主文第 1 項と同旨第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 発明の名称を 遊技機 とする特許出願をし ( 特願 号 請求項数 3 ), 平成 26 年 5 月 12 日付けで拒絶理由通知 ( 甲 8 以下 本件

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指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

REPORT あいぎ特許事務所 名古屋市中村区名駅 第一はせ川ビル 6 階 TEL(052) FAX(052) 作成 : 平成 27 年 4 月 10 日作成者 : 弁理士北裕介弁理士松嶋俊紀 事件名 入金端末事件 事件種別 審決取消

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

1 特許庁における手続の経緯原告は, 名称を 5 角柱体状の首筋周りストレッチ枕 とする発明につき, 平成 20 年 10 月 31 日に特許出願 ( 本願 特願 号, 特開 号, 請求項の数 1) をし, 平成 25 年 6 月 19 日付けで拒絶

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

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丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

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情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

最高裁○○第000100号

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

にした審決を取り消す 第 2 前提事実 1 特許庁における手続の経緯被告は, 発明の名称を レーザ加工方法, 被レーザ加工物の生産方法, およびレーザ加工装置, 並びに, レーザ加工または被レーザ加工物の生産方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納したコンピュータが読取可能な記録媒体 とする特

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平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成 28 年 10 月 11 日判決言渡 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結の日平成 28 年 7 月 7 日 判 決 原 告 オーガスタナショナルインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁護士 中 村 稔 同 松 尾 和 子 同 田 中 伸 一 郎 同訴訟代

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上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

 

最高裁○○第000100号

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡 平成 29 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 13 日 判 決 原告株式会社コーエーテクモゲームス 訴訟代理人弁護士 佐 藤 安 紘 高 橋 元 弘 吉 羽 真一郎 末 吉 亙 弁理士 鶴 谷 裕 二

平成25年5月  日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

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第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

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☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

平成  年(オ)第  号

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

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( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

認められないから, 本願部分の画像は, 意匠法上の意匠を構成するとは認めら れない したがって, 本願意匠は, 意匠法 3 条 1 項柱書に規定する 工業上利用する ことができる意匠 に該当しないから, 意匠登録を受けることができない (2) 自由に肢体を動かせない者が行う, モニター等に表示される

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

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原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

(1) 被告は, 次の商標 ( 以下 本件商標 という ) に係る商標権 ( 以下 本件商標権 という ) を有している ( 甲 25) 商標登録第 号商標の構成千鳥屋 ( 標準文字 ) 登録出願日平成 23 年 12 月 21 日設定登録日平成 25 年 2 月 8 日指定商品第

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年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

(Microsoft Word \224\255\225\\\201yMSH\201z \224\273\214\210\201i\217\244\225W\201j.doc)

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

特許庁が無効 号事件について平成 29 年 2 月 28 日にした審決を取り消す 第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 被告は, 平成 27 年 5 月 26 日, 発明の名称を 気体溶解装置及び気体溶解方法 とする特許出願をし, 平成 28 年 1 月 8

O-27567

号 以下 本願 という ) をしたが, 平成 23 年 10 月 26 日付けで拒絶査定を受けたので, 平成 24 年 1 月 31 日, これに対する不服の審判を請求するとともに, 手続補正書を提出した ( 以下 本件補正 という ) 特許庁は, この審判を, 不服 号事件とし

では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

(イ係)

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第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

令和元年 5 月 30 日判決言渡 平成 30 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 23 日 判 決 原告ジー エス エフ ケー シー ピー株式会社 被告ケーシーピーヘビーインダスト リーズカンパニーリミテッド 訴訟代理人弁護士 小 林 幸 夫

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

11総法不審第120号

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

を構成し, その結果, 本願意匠が同法 3 条 1 項柱書の 工業上利用することができる意匠 に当たるか否かである 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 27 年 3 月 16 日, 意匠法 14 条 1 項により3 年間秘密にすることを請求し, 物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠

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政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

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原告は, 平成 26 年 12 月 9 日, 指定役務を第 35 類 市場調査又は分析, 助産師のあっせん, 助産師のための求人情報の提供, 第 41 類 セミナーの企画 運営又は開催, 電子出版物の提供, 図書及び記録の供覧, 図書の貸与, 書籍の制作, 教育 文化 娯楽 スポーツ用ビデオの制作

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

第 1 原告の求めた判決 特許庁が無効 号事件について平成 23 年 12 月 28 日に した審決を取り消す 第 2 事案の概要本件は, 被告の請求に基づき原告の本件特許を無効とした審決の取消訴訟であり, 当裁判所が取り上げる争点は, 実施可能要件及びサポート要件の充足性の

争点は,1 引用例 2 記載事項の発明該当性の判断の遺脱の有無,2 同発明該当性の判断の誤り及び3 本願発明の進歩性判断の誤りの有無である 1 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 24 年 5 月 2 日, 名称を 放射能除染装置及び放射能除染方法 とする発明につき, 特許出願 ( 特願 201

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

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最高裁○○第000100号

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1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

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11総法不審第120号

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

同法 46 条 1 項 1 号により, 無効とすることはできない, というものである 第 3 当事者の主張 1 審決の取消事由に関する原告の主張 (1) 取消事由 1( 商標法 3 条 1 項柱書該当性判断の誤り ) 審決は, 本件商標に関し, 願書に記載された指定商品又は指定役務に使用していること

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平成 29 年 7 月 18 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 28 年 ( 行ケ ) 第 10238 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 7 月 4 日 判 決 原告株式会社三共 同訴訟代理人弁理士 重 信 和 男 溝 渕 良 一 石 川 好 文 堅 田 多恵子 林 修 身 大久保 岳 彦 被 告 特 許 庁 長 官 同指定代理人 長 崎 洋 一 平 城 俊 雅 富 澤 哲 生 真 鍋 伸 行 主 文 1 特許庁が不服 2015-13829 号事件について平成 28 年 9 月 28 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 - 1 -

主文第 1 項と同旨第 2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 発明の名称を 遊技機 とする特許出願をし ( 特願 2012-135226 号 請求項数 3 ), 平成 26 年 5 月 12 日付けで拒絶理由通知 ( 甲 8 以下 本件拒絶理由通知 ということがある ) を受けたので, 同年 7 月 15 日付け手続補正書 ( 甲 10) により特許請求の範囲を補正した ( 以下 平成 26 年補正 ということがある 請求項数 4 ) 原告は, 平成 27 年 4 月 20 日付けで拒絶査定 ( 甲 12 以下 本件拒絶査定 という ) を受けたので, 同年 7 月 23 日, これに対する不服の審判を請求するとともに ( 甲 13), 同日付けで手続補正書を提出した ( 甲 14 以下 本件補正 という 請求項数 4 ) (2) 特許庁は, これを不服 2015-13829 号事件として審理し, 平成 28 年 9 月 28 日, 本件補正を却下した上, 本件審判の請求は, 成り立たない との別紙審決書 ( 写し ) 記載の審決 ( 以下 本件審決 という ) をし, その謄本は, 同年 10 月 11 日, 原告に送達された (3) 原告は, 同年 11 月 9 日, 本件審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した 2 特許請求の範囲の記載 (1) 平成 26 年補正後の特許請求の範囲は, 別紙 1のとおりである ( 甲 10) 以下, 平成 26 年補正後の請求項 1に記載された発明を, 本願発明 という (2) 本件補正後の特許請求の範囲は, 別紙 2のとおりである ( 甲 14) 以下, 本件補正後の請求項 1に記載された発明を, 本件補正発明 といい, 本件補正後の明細書 ( 甲 6,10,14) を 本願明細書 という 3 本件審決の理由の要旨 (1) 本件審決の理由は, 別紙審決書 ( 写し ) 記載のとおりである 要するに, 本 - 2 -

件補正は,1 後記 (2) のとおり, 特許法 17 条の2 第 5 項各号に掲げるいずれを目的とするものでもなく,2 仮に, 特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても, 本件補正発明は, 下記アの引用例 1に記載された発明 ( 以下 引用発明 という ) 及び下記イの引用例 2に記載された技術事項 ( 以下 引用例 2 記載の技術事項 という ) に基づいて, 当業者が容易に発明をすることができたものであって, 特許法 17 条の2 第 6 項において準用する同法 126 条 7 項の規定により, 特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから, 却下すべきものである, また,3 本願発明についても, 本件補正発明と同様に, 同法 29 条 2 項の規定により, 特許を受けることができないものであるから, 拒絶すべきものである, というものである ア引用例 1: 特開 2010-104429 号公報 ( 甲 1) イ引用例 2: 特開 2001-161907 号公報 ( 甲 2) (2) 補正の適否について請求項 1~3の記載に関して, いずれかのパターンで前記予告演出を実行可能である を いずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能である とする補正は, 補正の前後でその意味する内容が同一であることから, 特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない 平成 26 年補正後の請求項 1の記載は, 明瞭な記載であるから, 明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当しない また, 誤記の訂正を目的とするものにも該当しない したがって, 特許法 17 条の2 第 5 項各号に掲げるいずれを目的とするものではなく, 本件補正は却下すべきである (3) 独立特許要件について本件審決が認定した引用発明, 本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点, 引用例 2 記載の技術事項は, 以下のとおりである なお, / は, 原文の改行箇所を示す ( 以下同じ ) ア引用発明 - 3 -

識別情報を可変表示する可変表示部において, 停止表示された識別情報の組合せがあらかじめ定められた特定組合せとなったときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって ( 請求項 1 ), /CPU56( 0156 ) と,/ 未だ開始されていない可変表示について, 特定遊技状態に制御するか否かを特定するための情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と ( 請求項 1 ), / 保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報に応じた予告演出を当該保留記憶情報にもとづく可変表示より前に停止表示される複数回の可変表示において連続して実行可能な演出実行手段と ( 請求項 1 ),/ 演出実行手段が実行する予告演出の演出態様を選択する演出選択手段と ( 請求項 1 ), / を備え,/CPU56 は,/ 特別図柄の可変表示が開始できる状態になると, 特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する特別図柄通常処理を実行し ( 0156, 0158 ),/ 特別図柄および飾り図柄の変動が実際に開始される前に, 大当りが生ずるか否か判定するとともに大当りの種別や変動パターン種別を判定する入賞時判定処理を実行し ( 0176, 0177 ),/ 演出選択手段は, 連続して実行される予告演出の組合せパターンとして第 3の予告演出 ( 背景画像が変化し, その後チャンス目が停止表示される演出 ) が実行される, 特定の組合せパターンを選択可能とし ( 請求項 1, 請求項 3, 0271 ),/ 演出実行手段は, 単にチャンス目が停止表示される演出が連続して行われる演出パターン ( 演出パターン番号 4) と, 特定の組合せパターンのうち, 単にチャンス目が停止表示される演出の後に, 第 3の予告演出 ( 背景画像が変化し, その後チャンス目が停止表示される演出 ) が行われる演出パターン ( 演出パターン番号 5,7のパターン ) を含む組合せパターンの中から予告演出を連続して実行可能である / 遊技機 イ一致点識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御す - 4 -

る遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は,/ 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に当該第 1 予告演出よりも特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンとを含む演出パターンの中から前記予告演出を実行可能であり,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である / 遊技機 ウ相違点 ( ア ) 相違点 1 予告演出実行手段が複数回の識別情報の可変表示において実行する演出に関して, 本件補正発明は, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンとに加えて, 第 1 予告演出よりも特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるのに対して, 引用発明は, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるが, 第 1 予告演出よりも特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンにて予告演出を実行可能であるか否か不明である点 ( イ ) 相違点 2-5 -

本件補正発明は, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンで予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて第 2 予告演出を開始可能であって, 第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 予告演出を実行するのに対して, 引用発明は, 当該発明特定事項を備えていない点 エ引用例 2 記載の技術事項メイン制御基板 100( 報知手段 ) は,/ 第 1 演出を行う第 1タイミングから第 2 演出を行う第 2タイミングまでの期間 ( 演出間隔 ) の長さに応じて, 期待度を異ならせ ( 期待度の大きさと関連して魚の大きさを異ならせ ) て期待度を報知した遊技機 4 取消事由 (1) 手続違背 ( 取消事由 1) (2) 本件補正発明の容易想到性の判断の誤り ( 取消事由 2) ア相違点 2に係る認定の誤りイ相違点 2に係る判断の誤り (3) 本願発明の容易想到性の判断の誤り ( 取消事由 3) (4) 審理不尽 ( 取消事由 4) 第 3 当事者の主張 1 取消事由 1( 手続違背 ) について 原告の主張 (1) 本件審決は, 本件拒絶査定の理由と異なる拒絶の理由をもって審判不成立の判断をしているところ, 特許法 159 条 2 項により準用される同法 50 条本文所定の手続を履践しておらず, 手続違背があるから, 取り消されるべきである (2) 特許庁における手続の概要ア本件拒絶理由通知書 ( 甲 8) の概要 - 6 -

本件拒絶理由通知書においては, 理由 1として, 請求項 1については, 発明の課題を解決するための手段が反映されているとはいえず, 請求項 1に係る発明は, 発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであって, 特許法 36 条 6 項 1 号に規定する要件違反である, 理由 2として, 特許法 29 条 2 項の規定により, 請求項 2 について引用例 1, 引用例 2により進歩性なし, 請求項 3について引用文献 ( 省略 ) により進歩性なしと判断された イ平成 26 年補正書 ( 甲 10) の概要原告は, 平成 26 年補正書において, 請求項 1~3において共通する構成について, 記載内容を整理するとともに, 各請求項において 可変表示 と 識別情報の可変表示 とが混在していたため, 識別情報の可変表示 と表記を統一する補正を行い, また, 請求項 1については, 理由 1で指摘された点に対応すべく, 発明の課題を解決するための手段が反映されるよう, 特定事項が明確となるように不明瞭な記載の釈明を目的とする補正を行い, さらに請求項 4を追加する補正をしているものの, 請求項 1~3に係る発明については, 補正前と補正後で実質的な構成については変更していない ウ本件拒絶査定 ( 甲 12) の概要本件拒絶査定においては, この出願については, 本件拒絶理由通知書に記載した理由 2によって, 拒絶をすべきものとされ, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明は, 拒絶理由通知書で提示した引用例 1 及び引用例 2から当業者が容易に発明をすることができたものであり, 同請求項 3に係る発明も, 先の拒絶理由通知書で提示した引用文献 ( 省略 ) から当業者が容易に発明をすることができたものであるとされ, 平成 26 年補正後の請求項 1に係る発明については, 現時点では, 拒絶の理由を発見しない旨が示された エ本件補正書 ( 甲 14) の概要原告は, 請求項 1~3の全ての請求項において, いずれかのパターンで を, - 7 -

いずれかのパターンにて に変更する補正を行ったものの, 請求項 1~3に係る発明については, 本件補正の前後で実質的な構成については変更していない (3) 以上のとおり, 請求項 1~3に係る発明については, 平成 26 年補正及び本件補正のいずれにおいても, 実質的な構成については変更していない 一方で, 請求項 1については, 本件拒絶理由通知書において, 特許法 36 条 6 項 1 号に規定する要件違反についての拒絶理由が通知されたが ( 理由 1), 本件拒絶理由通知書, 本件拒絶査定, 平成 27 年 9 月 9 日付前置報告書 ( 甲 15), その後の審判段階においても, 特許法 29 条 2 項の規定による拒絶理由が存在する旨は, 何ら通知されていない そして, 本件審決においては, 本件補正が却下され, 本願発明についても, 特許法 29 条 2 項の規定による拒絶理由により特許を受けることができないとして拒絶審決がされた 拒絶査定不服の審判において, 査定の理由と異なる拒絶理由を発見した場合には, 拒絶理由を通知し, 出願人に反論の機会を与えるべきであるところ, 本願発明については, かかる機会は, 審決に至るまで一切付与されていない 本願発明について, 特許法 29 条 2 項の規定による拒絶理由が指摘されることなく, 意見書及び手続補正書の提出の機会が与えられないまま, 拒絶審決となったのは, 特許法 159 条 2 項,50 条本文の規定に反しており, 本件審決は違法であるから, 取り消されるべきである 被告の主張 (1) 本件審決は, 本件補正発明が, 平成 27 年 7 月 23 日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項 1 であるものとした上, 当該請求項 1の記載をそのまま摘記し, また, 本願発明が, 平成 26 年 7 月 15 日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項 1 であるものとした上, 請求項 1の記載をそのまま摘記しているが, これらは, いずれも誤記であって, 正しくは, それぞれ 請求項 2 であ - 8 -

る そして, 当該誤記は, 明白なものであって, 本件審決のその余の記載や特許庁における審査の経緯といった事情を踏まえれば, 上記の各 請求項 1 が誤記であることが, 十分理解可能であり, それらを 請求項 2 で読み替えて, 本件審決の趣旨を正しく把握することができる (2) 審決の誤記についてア本件審決は, 本件補正発明と引用発明との相違点 2の認定を, 本件補正発明は, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンで予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて第 2 予告演出を開始可能であって, 第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 予告演出を実行する ものであることを前提に行っているところ, このような 第 2 予告演出を開始するタイミング 等に関する発明特定事項は, 本件補正後の請求項 2に特有のものであって, 同請求項 1 及び3のいずれにも含まれていない そして, 本件審決は, 上記相違点 2の判断に関し, 上記の前提に立って容易想到性を論じていることが, その記載内容から直ちに理解される したがって, 本件審決が, 実質的に, 本件補正後の請求項 2に係る発明が本件補正発明であるものとして, 独立特許要件の認定 判断を行っていることは, 明らかであり, 本件補正発明と同様に, 当業者が容易に発明をすることができたものである とした 本願発明 についても, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明が, 本願発明であるものとして, 認定 判断を行っていることもまた明らかであるから, 本件審決の各 請求項 1 が誤記であることが十分理解可能であり, それらを 請求項 2 で読み替えて, 本件審決の趣旨を正しく把握することができる イ本件補正後の請求項 1には, 前記開始時決定手段の決定結果に基づいて, 識別情報の可変表示の表示結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段 との発明特定事項が含まれているのに対し, 本件審決では, 当該事項を, 一致点と - 9 -

しても相違点としても挙げていないことも, 本件審決の各 請求項 1 が誤記であることの理解を促すものであるといえる ウさらに, 本件審決は, 請求人の本願の請求項 2,3に記載の発明についての課題に関する主張を, 本件補正発明と対応付けており, この点は, 審判合議体が, 本件補正発明は, 本件補正後の請求項 1に記載の発明ではなく, 少なくとも請求項 2,3に記載の発明のいずれかと認識していたことを示すものであるから, この点も, 本件審決の各 請求項 1 が誤記であることの理解を促すものであるといえる エ加えて, 審査の過程で, 審査官は, 本件拒絶査定において, 平成 26 年補正書の特許請求の範囲につき, 備考欄に, 請求項 2に係る発明は, 本件拒絶理由通知で提示した引用例 1 及び引用例 2から当業者が容易に発明をすることができたものである旨を記載しているのに対し, 請求項 1に係る発明については拒絶の理由を発見しない旨を記載しており, この点も, 本件審決の各 請求項 1 が誤記であることの理解を促すものであるといえる オそして, 誤記の正しい理解においても, 本件審決の判断の妥当性がそのまま維持されることが, 明らかであるから, 当該誤記は, 本件審決の結論を左右するものではない (3) 審決に手続違背がないことについて上記 (2) エのとおり, 審査において, 平成 26 年補正後の請求項 2の容易想到性を理由に拒絶査定がされているところ, 同アのとおり, 本件審決の各 請求項 1 との記載は, いずれも 請求項 2 の誤記であることが十分理解可能であって, 本件審決は, 実質的に, 本件補正後の請求項 2に係る発明が本件補正発明であるものとして独立特許要件の認定 判断を行っているとともに, 本願発明についても, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明が本願発明であるものとして認定 判断を行っていることが明らかであるから, 本件審決に手続違背があるとはいえない 2 取消事由 2( 本件補正発明の容易想到性の判断の誤り ) について - 10 -

原告の主張 (1) 相違点 2に係る認定の誤りについて本件審決では, 本件補正発明と引用発明との相違点 2について, 前記第 2の3(3) ウ ( イ ) のとおり認定しているが, 本件補正発明においては, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンで予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて第 2 予告演出を開始可能であって, 第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 予告演出を実行する 点については, 何ら特定しておらず, 相違点 2の認定には誤りがある (2) 相違点 2に係る判断の誤りについて相違点 2に係る構成は, 本件補正発明には特定されておらず, その認定には誤りがあるため, 本件審決が, その誤りのある認定に基づいて, 本件補正発明は当業者が容易になし得たものであると判断したことには, 誤りがある 被告の主張 (1) 相違点 2に係る認定の誤りについて本件審決において, 本件補正発明及び本願発明がそれぞれ 請求項 1 に係る発明であるとした上, それらの記載をそのまま摘記した点は, 誤記であり, 正しくは 請求項 2 である 本件審決が認定した本件補正発明の相違点 2は, 本件補正後の請求項 2に特有の発明特定事項に係るものであって, その認定には誤りはない (2) 相違点 2に係る判断の誤りについて本件審決における, 本件補正発明の相違点 2の判断に誤りはない 3 取消事由 3( 本願発明の容易想到性の判断の誤り ) について 原告の主張 本件審決は, 本願発明と引用発明との対比においても, 本件補正発明と引用発明と同様に相違点 2を認定しているが, かかる認定は誤りであり, その誤りのある認定に基づいて, 本願発明は, 当業者が容易になし得たものであると判断したことに - 11 -

は, 誤りがある 被告の主張 本件審決は, 本願発明について, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明であるものとして認定 判断を行っていることが明らかであるから, 本願発明についての対比 判断に誤りはない 4 取消事由 4( 審理不尽 ) について 原告の主張 本件審決では, 拒絶査定時に拒絶理由が存在しない特許請求の範囲の請求項 1に記載された発明のみについて審理しており, 進歩性なしとの拒絶理由のあった請求項 2 又は3について, 何ら審理していない 被告は, 請求項 2に係る発明に対して審理を行っていると主張するが, 本件審決においては, 本願発明ないし本件補正発明としては, 請求項 1 に記載された発明が示され, 審理対象としては, 請求項 1 として特定しているにもかかわらず, 相違点 2の記載としては, 請求項 2に記載された発明における構成が示されていることから, 審理対象の請求項が, 一義的には明らかではなく, いずれの請求項を審理したのか不明である 以上によれば, 審理不尽であることは明らかである 被告の主張 本件審決は, 実質的に, 本件補正後の請求項 2に係る発明及び平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明に対して審理を行っているから, 審理不尽はない 第 4 当裁判所の判断 1 取消事由 1( 手続違背 ) について (1) 手続の経緯及び内容ア原告は, 平成 24 年 6 月 14 日, 本願に係る特許出願をし, 平成 25 年 12 月 26 日付けで公開された ( 甲 6) 原告は, 同月 3 日付け手続補正書 ( 甲 7) に - 12 -

より, 特許請求の範囲の補正を行った イ平成 26 年 5 月 12 日付け本件拒絶理由通知書 ( 甲 8) 本件拒絶理由通知書に記載された拒絶理由は, 要旨, 以下のとおりである ( ア ) 理由 1 この出願の請求項 1に係る発明は, 発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであるから, 特許法 36 条 6 項 1 号に規定する要件を満たしていない ( イ ) 理由 2 この出願の請求項 2に係る発明は, 引用例 1 及び引用例 2に記載された発明に基づき, 請求項 3に係る発明については, 引用文献 ( 省略 ) に基づき, その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから, 特許法 29 条 2 項の規定により特許を受けることができない ウ平成 26 年 7 月 15 日付け手続補正書 ( 甲 10) 原告は, 平成 26 年補正書により, 特許請求の範囲の補正を行った 平成 26 年補正後の特許請求の範囲は, 別紙 1のとおりである エ平成 27 年 4 月 20 日付け本件拒絶査定 ( 甲 12) 本件拒絶査定には, 要旨, 以下のとおり記載されている ( ア ) この出願については, 平成 26 年 5 月 12 日付け拒絶理由通知書に記載した理由 2によって, 拒絶をすべきものである 請求項 2に係る発明は, 先の拒絶理由通知書で提示した引用例 1 及び引用例 2から当業者が容易に発明をすることができたものであり, 請求項 3に係る発明も, 先の拒絶理由通知書で提示した引用文献 ( 省略 ) から当業者が容易に発明をすることができたものである ( イ ) 拒絶の理由を発見しない請求項平成 26 年補正書による補正後の請求項 1に係る発明については, 現時点では, - 13 -

拒絶の理由を発見しない オ平成 27 年 7 月 23 日付け審判請求書 ( 甲 13) 及び同日付け手続補正書 ( 甲 14) 原告は, 平成 27 年 7 月 23 日, 本件拒絶査定に対する不服の審判を請求するとともに, 本件補正を行った 本件補正後の特許請求の範囲は, 別紙 2のとおりである カ本件審決本件審決は, 平成 28 年 9 月 28 日, 前記第 2の3(1) 記載のとおり,(1) 本件補正につき,1 目的外補正であり,2 仮に, 特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても, 本件補正発明は, 引用発明及び引用例 2 記載の技術事項に基づいて, 当業者が容易に発明をすることができたものであって, 独立特許要件を欠くものであると判断して, 本件補正を却下するとともに,(2) 本願発明についても, 本件補正発明と同一のものであるから, 同法 29 条 2 項の規定により, 特許を受けることができない旨判断した (2) 手続の適法性についてア本件審決は, 本願発明につき, 本件補正発明と同一のものであり, 本件補正発明と同様に, 引用発明, 引用例 2 記載の技術事項及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから, 特許法 29 条 2 項の規定により, 特許を受けることができない旨の判断をした イ他方, 本件拒絶査定においては, 前記 (1) エ ( ア ) のとおり, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明につき, 先の拒絶理由通知書で提示した引用例 1 及び引用例 2から当業者が容易に発明をすることができたものであり, 平成 26 年補正後の請求項 3に係る発明についても, 先の拒絶理由通知書で提示した引用文献( 省略 ) から当業者が容易に発明をすることができたものである と記載されている そして, 平成 26 年補正後の請求項 1に係る発明については, 同 ( イ ) のとおり, - 14 -

拒絶の理由を発見しない請求項 との項の中で, 現時点では, 拒絶の理由を発見しない と記載されている 以上によれば, 本願発明が本件拒絶査定の理由となっていないことは, 明らかである ウこのように, 本件審決が, 特許法 29 条 2 項の規定により, 特許を受けることができない旨の判断をした本願発明は, 本件拒絶査定の理由とされていなかったのであるから, 特許法 159 条 2 項にいう 査定の理由 は存在しない したがって, 本件審決において, 本願発明を拒絶する場合は, 特許法 159 条 2 項,50 条本文に基づき, 出願人である原告に対し, 拒絶の理由を通知し, 相当の期間を指定して, 意見書を提出する機会を与えなければならないところ, 本件審判手続において, 拒絶の理由は通知されていないから, 本件審判手続には, 特許法 1 59 条 2 項,50 条本文所定の手続を欠いた違法が存在することは, 明らかである (3) 被告の主張について被告は, 本件審決において, 本件補正発明が本件補正後の請求項 1であるものとして, 当該請求項 1の記載を摘記し, 本願発明が平成 26 年補正後の請求項 1であるものとして, 当該請求項 1の記載を摘記したのは, いずれも誤記であり, 正しくはそれぞれ 本件補正後の請求項 2, 平成 26 年補正後の請求項 2 であるところ, 本件補正後の請求項 2に特有の発明特定事項により本件補正発明と引用発明の相違点の認定をしていることからも, 当該誤記は明白なものであって, 請求項 1 を 請求項 2 と読み替えて, 本件審決の趣旨を正しく理解できると主張するので, 以下, 検討する ア本願明細書によれば, 本件補正発明及び本件補正後の請求項 2に係る発明の特徴は, 以下のとおりである ( ア ) 技術分野本発明は, パチンコ遊技機等の遊技機に関する ( 0001 ) - 15 -

( イ ) 背景技術遊技機として, 可変表示装置において識別情報の可変表示を実行する権利を所定の上限数まで保留情報として記憶し, その保留情報に対応した可変表示が実行されるより前に当該保留情報に対応した表示結果を先読みして, 予告演出 ( 先読み予告演出 ) を実行するものや, 複数回の可変表示に渡って予告演出を実行する場合に, 連続した予告演出の態様の組合せにより, 表示結果を予告するものが提案されていた ( 0002 ~ 0004 ) ( ウ ) 発明が解決しようとする課題従来の遊技機では, 表示結果が特定表示結果 ( 大当り図柄 ) となる可能性が低い予告演出が実行された場合には, 遊技者が落胆してしまい, 遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるという問題が存在したが, 本発明は, 遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とするものである ( 0005 0006 ) ( エ ) 課題を解決するための手段前記課題を解決するため, 請求項 1に記載された遊技機は, 遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて, 各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果 ( 例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など ) が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって, 前記始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 前記特定表示結果とするか否を決定するための情報を所定の上限記憶数の範囲内で保留情報として記憶可能な保留記憶手段と, 識別情報の可変表示を開始するときに前記保留記憶手段から読み出した保留情報に基づいて, 当該識別情報の可変表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と, 前記始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて, 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保 - 16 -

留記憶手段に記憶されている前記保留情報に基づく可変表示が実行される前の複数回の可変表示に渡って, 連続した予告演出 ( 例えば, 先読み予告パターンSYP1-1~4-1に基づく先読み予告演出など) を実行する予告演出実行手段と, 前記開始時決定手段の決定結果に基づいて, 識別情報の表示結果を示唆する示唆演出 ( 例えば変動中予告演出など ) を実行する示唆演出実行手段と, を備え, 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP1-1やSYP1-2に基づく停止図柄予告など ) と, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP2-1に基づく背景変化予告など ) と, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP3-1に基づく停止図柄予告 背景変化予告など ) と, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるとともに, 前記示唆演出の演出態様は複数 ( 例えば 予告 X, 予告 Y, 予告 Z など) あり, 前記示唆演出実行手段は, 前記示唆演出の演出態様に応じて, 前記予告演出実行手段により前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出が実行される割合が異なるように, 前記示唆演出を実行し ( 例えば先読み予告パターンSYP3-1である場合には, 予告 Y の変動中予告パターンにのみ決定可能である ), 前記予告演出実行手段は, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている前記保留情報に基づく可変表示が実行される前の複数回の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出 ( 例えば, 先読み予告パターンSYP4-1に基づく特定予告など ) を継続して実行可能であることを特徴としている ( 0007 ) また, 請求項 2に記載された遊技機は, 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果 ( 例えば大当り図柄となる確定特別図柄や大当り組合せとなる確定飾り図柄など ) が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって, 未だ開始されていない識 - 17 -

別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と, 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と, 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出 ( 例えば, 先読み予告パターンSYP1-1~4-1に基づく先読み予告演出など ) を実行する予告演出実行手段と, を備え, 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP1-1やSYP1-2に基づく停止図柄予告など ) と, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP2-1に基づく背景変化予告など ) と, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターン ( 例えば先読み予告パターンSYP3-1に基づく停止図柄予告 背景変化予告など ) と, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるとともに, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミング( 例えば, 変動開始時または変動終了時など ) において前記第 2 予告演出を開始可能であって, 前記第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 前記予告演出を実行し, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出 ( 例えば, 先読み予告パターンSYP4-1に基づく特定予告など) を継続して実行可能である, ことを特徴としている ( 0008 ) ( オ ) 作用 効果請求項 1に係る発明は, 第 1 予告演出 ( 実施例として, 停止図柄予告 ) が開始された場合でも, 示唆演出の演出態様によって, 例えば, 第 1 予告演出 ( 停止図柄予 - 18 -

告 ) を実行した後に第 2 予告演出 ( 背景変化予告 ) を実行するパターンの予告演出が実行される割合が他の示唆演出よりも高い示唆演出の演出態様である場合 ( 例えば示唆演出 予告 Y の場合) には, 大当たりの信頼性が低い第 1 予告演出 ( 停止図柄予告 ) であっても, 大当り信頼度やリーチ信頼度が高いとされる第 2 予告演出 ( 背景変化予告 ) に移行する可能性があることから, 第 1 予告演出 ( 停止図柄予告 ) を実行した後に第 2 予告演出 ( 背景変化予告 ) を実行するパターンの予告演出であることの期待感を抱かせることで, その後の表示結果に期待ができるようになり, 遊技の興趣が向上するとともに, 遊技者の期待感を維持することができる, という効果を奏するものである ( 段落 0007 0328 ~ 0332 ) 請求項 2に係る発明は, 第 1 予告演出 ( 停止図柄予告 ) が開始された場合でも, その演出態様によって, 例えば, 先読み予告演出の対象となる変動カテゴリに応じて異なる割合で背景画像が変化するタイミング ( 背景変化予告を実行する変動における変動開始時, または, 変動終了時のいずれか ) を決定し, 変動カテゴリが 大当り である場合には, 変動終了時に決定されやすくすることで, 背景変化予告において, 変動開始時に背景画像が変化しなかった場合にも, 遊技者は変動終了時に背景画像が変化して, 大当り信頼度が高くなることを期待するようになるので, 遊技者の期待感をより高めることができ, 第 2 予告演出に移行することへの期待感を抱かせることができるとともに, 第 2 予告演出の開始タイミングに注目させることができ, 遊技の興趣が向上する, という効果を奏するものである ( 段落 0008 0379 0383 0387 ~ 0392 ) イ引用発明について引用例 1( 甲 1) には, 本件審決が認定したとおりの引用発明 ( 前記第 2の3(3) ア ) が記載されていることが認められる 引用発明の特徴は, 以下のとおりである 引用発明は, 所定の始動領域を遊技媒体が通過した後に, 各々を識別可能に所定 - 19 -

の順序で配列された複数種類の識別情報を可変表示する可変表示部を複数備え, 複数の可変表示部において停止表示された識別情報の組合せがあらかじめ定められた特定組合せとなったときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである ( 0001 ) 従来の遊技機は, 識別情報の可変表示が開始される前に, 表示結果を報知するための予告演出を実行するものがあり, 過去に記憶された保留記憶にもとづく表示結果を連続して所定の表示結果 ( チャンス目 ) とし, 演出内容が段階的にステップアップするように予告演出を構成されていたところ, 連続した予告演出におけるステップアップの演出パターンが固定されており, 単調な演出が実行されるので, 遊技興趣が低下するおそれがある, という問題が存在した ( 0007 0008 0010 ) 引用発明は, 連続した予告演出の実行中における遊技者の特定遊技状態への期待感を持続させ, さらに, 特定遊技状態への期待感を予告演出により異ならせて, 遊技興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とするものである ( 0011 ) 引用発明は, 演出選択手段は, 演出実行手段が実行する予告演出として, 第 1 の予告演出と, 前記第 1の予告演出とは演出態様が異なる第 2の予告演出とを含む複数の予告演出のいずれかを選択 し 第 1の予告演出と第 2の予告演出とが一の可変表示中に重複して実行される演出である第 3の予告演出を実行可能であり, 特定の組合せパターンは, 前記第 3の予告演出が実行される組合せパターンであり との構成を採用することにより, 遊技者の大当りへの期待感を高めることができ, また, 選択されて実行される組合せパターンが特定の組合せパターンであるか否かにより大当りへの期待感を異ならせ, かつ, 持続させることができ, また, 第 1の予告演出と第 2の予告演出とが重複して実行されるという意外性のある演出により, 遊技興趣を向上させることができる, という効果を奏するものである ( 請求項 1 ~ 請求項 3, 0017 ~ 0019 ) - 20 -

ウ本件審決における相違点の認定 判断 ( ア ) 本件審決は, 本件補正発明についての独立特許要件の検討に当たって, 本件補正発明と引用発明との相違点として, 相違点 1( 前記第 2の3(3) ウ ( ア )), 相違点 2( 同 ( イ )) を認定しているところ, 本件補正発明は, 第 1 予告演出を実行した後に第 2 予告演出を実行するパターンで予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて第 2 予告演出を開始可能であって, 第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 予告演出を実行する との相違点 2は, 本件補正後の請求項 1に係る発明の構成によるものではなく, 本件補正後の請求項 2に係る発明の構成のみによるものである そして, 相違点 2の判断では, 引用例 2 記載の技術事項の 第 1 演出を行う第 1 タイミングから第 2 演出を行う第 2タイミングまでの期間 ( 演出間隔 ) は, 演出内容に応じた複数の長さが存在するから, 本件補正発明における 可変表示中 の変動開始からの期間の長さの異なる 複数のタイミング に対応し, 引用例 2に記載された技術事項の 期間 ( 演出間隔 ) の長さに応じて, 期待度を異ならせ ることは, 本件補正発明における 第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なる ことに対応する, としており, 本件補正後の請求項 2に係る発明の構成のみによる相違点について判断しているものと認められる ( イ ) さらに, 本件審決は, 本願発明は本件補正発明と同一のものであると認定した上で, 引用発明, 引用例 2に記載された技術事項及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとして, 特許法 29 条 2 項の規定により特許を受けることができないと判断しており, 本願発明との関係でも, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明の構成のみによる相違点について認定 判断しているものと認められる エ以上のとおり, 本件審決が, 独立特許要件の検討に当たって認定 判断した相違点 2は, 本件補正後の請求項 2に係る発明の構成のみによる相違点であり, 本 - 21 -

願発明について認定 判断した相違点 2も, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明のみによるもので, 本件補正後の請求項 1の発明, 平成 26 年補正後の請求項 1 の発明と対応するものではない しかしながら, 本件審決では, 本件補正発明 を 平成 27 年 7 月 23 日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項 1に記載された発明, 本願発明 を 平成 26 年 7 月 15 日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項 1に記載された発明 と定義した上で, 各請求項 1の記載を摘記しているのであって, 本件補正後の請求項 1に係る発明を本件補正発明, 平成 26 年補正後の請求項 1に係る発明を本願発明と認定していることが明らかである そうすると, 本件審決は, 本件補正後の請求項 1に係る発明を本件補正発明, 平成 26 年補正後の請求項 1に係る発明を本願発明と, それぞれ認定した上で, 認定した発明と対応しない相違点 2を認定しているのであり, 相違点 2の認定を誤ったことになるが, かかる誤った相違点 2の認定ないし判断を根拠に, 本件補正発明及び本願発明についての 請求項 1 の記載を 請求項 2 の誤記と解することはできない 被告は, 本件における審査の経緯も, 上記 請求項 1 の記載が 請求項 2 の誤記であるとの理解を促すものであると主張し, 前記 (2) イのとおり, 本件拒絶査定においては, 平成 26 年補正後の請求項 2に係る発明は, 本件拒絶理由通知書で提示した引用例 1 及び引用例 2から当業者が容易に発明をすることができたものである旨が記載されている一方で, 平成 26 年補正後の請求項 1に係る発明については拒絶の理由を発見しないと記載されていることが認められるが, かかる審査の経緯を参酌しても, 上記判断が左右されるものではない よって, 被告の主張は採用できない (4) 小括以上によれば, 本件審決には, 特許法 159 条 2 項,50 条本文の規定に反する - 22 -

違法があり, 原告主張の取消事由 1は, 理由がある 2 結論前記 1のとおり, 原告主張の取消事由 1には理由がある上, 前記 1(3) エのとおり, 本件審決には, 本件補正発明と引用発明との相違点 2, 本願発明と引用発明との相違点 2の認定に誤りがあることも明らかであり, 原告主張の取消事由 2 及び同 3にも理由があるというべきであって, 本件審決は取消しを免れない よって, 原告の請求を認容することとし, 主文のとおり判決する 知的財産高等裁判所第 4 部 裁判長裁判官髙部眞規子 裁判官古河謙一 裁判官関根澄子 - 23 -

別紙 1 平成 26 年補正後の特許請求の範囲 請求項 1 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と,/ 前記開始時決定手段の決定結果に基づいて, 識別情報の可変表示の表示結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンで前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記示唆演出の演出態様は複数あり,/ 前記示唆演出実行手段により実行された前記示唆演出の演出態様に応じて, 前記予告演出実行手段により前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出が実行される割合が異なり,/ 前記予告演出実行手段は, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 2 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技 - 24 -

状態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は,/ 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンで前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて前記第 2 予告演出を開始可能であって, 前記第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 前記予告演出を実行し,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 3 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定 - 25 -

に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンで前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記第 1 予告演出の演出態様は複数あり,/ 前記予告演出実行手段は,/ 前記第 1 予告演出の演出態様に応じて, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出が実行される割合が異なるように, 前記予告演出を実行し,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 4 前記予告演出実行手段による前記予告演出の実行を制限する予告演出制限手段をさらに備える / ことを特徴とする請求項 1,2または3のいずれかに記載の遊技機 - 26 -

別紙 2 本件補正後の特許請求の範囲 請求項 1 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と,/ 前記開始時決定手段の決定結果に基づいて, 識別情報の可変表示の表示結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と, を備え, / 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記示唆演出の演出態様は複数あり,/ 前記示唆演出実行手段により実行された前記示唆演出の演出態様に応じて, 前記予告演出実行手段により前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出が実行される割合が異なり,/ 前記予告演出実行手段は, 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 2 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状 - 27 -

態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は,/ 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出を実行する場合, 1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて前記第 2 予告演出を開始可能であって, 前記第 2 予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように, 前記予告演出を実行し,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 3 識別情報の可変表示を行って表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに, 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって,/ 未だ開始されていない識別情報の可変表示について, 保留情報として記憶可能な保留記憶手段と,/ 識別情報の可変表示を開始するときに当該識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段と,/ 前記特定表示結果となるか否かを前記開始時決定手段による決定前に判定する開始前判定手段と,/ 前記開始前判定手段による判定に基づ - 28 -

いて, 前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に基づく識別情報の可変表示が実行される前の複数回の識別情報の可変表示に渡って, 連続した予告演出を実行する予告演出実行手段と, を備え,/ 前記予告演出実行手段は, 前記複数回の識別情報の可変表示において, 第 1 予告演出を実行するパターンと, 当該第 1 予告演出よりも前記特定表示結果となる割合が高い第 2 予告演出を実行するパターンと, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンと, のいずれかのパターンにて前記予告演出を実行可能であるとともに,/ 前記第 1 予告演出の演出態様は複数あり,/ 前記予告演出実行手段は,/ 前記第 1 予告演出の演出態様に応じて, 前記第 1 予告演出を実行した後に前記第 2 予告演出を実行するパターンで前記予告演出が実行される割合が異なるように, 前記予告演出を実行し,/ 前記開始前判定手段による判定に基づいて, 前記複数回の識別情報の可変表示に渡って, 一連の連続した特定予告演出を継続して実行可能である,/ ことを特徴とする遊技機 請求項 4 前記予告演出実行手段による前記予告演出の実行を制限する予告演出制限手段をさらに備える / ことを特徴とする請求項 1,2または3のいずれかに記載の遊技機 - 29 -