日本基準基礎講座 資本会計

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平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

計算書類等

2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

平成30年公認会計士試験

(訂正・数値データ修正)「平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

包括利益の表示に関する会計基準第 1 回 : 包括利益の定義 目的 ( 更新 ) 新日本有限責任監査法人公認会計士七海健太郎 1. はじめに企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 以下 会計基準 ) が平成 22 年 6 月 30 日に

【H 改正】株主資本等変動計算書.docx

2019年3月期 中間期決算短信〔日本基準〕(連結):東京スター銀行

085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

第 16 回ビジネス会計検定試験より抜粋 ( 平成 27 年 3 月 8 日施行 ) 次の< 資料 1>から< 資料 5>により 問 1 から 問 11 の設問に答えなさい 分析にあたって 連結貸借対照表数値 従業員数 発行済株式数および株価は期末の数値を用いることとし 純資産を自己資本とみなす は

第1章 財務諸表

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4

(2) サマリー情報 1 ページ 1. 平成 29 年 3 月期の連結業績 ( 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ) (2) 連結財政状態 訂正前 総資産 純資産 自己資本比率 1 株当たり純資産 百万円 百万円 % 円銭 29 年 3 月期 2,699 1,23

山口フィナンシャルグループ:IR資料室>平成30年3月期(平成29年度)>平成30年3月期決算短信

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平成26年度 第138回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

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公開草案 (2) その他利益剰余金 積立金繰越利益剰余金利益剰余金合計 5 自己株式 5 自己株式 6 自己株式申込証拠金 6 自己株式申込証拠金株主資本合計株主資本合計 Ⅱ 評価 換算差額等 Ⅱその他の包括利益累計額 1 その他有価証券評価差額金 1 その他有価証券評価差額金 2 繰延ヘッジ損益

連結会計入門 ( 第 6 版 ) 練習問題解答 解説 練習問題 1 解答 解説 (129 頁 ) ( 解説 ) S 社株式の取得に係るP 社の個別上の処理は次のとおりである 第 1 回取得 ( 平成 1 年 3 月 31 日 ) ( 借 )S 社株式 48,000 ( 貸 ) 現預金 48,000

計算書類等

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参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

ずほ証券連結財務諸業績と財務の状況 みずほ証券連結財務諸表み表繰延税金資産 15,653 14,554 当社は 平成 28 年度及び平成 29 年度の連結貸借対照表 連結損益計算書及び連結株主資本等変動計算書について会社法第 444 条第 4 項の規 定に基づき 新日本有限責任監査法人の監査証明を受

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3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

第 151 回日商簿記 2 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 解答 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 現 金 8,500,000 車両減価償却累計額 760,000 1 商 品 6,100,000 本 店 17,640,000 車 両 3,800,000 2 その他有価証券 2,000,00

企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑦・連結税効果実務指針(その2)


添付資料の目次 1. 連結財務諸表 2 (1) 連結貸借対照表 2 (2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 4 (3) 連結財務諸表に関する注記事項 6 ( セグメント情報等 ) 6 2. 個別財務諸表 7 (1) 個別貸借対照表 7 (2) 個別損益計算書

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令和元年 6 月 14 日 各位 会社名日本空港ビルデング株式会社代表者名代表取締役社長執行役員兼 COO 横田信秋 ( コード番号 9706 東証第 1 部 ) 問合せ先常務取締役執行役員企画管理本部長田中一仁 (TEL ) ( 訂正 数値データ訂正 )

基礎演習問題 2(P.198) (SS2 連結精算表 : 単純合算表 (XXX6 年 3 月 31 日 )) ( 千円 ) NO 連結精算表科目 貸 3CC 3C American ライン 単純合算 借 Inc. [7 純資産 ] A811 資本金 期首 貸 1,080, ,000 A8

添付資料の目次 1. 連結財務諸表 2 (1) 連結貸借対照表 2 (2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 4 (3) 連結財務諸表に関する注記事項 6 ( セグメント情報等 ) 6 2. 個別財務諸表 7 (1) 個別貸借対照表 7 (2) 個別損益計算書

リコーグループサステナビリティレポート p

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

2 会計処理 ( 単位 : 百万円 ) 新株の発行に伴う会計処理現金預金 2,000 資本金資本準備金 1,000 1,000 剰余金の配当に伴う会計処理 繰越利益剰余金 1,100 利益準備金 現金預金 100 1,000 自己株式の取得に伴う会計処理 自己株式 400 現金預金 400 自己株式

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)


本資料の記載数値について 第一生命保険株式会社 ( 旧 第一生命 : 下図 A) は 2016 年 10 月 1 日付で 第一生命ホールディングス株式会社 に商号を変更し 事業目的をグループ会社の経営管理等に変更しています 旧 第一生命が営んでいた国内生命保険事業は 会社分割により 第一生命保険株式

ほくほくフィナンシャルグループ (8377) 2019 年 3 月期 4. 補足情報 株式会社北陸銀行の個別業績の概要 2019 年 5 月 10 日 代表者 ( 役職名 ) 取締役頭取 ( 氏名 ) 庵栄伸 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 執行役員総合企画部長 ( 氏名 ) 小林正彦 TEL (0

平成30年3月期 第2四半期(中間期)決算短信[日本基準](連結)

「中小企業の会計に関する指針《新旧対照表

NO 連結精算表科目 & 連結開示 前連結会計 当連結会計 増減差額 科目 借 年度 年度 借方 方 連結借対照表 千円 千円 千円 千円 開 38 社債 20,000,000 5,000,000 開 39 長期借入金 16,500,000 16,071,500 開 40 リース債務 632,000

IFRS基礎講座 IFRS第1号 初度適用

連結貸借対照表の科目が 自己資本の構成に関する開示項目 のいずれに相当するかについての説明 ( 付表 ) 1. 株主資本 資本金 33,076 1a 資本剰余金 24,536 1b 利益剰余金 204,730 1c 自己株式 3,450 1d 株主資本合計 258,893 普通株式等 Tier1 資

平成 29 年 6 月 26 日株式会社八十二銀行 連結貸借対照表の科目が 自己資本の構成に関する開示項目 のいずれに相当するかについての説明 ( 29 年 3 月期自己資本比率 ) 科 ( 単位 : 百万円 ) 公表連結貸借対照表金額 ( 資 産 の 部 ) 現 金 預 け 金 885,456 コ

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注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ): 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無 2 1 以外の会計方針の変更 : 無 3 会計上の見積りの変更 : 無 4 修正再表示

連結貸借対照表の科目が自己資本の構成に関する開示項目のいずれに相当するかについての説明 ( 付表 ) (2018 年 3 月末自己資本比率 ) 自己資本の構成に関する開示事項の金額 については 経過措置勘案前の数値を記載しているため 経過措置により自己資本に算入されている項目については本表には含まれ

連結貸借対照表の科目が自己資本の構成に関する開示項目のいずれに相当するかについての説明 ( 付表 ) (2018 年 9 月末自己資本比率 ) 自己資本の構成に関する開示事項の金額 については 経過措置勘案前の数値を記載しているため 経過措置により自己資本に算入されている項目については本表には含まれ

問題 20 C 為替予約 攻める 6 分 問題 21 C 会社分割 持分法適用 攻める 6 分 問題 23 D 国内成果連結 のれん 攻める 4 分 問題 24 C 国内成果連結 繰延税金資産 攻める 6 分 問題 25 C 国内成果連結 非支配株主持分 攻める 6 分 問題 26 C 国内成果連結

平成28年度 第144回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

IFRS基礎講座 IAS第21号 外貨換算

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

営 業 報 告 書

連結貸借対照表のが 自己資本自己資本の構成構成に関するする開示項開示項 のいずれにのいずれに相当相当するかについてのするかについての説明 ( 付表 ) (2018 年 9 月期自己資本比率 ) ( 注記事項 ) の については 経過措置勘案前の数値を記載しているため 自己資本に算入されているに加え

平成 30 年 4 月 24 日 各 位 会社名楽天株式会社 代表者名代表取締役会長兼社長三木谷浩史 ( コード :4755 東証第一部 ) 連結子会社 ( 楽天証券株式会社 ) の決算について 当社連結子会社の楽天証券株式会社 ( 代表取締役社長 : 楠雄治 本社 : 東京都世田谷区 以下 楽天証

営業報告書

イオン銀行 2020 年 3 月期第 1 四半期財務諸表の概況 ( 連結 ) 2020 年 3 月期第 1 四半期財務諸表の概況 ( 連結 ) 2019 年 8 月 9 日 会社名株式会社イオン銀行 URL 代表者代表取締役社長新井直弘問合せ先責

スライド 1

注記事項 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3) 発行

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2019 年 12 月期中間決算短信 ( 連結 ) 2019 年 9 月 10 日 会社名 株式会社日本経済新聞社 URL 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 岡田直敏 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 経理局長 ( 氏名 ) 木村研三

株式会社 2019 年 5 月 13 日山陰合同銀行 自己資本の構成に関する開示事項 (2019 年 3 月期自己資本比率 ) 1. 自己資本の構成 連結 ( 単位 : 百万円 %) 項目 当四半期末 経過措置による不算入額 前四半期末 経過措置による不算入額 コア資本に係る基礎項目 (1) 普通株

中部電力グループ アニュアルレポート 2019

注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 有 MTH Preferred Capital 5 (Cayman) Limited 新規 社 ( 社名 ) 除外 2 社 ( 社名 ) STB Preferred Capital 3(Cayma

2019年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

(3) 連結キャッシュ フローの状況 営業活動によるキャッシュ フロー 投資活動によるキャッシュ フロー 財務活動によるキャッシュ フロー 現金及び現金同等物期末残高 百万円 百万円 百万円 百万円 27 年 3 月期 495 2,552 5,252 5, 年 3 月期 2,529 71

第4期電子公告(東京)

第1章 簿記の一巡

(2017 年 3 月 31 日 ) (2018 年 3 月 31 日 ) 負債の部流動負債支払手形及び買掛金 59,382 73,592 短期借入金 8,520 27,414 関係会社短期借入金 年内返済予定の長期借入金 1,805 4,307 未払費用 9,189 9,273 未

2017 年度第 1 四半期業績の概要 年 8 月 9 日 日本生命保険相互会社

業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑧・連結税効果実務指針(その3)

営 業 報 告 書

注記事項 (1) 当中間期における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) : 有 CMTH Preferred Capital 6 (Cayman) Limited 新規 社 ( 社名 ) 除外 2 社 ( 社名 ) STB Preferred Capital 4(Caym


時系列表 ( 単位 : 円 ) 検算 : 当期純利益 +30,000=40,000-10,000=60,000-30,000(p.5 も同様 ) X1.12/31 連結第 1 年度 X2.12/31 連結第 2 年度 X3.12/31 資本金 300, , ,


第 9 章純資産の会計 問題 43 問題 43 資本剰余金の振替え 借方科目金額貸方科目金額 次の独立した取引の仕訳を示しなさい ⑴ 資本準備金 2,000,000 円とその他資本剰余金 800,000 円を資本金とすることを株主総会で決議し その効力が生じた ⑵ 資本金 500,000 円を資本準

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第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

2019 年 3 月期 第 2 四半期 ( 中間期 ) 決算短信 日本基準 ( 連結 ) 2018 年 11 月 14 日 上場会社名 株式会社かんぽ生命保険 上場取引所 東 コード番号 7181 URL 代 表 者 ( 役職名 )

平成 29 年 6 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 6,274 4,182 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達

『学校法人会計の目的と企業会計との違い』


平成 30 年 3 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 15,162 3,790 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本

 

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負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 9 6 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額 少数出資金融機関等の対象普通株式等の額 特定に係

(1) 連結貸借対照表 ( 添付資料 16 ページ ) (3) 連結株主資本等変動計算書 ( 添付資料 28 ページ ) 6. 個別財務諸表 (1) 貸借対照表 ( 添付資料 31 ページ ) (3) 株主資本等変動計算書 以上 2

貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針(案)

Microsoft Word 決算短信修正( ) - 反映.doc

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日本基準基礎講座 資本会計 のモジュールを始めます

資本会計のモジュールでは 貸借対照表における純資産の主な内容についてパートに分けて解説します パート1では 純資産及び株主資本について解説します パート2では 株主資本以外について また 新株予約権及び非支配株主持分について解説します パート3では 包括利益について解説します

純資産とは 資産にも負債にも該当しないものです 貸借対照表は 資産の部 負債の部 及び 純資産の部に分けられます 資産とは 会社の財産を表し 現金や土地建物 有価証券などがあります 負債とは 会社の債務を表し 買掛金や借入金 引当金などがあります そして 資産にも負債にも該当しないものが 純資産 として区分され 貸借対照表において 純資産の部に計上される項目となります

純資産は 2 つの要素に分けられます 1 つは株主資本に該当するもので 株主による持分であるもの もう 1 つは株主資本に該当しないもので さらに 負債にも該当しないことから 純資産の部に計上されるものです 以前は 純資産の部 は 資本の部 と呼ばれていました これは 資本が会社の所有者に帰属するもので構成されていると理解されていたためです しかし 近年 金融商品に係る会計基準 をはじめとした新たな会計基準が導入されたことにより その他の包括利益累計額のように 負債にも株主資本にも属さない項目が出てきました これに伴い 資本の部 から 純資産の部 と名称が改められました

株主資本とは 純資産のうち 会社の所有者 すなわち株主による持分 帰属する部分をいいます 株主資本は 主に 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式で構成されます 資本金とは 株主が会社に対して拠出したお金をいいます 法律上 会社が最低限維持しなければならないものです 資本剰余金は 資本準備金とその他資本剰余金に分けられます 資本準備金は 株主が会社に対して拠出したお金のうち 資本金として計上しなかったものであり その元手は資本金と同じ性質です 法律上 株主による払込額の 2 分の 1 を超えない額は 資本準備金とすることが認められています その他資本剰余金は 資本取引から生じた剰余金であり 資本金及び資本準備金の減少差益 自己株式の処分差益などがあります 利益剰余金は 会社が生み出した利益を積み立てたお金で 会社内部に蓄積されているものです 自己株式とは 会社が保有する自社の株式をいい 株主資本の控除項目として取り扱います これは 過去に株主から拠出された資本の 株主への払戻しの性質を持つためです

株主資本とは 純資産のうち 会社の所有者 すなわち株主による持分 帰属する部分をいいます 株主資本は 主に 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式で構成されます 資本金とは 株主が会社に対して拠出したお金をいいます 法律上 会社が最低限維持しなければならないものです 資本剰余金は 資本準備金とその他資本剰余金に分けられます 資本準備金は 株主が会社に対して拠出したお金のうち 資本金として計上しなかったものであり その元手は資本金と同じ性質です 法律上 株主による払込額の 2 分の 1 を超えない額は 資本準備金とすることが認められています その他資本剰余金は 資本取引から生じた剰余金であり 資本金及び資本準備金の減少差益 自己株式の処分差益などがあります 利益剰余金は 会社が生み出した利益を積み立てたお金で 会社内部に蓄積されているものです 自己株式とは 会社が保有する自社の株式をいい 株主資本の控除項目として取り扱います これは 過去に株主から拠出された資本の 株主への払戻しの性質を持つためです

具体的な数値を用いて 会社が増資した場合の仕訳と株主資本の変化を見てみましょう 資本金 5,000 の A 社が期首に 1,000 増資をしました 資本金組入額は 600 とします 増資の仕訳は 借方現金預金 1,000 貸方資本金 600 資本準備金 400 となります 増資により 株主資本は次のように変化します A 社の増資前の資本金は 5,000 でした 増資の仕訳を反映します その結果 資本金は 5,600 となり 資本準備金が 400 となりました

続いて A 社が 1 年間に 120 の利益を獲得した場合の損益計算書と株主資本の変化を見てみましょう 1 年間の営業活動の結果 A 社は収益を 500 計上しました またそのための費用が 380 かかりました その結果 120 の利益が獲得されました A 社の期首の利益剰余金は 1,000 でした 1 年間で利益を 120 獲得したため 期末の利益剰余金は 1,120 となりました

さらに その翌期に A 社が配当をした場合の仕訳と株主資本の変化を見てみましょう A 社は利益剰余金を原資として株主へ 30 配当することとしました 配当の仕訳は 借方利益剰余金 30 貸方現金預金 30 となります 配当により 利益剰余金は次のように変化します 前期末の利益剰余金の残高は 1,120 でした 配当の仕訳を反映します その結果 配当後の利益剰余金残高は 1,120 から 30 減少し 1,090 となりました

連結貸借対照表の純資産の部における株主資本以外の項目には その他の包括利益累計額 新株予約権 があります 保有比率が 100% でない子会社を保有している場合には 非支配株主持分 がある場合もあります これらはいずれも資産にも負債にも該当しないため 純資産の構成要素となりますが 親会社の株主による持分 帰属する部分とはいえないため 株主資本以外の項目に分類されます その他の包括利益累計額 は その他の包括利益 を累計した連結貸借対照表日における残高です 新株予約権 は 株式会社に対して行使することにより その株式会社の株式の交付を受けることができる権利のことです 非支配株主持分 とは 子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分です それぞれの項目についてこれから詳しく見ていきましょう

新株予約権とは 株式会社に対して行使することにより その会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます 権利の保有者は この権利を持つことにより 株式を一定の価格で購入することができます 具体的な数値を用いて説明します 会社は新株を 100 で購入する権利を 5 で権利者に付与します 権利者は新株予約権の対価 5 の払込を行います 会社が新株予約権を発行し 対価の払込が行われたときの仕訳は 借方現金預金 5 貸方新株予約権 5 となります

新株予約権を発行することは 会社にとって次のようなメリットがあります 利息の不要な資金を調達できる新株予約権の行使で資金を集めた場合 利息が発生しないので安全に資金を集めることができます 信頼できる株主の割合が増える上場会社の株は誰でも買うことができます そのため その保有割合が 50% を超えると企業は買収されてしまいます そうならないため 信頼できる株主の割合を増やす効果があります ストックオプションは企業意識を高める会社の取締役や従業員に新株予約権を付与する場合 自社の株式を保有することで社員の企業意識が高まり 業績にも結びつきます なお 新株予約権を自社の取締役や従業員に報酬として付与するものをストック オプションといいます こちらについては 今後発信予定の日本基準基礎講座 ストック オプション のモジュールをご参照ください

非支配株主持分とは 連結子会社の純資産のうち 連結財務諸表作成会社である親会社の持分に属さない部分をいいます 親会社を A 社 子会社を B 社とし A 社が B 社を 60% 保有していると仮定します この場合 残りの 40% を他の株主が保有することになります 子会社である B 社の資産が 500 負債が 200 の場合 純資産は 300 となります 親会社の持分は 60% のため 子会社の純資産のうち 親会社に属する部分は 300 の 60% である 180 となります 親会社とは別の株主に属する部分は残り 40% の 120 となります この 120 を非支配株主持分といいます 非支配株主持分についての詳細は 日本基準基礎講座 連結財務諸表 のモジュールをご参照ください

包括利益とは 純資産の変動のうち その会社の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分をいいます 純資産の変動を貸借対照表の 2 期比較で見てみましょう 当期末の貸借対照表です 資産と負債があり その差額として純資産があります 続いて翌期末の貸借対照表です 当期末の貸借対照表に比べて資産が増加し その結果 純資産も増加しています この純資産の変動が会社に対する持分所有者による追加出資や出資の払戻しといった持分所有者との直接的な取引によらないものである場合 包括利益となります

会社の純資産に対する持分所有者とは 親会社の株主 新株予約権の保有者 また 子会社の親会社以外の株主などの非支配株主を指します 持分所有者と会社との直接的な取引としては 増資や配当などがあり 純資産が変動しますが そうした取引は包括利益を構成しません 包括利益の構成要素は 2 つあります 1 つは 会社が稼いだ利益である当期純利益です これは 純資産の部の利益剰余金の変動と言い換えることができます もう 1 つは 当期純利益以外の包括利益であり これを その他の包括利益 といいます 具体的には その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定などが含まれます これらはいずれも 資産または負債を時価評価することにより生じた 評価差額の各期の変動額です

具体的な数値を用いてみてみましょう まず 包括利益が損益計算書において計上される利益のみからなる例です 1 年間の営業活動の結果 A 社は第 2 期において 70 の利益をあげました 第 2 期の貸借対照表には 損益計算書で計上された利益が利益剰余金として純資産の部に計上されます 損益計算書の利益の分 貸借対照表の純資産も増加したことが分かります

次に 包括利益が当期純利益以外の項目からも構成されている例を見てみましょう 1 年間の営業活動の結果 A 社は第 3 期において 80 の利益をあげました また 第 3 期において A 社は上場会社の株式を 100 で取得しました この株式の株価は第 3 期の期末時点では 130 でした 株式の評価替をした結果 評価差額金が 30 発生しました よって 第 3 期の包括利益は 当期純利益 80 と評価差額金 30 の合計の 110 となります 第 3 期の貸借対照表には 損益計算書で計上された利益が利益剰余金として純資産の部に追加計上されます その結果 第 3 期の利益剰余金は第 2 期の利益剰余金 70 と第 3 期の利益 80 を足して 150 となります さらに 第 3 期に発生した評価差額金 30 が貸借対照表の純資産の部に計上され 第 3 期の包括利益の累計額は 180 となります これより 損益計算書の利益の他に 評価差額金 が包括利益を構成していることが分かります なお 株式の評価の詳細は 日本基準基礎講座 金融商品 のモジュールをご参照ください これで日本基準基礎講座 資本会計 のモジュールの解説を終わります