地区 の 区分 名称駅南口西街区地区駅南口東街区地区駅北口駅前広場地区 面積約 2.8 ha 約 0.6 ha 約 1.7 ha 用途地域による用途制限の他に 次の各号に掲げる建築物は 建築し てはならない 地区整備計画 建築物等に関する事項 建築物の 用途の制限 1. 指定道路 1 に面する敷地の

第 43 回四日市市都市計画審議会 第 80 号議案関連資料 1. 四日市都市計画地区計画の変更 ( 小古曽地区地区計画の決定 ) に関する地権者からの都市計画提案書について ( 関連資料 -1) 2. 小古曽地区地区計画比較表 ( 都市計画提案と地区計画決定 ) ( 関連資料 2) 1

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例


Microsoft Word - 風致地区条例運用基準(配布用丸文字).docx

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

<4D F736F F D CF8D5888C48C7689E68F91817A948E91BD B8A58926E8BE62E646F63>

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

南部地区 地区の名称 南部地区建築物の用途の制限 ( ほなみ町 桜新町 ) 敷地面積の最低限度 ( 東原町 苗津町 長者町の各一部 ) 22.5ha 沿道業務地区 17.6ha 合計 40.1ha 建築物等の形態又は意匠の制限 沿道業務地区には 次に掲げる建物は建築してはならない マージャン屋 ぱち

資料 2 立川市景観計画の一部改定 ( 案 ) ( 現計画 ) P25 表 一般地域 景観形成地区の届出の対象となる行為の規模 P26 (4) 大規模建築物等にかかる事前協議の部分 ( 改定案 ) P25 表 一般地域 景観形成地区の届出の対象となる行為の規模 P26 (4)

区域の整備 開発及び保全に関する方針地建築区物等整に関備する計事項画地区計画ガイド八日市出町地区 八日市出町地区 地区計画の内容 名称八日市出町地区地区計画 位 置 金沢市八日市出町の一部 面積地区計画の目標土地利用の方針建築物等の整備方針 約 10.7 ha 本地区は 市中心部の南西約 4kmに位

地区計画パンフレットP.1

予定建築物等以外の建築等の制限 法 42 条 立地基準編第 5 章 (P127~P131) 法第 42 条で規定されている 予定建築物等以外の建築等の制限 については 次のとおりとする 1 趣旨開発許可処分は 将来その開発区域に建築又は建設される建築物又は特定工作物がそれぞれの許可基準に適合する場合

(暫定逆線引き地区)地区地区計画運用基準

地区計画について用途地域等の都市計画に加えて 地区単位で建物等の用途や形態 敷地などに対する制限を総合的に計画し 規制 誘導することにより 地区の特性を活かした良好な市街地環境の形成を図る制度です 野中地区地区計画の目的野中地区では 道路や公園等の都市基盤施設を一体的に整備改善し 健全で良好な住宅地

東京都駐車場条例(昭和三十三年東京都条例第七十七号)新旧対照表(抄)

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

基準法施行令 ( 昭和 25 年政令第 338 号 ) の例による 第 2 章風致地区 ( 風致地区の種別 ) 第 3 条風致地区の種別は 次に掲げるとおりとする (1) 第 1 種風致地区特に良好な自然環境を有する地区で その保全を図るため 建築物その他の工作物 ( 以下 建築物等 という ) の

(Microsoft Word - \216w\223\261\227v\215j19.7.1\211\374\220\263\224\305.doc)

( 趣旨 ) 第 1 条この条例は, 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 50 条及び第 52 条第 5 項の規定により, 周辺環境との調和のとれた斜面地建築物の敷地の利用を図り, もってその周辺における良好な居住環境の確保に資するため, 斜面地建築物の階数に

Microsoft Word - 02_第1章.docx

PowerPoint プレゼンテーション

区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

和泉市の宅地開発における制度

三郷市景観計画の届出等について ( 概略版 ) 平成 30 年 1 月 4 三郷市都市デザイン課計画景観係 概要 三郷市は 地域で育まれ まちづくりで形成された良好な景観とともに 課題となる景観も有しております さらには 近年 駅及び三郷インター周辺において新

地区の細区分 1 流通 業務地区 2 都市型居住地区 地区 建築物 建築物等の高さの最高限度 建築物等の高さの最高限度は 15mとする ただし 敷地面積が1,000m2以上あり かつ金沢市景観審議会において都市景観上支障がないと認められた場合は 25mとする 整備計画 等に関する事項 建築物等の形態

5-1から3許可・不許可

(案)

周南4市市街化調整区域における地区計画運用指針

3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

印西都市計画地区計画の変更 ( 印西市決定 ) 都市計画滝野地区地区計画を次のように変更する 名称滝野地区地区計画 位 置 印西市滝字新野及び字大割 滝野一丁目 滝野二丁目 滝野四丁目 滝野五丁目 滝野六丁目及び滝野七丁目の全部の区域並びに滝字大門及び滝野三丁目の各一部の区域 面積約 56.3 ha

絶対高さ制限を定める高度地区についてのQ&A

新千里西町B団地地区地区計画

Microsoft Word - 1_表紙目次.doc


《○○○○○》

<4D F736F F D A6D92E894C A968795FB8E738E738A5889BB92B290AE8BE688E682CC926E8BE68C7689E682CC834B C98AD682B782E9895E97708AEE8F80>

- 2 - 及び規模 地区の 区分 地区施設の配置 道路 3 路線 幅員 ~ m 延長 約 m 公園 1 箇所 面積 約 m2 公共緑地 4 箇所 面積 約 m2 2 箇所 幅員 m 面積 約 m2 ( の幅員 mのうち 以上を高木植栽空間とする ただ し 門柱 門扉等の施設については この限りでは

に基づく保安林指定計画地 (8) 自然環境保全法 ( 昭和 47 年法律第 85 号 ) 第 14 条第 1 項に規定する原生自然環境保全地域及び同法第 22 条第 12 項に規定する自然環境保全地域が指定されている土地の区域 (9) 自然公園法 ( 昭和 32 年法律第 161 号 ) 第 13

1 制の緩和 1 この規定の適用による隣地との関係等による緩和に関する措置は 次の各号に定めるとこ ろによる ただし イの規定については 北側の前面道路又は隣地との関係についての建築 物の各部分のさの 以下 斜線型さ制 という が定められている場合に おいて そのさを算定するときにる ア北側の前面道

区域の整備 開発及び保全に関する方針 公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 その他当該地区の整備 開発及び保全に関する方針 道路については 都市計画道路 平岡循環通 及び市道 北野里塚線 の拡幅整備を行うとともに 土地利用転換に伴って必要となる主要な道路を 周辺住民の動線空間としても機能する

<4D F736F F D AB97A788EAA593F1A58E4F929A96DA926E8BE68C7689E68C7689E68F E646F63>

Taro-風致地区条例公布文.jtd

その他当該区域の整備 開発及び保全に関する方針 近隣商業地区では 周辺地域との調和のとれた緑のネットワークの形成を図るため 敷地内の緑化や屋上緑化 壁面緑化を推進し その他の地区においても 緑豊かで潤いのある環境を創出するため 敷地内の緑化を推進する 位置東久留米市南沢五丁目地内 面積約 6.3ha

新しいまちづくりのために

Transcription:

京都市風致地区条例による 許可基準の解釈と運用 平成 25 年 12 月 京都市都市計画局都市景観部風致保全課

目次 第 1 章総論 1 この冊子の目的 1 2 風致地区条例による許可の基本的な考え方 1 地域ごとの風致との調和 ( 風致保全計画との整合 ) 1 風致地区の種別指定 1 種別に応じた許可基準 ( 数値基準 ) 1 共通デザイン基準 1 特別修景地域の指定及び特別修景地域に適用される許可基準 1 3 建築物が風致地区の内外にわたって建築される場合等 における許可基準の取扱い 2 計画区域等が風致地区の内外にわたる場合の取扱い 2 計画区域等が異なる種別の風致地区の地域にわたる場合の取扱い 2 計画区域等が特別修景地域の内外にわたる場合の取扱い 3 4 建築物の基準 3 建ぺい率と後退距離 3 建築物の外観 3 5 建築物の意義等 4 6 建築物及び工作物の高さの算定 4 第 2 章風致地区の許可基準 第 1 節建築物等の新築に関するもの 5 第 1 仮設の建築物等に関するもの 5 第 2 地下に設ける建築物等に関するもの 5 第 3 普通建築物等に関するもの 6 1 建築物の高さに関すること 6 2 建築物の建ぺい率に関すること 7 3 建築物の後退距離に関すること 9 4 建築物の敷地内の緑地に関すること 11 5 工作物の高さに関すること 13 6 建築物等の位置, 形態等に関すること 13 7 斜面地の建築物の設置位置に関すること 26 第 2 節建築物等の改築, 増築及び移転に関するもの 26 第 3 節土地の形質の変更に関するもの 27 1 切土及び盛土に関すること 27 2 のり面の植栽に関すること 29 3 計画区域内の緑化に関すること 29 4 宅地造成以外の土地の形質の変更に関すること 30 5 風致保全緑地に関すること 32 第 4 節木竹の伐採に関するもの 36 第 5 節土石の類の採取に関するもの 38 第 6 節水面の埋立て又は干拓に関するもの 40 第 7 節建築物等の色彩その他の意匠の変更に関するもの 41 たい第 8 節物件の堆積に関するもの 42

第 3 章特別修景地域における地域別基準 第 1 節特別修景地域の指定 45 第 2 節許可基準の緩和 47 1 高さの基準の適用除外 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( ア ) 等関係 ) 47 2 建ぺい率の緩和 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( イ ) 等関係 ) 47 3 建ぺい率の基準の適用除外 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( イ ) 等関係 ) 48 4 外壁等から敷地境界線までの距離 ( 後退距離 ) の緩和 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( ウ ) 等関係 ) 48 5 緑地の規模の緩和 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( エ ) 等関係 ) 49 6 緑地の規模等の強化 ( 条例第 5 条第 1 項第 1 号ウ ( エ ) 等関係 ) 50 第 3 節許可基準の強化又は付加 50 第 4 章解説図集 図 1 後退距離の例 (10 ヘ ーシ 関係 ) 61 図 2 後退距離に関する不整形敷地特例の例 (10 ーシ 関係 ) 61 図 3 共通デザイン基準のイメージ図 (17 ヘ ーシ 関係 ) 62 図 4 屋根の形状 (17 ヘ ーシ 関係 ) 62 図 5 屋根の分割の例 (17 ヘ ーシ 関係 ) 63 図 6 軒の長さ (17 ヘ ーシ 関係 ) 63 図 7 突き出しバルコニーの修景措置の例 (20 ヘ ーシ 関係 ) 63 図 8 公共用空地に面する側の外壁面の形状の例 (21 ヘ ーシ 関係 ) 64 図 9 3 階建ての場合の公共用空地に面する側の外壁面の形状の例 (21 ヘ ーシ 関係 ) 64 図 10 窓及び出窓の形状 (22 ヘ ーシ 関係 ) 65 図 11 ドーマー形式の窓 (22 ヘ ーシ 関係 ) 65 図 12 門と植栽の例 (23 ヘ ーシ 関係 ) 66 図 13 フェンスの例 (23 ヘ ーシ 関係 ) 66 図 14 土地の形質の変更におけるのりの例 (27 ヘ ーシ 関係 ) 67 図 15 物件の堆たい積と遮蔽のための塀等の例 (43 ヘ ーシ 関係 ) 67 図 16 町家形式の例 (59 ヘ ーシ 等関係 ) 68 巻末資料風致地区における太陽光パネルの基準の概要

第 1 章総論 1 この冊子の目的京都市風致地区条例 ( 以下 条例 という ) 第 5 条では, 条例第 2 条第 1 項各号に掲げる行為 ( 市長の許可が必要とされる行為 ) について, 当該行為が条例第 5 条第 1 項各号に掲げる基準及び京都市風致地区条例施行規則 ( 以下 規則 という ) による基準 ( 以下 一般基準 という ) 並びに条例第 6 条第 2 項の規定により強化し, 緩和し, 又は付加した基準に適合しない場合は, 許可をしてはならないと規定しています この冊子は, これらの許可の基準について, その標準的な解釈及び運用を解説することによって, 風致地区における許可制度の円滑な運用を図ることを目的として, まとめたものです 2 風致地区条例による許可の基本的な考え方 (1) 地域ごとの風致との調和 ( 風致保全計画との整合 ) 風致地区制度の目的は, 都市の自然的景観を維持し, 緑豊かな生活環境を形成することにあります どのような自然的景観を有するかは, 地域ごとに特色があります 建築物その他の工作物 ( 以下 建築物等 という ) の新築, 土地の形質の変更等の現状変更行為を許可するにあたっては, 地域ごとの特性に基づいて, その地域固有の風致的なまとまりに合致することを基本的な考え方としています 地域ごとの風致の特色は, 条例第 1 条の 2 の規定に基づき 17 の風致地区ごとに定められた風致保全計画 ( 以下 風致保全計画 という ) において, それぞれの地区を更に細分化して記載されています 風致保全計画は, 地域の特性に応じたきめ細やかな対応を図るために定められているもので, その中には, 先に述べた地域ごとの風致の特色だけでなく, 風致地区ごとの修景に関する基本的な事項 ( 維持すべき風致の内容, 建築物等の重点的な修景の内容等 ) も定めています したがって, 許可の可否を判断する際には, 地区別の風致保全計画を基本に周辺風致の状況を見極めたうえで, 判断することになります そして, 修景方法についても, 同計画に沿ったものとしていただく必要があります (2) 風致地区の種別指定風致地区は, 地域の地形や森林等の自然的要素, 美観的な要件に応じて, 次のいずれかの地域に指定されています ( 条例第 4 条第 1 項 ) このような種別の考え方は, 自然的景観の特に優れた山間, 山麓地域から市街化の進んでいる地域への段階的な変化に対応しようとするものです ア第 1 種地域山林又は渓谷が重要な要素となって, 特に優れた自然的景観を有する地域イ第 2 種地域樹林地, 池沼又は田園が重要な要素となって, 優れた自然的景観を有する地域ウ第 3 種地域趣のある建築物等が重要な要素となって, 優れた自然的景観を有する地域エ第 4 種地域趣のある建築物等が重要な要素となって, 良好な自然的景観を有する地域オ第 5 種地域趣のある建築物等が重要な要素となって, 自然的景観を有する地域 (3) 種別に応じた許可基準 ( 数値基準 ) 条例では, この第 1 種地域から第 5 種地域までの種別に応じて, 建築物の高さ, 建ぺい率, 後退距離及び敷地内の緑地の規模について, 数値基準を段階的に定めています (4) 共通デザイン基準建築物等の位置, 規模, 形態及び意匠に関しては, 風致地区に共通する基準 ( 共通デザイン基準 ) を設けています (5) 特別修景地域の指定及び特別修景地域に適用される許可基準ア条例第 6 条第 1 項の規定により, 風致保全計画に基づき, 風致地区内において, 建築物等の高さ, 建ぺい率, 後退距離, 位置, 規模, 形態及び意匠並びに緑地の位置, 形態及び規模について特に配慮が必要な地域で, 当該地域の特性に応じた特別の制限を行う必要があるものを, 特別修景地域として指定しています イ特別修景地域では, 条例第 6 条第 2 項の規定により, 一般基準を緩和したり, 強化した -1 -

りすることができるとされており, 同地域においては, 風致保全計画を基に, 特別修景地域ごとに特別の基準 ( 以下 特別地域基準 という ) を設けています これは, 特に修景が必要な特定の区域において, 維持すべき風致の内容や修景の重点などの指針を示したものです したがって, 特別修景地域における建築物等の形態や意匠については, 上記 (4) に掲げる共通デザイン基準及び特別修景地域基準に適合する必要があります 3 建築物が風致地区の内外にわたって建築される場合等における許可基準の取扱い (1) 計画区域等が風致地区の内外にわたる場合の取扱いア計画区域 ( 条例第 5 条第 1 項第第 5 号ウに規定する計画区域をいう 以下同じ ) 若しくは建築物の敷地又は建築物等が風致地区の内外にわたる場合に, 風致地区に関する許可基準が風致地区内に存する部分についてのみ適用されるのは, 条例が風致地区内の建築物の建築等の行為を規制するものであるからです しかし, 具体的な建築計画によっては, 風致地区内に存する部分のみで条例による許可基準を適用することが, 全体の建築計画を見た場合に合理性を欠いたり, 申請者に著しい負担を強いることとなったりすることがあります イ特に建ぺい率と緑地の規模に関する規制の場合にそのような問題が生じることがあります そのような場合に, 当該建築計画が当該地域の風致の維持及び向上に資するものであると認められるときには, 当該規定のただし書きを適用し, 一定の緩和を行うことがあります ウ建ぺい率においては, 敷地内の建築物の立地の関係から, 条例による建ぺい率を充足することができないときには, それぞれの部分で適用される建ぺい率をそれぞれの部分の面積で按分して, 敷地全体の建ぺい率の最高限度を算定し, その範囲内で条例による建ぺい率の基準を緩和して適用する場合があります 具体的には異なる種別の風致地区の地域にわたる場合の例に準じて計算します エ敷地の一部が, 建ぺい率を適用しない特別修景地域に含まれている場合も, ウと同様の取扱いをします (2) 計画区域等が異なる種別の風致地区の地域にわたる場合の取扱いこの場合も, 基本的な考え方は, 風致地区の内外にわたる場合と同様で, 原則としては, それぞれの地域に適用される許可基準をそれぞれの部分に適用しますが, 建ぺい率の基準と緑地の規模の基準については, 特に次のような取扱いをすることとしています ア建ぺい率の基準の取扱い建築物の敷地が異なる種別の風致地区の地域にわたる場合には, それぞれの種別の風致地区の地域に属する敷地の面積に, 当該種別に応じ, 条例別表の建ぺい率の欄に掲げる割合の最高限度の数値を乗じて得た面積の合計を敷地の面積で除して得た数値を条例による建ぺい率の上限とします 具体的な計算例としては, 次のようになります 計算の方法としては, 風致地区の内外にわたる場合と同様ですが, 風致地区の内外にわたる場合については, 原則的な処理を行うことが, 合理性を欠いたり, 申請者に著しい負担を強いることとなったりすることがある場合の例外的な措置であったのに対して, この場合については, 当初からこの方法により算出した建ぺい率が敷地全体に適用されます < 想定敷地等 > 敷地面積 :200m2 風致地区第 1 種地域内 ( 建ぺい率の最高限度 :10 分の2) の敷地面積 : 70m2 風致地区第 2 種地域内 ( 建ぺい率の最高限度 :10 分の3) の敷地面積 :130m2 < 計算式 > (70m2 2/10+130m2 3/10) 200m2=0.265 イ緑地の規模の基準の取扱い建築物の敷地が異なる種別の風致地区の地域にわたる場合には, それぞれの種別の風致地区の地域に属する敷地の面積に, 当該種別に応じ, 条例別表の緑地の規模の欄に掲げる -2 -

割合の最低限度の数値を乗じて得た面積の合計を敷地の面積で除して得た数値を緑地の規模の下限とします 具体的な計算例としては, 次のようになります この場合も, 例外的な措置ではなく, 当初からこれによって得た数値を緑地の規模の下限とします < 想定敷地等 > 敷地面積 :200m2 風致地区第 1 種地域内 ( 緑地の規模の最低限度 :10 分の4) の敷地面積 : 70m2 風致地区第 2 種地域内 ( 緑地の規模の最低限度 :10 分の3) の敷地面積 :130m2 < 計算式 > (70m2 4/10+130m2 3/10) 200m2=0.335 (3) 計画区域等が特別修景地域の内外にわたる場合の取扱い建築物等が特別修景地域の内外にわたる場合には, 特別地域基準は, 当該特別修景地域に存する部分についてのみ適用し, 他の部分については, 一般的な風致地区の種別に応じた基準を適用します これは, 計画区域等が風致地区の内外にわたる場合に, 風致地区に関する許可基準が風致地区内に存する部分についてのみ適用されることと同様で, 特別地域基準は, 当該地域の風致景観の保全のために特に定められたものであるからです 4 建築物の基準現状変更行為の許可申請では, 建築物に関するものが多数を占めることから, 特に建築物に関する許可基準の基本的な考え方について説明します (1) 建ぺい率と後退距離条例で, 種別に応じて建築物の高さ, 建ぺい率, 後退距離及び緑地の規模について, 次のような数値規制を行っています ( 条例別表第 2 条及び第 5 条関係 ) そのうち, 建ぺい率と後退距離 ( 外壁面から道路や隣地との境界線までの距離 ) の規定は, 種別の趣旨に合った緑地の規模を確保するためにも定められたもので, 建築物の敷地内緑化が, 風致の維持にとって重要な要件であるということを示しています 次の表は, 条例別表をそのまま表示したもので, 高さ及び建ぺい率については, それぞれの欄に掲げる数値以下に, 後退距離及び緑地の規模については, それぞれの欄に掲げる数値以上に設定しなければなりません < 条例別表 ( 第 2 条及び第 5 条関係 )> 種別高さ建ぺい率 道路に接する部分 後退距離 その他の部分 緑地の規模 第 1 種地域 8 メートル 10 分の 2 3 メートル 2 メートル 10 分の 4 第 2 種地域 10 10 分の 3 2 1.5 10 分の 3 第 3 種地域 10 10 分の 4 2 1.5 10 分の 2 第 4 種地域 12 10 分の 4 2 1.5 10 分の 2 第 5 種地域 15 10 分の4 2 1.5 10 分の2 備考 1 建築物等の高さは, 建築基準法施行令第 2 条第 1 項第 6 号 ( 建築物については, 同号ただし書を除く ) の規定の例により算定するものとする 2 緑地の規模の欄の数値は, 建築物の新築, 改築, 増築又は移転にあっては当該建築物の敷地面積に対する緑地の割合とし, 宅地の造成, 土地の開墾その他の土地の形質の変更, 土石の類の採取, 水面の埋立て若しくは干拓又は物件の堆積にあっては計画区域の面積に対する緑地の割合とする (2) 建築物の外観建築物の外観については, 伝統的和風様式が最も違和感なく京都の自然的景観に溶け込みます しかし, 伝統的和風様式の建築物以外は認めないとすることは, 現実的ではありません そこで, 建築物の外観の基準については, 和風 を基調としながらも, 形態及び意匠が周辺の風致状況から突出した印象を与えないものとすることに力点を置いています なお, 地域や地区によって風致の状況は様々であり, その特性に適合したものとする必要があることは, 前述のとおりです -3 -

5 建築物の意義等について (1) 建築基準法では, 建築物に附属する門や塀も建築設備も 建築物 としていますが, 条例及びその許可基準では, 建築物に付属するものでも, これらについては, 建築物以外の 工作物 として取り扱っています その理由は, 次のとおりです ア条例では, 床面積の合計が 10 平方メートル以下の建築物の新築等については, 許可不要とされているため ( 条例第 2 条第 2 項第 4 号 ), これらを建築物に含めると, これらの増築や改築の際には, 床面積が発生せず, 何らの許可手続も不要となり, 許可基準が適用されなくなること ( ただし, 努力義務はあります ( 条例第 8 条 )) イ建築物の外構である門や塀は, 風致景観に大きな影響を与える部分であり, これを建築物として, 増築や改築の際に許可不要とすることは, 条例の趣旨と矛盾すること (2) 建築面積が発生する形態の門については, 建築物として取り扱い, その場合の道路後退距離については, 許可基準の一部を緩和して適用しています (3) 屋根の上に後付けされる太陽光発電装置等は, 工作物の新築行為として取り扱いますが, 建築物の新築の際に屋根ふき材として用いられる太陽光発電装置等については, 建築物の一部として取り扱います 6 建築物及び工作物の高さの算定について条例における建築物等の高さは, 地盤面から当該建築物等の最高部分までの高さをいい, 建築基準法とは異なり, 棟飾りなどの屋上突出物も高さに算入します また, 風致地区における許可基準では, 高度地区による高さ規制とは異なり, 勾配屋根を設置した場合や塔屋部分の高さの緩和の規定はありません -4 -