年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

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事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

最高裁○○第000100号

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平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

(イ係)

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

事実及び理由控訴人補助参加人を 参加人 といい, 控訴人と併せて 控訴人ら と呼称し, 被控訴人キイワ産業株式会社を 被控訴人キイワ, 被控訴人株式会社サンワードを 被控訴人サンワード といい, 併せて 被控訴人ら と呼称する 用語の略称及び略称の意味は, 本判決で付するもののほか, 原判決に従う

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次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人株式会社バイオセレンタック, 同 Y1 及び同 Y2は, 控訴人コスメディ製薬株式会社に対し, 各自 2200 万円及びこれに対する平成 27 年 12 月 1 日から支払済みまで年 5 分の割

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

 

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

賦課決定 ( 以下 本件賦課決定 といい, 本件更正と併せて 本件更正等 という ) を受けたため, 本件更正は措置法 64 条 1 項が定める圧縮限度額の計算を誤った違法なものであると主張して, 処分行政庁の所属する国に対し, 本件更正等の一部取消し等を求める事案である 原審は, 控訴人の請求をい

ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

権 ) を侵害するとともに, 原告をプロデューサーとして表示しない点及び劇場用映画として制作された本件映画をインターネットで公表する点において, 本件映画につき原告が有する著作者人格権 ( 氏名表示権及び公表権 ) を侵害する行為であり, 被告が今後本件映画を上映, 複製, 公衆送信若しくは送信可能

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

判決【】

原判決は, 控訴人ら及び C の請求をいずれも棄却したので, 控訴人らがこれを不服として控訴した 2 本件における前提事実, 関係法令の定め, 争点及びこれに対する当事者の主張は, 後記 3 のとおり, 原判決を補正し, 後記 4 のとおり, 当審における当事者の主張 を付加するほかは, 原判決 事

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

最高裁○○第000100号

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

平成23年12月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

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指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

とは, 原告に対する名誉毀損に該当するものであると主張して, 不法行為に基づき400 万円の損害賠償及びこれに対する不法行為日以降の日である平成 24 年 9 月 29 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いがないか,

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

告ツイッタージャパンの間では全て原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 ( 主位的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 1) 記載の各情報を開示せよ ( 予備的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 2) 記載の各情報を開示せよ 第 2 事案の

令和元年 6 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 31 年 ( ワ ) 第 2629 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 16 日 判 決 5 原告日本コロムビア株式会社 原告株式会社バンダイナムコアーツ 10 原告キングレコード株式会社 原告ら訴訟代理人

平成  年(オ)第  号

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

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事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は 控訴人に対し 427 万 5200 円及びこれに対する平成 4 年 8 月 7 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 訴訟費用は 第 1 2 審とも 被控訴人の負担とする 4 仮執行宣言第 2 事案の概要等 1

いう ) に対し, 本件周辺道路整備工事の係る公金の支出 ( ただし, 支出命令を除く ) の差止めを求めるとともに, 文京区と東京大学との間で締結した 小石川植物園と区道の整備に関する基本協定書 による本件周辺道路整備工事に関する基本協定 ( 以下 本件基本協定 という ) に基づく年度毎の協定の

撮影を,3 株式会社 MONDESIGN Japan( 以下 モンデザイン という ) に対して全体的なデザインをそれぞれ依頼し, 上記 1につき平成 23 年 4 月頃,2につき同年 5 月頃,3につき同年 6 月頃, 各成果物を受領し, その際, 各成果物に係る著作権の譲渡を受けた ( 甲 9,

0A8D6C A49256C A0

25 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 5 訴訟費用は, 第 1,2 審とも, 被控訴人らの負担とする 6 仮執行宣言第 2 事案の概要 1 本件は, 服飾品の販売等を業とする控訴人が, 控訴人の従業員であった被控訴人 Y2 及び同 Y3 が控訴人を退職し, 被控訴人 Y1 が経

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

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4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

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にもかかわらず同項を適用して本来許容され得る範囲を超えて容積率の緩和を許可している点で違法である,2 本件確認処分は, 違法な本件許可処分を前提としているから違法であるなどとして, 本件許可処分及び本件確認処分の各取消しを求める事案である 2 原審は, 控訴人 D 寺及び同 Eの訴えは, 同控訴人ら

4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨主文と同旨第 2 事案の概要 1 本件は, 競馬の勝馬投票券 ( 以下 馬券 という ) の的中による払戻金に係る所得を得ていた控訴人が, 平成 17 年から平成 21 年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確

主 文 本件控訴を棄却する 控訴費用は, 控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 外務大臣が控訴人に対して平成 18 年 4 月 27 日付けでした行政文書の開示請求に係る不開示決定 ( 情報公開第 号 ) を取り消す 3 訴訟費用は, 第 1,2 審を通じ,

< ニュースリリース > 平成 28 年 4 月 1 日 公益財団法人生長の家社会事業団 世界聖典普及協会の不法を裁いた判決 最高裁判所において最終確定! 平成 28 年 3 月 10 日 最高裁判所第一小法廷において 裁判官全員一致の意見で 世 界聖典普及協会の著作権侵害に対する知的財産高等裁判所

最高裁○○第000100号

2 被控訴人は, 別紙標章目録記載の標章を付した薬剤を販売してはならない 3 被控訴人は, 前項記載の薬剤を廃棄せよ 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, PITAVA の標準文字からなる商標( 以下 本件商標 という ) の商標権者である控訴人が, 別紙標章目録記載の標章 ( 以下 被告標章

国籍確認請求控訴事件平成 12 年 11 月 15 日事件番号 : 平成 12( 行コ )61 大阪高等裁判所第 4 民事部 裁判長裁判官 : 武田多喜子 裁判官 : 正木きよみ 松本久 原審 : 大阪地方裁判所平成 11 年 ( 行ウ )54 < 主文 > 一. 原判決を 取り消す ニ. 訴訟費用

☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

(Microsoft Word -

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

ア原告は, 平成 26 年 12 月 26 日に設立された, 電気機械器具の研究及び開発等を目的とする株式会社である イ合併前会社ワイラン インクは, 平成 4 年 (1992 年 ) に設立された, カナダ法人である 同社は, 平成 29 年 (2017 年 )6 月 1 日付けで, 他のカナダ法

31 日にした審決を取り消す 2 訴訟費用は被告の負担とする 第 1 原告の求めた裁判 主文同旨 事実及び理由 第 2 事案の概要 本件は, 商標登録を無効とした審決の取消訴訟である 争点は, 商標法 4 条 1 項 10 号該当性 ( 引用商標の周知性の有無 ) である 1 特許庁における手続の経

<4D F736F F D F93FC82E D835382CC82DD816A2E646F63>

原告は, 被告に対し, 万円及びこれに対する平成 29 年 3 月 1 日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は,1 原告が, 自らの作成に係る別紙 1( 甲 12の1 以下 本件本体部 分 という ) 及び別紙 2( 甲 12 の 2 以下 本件ライブラリ部分 と

平成  年(オ)第  号

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

めた事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実 ) (1) 当事者ア原告は, 映画プロデューサーである ( 甲 1,2) イ被告は, 新聞社であり, ウェブサイト 朝日新聞デジタルAJW を運営するものである (2) 原告の著

 

3 被控訴人は, 中古自動車及びその部品等の売買契約の締結をしようとし, 又は自動車の修理 整備等の請負契約を締結しようとして, 被控訴人宛来店或いは電話, メールその他の手段で連絡をしてくる別紙顧客情報目録記載の者に対し, 中古自動車及びその部品等の売買契約の締結, その締結方の勧誘, 又は自動車

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

32E328C3B17E1EA749256D B0

平成  年(あ)第  号

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区

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平成 26 年 2 月 19 日判決言渡平成 25 年 ( ネ ) 第 10070 号著作権侵害差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 24 年 ( ワ ) 第 25843 号 ) 口頭弁論終結日平成 26 年 1 月 22 日 判 決 控訴人 ( 原告 ) X 訴訟代理人弁護士寒河江孝允 被控訴人 ( 被告 ) 有限会社シーエムシー リサーチ 被控訴人 ( 被告 ) 株式会社シーエムシー出版 上記両名訴訟代理人弁護士櫻田喜貢穗 今井亮 被控訴人 ( 被告 ) Y 1 主 文 本件控訴を棄却する 控訴費用は控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して84 万円及びこれに対する平成 24-1 -

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ という ) は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 5 被控訴人株式会社シーエムシー出版 ( 以下 被控訴人出版 という ) は, 控訴人に対し,50 万円及びこれに対する平成 24 年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 6 被控訴人らは, 原判決別紙書籍目録 2の書籍 ( 以下 被控訴人書籍 という ) を, 複製, 譲渡あるいは公衆送信してはならない 7 被控訴人らは, 被控訴人書籍を廃棄せよ 8 被控訴人らは, 被控訴人書籍を電子データで記憶した,USBメモリ,CD -R, パソコン内ハードディスクを廃棄せよ 9 被控訴人らは, 今後 1 年間, 各自のホームページに, 原判決別紙告知文のとおり, 告知文を掲載せよ 10 訴訟費用は, 第 1,2 審を通じて, 被控訴人らの負担とする 第 2 事案の概要 1 控訴人は, 被控訴人らに対し, 被控訴人らが共謀して被控訴人書籍を作成 販売し, インターネット上に掲載している行為が, 原判決別紙書籍目録記載 1の書籍 ( 以下 本件書籍 という ) に掲載された14 個の表 ( 原判決別紙対照表の左側に記載されたもの ( ただし, ピンク色及び緑色の着色はされていない ) 以下 本件書籍の各表 と総称する ) についての控訴人の著作権 ( 複製権, 譲渡権及び公衆送信権 ) 及び著作者人格権 ( 同一性保持権及び氏名表示権 ) を侵害している - 2 -

と主張して,1 著作権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づき, 被控訴人らに対し,84 万円及びこれに対する不法行為の後である平成 24 年 10 月 18 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の連帯支払を,2 著作者人格権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づき, 被控訴人 Y1に対し100 万円, 被控訴人リサーチに対し100 万円, 被控訴人出版に対し50 万円及びこれらに対する平成 24 年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による遅延損害金の支払を,3 著作権法 112 条 1 項に基づき, 被控訴人らに対し, 被控訴人書籍の複製, 譲渡あるいは公衆送信の差止めを,4 同条 2 項に基づき, 被控訴人らに対し, 被控訴人書籍の廃棄及びその電子データを記憶した媒体の廃棄を,5 同法 11 5 条に基づき, 被控訴人らに対し, 原判決別紙告知文のとおりの告知文の掲載を求めた 原判決は, 控訴人の請求をいずれも棄却した 2 前提となる事実原判決の 事実及び理由 欄の 第 2 事案の概要 の 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) ( 原判決 3 頁 7 行目から5 頁 6 行目 ) に記載のとおりである 第 3 争点及び当事者の主張 1 争点及び当事者の主張は, 原判決 事実及び理由 欄の 第 2 事案の概要 の 2 争点 ( 原判決 5 頁 8 行目から13 行目 ) 及び 3 争点に関する当事者の主張 ( 原判決 5 頁 15 行目から11 頁 10 行目 ) に記載のとおりである ただし, 控訴人は, 本件書籍の各表のうち, 表 2.1, 表 3.2, 表 4.1, 表 5.1, 表 6.1, 表 7.1, 表 8.1, 表 10.1, 及び表 11.1については, 後記 2のとおり編集著作権のみを主張し, その他の著作権の主張はしない 2 控訴人は, 当審において, 請求原因として (1) のとおり主張し, 被控訴人らは (2) のとおり争った ( 当審主張 ) - 3 -

(1) 控訴人本件書籍は, その各素材の斬新性と, その各素材の選択及び配列に強い創意と個性があり, 全体として創作性, 著作物性を有するものであり, 編集著作物としての構成を有する すなわち, 本件書籍は, 部品の機能と空間的な配置を考慮して各表の中で最適の配列を行い, プラスチックについても必要に応じて分類し ( 例えば,1 汎用プラスチック,2エンジニアリングプラスチック,3 熱硬化性プラスチックなど ), 成形方法を記している したがって, 本件書籍は, その素材の選択と配列において, 自動車メーカー及び部品メーカーの読者やユーザーが明快かつ明確に理解して自らの研究開発 ビジネスを効果的 効率的に進めるためのヒントを受け止められるように, 工夫されており, そこに控訴人の発想の独創性と個性が発揮されているから, 全体として編集著作物の構成を有する (2) 被控訴人らア被控訴人 Y1 控訴人は最適の配列を行ったと主張するが, 具体的な事実の記述は全くなく, 既に公表されている他の著作者による表を引用しているにすぎないから, 本件書籍の各表は, 編集著作物に該当しない イ被控訴人リサーチ及び被控訴人出版本件書籍の各表は,1 素材の選択においては, 当該モジュール 部位の部品を網羅的に記述しているだけで特段の個性を認めることはできず,2 配列については, 自動車業界において一般的に行われている配列と配置にすぎないし,3プラスチックについても, プラスチックにおける一般的な分類がなされ, 例外的に, 一般的分類ができない最新技術について並列して項目を設けているにすぎず,4 成形方法の記載があることも, プラスチックの性質からすれば一般的に行われていることで, 何ら個性的ではない すなわち, 本件書籍の各表における, 自動車に採用されているプラスチックに関 - 4 -

する事実の選択及び配列は, 自動車産業の業界の者にとっては常識的なものであるばかりか, 本件書籍の発行以前に発行された書籍に依拠するか, そこから引用されたものにすぎず, 何らの創意工夫が表現されたものではない したがって, 本件書籍の各表は, 自動車に採用されているプラスチックに関する事実をごく一般的な表の形式に整理したものにすぎないから, 編集著作物における創作性を認めることはできない 第 4 当裁判所の判断 1 当裁判所も, 原判決の認定判断を支持するものであって, 控訴人の請求は理由がないものと判断する その理由は, 次の2のとおり当審主張についての判断を付加するほか, 原判決 事実及び理由 中の 第 3 当裁判所の判断 1(11 頁 13 行目 ~12 頁 20 行目 ) 記載のとおりである 2 控訴人は, 本件書籍は全体として編集著作物としての構成を有すると主張するが, 当該主張の具体的内容は, 本件書籍の各表が編集著作物としての著作物性を有するというものである そして, 本件書籍の各表の編集著作物性について, その素材の選択と配列において, 読者 ユーザーが明快かつ明確に理解して自らの研究開発 ビジネスを効果的 効率的に進めるためのヒントを受け止められるように, 工夫されており, そこに控訴人の発想の独創性と個性が発揮されているなどと主張する しかし, その主張の実質的内容は, 原審において控訴人が本件書籍の各表が著作物性を有するとして主張した点と同一であって, アイデアの独創性や記載事項の情報としての価値を述べるものにすぎず, これらが著作権法上の保護の対象となるものでないことは, 原判決説示のとおり (11 頁 21 行目 ~12 頁 5 行目 ) である そして, 本件書籍の各表は, 本件書籍の執筆段階において自動車に用いられていたプラスチックの種類, 採用部位, 成形方法等を, 当該分類項目に従って詳細かつ - 5 -

網羅的に整理したものにすぎず, 個別の記載事項が情報として有用であるとしても, 一般的な表形式で整理が行われており, その素材となる各事項の選択又は配列について, どのような工夫がなされているのかは明らかでなく, 控訴人の個性が表れているとは認められない したがって, 素材の選択又は配列によって創作性を認めることはできず, 本件書籍及び同書籍の各表は, いずれも編集著作物としての著作物性を有するということはできない 第 5 結論以上によれば, その余の争点について判断するまでもなく, 控訴人の請求はいずれも理由がなく, これをいずれも棄却した原判決は相当である よって, 主文のとおり判決する 知的財産高等裁判所第 2 部 裁判長裁判官 清水節 裁判官 池下朗 裁判官 新谷貴昭 - 6 -