CHAPTER 2 この章では Cisco Edge Craft とその機能の概要について説明します 2.1 概要 Cisco Edge Craft は ネットワーク要素を 1 つずつ運用状態にする場合に使用します Cisco Edge Craft でできるのは ネットワーク要素に保存されている情報の表示と その情報に関する操作だけです Cisco Edge Craft のグラフィカルユーザインターフェイス (GUI) を使用するには Cisco Edge Craft にログインする必要があります Cisco Edge Craft がネットワーク要素に接続されていれば GUI にアラームを表示できます また ネットワーク要素から性能データをロードして 表示できます Cisco Edge Craft はネットワーク要素の現在 ( スナップショット ) の状態を表示しますが ネットワーク要素上の機能とは別の付加価値機能をほとんど持っていません Cisco Edge Craft は 単一ユーザシステムです また Windows プラットフォームまたは Solaris プラットフォームで動作するスタンドアロンアプリケーションです Cisco Edge Craft は 完全に独立した製品です そのタスクの実行には 他のどのシステムにも依存しません Cisco Edge Craft が動作するラップトップや PC は 管理ポートまたは LAN を経由してネットワーク要素に直接接続することができます ( 図 2-1 参照 ) 図 2-1 Cisco Edge Craft の接続形態 Cisco Edge Craft Cisco Edge Craft ONS 15305 #2 ONS 15302/5 ONS 15302/5 ONS 15302/5 90032 2-1
2.1 概要 第 2 章 Cisco Edge Craft は Cisco の他の管理製品と共存することができます Cisco Edge Craft ではネットワーク要素と通信するために SNMP エージェントを使用しますが この SNMP エージェントは複数の SNMP マネージャを扱うことができます 表 2-1 に Cisco Edge Craft の機能を示します 表 2-1 Cisco Edge Craft の機能 お客様の利点サポート機能余分なコストをかけずにネットワークネットワーク要素の必要な設定はすべて Cisco Edge Craft 要素の設定をサポートし 迅速に運用で行なうことができます できます Cisco の製品ファミリの一部であるので EMS または NMS レベルに容易にアップグレードできます ネットワーク要素に容易にアクセスできます ローカルおよびリモートでネットワーク要素にアクセスできます Cisco Edge Craft は ファミリの他の製品と同じルックアンドフィールで Cisco コンポーネントコレクションのコンポーネントのサブセットを使用します ラップトップ上で実行できます ネットワーク要素内の組み込み SNMP エージェントへの管理ポート (IP) での通信 2-2
第 2 章 2.2 製品の機能 2.2 製品の機能 ここで示す機能の一部は ネットワーク要素でその機能が使用可能でも Cisco Edge Craft にしか適用しません 以降では Cisco Edge Craft を システム と呼びます 2.2.1 ネットワーク要素へのアクセス システムは 組み込み SNMP エージェントを介してネットワーク要素と通信します 通信回線を確立するには ネットワーク要素に IP アドレスが割り当てられている必要があります 割り当てられていない場合は シリアルポート上の別の通信回線を使用して IP アドレスや他の関連パラメータの割り当てを行います 2.2.2 情報モデル システムには ネットワーク要素の独自の内部表現 ( 情報モデル ) があります これはオブジェクト指向モデルで Cisco ファミリのすべての製品で使用されている情報モデルと同一です 2.2.3 単一ユーザ 一度にシステムにログインできるのは 1 ユーザだけです 2.2.4 単一ネットワーク要素 システムが一度に通信できるネットワーク要素は 1 つだけです ユーザは ネットワーク要素との通信を終了してから 新しいネットワーク要素に接続します 2.2.5 グラフィカルユーザインターフェイスのタイプ GUI には 情報モデルに応じてネットワーク要素が表示され 組み込みエージェントが使用する SNMP MIB は認識しません ユーザは GUI をカスタマイズできません システムには 2 つのタイプのグラフィカルユーザインターフェイス (GUI) があります 2.2.5.1 ネットワーク要素トポロジブラウザ (NETB) ネットワーク要素内の管理対象オブジェクトを階層的に表示します 2.2.5.2 特定のシステム機能をサポートするカスタム GUI 特定のタスク / 機能をサポートするために開発された GUI です 2.2.6 持続性なし システムには 運用および通知のための持続的なストレージはありません 2-3
2.2 製品の機能 第 2 章 2.2.7 ネットワーク要素の IP アドレスの一覧 システムには アクセス済みのネットワーク要素の IP アドレスが保存されます オペレータは システムの起動ウィンドウで現行のネットワーク要素の IP アドレスを選択できます 2.2.8 設定のダウンロードおよびアップロード システムは ネットワーク要素からその設定全体をアップロードして 設定をローカルまたはリモートコンピュータに保存できます リモートコンピュータは その IP アドレスで識別されます また 設定全体をローカルまたはリモートコンピュータからネットワーク要素へダウンロードできます リモートコンピュータは その IP アドレスで識別されます アップロードされた設定は編集できません 2.2.9 ソフトウェアおよびファームウェアのダウンロード システムは ソフトウェアおよびファームウェアをネットワーク要素へダウンロードできます ソフトウェアおよびファームウェアが格納されている場所は システムが動作している同一のコンユータでもリモートコンピュータでも構いません リモートコンピュータはその IP アドレスで識別され ローカルおよびリモートコンピュータは両方とも TFTP サーバでなければなりません 新たにダウンロードされたソフトウェア / ファームウェアを使用する機器の再起動をスケジュールできます 2.2.10 ユーザアクセス システムは ユーザ ID ( コミュニティストリング ) を使用してユーザ認証をサポートします ネットワーク要素の初期アクセスは パブリックアクセスで行なわれます 2.2.11 アラームおよびイベント通知の表示 システムは ユーザがシステムにログインしているときに生成されたすべてのアラームおよびイベントを表示します アラームは表形式で表示されます ネットワーク要素から受信したトラップをアラームまたはイベントにマップできない場合でも そのトラップはオペレータに表示されます ネットワーク要素に保存されているアラーム履歴が表示されます アラーム履歴は表形式で表示されます 2.2.12 性能データの表示 システムは 性能管理データを解析しません ユーザは ネットワーク要素上の現在登録されている性能データを読み取って GUI で表示したり ファイルにコピーしたりできます ファイルはすべてのツール ( たとえば Microsoft Excel) で読み取りまたは編集できます サポートされる性能データは G.826 MIB-II (RFC1213) および RMON カウンタです 2-4
第 2 章 2.2 製品の機能 2.2.13 管理設定 システムは DCN 管理トラフィック設定値の設定をサポートします 2.2.14 物理インベントリ 物理インベントリによって ネットワーク要素に物理的に設置されたパーツおよび現在実行中のソフトウェアまたはファームウェアの概要が分かります ダウンロードされただけでまだアクティブになっていないソフトウェアおよびファームウェアパッケージも表示されます 2.2.15 論理インベントリ 論理インベントリによって ネットワーク要素を構成する管理対象エンティティの概要が分かります 論理エンティティは 物理パーツと一致することがありますが 必ずしも一致する必要はありません 2.2.16 グローバル設定 ネットワーク要素には ネットワーク要素のユーザトラフィックと関係のない設定がいくつかあります これらは 場所 オーナー タイムサーバ LED 設定値 電源モジュールなどのパラメータです 2.2.17 ネットワーク要素上のアラームおよびイベントフィルタの設定 ネットワーク要素上の一部の管理対象エンティティからのアラーム報告は フィルタで除外できます 2.2.18 SDH ポートの設定 システムは SDH ポートの設定をサポートします SDH ポートには 2 つのメイン設定エリアがあります ポートのプロパティ プロパティは 表示および編集できます ポートの構造 2.2.19 PDH ポートの設定 システムは PDH ポートのプロパティの設定をサポートします プロパティは 表示および編集できます 2.2.20 MSP および SNCP の設定 システムは MSP および SNCP セットアップの設定をサポートします MSP および SNCP の表示 作成 変更 および削除ができます 2-5
2.2 製品の機能 第 2 章 2.2.21 SDH の同期設定 ネットワーク要素は SDH トラフィックに対して複数の同期ソースを使用することができます ソースには優先順位を付けます システムは ユーザがこれらの規則をセットアップするのを支援します 2.2.22 LAN ポートの設定 システムは LAN ポートのプロパティの設定をサポートします プロパティは 表示および編集できます 2.2.23 WAN ポートの設定 システムは WAN ポートのプロパティの設定をサポートします プロパティは 表示および編集できます また WAN 帯域幅の設定もサポートします 2.2.24 テストループの設定 システムは テストループの設定をサポートします 2.2.25 相互接続 (XC) の設定 システムは SDH ポートの相互接続管理をサポートします XC の設定 削除 および更新ができます 次の 2 つの XC がサポートされます ポイントツーポイント WAN と SDH のマッピング 2.2.26 ブリッジの設定 システムはブリッジのセットアップをサポートします 2.2.27 VLAN の設定 システムは VLAN の設定をサポートします VLAN の作成 削除 および更新ができます 2.2.28 セキュリティ Cisco Edge Craft のセキュリティは SNMP バージョン 1 のセキュリティ ( コミュニティストリング ) に基づきます 2.2.29 データ通信 Cisco Edge Craft は 次の方法でネットワーク要素と通信できます 管理ポート上で直接通信する 管理ポートを VLAN に接続して通信する 2-6
第 2 章 2.2 製品の機能 インバンド DCC を使用して通信する 2.2.30 信頼性 ここでは 信頼性の要件とシステムの既知のバグを示します 冗長性 ネットワーク要素が LAN に接続されている場合 1 人または複数の Cisco Edge Craft ユーザは同時に同じネットワーク要素に接続できますが お互いは認識できません バグ 既知のバグは 回避策とともにリリースノートに記載されています 2.2.31 メンテナンス デバッグおよびシステムログは log4j オープンソースコードを使用します デバッグ システムのコンポーネントにはすべて デバッグインターフェイスがあります コンポーネントは デバッグレベルに応じて異なる情報をログに記録できます 各コンポーネントには 1 つのデバッグレベルがあります システムログ システムエラーはすべてログに記録されます システムエラーメッセージには エラーのテキスト記述 オペレーティングシステムのエラーコード ( 適用可能な場合 ) エラーを検出したモジュール およびタイムスタンプが含まれています 設定すると システムエラーはすべてエラーログデータベースに保持されます 新規のリリースおよびパッチ 新規のリリースおよびパッチは 次のサポートサイトからダウンロードして入手できます http://www.cisco.com 2-7
2.2 製品の機能 第 2 章 2-8