平成 29 年 3 月 30 日 ( 木 ) 愛知県総務部市町村課財政グループ担当村井 上田内線 2230 2231 電話 052-954-6067( ダイヤルイン ) 平成 29 市町村普通会計当初予算の概要について 県内 54 市町村 (38 市 14 町 2 村 ) の平成 29 普通会計当初予算の概要は 次のとおりである 県内 54 市町村の予算規模は 前に比べ1.7 増加し 過去最大となっている これは 平成 29 から指定都市の小学校及び中学校等に係る県費負担教職員の給与負担事務が移譲され 指定都市における人件費が増加したことが大きく影響している なお その財源として県から指定都市への交付金等が措置されている 一方で この制度改正の影響がない市町村 ( 指定都市以外 ) における予算規模は 前に比べ1.8 減少している 歳入については 法人市町村民税の減少による地方税の減少が見込まれるものの 基金の取崩しによる繰入金が増加している 歳出については 税の過誤納還付金などの補助費等や扶助費が増加しているものの 普通建設事業費は減少している 1 予算規模について ( 当初予算ベース ) ( 単位 : 百万円 ) 平成 29 平成 28 増減額 増減率 54 市町村 2,914,274 2,864,696 49,578 1.7 大都市 1,170,459 1,089,271 81,188 7.5 都市 1,605,021 1,637,980 32,959 2.0 町村 138,794 137,445 1,349 1.0 平成 28 に骨格 ( 的 ) 予算を編成した 2 市 1 町 1 村 ( 大府市 尾張旭市 扶桑町 飛島村 ) については 6 月補正後の予算の数値を用いている 県内 54 市町村の当初予算の規模は 2 兆 9,142 億 7,400 万円で 前に比べ 495 億 7,800 万円 1.7 増となっている 団体の区分ごとに見ると 大都市 は 1 兆 1,704 億 5,900 万円で 前に比べ7.5 増 都市 は1 兆 6,050 億 2,100 万円で前に比べ2.0 減 町村 は1,387 億 9,400 万円で前に比べ 1.0 増となっている また 3 市 1 町 ( 名古屋市 東海市 愛西市 蟹江町 ) が 首長選挙を控えた骨格 ( 的 ) 予算を編成している 30,000 29,000 28,000 27,693 第 1 図予算規模の推移 28,152 28,647 29,143 27,000 26,417 26,000 25,000-1 -
2 歳入について 歳入の状況 ( 単位 : 百万円 ) 平成 29 平成 28 予算額構成比予算額構成比 増減額 増減率 地方税 1,422,904 48.8 1,434,264 50.1 11,360 0.8 うち個人市町村民税 490,388 16.8 482,423 16.8 7,965 1.7 うち法人市町村民税 123,971 4.3 157,191 5.5 33,220 21.1 うち固定資産税 612,625 21.0 600,565 21.0 12,060 2.0 地方譲与税 21,515 0.7 21,242 0.7 273 1.3 地方交付税 79,691 2.7 86,657 3.0 6,966 8.0 うち普通交付税 71,790 2.5 78,081 2.7 6,291 8.1 国庫支出金 408,642 14.0 405,638 14.2 3,004 0.7 県支出金繰入金 163,074 83,236 5.6 2.9 162,535 75,765 5.7 2.6 539 7,471 0.3 9.9 地方債 173,384 5.9 168,710 5.9 4,674 2.8 うち臨時財政対策債 58,050 2.0 48,251 1.7 9,799 20.3 561,828 19.3 509,885 17.8 51,943 10.2 うち道府県民税所得割臨時交付金 54,431 1.9 54,431 皆増 うち地方消費税交付金 138,030 4.7 138,259 4.8 229 0.2 合計 2,914,274 100.0 2,864,696 100.0 49,578 1.7 うち一般財源 1,767,706 60.7 1,727,603 60.3 40,103 2.3 うち自主財源 1,824,372 62.6 1,834,474 64.0 10,102 0.6 ( 注 ) 端数処理により 内訳と合計が一致しない場合がある ( 以下の表について同じ ) 第 2 図歳入の構成比 ( 一般財源 特定財源別 ) 第 3 図歳入の構成比 ( 自主財源 依存財源別 ) 地方債 5.9 10.9 地方債 5.9 8.4 繰入金 2.9 特定財源 39.3 県支出金 5.6 依存財源 37.4 県支出金 5.6 国庫支出金 14.0 歳入 2 兆 9,142 億 7,400 万円 一般財源 60.7 地方税 48.8 国庫支出金 14.0 地方交付税 2.7 歳入 2 兆 9,142 億 7,400 万円自主財源 62.6 地方税 48.8 の一般財源 8.4 地方交付税 2.7 地方譲与税 0.7 地方譲与税 0.7 の自主財源 10.9 繰入金 2.9-2 -
(1) 地方税地方税は1 兆 4,229 億 400 万円で 前に比べ 113 億 6,000 万円 0.8 減と 5 年ぶりの減少となっている これは 個人市町村民税が雇用 所得環境の改善の影響等により前と比べ79 億 6,500 万円 1.7 増 固定資産税が家屋の新増築等により前と比べ120 億 6,000 万円 2.0 増となっているものの 法人市民税が企業の業績などを踏まえて332 億 2,000 万円 21.1 減となったことによるものである 14,500 1 13,500 1 1 地方税予算に占める割合 第 4 図地方税の推移 14,025 14,124 13,369 14,343 14,229 50.6 50.6 50.2 50.1 48.8 60.0 58.0 56.0 54.0 52.0 50.0 48.0 46.0 (2) 地方交付税地方交付税は796 億 9,100 万円で 前に比べ69 億 6,600 万円 8.0 減となっている これは 普通交付税が合併算定替の縮減の影響等により 前に比べ62 億 9,100 万円 8.1 減となったことによるものである 1,000 800 地方交付税予算に占める割合 936 912 3.5 3.3 第 5 図地方交付税の推移 851 867 797 3.0 3.0 2.7 8.0 6.0 4.0 2.0 600 0.0 (3) 地方債地方債は1,733 億 8,400 万円で 前に比べ46 億 7,400 万円 2.8 増と5 年ぶりの増加となっている これは 臨時財政対策債が前に比べ97 億 9,900 万円 20.3 増となったことによるものである 2,000 1,500 1,000 500 0 地方債うち臨時財政対策債予算に占める割合 第 6 図地方債の推移 1,936 1,872 1,782 1,687 1,734 7.3 6.8 6.3 878 5.9 5.9 785 563 581 483 11.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0-3 -
3 歳出について 歳出の状況 ( 性質別 ) ( 単位 : 百万円 ) 平成 29 平成 28 予算額構成比予算額構成比 増減額 増減率 義務的経費 1,481,712 50.8 1,388,035 48.5 93,677 6.7 人件費 551,008 18.9 454,772 15.9 96,236 21.2 扶助費 673,519 23.1 667,982 23.3 5,537 0.8 公債費 257,184 8.8 265,281 9.3 8,097 3.1 投資的経費 314,614 10.8 359,577 12.6 44,963 12.5 普通建設事業費 313,909 10.8 358,770 12.5 44,861 12.5 うち補助事業費 116,681 4.0 145,114 5.1 28,433 19.6 うち単独事業費 188,778 6.5 204,956 7.2 16,178 7.9 物件費 416,807 14.3 417,677 14.6 870 0.2 維持補修費 43,049 1.5 43,088 1.5 39 0.1 補助費等 291,536 282,235 9.9 9,301 3.3 366,556 12.6 374,084 13.1 7,528 2.0 合計 2,914,274 100.0 2,864,696 100.0 49,578 1.7 第 7 図歳出の構成比 ( 性質別 ) 維持補修費 1.5 補助費等 物件費 14.3 12.6 の経費 38.4 歳出義務的経費 2 兆 9,142 億 50.8 7,400 万円 投資的経費 10.8 普通建設事業費 10.8 公債費 8.8 人件費 18.9 扶助費 23.1 (1) 人件費人件費は5,510 億 800 万円で 前に比べ962 億 3,600 万円 21.2 増となっている これは 県費負担教職員の給与負担事務の指定都市への移譲の影響等によるものである なお この制度改正の影響がない市町村 ( 指定都市以外 ) の人件費は2,891 億 8,200 万円で 前に比べ3 億 4,400 万円 0.2 減となっている 6,000 5,000 4,530 4,496 17.1 人件費予算に占める割合 第 8 図人件費の推移 4,552 4,548 16.2 16.2 15.9-4 - 5,510 18.9 20.0 19.0 18.0 17.0 16.0 15.0
(2) 扶助費扶助費は6,735 億 1,900 万円で 前に比べ55 億 3,700 万円 0.8 増と 5 年連続で増加している 7,000 6,000 5,000 5,950 扶助費予算に占める割合 6,147 22.5 22.2 第 9 図扶助費の推移 6,460 6,680 6,735 22.9 23.3 23.1 26.0 24.0 22.0 20.0 18.0 16.0 (3) 公債費公債費は2,571 億 8,400 万円で 前に比べ80 億 9,700 万円 3.1 減と4 年連続で減少している 3,100 公債費予算に占める割合 第 10 図公債費の推移 12.0 2,900 2,800 2,700 2,600 10.8 2,861 10.2 2,820 9.5 2,671 9.3 2,653 8.8 2,572 11.0 9.0 8.0 7.0 (4) 物件費物件費は4,168 億 700 万円で 前に比べ8 億 7,000 万円 0.2 減と5 年ぶりに減少している 4,500 3,500 3,765 物件費予算に占める割合 3,966 14.3 14.3 第 11 図物件費の推移 4,127 4,177 4,168 14.7 14.6 14.3 16.0 13.0 7.0-5 -
(5) 普通建設事業費普通建設事業費は3,139 億 900 万円で 前に比べ 448 億 6,100 万円 12.5 減となっている このうち 補助事業費は1,166 億 8,100 万円で 前に比べ284 億 3,300 万円 19.6 減となっており 単独事業費は1,887 億 7,800 万円で 前に比べ161 億 7,800 万円 7.9 減となっている なお 28 の国経済対策補正予算関連事業と合わせた普通建設事業費は3,574 億 9,300 万円で 前と比べ12 億 7,700 万円 0.4 減にとどまっている 3,500 普通建設事業費予算に占める割合 2,765 10.5 第 12 図普通建設事業費の推移 3,467 3,588 3,225 11.6 12.3 12.5 3,139 10.8 25.0 20.0 15.0 5.0 2,000 0.0 4 まとめ県内市町村の平成 29 当初予算は 歳入面では 雇用 所得環境の改善の影響等により個人市町村民税の伸びが見込まれるものの 企業の業績などを踏まえ 法人市町村民税の減収が大きく見込まれ 地方税が5 年ぶりに減少している また 歳出面では 地方債の償還が進んだことなどにより公債費は減少したものの 社会保障の充実等に伴い扶助費が5 年連続で増加している 今後も 高齢化等に伴い扶助費の増加が見込まれることや 海外経済の不確実性 金融資本市場の変動による法人市町村民税への影響なども懸念される このため県内市町村においては 公共施設等総合管理計画等に基づく公共施設等の集約化 複合化等の取組や統一的な基準による財務書類等を予算編成等に積極的に活用することをはじめとした行政サービス改革の推進に努めるなど 歳出全般にわたり 国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進める必要がある - 6 -
< 用語説明 > 1 普通会計個々の地方公共団体ごとに各会計の範囲が異なっている等の理由により 財政比較や統一的な掌握を可能にするため 地方財政統計上用いられる会計区分 ( 地方自治法等の法律によって規定されているものではない ) 市町村の会計には一般会計の他に多くの特別会計があるが 普通会計は公営事業会計以外の会計を総合して一つの会計として取りまとめたものであり 普通会計の中で公営事業会計に関する収支をしている場合 これらは普通会計から除外される 公営事業会計 公営企業会計 収益事業会計 国民健康保険事業会計 後期高齢者医療事業会計 介護保健事業会計 農業共済事業会計 交通災害共済事業会計 公立大学附属病院 事業会計をいう 2 一般財源その使途について何ら制約がない財源で 一般的には地方税 地方譲与税 地方交付税 各種交付金及び地方特例交付金とされている 3 特定財源財源の使途が特定されている財源で 一般財源以外のものをいう 4 自主財源市町村が自主的に収入するもので 地方税 分担金及び負担金 使用料及び手数料 財産収入 寄附金 繰入金 繰越金 諸収入とされている 5 依存財源国や県の意思決定に基づき収入され 自主財源に対するもの 地方譲与税 地方交付税 地方特例交付金 国庫支出金 都道府県支出金 地方債及び各種交付金とされている 6 義務的経費その支出が義務づけられ 任意に削減できない極めて硬直性の強い経費 一般的には人件費 扶助費 公債費とされている 7 投資的経費道路 橋りょう 公園 学校 公営住宅の建設等社会資本の整備に要する経費であり 普通建設事業費 災害復旧事業費及び失業対策事業費とされている 8 臨時財政対策債地方の財源不足を補てんするために 投資的経費以外の経費にも充てられる特例として発行される地方債 9 合併算定替市町村合併後 当面は行政運営にかかる経費の急激な節減が困難であることを考慮し 一定期間 合併市町村の普通交付税額が 合併しなかったと仮定した場合に算定される関係市町村の普通交付税額の合算額を下回らないようにする特例 合併した時期に応じ 合併後一定期間を経過した後 5 年間で段階的に縮減される - 7 -