11総法不審第120号

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処分済み

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処分済み

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

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処分済み

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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軽自動車税 ( 種別割 ) 減免に関する取扱基準 ( 趣旨 ) 第 1 条この基準は 船橋市市税条例第 89 条及び第 90 条の規定に基づき 軽自動車税 ( 種別割 ) の減免の取り扱いに関し 必要な事項を定める ( 公益のために直接専用するものの範囲 ) 第 2 条条例第 89 条第 1 項第

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

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ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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Microsoft Word - toukyuhyo

質疑回答 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

1 経 緯

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素


⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24


⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

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第1 審査会の結論


諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件


平成14年7月3日

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

2 ( 178 9)

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高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

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無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

2

⑴ ⑵ ⑶


( 参考 ) 国民年金法施行令別表 厚生年金保険法施行令別表第 及び第

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葉山町身体障害者自動車改造費助成事業実施要綱 平成 26 年 4 月 1 日制定 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 身体障害者 ( 身体障害者福祉法 ( 昭和 24 年法律第 283 号 ) 第 15 条第 4 項の規定により身体障害者手帳の交付を受けているものをいう 以下に同じ ) が移動手段と

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した身体障害者手帳交 付処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のと おり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都知事 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対し 身体障害者福祉法 ( 以下 法 という ) 1 5 条 4 項の規定に基づいて 平成 2 8 年 1 0 月 4 日付けで行った身体障害者手帳 ( 以下 手帳 という ) の交付処分のうち 請求人の身体障害 ( ただし 右上肢機能に係る障害を以下 本件障害 という ) に係る身体障害程度等級 ( 法施行規則別表第 5 号 ( 以下 等級表 という ) によるもの 以下 障害等級 という ) を総合等級 3 級 と認定した部分のうち 上肢機能障害 右上肢機能の軽度障害 を 7 級 とした部分 ( 以下 本件処分 という ) を不服として これをより上位の等級に変更することにより 手帳の総合等級をより上位に変更することを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨身体障害者手帳交付申請の中で上肢機能障害 右上肢機能の軽度障害 ( 7 級 ) の認定になってしまった しかしながら 現在の症状は 右肘靭帯剥離に伴う右腕全体の症状がひどい上に 右手指 ( 中指 薬指 小指 ) の無感覚麻痺 クローヌス症状による右腕の - 1 -

痙攣 今回認定された体幹機能障害 歩行困難 ( 3 級 ) で歩行困難であるだけでなく 下肢に関しても制限があるため 本来であれば 右側で松葉杖を突くのが通常である その通常である体勢が右腕の障害により出来ていない 右上肢に関しては指 手首 肘 肩など全てにおいて利き腕であってもまともに動かすことができない よって上肢機能障害 (3 級 ) の認定を求めます 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 45 条 2 項によ り棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 平成 29 年 2 月 27 日 諮問 審議経過 平成 29 年 4 月 2 4 日審議 ( 第 8 回第 1 部会 ) 平成 29 年 5 月 2 2 日審議 ( 第 9 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法 1 5 条 1 項は 手帳の交付申請は 都道府県知事 ( 以下 知事 という ) の定める医師の診断書を添えてその居住地の知事に対して行う旨を定め 同条 4 項は 知事は 審査の結果 身体に障害のある者の申請による障害が法別表に掲げるものに該当すると認めたときは 申請者に手帳を交付しなければならないと定めている 法施行規則 5 条 1 項 2 号は 手帳には障害名及び障害の級別を - 2 -

記載すべき旨を規定し 同条 3 項は 級別は等級表により定めるものとし 等級表においては 障害の種別ごとに1 級から7 級までの障害の級別 ( 障害等級 ) が定められている ⑵ 東京都においては 手帳の交付申請者の障害が法別表に掲げるものに該当するか否か 並びに該当する場合における障害の種類及び障害の程度の別についての認定審査を適切に行うため 東京都身体障害者手帳に関する規則 ( 平成 12 年東京都規則第 215 号 ) 及び同規則 5 条の規定による受任規程である 東京都身体障害認定基準 ( 平成 12 年 3 月 31 日付 11 福心福調第 1468 号 以下 認定基準 ( 都 ) という ) を定めている そして 認定基準 ( 都 )8 条は 身体障害程度等級における個別の障害種目に係る認定基準については 別紙 障害程度等級表解説 のとおりとする と規定しており ( 以下 同解説を 等級表解説 という ) 手帳の交付申請に対しては これらに則って手帳交付の可否の判断及び手帳に記載する障害名 障害等級の認定を行っている そして 処分庁が上記認定に係る審査を行うに当たっては 法 15 条 1 項の趣旨からして 提出された診断書に記載された内容を資料として判断を行うものと解される ただし 診断書に記載された医師の意見 ( 法 1 5 条 3 項の意見 ) は 診断に当たった医師の意見であり 最終的には処分庁が当該意見を踏まえつつ 診断書の記載内容全般を基にして 客観的に判定を行うべきものである 本件において処分庁は 医師に対し 請求人の障害等級は 右上肢機能の軽度の障害 7 級 左上肢非該当 体幹 3 級 総合等級 3 級 と思われるとして照会し 医師は 了解しました 上肢 7 級 体幹 3 級 総合等級 3 級 と回答していることから その時点において 法に基づく担当医師の意見が訂正されたことが認められる - 3 -

2 そこで 本件診断書の記載内容及びその後の担当医師の回答を前 提として 本件処分に違法又は不当な点がないかどうか 以下検討 する ⑴ 本件診断書によれば 請求人の障害名は 交通事故 ( 外 傷 ) を原因とする 骨盤骨骨折後遺症 右肘剥離骨折後遺症 脳脊髄液減少症 ( 漏出症 ) とされ ( 別紙 1 Ⅰ 1 及び 2 ) 総合所見 には 右上下肢の機能障害 左上下肢の軽度機能障害 体幹機能障害 ( 歩行障害 ) とある( 別紙 1 Ⅰ 5) このうち 左上肢の機能障害については 筋力テスト (MM T) において筋力の低下が認められるものの 関節可動域 (RO M) はほぼ制限がみられないこと ( 別紙 1 Ⅲ) 動作 活動の評価で 食事をする コップで水を飲む ブラシで歯を磨く の 左 がいずれも ( 自立 ) とされていることから ( 別紙 1 Ⅱ ) その障害の程度は 軽度の障害 7 級相当にも至っているとは認められず 非該当と判断するのが相当である また 等級表解説によれば 下肢と体幹の障害が重複している場合 総合等級の判定に当たっては 原則として各々の指数を合算せず 歩行能力 起立位や座位の保持能力の程度を踏まえて 下肢又は体幹のいずれか一方の障害として認定することとする とされており ( 別紙 2 第 3 3 ⑴ ケ ) 本件診断書において 体幹の筋力テスト (MMT) は ( 筋力半減 ) とあり 動作 活動の評価のうち体幹機能に関連する座位保持動作の 座る ( 正座 あぐら 横座り ) は ( 全介助又は不能 ) 座る( 足を投げ出して ) は ( 半介助 ) と低下がみられることから 下肢と体幹では 体幹での認定が相当である 以上により 請求人の障害については 一上肢の機能障害及び体幹機能障害により認定されたものと認められる ⑵ 等級表が定めている肢体不自由に係る障害等級のうち 一上肢 - 4 -

の機能障害及び体幹の機能障害に係る部分を抜粋すると 以下の とおりである 級別 1 級 肢体不自由上肢機能障害体幹機能障害体幹の機能障害により坐っていることができないもの 一上肢の機能を全廃したもの 1 体幹の機能障害により坐 位又は起立位を保つことが 2 級 困難なもの 3 級 一上肢の機能の著しい障害 2 体幹の機能障害により立ち上がることが困難なもの体幹の機能障害により歩行が困難なもの 5 級体幹の機能の著しい障害 7 級一上肢の機能の軽度の障害また 二つ以上の障害が重複する場合の障害程度等級について 認定基準 7 条は 重複する障害の合計指数に応じて 以下左表により認定することとし また 合計指数は以下右表により各々の障害の該当する等級の指数を合計したものとするとしている 合計指数認定等級障害等級指数 1 8 以上 1 級 1 級 18 1 1 ~ 1 7 2 級 2 級 11 7 ~ 1 0 3 級 3 級 7 4 ~ 6 4 級 4 級 4 2 ~ 3 5 級 5 級 2 1 6 級 6 級 1 7 級 0. 5 そして 等級表解説は 肢体不自由の障害等級を認定するための基準について おおむね別紙 2のとおり規定している - 5 -

⑶ 以上を前提に 以下 請求人の右上肢の機能障害 ( 本件障害 ) 及び体幹機能障害の程度について検討する ア右上肢の機能障害の程度本件診断書の記載によると 筋力テスト (MMT) については 右肩関節の屈曲及び外転が ( 筋力が消失又は著減 ) 右肩関節の伸展及び右前腕の回内が ( 筋力正常又はやや減 ) その他が全て ( 筋力半減 ) となっており 握力は右 0kgであって これらの点では 機能障害が必ずしも軽度とはいえない要素もみられるものの 関節可動域 (ROM) についてはほぼ制限がみられないこと 神経学的所見その他の機能障害 ( 形態異常の所見 ) については記載がないこと 動作 活動の評価で 食事をする コップで水を飲む ブラシで歯を磨く の 右 がいずれも ( 半介助 ) と一定程度可能であることは 機能障害が著しいとはいえないことを示している ( 別紙 1 Ⅱ 及びⅢ) 以上からすると 請求人の右上肢の機能は 目的動作能力が比較的保たれていることから その程度は著しい障害 3 級相当までには至っておらず 軽度の機能障害 7 級相当と認定するのが相当である イ体幹機能障害の程度本件診断書の記載によると 歩行能力 ( 補装具なしで ) は ベッド周辺以上歩行不能 起立位保持 ( 補装具なしで ) は 10 分以上困難 とされている ( 別紙 1 Ⅱ 三 ) この記載のみからすると 障害等級 2 級の区分に該当し得るともいえる しかし 動作 活動の評価では 家の中の移動 及び 二階まで階段を上って下りる は壁 手すりを使用して ( 半介助 ) 屋外を移動する は松葉づえを使用して ( 半介助 ) 公共の乗物を利用する は ( 半介助 ) など - 6 -

とあり 動作 活動面の制約はある程度限定的であるといえる ( 別紙 1 Ⅱ 二 ) そうすると 請求人の体幹機能障害の障害程度については 障害等級 2 級に至っているとまではいえず 歩行の困難なもの として障害等級 3 級相当と認定するのが相当である ウ総合等級請求人の障害程度については 認定基準 7 条により各々の障害の該当する等級の指数が合計され 上肢機能障害 ( 右上肢機能の軽度障害 ) 7 級 ( 指数 0. 5 ) + 体幹機能障害 ( 歩行困難 )3 級 ( 指数 7)= 総合等級 3 級 ( 合計指数 7~10の範囲内である7.5) となることから 障害等級 3 級と認定するのが相当である ⑷ 担当医師も 処分庁からの意見照会を受けて 意見を訂正していることが認められる ⑸ 以上のとおり 本件診断書によれば 本件障害の程度は 上肢機能障害 右上肢機能の軽度障害 (7 級 ) であって 体幹機能障害 歩行困難 (3 級 ) と併せて 請求人の身体障害については 障害等級 3 級 と認定するのが相当であって 本件処分に違法又は不当な点は認められない 3 請求人は 上記 ( 第 3 ) のとおり主張し 本件処分の違法性又は不当性を主張している しかし 前述 (1 ⑵) のとおり 障害等級の認定に係る総合判断は 提出された診断書の記載内容全般に基づいてなされるべきものであり 本件診断書によれば 本件障害の程度は 認定基準及び等級表解説に照らして 障害等級 7 級と認定することが相当であることから 手帳の総合等級の変更を認めることができないことは 上記 2 記載のとおりである したがって 請求人の主張には理由がない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討 - 7 -

その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 髙橋滋 窪木登志子 筑紫圭一 別紙 1 及び 2( 略 ) - 8 -