11総法不審第120号

Similar documents
処分済み

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

処分済み

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

11総法不審第120号

11総法不審第120号

処分済み

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

11総法不審第120号

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

11総法不審第120号

11総法不審第120号

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

11総法不審第120号

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

11総法不審第120号

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

処分済み

11総法不審第120号

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある者は 再審査請求をした日から 3 か月を経過しても裁決がないときであっても 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに 処分の取消しの訴えを提起することはできない (H23-4B)

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

<4D F736F F D A6D92E894C581458E7B8D7393FA A956C8FBC8E738FE18A518ED293FC89408E9E E A B E E968BC68EC08E7B97768D6A2E646F63>

Microsoft Word 答申件数表

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

 

11総法不審第120号

厚生局受付番号 : 九州 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 九州 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 50 年 4 月 30 日から昭和 51 年 4 月 1 日までの請求期間 昭和 51 年 4 月 1 日から昭和 53 年 4 月 1 日までの請求期間 昭

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

11総法不審第120号

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

年管管発第 1026 第 2 号平成 24 年 10 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局年金調整 ( 年金管理 ) 課長殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 通知 ) に基づく保護を受けている外国人の国民年金保険料免除の申請の

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求期間 1について 当該期間のうち請求者のA 社における平成 21 年 9 月 1 日から平成 22 年 12 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 52 年 4 月から同年 8 月までの請求期間及び昭和 52 年 9 月から昭和 56 年 12 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間に訂

03-01【局長通知・特例】施術管理者の要件に係る取扱の特例について

270826答申について

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

48

答申件数表(1月15日答申分)

松本市補助金交付規則 昭和 37 年 7 月 27 日規則第 16 号改正昭和 45 年 9 月 12 日規則第 31 号昭和 53 年 12 月 8 日規則第 25 号昭和 63 年 4 月 1 日規則第 18 号 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 法令又は条例等に特別の定めのあるもののほか 補

もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

飛島村居宅介護 ( 介護予防 ) 住宅改修に係る事業者の登録及び住宅改 修費受領委任払い制度取扱要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条 この要綱は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 と いう ) 第 45 条第 1 項に規定する居宅介護住宅改修又は同法第 57 条第 1 項に規定する

11総法不審第120号

個人情報の保護に関する規程(案)

* 1.請求の要旨

04 件数表280205(東京)

藤沢市障がい者グループホーム等家賃助成金支給事業実施規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は, 障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律 ( 平成 17 年法律第 123 号 以下 法 という ) 第 5 条第 12 項に規定する自立訓練のうち宿泊を伴うものを提供する施設 ( 以下 自立

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

(Microsoft Word -

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

01 【事務連絡】疑義解釈資料(施術管理者の要件関係)

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

平成14年7月3日

市町村合併の推進状況について

(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した生活保護法 ( 以下 法 という ) 7 8 条 1 項の規定に基づく徴収金額決定処分に係る審 査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 区長 ( 以下 処分庁 という ) が 請求人に対し平成 30 年 2 月 14 日付けで行った 法 78 条 1 項の規定に基づく徴収金額決定処分 ( 以下 本件処分 という ) について その取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨平成 28 年 8 月 にある職業訓練校を受講することとなったが 担当職員から 学校までの交通費は 6 か月の定期代 ( 1 0 2, 3 2 0 円 ) でなければ支払えないと言われた 定期代を支払うと月の生活費がなくなるため やむを得ず 日曜日と祝日に清掃会社 ( 本件会社 ) の仕事をすることとした しかし 入校案内を見ると説明会で聞いていた話と違う点があったため 入校を辞退し 清掃会社からも 1 年間働いてほしいと言われていたので 働きながら求職活動をすることにした 担当職員からは 平成 28 年 8 月以降 何の連絡もないまま 1 年が過ぎ 清掃会社を辞めた後の平成 2 9 年 1 0 月になって 就労した給与全額の返還請求が文書であった - 1 -

現在 市において求職活動中で 支払いに応じられない状況 である 支払請求には 基礎控除分が差し引かれていない 本件処 分は不当である 第 4 審理員意見書の結論 本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項の規 定により棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30 年 8 月 20 日 諮問 平成 3 0 年 1 0 月 1 8 日審議 ( 第 26 回第 1 部会 ) 平成 30 年 11 月 22 日審議 ( 第 27 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 保護の補足性及び保護の基準法 4 条 1 項によれば 保護は 生活に困窮する者が その利用し得る資産 能力その他あらゆるものを その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるとされている また 法 8 条 1 項によれば 保護は 厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし そのうち その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとするとされている ⑵ 資料の提供等法 29 条 1 項によれば 保護の実施機関は 保護の決定若しく - 2 -

は実施又は77 条若しくは78 条の規定の施行のために必要があると認めるときは 要保護者又は被保護者であった者及びその扶養義務者の資産及び収入の状況等につき 官公署等に対し必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め 又は銀行 信託会社 要保護者又は被保護者であった者及びその扶養義務者の雇主その他の関係人に 報告を求めることができるとされている ⑶ 届出の義務法 61 条によれば 被保護者は 収入 支出その他生計の状況について変動があったときは すみやかに 保護の実施機関にその旨を届け出なければならないとされている ⑷ 費用徴収額決定ア法 7 8 条 1 項によれば 不実の申請その他不正な手段により保護を受け 又は他人をして受けさせた者があるときは 保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は その費用の額の全部又は一部を その者から徴収するほか その徴収する額に10 0 分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができるとされている イ 生活保護費の費用返還及び費用徴収決定の取扱いについて ( 平成 24 年 7 月 23 日付社援保発 0 7 2 3 第 1 号厚生労働省社会 援護局保護課長通知 ) の2によれば 法 78 条を適用する際の基準として 保護の実施機関が被保護者に対し 届出又は申告について口頭又は文書による指示をしたにもかかわらず被保護者がこれに応じなかったとき 届出又は申告に当たり明らかに作為を加えたとき 課税調査等により 当該被保護者が提出した収入申告書が虚偽であることが判明したとき 等を掲げ 当該基準に該当すると判断される場合は 法 78 条に基づく費用徴収決定をすみやかに行うこととされている ウ 生活保護行政を適正に運営するための手引について ( 平 - 3 -

成 18 年 3 月 30 日付社援保発第 0 3 3 0 0 0 1 号厚生労働省社会 援護局保護課長通知 ) のⅣ 3 ⑴によれば 法 78 条にいう 不実の申請その他不正な手段 とは 積極的に虚偽の事実を申し立てることはもちろん 消極的に事実を故意に隠蔽することも含まれる ものと解されている エ 生活保護問答集について ( 平成 2 1 年 3 月 3 1 日付厚生労働省社会 援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) によれば 法 78 条を適用する場合に関し 保護の実施要領に定める収入認定の規定は 収入状況について適正に届出が行われたことを前提として適用されるものである したがって 意図的に事実を隠蔽したり 収入の届出を行わず 不正に保護を受給した者に対しては 各種控除を適用することは適当ではなく 必要最小限の実費を除き 全て徴収の対象とすべきである とされている ( 問答集問 13-23 ( 答 )⑶ 参照 ) なお 問答集は 地方自治法 2 4 5 条の 4 第 1 項の規定に基づく技術的な助言であり この点についての法の解釈 運用指針として合理的であると認められる オまた 問答集によれば 法 7 8 条に基づいて費用を徴収すべき場合 相手方に資力がないときはどう取り扱うべきかについて 法第 78 条に基づく費用の徴収は いわば損害追徴としての性格のものであり 法第 63 条や法第 77 条に基づく費用の返還や徴収の場合と異なり その徴収額の決定に当たり相手方の資力 ( 徴収に応ずる能力 ) が考慮されるというものではない とされ 更に そのように決定された費用徴収について 徴収の猶予を行うかあるいは最終的に徴収の免除を行うかどうかということは 地方公共団体の徴収債権についての地方自治法その他による一般的取扱いにより処理されるべきで 生活保護法には何ら規定がないものである とされている ( 問 - 4 -

答集問 13-25 ( 答 ) 参照 ) なお 同じく問答集は 地方自治法 245 条の4 第 1 項の規定に基づく技術的な助言であり この点についての法の解釈 運用指針として合理的であると認められる 2 これを本件についてみると 請求人は 保護が開始された当時に担当職員から 生活保護受給中の収入については全て申告の義務があるとの説明を受け 当該説明を理解したものとして同意書に署名及び押印をしていること 平成 2 8 年 4 月に働いて得た収入については 同年 5 月 1 0 日付けで収入 無収入申告書を福祉事務所長宛てに提出していること さらに 同年 7 月に 2 回 担当職員から 求職活動及び収入の状況について毎月報告するよう指導を受けていたことから 本件会社で働き始めた平成 2 8 年 9 月当時 働いて得た収入について福祉事務所長に届け出なくてはならない義務があることを知っていたことが認められる しかし 請求人は 処分庁に対し 本件会社に係る求職活動及び入社についての届出を行わず 担当職員から未申告の給与収入がある事実を指摘されるまで 当該事実を秘匿したまま保護費を受給し続けていたことが認められる なお 上記給与収入の事実は 福祉事務所長による課税調査等により判明したことが認められる かかる経緯からすると 請求人は 平成 28 年 9 月から平成 2 9 年 7 月までの保護費を不正な手段で受給したものと評価すべきことは明らかであり このことは 法 7 8 条 1 項により費用を徴収すべき場合に当たる事由であるから 本件処分は 上記 1 の法令等の定めに基づき適切になされたものといえ また 違算も認められないことから これを違法 不当なものということはできない 3 請求人は 現在 求職活動中で支払いに応じられない状況である また 支払請求に基礎控除分が差し引かれていないことが不服である旨主張する ( 第 3) しかし 法 7 8 条に基づく費用の徴収額は 不正受給額を全額決 - 5 -

定するものであり その費用の徴収はいわば損害追徴としての性格のものであって 相手方の資力 ( 徴収に応じる能力 ) が考慮されるというものではないというべきであるから 請求人にたとえ資力がないとしても そのことにより不正に受給した保護費に相当する費用の徴収を追及される立場を免れるものではない ( 1 ⑷ オ ) また 収入の届出を行わず不正に保護を受給した者に対しては 各種控除を適用することは適当ではなく 必要最小限の実費を除き全て徴収の対象とすべきであるとされている ( 1 ⑷ エ ) 更に 徴収の猶予あるいは免除を行うかどうかは 地方公共団体の徴収債権についての地方自治法その他による一般的取扱いにより処理されることとなる (1 ⑷ オ) よって 本件について徴収の猶予あるいは免除を行わなかったことは 合理的な裁量権の行使として 不当な点はない したがって 請求人の主張はいずれも 本件処分の取消理由としては採用できない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 髙橋滋 千代田有子 川合敏樹 別紙 ( 略 ) - 6 -