20090602-3 中国法令調査報告書 消費者金融会社試験管理弁法 ( 意見募集稿 ) 報告日 :2009 年 6 月 2 日管理番号 :20090602-3 今回のご報告のポイント本弁法 ( 意見募集稿 ) は 消費者金融会社 ( 中国内の消費者向けローン会社 ) の設立条件や業務の範囲などを定めたものであり 外国金融機関が消費者金融会社の投資者 ( 主要投資者 一般投資者 ) となりうることが明らかにされている 本弁法に定める消費者金融会社の業務には 消費者個人向けの一般的なローンのほか 電子製品等の耐用消費品 ( 住宅及び自動車は含まない ) の購入資金に関するローンの提供業務など含む 1. 法令等の名称 番号中国語名称 : 消費金融公司試点管理弁法 ( 征求意見稿 ) 日本語訳 : 消費者金融会社試験管理弁法 ( 意見募集稿 ) 法令番号 : ( ソース ) 中国銀行業監督管理委員会ウェブサイト 2. 公表した政府部門銀行業監督管理委員会 3. 発表日 2009.5.12 4. パブリックコメント募集期限 2009.6.12 5. 分野消費者金融 6. 概要 コメント 1
本弁法は 消費者金融業の発展を促進し 消費者金融業務を経営する非銀行金融機構の行為を規範するため 銀行業監督管理法 会社法 等の法律法規に基づき 制定されたものである 本弁法の主な内容は 以下のとおりである ( 括弧内の見出しは参考のため当事務所が付したものです ) 消費者金融会社の意義 一 本弁法にいう消費者金融会社とは 中国銀行業監督管理委員会の認可を経て 中国国内に設立された 公衆の預金を吸収せず 小額 分散を原則して 中国国内の居民個人に対して 消費を目的とする貸付を提供する非銀行金融機構を指す ( 本弁法第 2 条 ) 監督管理機関 二 中国銀行業監督管理委員会及びその出先機構は 法に基づき 消費者金融会社及びその業務活動について監督管理を実施する ( 本弁法第 4 条 ) 消費者金融会社の設立要件 三 設立を申請する消費者金融会社は 次の条件を具備しなければならない ( 一 ) 会社法 及び中国銀行業監督管理委員会の規定に合致する会社定款を有すること 等 ( 本弁法第 5 条参照 ) 消費者金融会社の主要出資者の要件 四 消費者金融会社の主要出資者は 国内外の金融機構及び中国銀行業監督管理委員会が認可するその他の出資者でなければならず かつ 次の条件を具備しなければならない ( 一 )5 年以上の消費者金融分野における業務経験を有すること ( 二 ) 直近 1 年年末における総資産が800 億人民元又は同価値の自由両替可能貨幣を下回らないこと ( 連結会社諸表と一致 ) ( 三 ) 財務状況が良好であり 直近 2 会計年度において連続して利益を獲得していること ( 連結会社諸表と一致 ) ( 四 ) 信用が良好で 直近 2 年重大な法律 規定違反による経営記録がないこと ( 五 ) 出資資金のソースが真実かつ合法的であり 貸付金又は他人の委託資金によって出資してはならない ( 六 )3 年以内はその保有する消費者金融会社の持分権を譲渡しないことを承諾し ( 中国銀行業監督管理委員会が法に基づき 譲渡を命ずる場合を除く ) かつ 設立予定の会社の定款において明記すること ( 九 ) 国外金融機構が中国国内に代表処を設立して2 年以上であり 中国の市場について 2
十分な分析及び研究を行っており かつ 所在国又は地区の金融監督管理当局が既に中国銀行業監督管理委員会と良好な監督管理提携体制を確立していること ( 本弁法第 6 条参照 ) 消費者金融会社の一般出資者の要件 五 消費者金融会社の一般出資者は 本弁法第 6 条第 (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) 号に規定する条件を備えなければならないほか 金融機構は 登録資本が3 億人民元又は同価値の自由両替可能貨幣を下回らないという条件も具備しなければならず 非金融機構は さらに その純資産率が30パーセントを下回らないという条件も具備しなければならない ( 本弁法第 7 条 ) 消費者金融会社の登録資本 六 消費者金融会社の登録資本は 一度に実際に払い込まれた金銭による資本でなければならず その最低限度額は 3 億人民元又は同価値の自由両替可能貨幣とする 中国銀行業監督管理委員会は 消費者金融業務の発展状況及び慎重な監督管理の需要に応じて 登録資本金の最低限度額を調整することができる ( 本弁法第 8 条 ) 消費者金融会社の分支機構の設立 七 消費者金融会社は 業務発展の需要に応じて 中国銀行業監督管理委員会の認可を経て 分支機構を設立することができる 分支機構の設立の具体的な条件は 中国銀行業監督管理委員会が別途制定する ( 本弁法第 9 条 ) 消費者金融会社の変更 八 消費者金融会社が以下に挙げる変更事項の一つを有する場合 中国銀行業監督管理委員会の認可を経なければならない ( 一 ) 持分権の変更又は持分権構造の調整等 ( 本弁法第 11 条参照 ) 消費者金融会社に関する行政許可の手続 九 消費者金融会社の設立 変更 終了並びに董事及び高級管理職の任職資格の認可に関する行政許可手続は 中国銀行業監督管理委員会非銀行金融機構行政許可事項実施弁法 に従い執行する ( 本弁法第 14 条 ) 消費者金融会社の業務範囲 十 中国銀行業監督管理委員会の認可を経て 消費者金融会社は 以下に挙げる人民元業務の全部又は一部を経営することができる ( 一 ) 個人の耐用消費品に関する貸付を行う ( 二 ) 一般用途の個人消費貸付を行う 3
( 三 ) 貸付資産の譲渡を行う ( 四 ) 国内同業界間のコールローンを行う ( 五 ) 国内金融機構から借入れを行う ( 六 ) 認可を経て金融債券を発行する ( 七 ) 消費者金融に関するコンサルティング 代理業務を行う ( 八 ) 中国銀行業監督管理委員会が認可するその他の業務 ( 本弁法第 16 条 ) 消費者金融会社の監督管理 十一 消費者金融会社は 以下に挙げる監督管理指標の要求を遵守しなければならない ( 一 ) 自己資本比率 ( 中国語 : 資本充足率 ) が10パーセントを下回らないこと ( 二 ) 同業界による貸付資金が資本総額の100パーセントを上回らないこと ( 三 ) 資産損失準備比率が100パーセントを下回らないこと ( 本弁法第 20 条参照 ) 消費者金融会社に対する監督検査 十二 消費者金融会社は 中国銀行業監督管理委員会が法に基づき行う監督検査を受けなければならず これを拒否し妨害してはならない ( 本弁法第 27 条参照 ) 消費者金融会社の秘密保持義務 十三 消費者金融会社は 借入人の提供する個人情報について秘密保持義務を負い 随意に外部に漏洩してはならない ( 本弁法第 28 条 ) 消費者金融会社による取立て 十四 借入人が契約の定めに従って貸付の元利金を弁済しない場合 消費者金融会社は 合法的な手段により取立てを行わなければならないが 威迫 脅迫 妨害等の不正な手段を使用してはならない ( 本弁法第 29 条 ) 消費者金融会社の主要出資者 一般出資者の意義 十五 本弁法第 6 条にいう主要出資者とは 出資金額が最も多く かつ 出資比率が 設立予定の消費者金融会社の登録資本の50パーセントを下回らない出資者を指す 第 7 条にいう一般出資者とは 主要な出資者以外のその他の出資者を指す ( 本弁法第 32 条 ) 消費者金融会社が行う貸付 十六 本弁法第 16 条にいう個人耐用消費品貸付とは 消費者金融会社が取次販売業者を通じて借入人に対して貸し出す 約定された家庭用電器 電子製品等の耐用消費品 ( 家屋及び自動車を含まない ) の購入に用いられる貸付を指す ( 本弁法第 33 条 ) 同上 4
十七 本弁法第 16 条 第 17 条にいう一般用途の個人消費貸付とは 消費者金融会社が直接 借入人に対して貸し出す 個人及び家庭旅行 結婚式 教育 内装等の消費事項に使用される貸付を指す ( 本弁法第 34 条 ) 解釈の責任 十八 本弁法は 中国銀行業監督管理委員会がその解釈の責任を負う ( 本弁法第 37 条 ) 以上 上記の事項についてさらに詳細な情報をご希望される場合には 下記までご連絡いただきますようお願いいたします 森脇章パートナー弁護士 Email: akira.moriwaki@amt-law.com Telephone: 03-6888-1055( 東京事務所 ) 中川裕茂パートナー弁護士 北京事務所首席代表 Email: hiroshige.nakagawa@amt-law.com Telephone: 03-6888-1174( 東京事務所 ) +86-10-6590-9060( 北京事務所 ) 本報告書は 法令の一般的な解釈を示したものであり 当事務所の法律上 会計上 税務上のアドバイスを含むものではありません 本報告書の著作権は 出典が明記されているものを除き アンダーソン 毛利 友常法律事務所に帰属します 5