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Transcription:

あなたが自由であるために FLOSS Licene とコミュニティ活動 : Debian を例に 佐々木洋平 /Youhei SASAKI uwabami@gfd-dennou.org GPG key ID: 0x9394F354891D7E07 京都大学大学院理学研究科 / 学際融合教育研究推進センター Debian JP Project/ 関西 Debian 勉強会 2017 年 12 月 8 日 ( 金 ) 於 : 松江高専

About me I I Name: 佐々木洋平 Contact: I uwabami@gfd-dennou.org Twitter, Github: @uwabami 所属: 京大 理 数学/学際融合 Debian Project/Debian JP Project 地球流体電脳倶楽部

About me 北大出身 : 杉山先生と同じ研究室 ( 後輩 ) よくおもしろいことを思いつく先輩 話にノって楽しんでいる後輩

そんなこんなで

お品書き 1 What s the FLOSS? 2 FLOSS and Debian 3 FLOSS and YOU 4 Join us! e.g. Debian

お品書き 1 What s the FLOSS? 2 FLOSS and Debian 3 FLOSS and YOU 4 Join us! e.g. Debian

質問

What s the FLOSS?

What s the FLOSS? Free/Libre and OpenSource Software の略 Free Software, EU/ 南米では Libre Sotfwareと呼んだり Free は多義的なのであえて Libre( ラテン語 : 自由 ) を使ったり OpenSource Software ( Free Software)

質問その2

Free Software と OpenSource Software はどう違うのか?

Free Software, OpenSource Software Free Software フリーソフトウェア財団 (FSF) が提唱する 自由なソフトウェアの要件 を満たすソフトウェア OpenSource Software OpenSource Initiative(OSI) が定めた オープンソースの定義 に合致するソフトウェア

歴史 Free Software, DFSG, OSD

Who is he?

Richard M Stallman

Free Software: 思想, 哲学 ソフトウェアは自由であるべきだ 自由に利用したい自由に改良したい自由に ( 再 ) 配布したい これが全ての始まり

Free Software の歴史 ( 抜粋 ) 1983: Stallman, GNU Project を思い立つ 1984: GNU 宣言 (GNU Manifesto) 1985: Free Software Fundation (FSF) 設立 1991: GNU General Public License ver.2 (GPL-2)

Free Software の歴史 ( 抜粋 ) 1983: Stallman, GNU Project を思い立つ 1984: GNU 宣言 (GNU Manifesto) 1985: Free Software Fundation (FSF) 設立 1991: GNU General Public License ver.2 (GPL-2)

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GNU 宣言 https://www.gnu.org/gnu/manifesto.ja.html 抜粋 一旦 GNU が書かれたら すべての人が良いシステムソフトウェアを ちょうど空気のように 自由に得ることが出来るのです... プログラムのすべてあるいは一部をコピーすることはプログラマにとって 呼吸することのように自然です そしてそれは生産的です それは自由であるべきです 非常に示唆に富む 一読の価値あり

GNU General Public License(GPL) ソフトウェアの 自由 とは? ( 第 0 の自由 ): 目的を問わないプログラムの実行 ( 第 1 の自由 ): 動作を調べ, 改良 改変できる ( 第 2 の自由 ): 複製物を再配布できる ( 第 3 の自由 ): 改良 改変物を公衆に再配布できる コピーレフト (Copyleft) 改変再配布物に対しても上記の 自由 を求めること

Linux の登場 1991: Linus Torvals が Linux を newsgroup に投稿多くの人々が開発に参加 ライセンスが厳しい Minix への不満 GNU Hurd は未完成 *BSD は AT&T との裁判真っ最中 386BSDは先行き不透明 1992: ライセンスを GPL-2+ に 爆発的発展!!

ここまでのまとめ 自由ソフトウェア という概念 目的を問わない実行, 改変, 再配布の 自由 コピーレフト, ライセンスの明確化 (GPL-2) GNU/Linux の登場 自由 な OS の登場 インターネットを介して爆発的に発展

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Debian

Debian のはじまり 1993: Ian Murdock が Debian Project を設立 当時のディストリビューションは酷かった... 当初 (1994-1995) は FSF のお世話に やがて独立 1997: DFSG 成立 Debian Free Software Guideline

DFSG: Debian Free Software Guideline http://www.debian.org/social contract#guideline Debian の考える 自由なソフトウェア の定義 1. 自由な再配布 2. ソースコードの入手 3. 派生物の存在, 派生物に同じライセンスを適用できること 4. 差分情報の配布を認める場合には, 同一性の保持を要求してもかまわない 5. 個人や団体を差別しない 6. 適用領域に基づく差別をしない 7. 再配布に追加のライセンスを必要としない 8. ライセンスは Debian に依存しない 9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しない 10. 自由なライセンスの例

よくある質問, 誤解 DFSG...? FSF の 自由ソフトウェア よりも広い概念. ある意味, 現実との妥協の産物 Debian GNU/Linux だから Debian は GPL のソフトウェアで構成されている 違います.

閑話休題

OpenSource Software の始まり 1998: Netscape がソースコードを公開 OpenSource という言葉が使われる 結果 : Netscape Mozilla(Firefox, Thunderbird) に OpenSource? FreeSoftware? FSF の 自由ソフトウェア と同様の性質を持つ FSF の 政治的 / 社会的運動 と関連付けられること恐れた, ビジネスにおけるマーケティング用語として誕生した

OpenSource Definition: OSD OpenSource Initiative による OpenSource の定義 1. 自由な再配布 2. ソースコードの入手 3. 派生物の存在, 派生物に同じライセンスを適用できること 4. 差分情報の配布を認める場合には, 同一性の保持を要求してもかまわない 5. 個人や団体を差別しない 6. 適用領域に基づく差別をしない 7. 再配布に追加のライセンスを必要としない 8. 特定製品に依存しない 9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しない 10. 特定の技術に依存しないこと

OSD DFSG DFSG から Debian という単語を消す OSD に

自由ソフトウェア じゃ駄目だったのか? Foutune 500をターゲットに! Linux を中核ビジネスに売り込もう 自由ソフトウェア だと 理念/ 思想 が前面に出すぎ? OpenSource Software はマーケティング用語 大事な事なので (ry

ここまで : FLOSS とは?

歴史まとめ 1983: Stallman, GNU Project を思い立つ 1984: GNU 宣言 (GNU Manifesto) 1985: Free Software Fundation (FSF) 設立 1991: GNU GPL-2 成立, Linux 公開 1993: Debian プロジェクト開始 1997: Debian Free Software Guideline (DFSG) 1998: OpenSource Definition(DFSG) : 2017: 現在

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そもそもライセンス とは何か?

そもそもライセンスとは何か? 原義に戻ればなんらかの 許可 である ソフトウェア の ライセンス ( 許可 ) とは?

著作権 ( 大雑把に ) 著作権 = 著作者の著作に対する権利 国によって解釈 / 法令が異なる事に注意 大雑把に二つに分ける 著作人格権 : 著作物に関する決定権 公表の可否 時期, 命名法 著作財産権 : 著作物の使用許諾の権利 許諾の付与, 複製, 公衆送信

著作権 ( 大雑把に ) 著作権 (Copyright) は作品の 利用 ( 主に複製 =Copy) をコントロールする権利 (right) のこと

使用許諾 : Licensing 利用 に関する著作権者からの許可

再掲 : OpenSource Definition 1. 自由な再配布 2. ソースコードの入手 3. 派生物の存在, 派生物に同じライセンスを適用できること 4. 差分情報の配布を認める場合には, 同一性の保持を要求してもかまわない 5. 個人や団体を差別しない 6. 適用領域に基づく差別をしない 7. 再配布に追加のライセンスを必要としない 8. 特定製品に依存しない 9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しない 10. 特定の技術に依存しないこと

FLOSS License とは? 幾つかの条件の元 改変 再配布 が許可

代表的な FLOSS ライセンス 代表的な FLOSS ライセンス MIT/X11, BSD-2-Clause, BSD-3-Clause Apache 2.0 LGPL GPL AGPL などなど. Q. これらの違いを簡単に述べよ DFSG に合致していれば, 間違いなく FLOSS 我々は常に 自由とは何か を考えている. e.g.) GFDL

開発者にとっての FLOSS ライセンス ライセンスの新規作成はかなり面倒 法律の専門家でも難儀. 他のソフトウェアとの整合性 ライセンス = プロトコル あなたと 世界 のつきあい方についての 宣言 既存のライセンスは十分練られている 問題が少ない 説明が楽, 他人の理解が得られやすい どのライセンスを選ぶべきか? 依存するソフトウェアとの整合性 派生物の公開に関する自分のスタンス

利用者にとっての FLOSS ライセンス 自由 の享受 自由に入手できる (= 最高の教科書 ) 改変できる 必要があれば再配布できる ベンダーロックイン パクスアメリカーナ回避 神エクセルとかほんと ねば良いのに 大いなる誤解...? 商用ソフトウェアの阻害 利用者に優しくない... etc.

FLOSS の社会的 / 文化的意義 社会的意義 競争状態の創出 社会福祉 私企業一社依存の回避 収奪の回避 選択の自由 新たな産業創出のコストを下げられる e.g) スマートフォン, IoT ビジネスには FLOSS を使おう ではないことに注意 変化には強くなれる. 文化的意義 : 巨人の肩に乗る 科学とは? : 観測可能性 定量性 再現性 整合性 紙とペン から 計算機 へ 知の共有 : ソフトウェア自体が 教科書 実行 / 改変 / 再配布 再現性 と 改良 が可能に

ここまでのまとめ FLOSS: 著作者によって特定の条件の元で 入手 改変 再配布が 許可されているソフトウェア FLOSS とのつきあい方 開発者として : 世界 と対話するためのプロトコル 利用者として : 享受できる自由について思いを馳せよう 思考停止に堕ちない様に 我々にとって, 何が最良なのかを常に考え続けよう

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FLOSS の開発体制 大抵は コミュニティ による 分散開発 ソフトウェアは公開されている として 地理的にも会社的にも業務的にも全然違う人らが弄り回す 最近は Github が便利ですよね良くある失敗例 ソースの公開したのに... コミュニティを作ろう... 一人でやる症候群

Debian の場合

Debian とは? フリー / オープンなユニバーサルオペレーティングシ ステムを作成しようとするボランティアベースのプ ロジェクト. ディストリ 企業 ボランティア RHEL RedHat なし CentOS RedHat あり Ubuntu Canonical あり Debian なし あり

Debian とは? Linux カーネルだけではなく FreeBSD や GNU/Hurd のカーネルを利用した OS も提供.

Debian とは? 厳格 / 厳密なポリシーとガイドライン Debian フリーソフトウェアガイドライン オープンソースの定義の元 Debian 社会契約 全てを公開して作業する という宣言

Debian とは? Ubuntu や Raspbian といったディストリビューションのベースとなっている Debian Derivatives(Debian 派生ディストリビューション ) との協力体制の整備

Debian とは 世界規模で開発が行われており 63ヶ国 約1000名 のDebian公式開発者が開発を行っている パッケー ジメンテナや翻訳などの貢献者も入れるともっと多 くの開発者が参加していることになる

開発への参加 実際の作業... 聞きたい事はありませんか?

Debian とは?: まとめ Debian は自由な OS を作成しようとするボランティアベースのプロジェクト 自分たちの考える自由という言葉に関する定義 開発目的 パッケージングポリシーが厳格 世界中に 1000 人以上の開発者 他のディストリビューションのベースとして採用されている 約 2 年毎にリリース 多くのパッケージとアーキテクチャをサポートしている 上記のような特徴から様々なところで利用されている Linux ディストリビューション

最後に : まとめにかえて FLOSS = Free/Libre OpenSource Software Free Software, Debian, OpenSource FLOSS の意義 既存ライセンス : 世界への態度の表明, プロトコル FLOSS Project の例 : Debian Project の紹介 是非開発へ参加してみて下さい 最初は使ってみるところから, でしょうか?

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References: Documents, Slide - やまねひでき, 2008: FLOOS, Debian and "YOU" (updated), 関西オープンソース 2008 - 佐々木洋平, 2009: ようやくリリースされた Debian GNU/Linux 5.0(lenny) について語ろうか, 2008 年度 ITPASS セミナー, 神戸大学 - 佐々木洋平, 2014: これからの自由の話をしよう 2014 年度 ITPASS セミナー, 神戸大学 - Chris DiBona, Sam Ockman, Mark Stone, ( 訳 ) 倉骨彰 : 1999 オープンソースソフトウェア - 彼らはいかにしてビジネススタンダードになったか (OpenSource: Voice From the Open Source Revolution), O REILLY, ISBN:4-900900-95-8, Web 版 : http://www.oreilly.co.jp/book/osp/announce.htm - History of OSI, http://www.opensource.org/history - Debian Free Software Guideline(DFSG) http://www.debian.org/social_contract.ja.html#guideline - ( 翻訳 ) GNU 宣言 ( 原文 ) GNU Manifesto https://www.gnu.org/gnu/manifesto.ja.html - ( 翻訳 ) なぜ教育機関は自由ソフトウェアを使って教えるべきか ( 原文 ) Why Educational Institutions Should Use and Teach Free Software http://www.gnu.org/education/edu-why.ja.html

References: Images - I Am, Who I Am - 18/365: Jeff Filman, - CC-BY http://www.flickr.com/photos/filmyz/4712557308/ - Linus_Torvalds.jpeg - CC BY-SA 3.0 http://ja.wikipedia.org/wiki/ リーナス トーバルズ - Portrait - Denmark DTU 2007-3-31.jpg - CC0 http://en.wikipedia.org/wiki/file:portrait_-_denmark_dtu_2007-3-31.jpg - NicoBZH - Richard Stallman (by-sa) (9).jpg, - CC BY-SA 2.0 http://commons.wikimedia.org/wiki/file:nicobzh_-_richard_stallman_(by-sa)_(9).jpg - Gúnna - Mother s love - CC-BY http://www.flickr.com/photos/gudmunda/909290056/ - Ian Murdock - CC BY-SA 2.0 http://en.wikipedia.org/wiki/ian_murdock#mediaviewer/file:ianmurdock.jpg - Ian Murdock - CC BY-SA 2.0 http://en.wikipedia.org/wiki/file:ianmurdockkeynote.jpg