答申第693号

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情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

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警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

11総法不審第120号

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

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おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

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り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

第1 審査会の結論

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

横情審答申第 1352 号 平成 28 年 10 月 14 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市の保有する情報の公開に関する条例第 19 条第 1 項の規定に基づく 諮問について ( 答申 ) 平成 28 年 4 月 21 日建都計第 136 号による次の

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

大情審答申第 号

Microsoft Word - 答申第141号.doc

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

Taro-答申第64号

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

Microsoft Word - 答申第41号.doc

11総法不審第120号

地域見守りカメラ設置促進事業要綱

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

平成25年2月 日

11総法不審第120号

11総法不審第120号

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

個人情報保護方針

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

11総法不審第120号

論 点 整 理 表

個人情報の保護に関する規程(案)

処分済み

処分済み

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

11総法不審第120号

う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

答申第57号

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

Microsoft Word - 個人情報の取り扱いについて.doc

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

答申第203号(公表用)

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諮問第1013号、第1014号

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

11総法不審第120号

文書管理番号

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

11総法不審第120号

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

sannomaruriyou

平成11年6月8日

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

これを公にした場合には 政府の情勢認識 関心事項 情報収集能力等が明らかとなり 又は推察されると認められる したがって 当該不開示部分を公にすることにより 我が国の安全が害されるおそれ 又は公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき 相当の理由があるとして法 5

11総法不審第120号

第 8 条を削り, 第 9 条を第 8 条とし, 第 10 条から第 12 条までを 1 条ずつ繰り上げる 別記第 1 号様式を次のように改める

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

点で 本規約の内容とおりに成立するものとします 3. 当社は OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用申込みがあった場合でも 任意の判断により OCN ID( メールアドレス ) でログインする機能 の利用をお断りする場合があります この場合 申込者と当社の間に利用契約は成立し

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

学校法人金沢工業大学個人情報の保護に関する規則

Transcription:

別紙 諮問第 869 号 答 申 1 審査会の結論 関係者間で最終的に平成 18 年 12 月 26 日に合意された東京消防庁ヘリの運用に係る文書 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 を非開示とした決定は 妥当である 2 異議申立ての内容 (1) 異議申立ての趣旨本件異議申立ての趣旨は 東京都情報公開条例 ( 平成 11 年東京都条例第 5 号 以下 条例 という ) に基づき 異議申立人が行った 関係者間で最終的に平成 18 年 12 月 26 日に合意された東京消防庁ヘリの運用に係る下記の文書 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 の開示請求に対し 東京都知事が平成 25 年 8 月 6 日付けで行った非開示決定について その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由 異議申立書及び意見書における異議申立人の主張を要約すると 以下のとおりであ る ア異議申立書 ( ア ) 異議申立人は 2013 年 6 月 7 日付けで本件の開示請求を行った 本件開示請求より以前の同年 2 月 8 日 異議申立人は当該文書の開示請求をアメリカ情報自由法 (Freedom of Information Act 以下 FOIA という ) により在日米軍司令部宛てに行い 同年 3 月 20 日付けで回答を得た それによれば それは東京都の規約で 在日米軍司令部では保持していません そういうことなので その請求に対しては 当局としては東京都に対し請求されるものであると提案いたします という回答であった - 1 -

また 念のため 同年 3 月 22 日 赤坂プレスセンターを管理する在日米陸軍司令部宛てに 同様にFOIAの請求を行い 同年 4 月 19 日付けでそれへの回答を得た それによれば それは東京都の規約で在日米軍司令部では保持していません そういうことなので その請求に対しては当局としては東京都に対し請求されるものであると要求します という回答であった このように 在日米軍司令部及び在日米陸軍司令部の2か所から 在日米軍司令部として当該文書を保持しておらず 東京都の規約なので東京都に対し請求をなすよう異議申立人に対し それぞれ 提案 及び 要求 されたものである 異議申立人はそれらの回答に従って 本件開示請求をなしたものである ( イ ) 本件決定の理由に 関係機関 に対して意見照会を行ったとしている しか し それが具体的にどこなのかが書かれていない 理由として挙げている以上 関係機関 とはどこか明示する必要がある ( ウ ) 本件決定の理由に 安全性に支障が出る可能性 とあるが 何を指すのか意 味不明である また 当該施設に離発着する航空機の安全の確保ができなくな る との記載もあるが なぜそうなのか意味が不明である ( エ ) 本件決定の理由に 関係機関との信頼関係が損なわれる とあるが まず 関 係機関 とは前記 ( イ ) で述べたように不明であり 信頼関係 とは何かが不 明である ( オ ) 前記 ( イ ) ( ウ ) 及び ( エ ) で述べたように 本件決定理由の記載は 関係機関 安全性云々 信頼関係 など それぞれが意味不明である そのような理由で非開示とされるのでは到底納得することができない また 前記 ( ア ) で述べたように 当該文書を在日米軍自らが保持せず 東京都に請求することを求めており 安全性や信頼関係云々とは答えていない イ意見書 - 2 -

( ア ) 赤坂プレスセンターは 港区六本木七丁目に存在し 基地の周辺は 政策研究大学院大学 国立新美術館がある 国立新美術館は 2007 年に開館以来 来館者数が実に1500 万人を超えると報道されている 政策研究大学院大学は 本件基地の目の前にそびえ立つ形で立地する 日本学術会議も近くに存在する そして 周辺は 住宅地 オフィスと 一たび事故が起こったらと想像するだけでぞっとするのは私たちだけではあるまい 米軍ヘリは 米軍が自ら定めた飛行ルール等を無視あるいは軽視し 傍若無人な飛行を繰り返す一方 共同使用の東京消防庁ヘリには着陸前 消防車まで用意させている 本件 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 の開示が 東京都の基地対策の政策を 公正で透明な行政 として 推進 させ 米国側に都民 国民にとり安全な飛行を要求するため 米国側が日本側に要求している安全な飛行をさせるマニュアルの確認が是非とも必要なのである ( イ ) 理由説明書に記載されている 在日米陸軍 だけでは不明である 具体的な部 局や部署を示す必要がある 異議申立人は 異議申立書及び書証で全て明らかに している ( ウ ) 理由説明書に 開示された場合 通信や運用の妨害に利用され 離発着する航空機の安全が確保できなくなる可能性がある とされているが 異議申立人が提出した証拠が示すように 使用周波数は既に公開されている それ以外のものであればその部分だけを非開示にすればよいことになろう また 運用の妨害とは何のことか不明なので その点を明らかにされたい ( エ ) 理由説明書に 施設管理者である在日米軍は 対象公文書は米国法令に基づく情報開示の除外に当たるとしており とあるが 異議申立人が提出した証拠によれば 米国側は本件規約について保持していないと異議申立人に回答した 保持していないものが どうして非開示にできるのか きちんとした説明がなくては 納得しかねる そのような主張をする以上は 少なくとも異議申立人が示したような証拠を添付すべきである - 3 -

( オ ) 理由説明書に 当該事由に反して開示すれば 東京都と在日米軍との信頼関係が損なわれることとなる とある 東京都と在日米軍の 信頼関係 とは何か明らかにされたい 東京都は 在日米軍基地の 全面返還 を要求しながら 一方で その基地を共同使用している これは基地反対と言いながら 実は賛成しているものである あるときは 在日米軍陸軍との 信頼関係 を保ちながら 米軍との共同使用をし また 別のときには米軍基地の 全面返還 を要求する そうした姿勢で真の 信頼関係 がそもそも持てるはずがあろうか 必要なのは 東京都と私たち住民との 信頼関係 である 3 異議申立てに対する実施機関の説明要旨 理由説明書及び口頭による説明における実施機関の主張を要約すると 以下のとおり である 対象公文書は 日米地位協定に基づき 在日米軍が管理する施設 ( 赤坂プレスセンター ) について 東京都が災害対応及び救急患者搬送のために使用する際のヘリポートの運用方法を定めるため 在日米軍との信頼関係のもとで締結された規約である 本請求に関し 関係機関である東京消防庁 東京都総務局及び在日米軍に対して意見照会を行ったところ 開示された場合 通信や運用の妨害に利用され 離発着する航空機の安全が確保できなくなる可能性があることから 開示に対する反対意思が示された また 施設管理者である在日米軍は 対象公文書は米国法令に基づく情報開示の除外に当たるとしており 当該事由に反して開示すれば 東京都と在日米軍との信頼関係が損なわれることとなる これらのことから 災害対応や島しょ地域の救急患者搬送を目的とした当該事業の適正な遂行に支障を及ぼすのみならず 都の米軍基地対策業務全般にも支障を及ぼすおそれがあるものとして 条例 7 条 6 号により全部非開示とした さらに 対象公文書の開示は 犯罪の予防など公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあることから 東京都情報公開審査会への諮問に当たって 条例 7 条 4 号を非開示理由として追加する なお 対象公文書は 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 平成 11 年法律第 42 号 )5 条 3 号の国の安全等に関する情報にも当たる可能性があると思料される - 4 -

4 審査会の判断 (1) 審議の経過 審査会は 本件異議申立てについて 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 25 年 11 月 6 日 諮問 平成 25 年 12 月 19 日新規概要説明 ( 第 145 回第二部会 ) 平成 26 年 6 月 11 日 実施機関から理由説明書収受 平成 26 年 6 月 26 日実施機関から説明聴取 ( 第 150 回第二部会 ) 平成 26 年 7 月 9 日 異議申立人から意見書収受 平成 26 年 7 月 23 日審議 ( 第 151 回第二部会 ) (2) 審査会の判断 審査会は 異議申立ての対象となった公文書並びに実施機関及び異議申立人の主張 を具体的に検討した結果 以下のように判断する ア赤坂プレスセンターにおけるヘリポートの利用について赤坂プレスセンターは 日米地位協定に基づき 在日米軍が管理する施設であり 現在 ヘリポート 星条旗新聞社等として使用されている 赤坂プレスセンターのヘリポートについては 昭和 59 年に環状三号線の工事に伴い 隣接する都立青山公園の一部に臨時ヘリポートが設置された 平成 5 年に環状三号線の工事が終了し 平成 19 年 1 月に東京都 東京防衛施設局及び在日米軍の三者で調整した結果 臨時ヘリポートのために提供された公園用地を上回る代替地の返還を受けること並びに緊急時及び災害時のヘリポートの共同使用について合意された その後 緊急時及び災害時の赤坂プレスセンターのヘリポート利用に関して 東 - 5 -

京都と施設管理者である在日米軍との間で 赤坂プレスセンターへの限定的かつ人道的立入のための現地実施協定 ( 平成 19 年 4 月 ) 及び 災害準備及び災害対応のための在日米軍の施設及び区域への限定的立入についての現地実施協定 ( 平成 20 年 11 月 ) を締結し さらに 当該ヘリポートの具体的な運用方法について 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 が定められた 上記の協定等に基づき 東京都は 当該ヘリポートを 防災訓練といった災害対応及び島しょ地域における救急患者搬送のために利用している イ本件対象公文書について本件異議申立てに係る開示請求は 関係者間で最終的に平成 18 年 12 月 26 日に合意された東京消防庁ヘリの運用に係る下記の文書 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 の開示を求めるものである 実施機関は 本件開示請求を受け 平成 23 年 10 月 18 日及び平成 24 年 12 月 11 日にそれぞれ作成された 前記の 在日米軍航空機の乗組員と東京都のための規約 ( 以下 本件対象公文書 という ) を対象公文書として特定し 条例 7 条 6 号に該当するとして 非開示決定を行った また 理由説明書において 同条 4 号にも該当する旨主張し 非開示理由の追加を行っている ウ条例の定めについて条例 7 条 4 号は 公にすることにより 犯罪の予防 鎮圧又は捜査 公訴の維持 刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報 を非開示情報として規定している 条例 7 条 6 号は 都の機関又は国 独立行政法人等 他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって 公にすることにより 当該事務又は事業の性質上 当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの を非開示情報として規定している エ本件対象公文書の非開示妥当性について 実施機関によると 本件非開示決定に先立ち 赤坂プレスセンターの施設管理者 である在日米軍に条例 15 条 1 項に基づく意見照会を行ったところ 在日米軍は 米 - 6 -

国法令における情報開示の除外事項に該当することを理由に 開示に反対する意思を示したとのことであった また 審査会が見分したところ 本件対象公文書には 赤坂プレスセンターのヘリポートの運用方法に係る詳細な情報が記載されていることが確認できた したがって 本件対象公文書を公にすることとなると 施設管理者との信頼関係が損なわれるだけでなく 当該ヘリポートやそれを利用するヘリコプターに対する妨害行為などの不法行為が容易になることにより 実施機関が行う災害対応や救急患者搬送のための当該ヘリポートの利用が制限されるおそれがあると認められる 以上のことから 本件対象公文書に記載された情報は 公にすることにより 実施機関の今後の災害対応及び救急患者搬送業務の遂行に支障が生じるおそれがあるものと認められることから 条例 7 条 6 号に該当し 同条 4 号該当性を判断するまでもなく 非開示が妥当である 異議申立人は その他種々主張しているが いずれも審査会の判断を左右するものではない よって 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申に関与した委員の氏名 ) 横山洋吉 中村晶子 乳井昌史 山田洋 - 7 -