クラウド時代の ソフトウェア管理
目次 クラウド移行後のソフトウェア管理の必要性 ソフトウェア管理における課題と解決案 ソフトウェア管理運用目標の設定例 運用目標達成までのステップ例 まとめ 2
クラウド移行後におけるソフトウェア管理の必要性 こう思っていませんか? クライアントソフトウェア製品の導入はクラウド製品にすればライセンス管理はしなくても大丈夫 果たしてそうなのでしょうか? 3
クラウド移行後におけるソフトウェア管理の必要性 実はクライアントソフトウェア製品を クラウド製品にしてもソフトウェア管理が必要です ただしそれは今までのような ソフトウェア監査 のためだけではありません なぜ必要なのでしょうか? 4
クラウド移行後におけるソフトウェア管理の必要性 インストール数とライセンス購入数をただ合わせる ソフトウェア監査 のためだけではなく ソフトウェアコンプライアンス の遵守 企業ガバナンス の統制 バージョン の管理 セキュリティ の管理 契約情報 の管理というように今までよりも一歩進んだライセンス管理が必要なのです 5
クラウド移行後におけるソフトウェア管理の必要性 管理をしていないと ソフトウェアライセンス費が今までよりも増加しているような気がする ソフトウェアバージョンが最新になり社内システムが急に使用できなくなった 社員がどのマシンにインストールしているのか把握できない などの問題に気がつくのが遅れ その結果 6
クラウド移行後におけるソフトウェア管理の必要性 ソフトウェア費用のコスト増 自動バージョンアップに対する対策が遅れ 緊急対策に対するコスト発生や業務の遅延の発生 などを招きかねません この様なことを防ぐためにも クラウド製品へ移行後もしっかりとソフトウェアライセンス管理をしていく必要があります 7
ソフトウェア管理における課題と解決案 ではクラウド製品の管理において気をつけるべき点はどのようなことでしょうか? 移行中の オンプレミス製品 クラウド製品 双方の管理が必要 パブリッククラウド プライベートクラウド 双方のインストール数と契約数の整合を取る必要がある インストールバージョンと社内システムの推奨バージョンの整合を取る必要がある などがあります 8
ソフトウェア管理における課題と解決案 クラウド製品についての管理の必要性がわかったところで具体的にはどのように管理をしていけばいいのでしょうか? 次に特に主要なユーザーライセンス製品の使用許諾の特徴を確認していくことにします 9
ソフトウェア管理における課題と解決案 MSDN 製品における Office の一般業務用ライセンスについて MSDN Subscriptionで提供するソフトウェアは 開発者ライセンスに基づき提供される 開発者ライセンスでは 開発 テスト及びデモンストレーション目的でのみ利用可能 ただし Visual Studio 2010 Ultimate with MSDN ならびに Visual Studio 2010 Premium with MSDN でご提供している Microsoft Office 製品については 一般業務用として 1 部を一般業務に使用可 Microsoft Office 製品を使用できるのは 適切な MSDN ライセンスを保有するユーザー 1 名に限定 10
ソフトウェア管理における課題と解決案 項目 Creative Suite Creative Cloud Office 365 ライセンスのの違いは? 1 ライセンス : 1 マシン ( 特定の条件下で 2 台目のマシンへのインストール可 ) 1 ライセンス : 1 ユーザー ( インストール台数は は バックアップ環環境を含めて 2 台 ) 1 ライセンス : 1 ユーザー ( エディションにより 最大 5 台のマシンへインストール可 ) ライセンスのの有効期限は? 永続ライセンス月または年間単位月または年間単位 ダウングレーレード ( 旧バージョン ) 利利用は可能? 申請書の提出によりり旧製品を利用可能能 申請書の提出によりり旧製品を利用可能能 2013 以降のバージョンンが提供されるが 2010 以前の製品との共存は可能 11
ソフトウェア管理における課題と解決案 この様にユーザーライセンスの使用許諾は今までのライセンスより逆に管理が複雑のようです もちろん管理上は使用許諾を理解することが必要ですが 管理はできるだけ自動化にしたほうが精度が高まります そこで システムを利用したライセンス管理例についてみていくことにします 12
ソフトウェア管理における課題と解決案 利用者リクエストを中心としたライセンス管理自動化例 1 利用者 利用するアプリケーションを申請 支払 受領 承認 購入 割り当て ソフトウェア製品マスタを参照し申請 購入情報登録 IT 資産管理システムソフトウェア製品マスタソフトウェア情報製品名 SKU 使用許諾情報有効期限ソフトウェア製品所有リスト有効ライセンス一覧利用ライセンスリスト 管理者 契約情報の確認 コンプライアンス遵守の確認 有効ライセンスの確認 コスト管理 使用中 使用状況の報告 ハードウェアインベントリ ソフトウェアインベントリ ユーザーインベントリ 使用状況の確認 廃棄 ソフトウェア製品廃棄リスト 13
ソフトウェア管理における課題と解決案 利用者リクエストを中心としたライセンス管理自動化例 2 利用者 使用するアプリケーションを申請 アプリケーション割り当て利用開始 アプリケーション管理センター アプリケーションを利用者へ配布 ライセンス利用可能チェック 承認 許可 ライセンス予約 14
ソフトウェア管理における課題と解決案 サーバー管理例 サーバーライセンス辞書を利用し サーバーライセンスの消費数を自動計算することにより適正なライセンス数の管理を行います サーバー情報収集ツール 辞書情報 15
ソフトウェア管理運用の目標設定例 (1) ソフトウェアの管理対象と範囲拡大方法 ソフトウェア管理対象の決定 ソフトウェア管理運用の目標設定例を左に示します 初期展開時にはなるべく管理対象を絞り 主要ソフトのみで基本的な運用を軌道に乗せることが重要です その後 段階的に管理対象ソフトを広げていきましょう 全てのインベントリを管理対象として運用が破綻してしまう企業事例もあります 管理対象ソフト範囲拡大方法の決定 管理対象ソフトの範囲を拡大していく方法は次の 2 通りがあります 1 管理対象としたソフトのみをシステムに登録 管理する 2 基本的には全ての購入ソフトウェアを登録するが 管理レベルを設定する ソフトウェア製品マスタでサービス提供を実施するソフトウェア正確な辞書を整備することにより 正確なライセンス過不足の管理と利用ソフトウェア申請時に製品情報を提供することが必要です その他のソフトウェア必要最小限の項目のみを設定し 必要最小限のライセンス過不足数は確認できるようにします 16
運用目標達成までのステップ例 (1) ソフトウェア管理運用立ち上げまでの流れ 時期展開準備試行展開全社展開 3 か月 /6 か月 ~ 4 か月 /7 か月 ~ システム展開準備 ライセンス管理体制の決定 ( システム管理者 部門管理者 ) 管理対象 PC の決定 管理対象とするライセンスの決定と管理レベルの決定 管理対象とする契約書 購買情報の管理方針決定ソフトウェア利用実施時申請ルートの設定 組織 人事データや設置場所などのマスタ更新方法の決定 運用フローの作成 インベントリの連携方法 ( 回数 実装方法等 ) インフラ環境の決定 初期投入データの作成 ( 組織人事コード等 ) システム構築 システム仕様および運用確認限定部門で試行 ソフトウェア利用状況の確認 運用上での問題点の対応策決定 ソフトウェア製品マスタ 所有ソフトウェアデータ作成決定した管理レベルに従い辞書を作成後 所有ソフトウェアデータを作成する 試行展開試行部門を広げ 再展開運用上の問題点が改善されているか確認する サービス提供可能部分 全社展開前の部門管理者説明会運用体制 新機能の説明 システム全社展開 ライセンス登録と利用マシンへの割当 管理対象ソフトウェアの適正化 17
運用目標達成までのステップ例 (2) 初期登録と可視化 是正までの流れ ツール操作 初期登録情報収集可視化是正 利用部署 各インベントリを収集する 購入および利用中のライセンスを把握する 利用ソフトと所有ソフトの突合せ 過不足数の把握 ( 部署 ) ハードウェア ソフトウェア ユーザ ( 棚卸 ) 証書 / 契約書 / インストールメディアの確認 マシン 利用者を割当 ( 是正措置 ) ソフト追加購入 棚卸結果をシステム管理部署へ報告 検収 システム 管理部署 収集したインベントリをシステムへ登録する 全社一括購入ライセンスの把握 (= 保有ライセンス ) 証書 / インストールメディアの確認 利用ソフトの確認 ソフトウェア製品マスタ作成 移管 所有ソフト登録 サービス提供可能部分 過不足数の把握 ( 全社 ) ( 是正措置 ) ソフト追加購入 18
運用目標達成までのステップ例 (3) 定常運用の流れ 利用部署 利用登録変更移管廃棄 ソフトウェア利用申請 インストール インベントリ収集ツールインストール インベントリ収集 所有情報登録変更 移管元移管処理 移管先検収処理 ツール操作 ソフトウェア廃棄申請 システム管理部署 / アプリケーション管理部署 利用ソフトウェアの確認 承認 ソフトウェア購入 配布 ソフトウェア廃棄 固定資産は別途経理処理 19
運用目標達成までのステップ例 (4) 組織移動時の流れ ツール操作 部署変更 移管 検収 利用部署 部署移動元部署管理者 移管処理 部署移動先部署管理者 検収処理 システム 管理部署 改変する組織人事情報の登録データ準備 組織人事情報更新 20
運用目標達成までのステップ例 (5) ユーザーライセンスの管理例 項目 Creative Suite Creative Cloud ライセンスの違いは? ライセンスの有効期限は? 1ライセンス 1ユーザ単位での管理が必要 :1マシン 1ライセンス :1ユーザ ( 特定の条件下で 2ユーザとマシンの紐付け管理が必要 2 台目 ( インストール台数は バッのマシンへのインストール 3グループ版と個人版を管理クアップ環境を含めて2 台 ) 可 ) 永続ライセンス月または年間単位契約単位で管理が必要 ダウングレード ( 旧バージョ申請書の提出により旧製申請書の提出により旧製ン ) 利用は可能? Creative 品を利用可能 Suite Creative Cloud 品を利用可能が混在している組織対象バージョン / ダウングレード使用ともに どちらのライセンスを使用しているか管理が必要 システムを利用した管理例 21
運用目標達成までのステップ例 ( 例 ) 開発秋子さんは 2 台の PC を利用し 各 PC に下図のソフトを利用しています 所有ライセンス ユーザーライセンス (Adobe Creative Cloud グループ版コンプリートプラン ) 利用者 PC インストールソフトウェア Acrobat Pro DC インストール可能なライセンス ( 全ソフトウェア サービスが可能 ) Acrobat Pro DC Photoshop CC Illustrator CC InDesign CC : ライセンス許諾 開発秋子 PC-001 PC-002 Photoshop CC Photoshop CS5 ダウングレード Acrobat Pro DC Photoshop CC 所有ライセンスを登録しましょう 22
運用目標達成までのステップ例 手順 1: 所有ライセンスをライセンス台帳に登録します ユーザーライセンス :5 本 (Adobe Creative Cloud グループ版コンプリートプラン ) 割当は無し ソフトウェア製品マスタの特徴マスタには 2 台までインストール可能である情報が登録されています 23
運用目標達成までのステップ例 このとき利用台帳では ライセンスで利用を許諾されているかが不明な状態として表示されます 使用状況? 利用しているが ライセンス許諾されているか不明な状態 PC-001 PC-002 次に開発秋子さんにライセンスを割当てましょう 24
運用目標達成までのステップ例 手順 2: ライセンスの割当を実施します 1 利用者 ( 開発秋子 ) にライセンスを割り当てます PC-001( 利用者 : 開発秋子 ) 開発秋子 2 利用者 ( 開発秋子 ) が利用登録している PC に割り当てます インストール可能なマシンを特定します PC-002( 利用者 : 開発秋子 ) 割当後の利用台帳を確認しましょう 25
運用目標達成までのステップ例 ライセンスが 開発秋子 に割り当てられ 秋子さんが利用している PC にインストールが許諾されているため 利用台帳ではインストールが正当な状態と判断されます PC-001 割当済みライセンスとして Creative Cloud が表示される PC-002 ライセンス割当前? : ライセンス不正使用 ライセンス割当後は ライセンスが正しく使用されているとして判断される : 割当ライセンスの使用 26
運用目標達成までのステップ例 ライセンスの違いは? 項目 Creative Suite Creative Cloud ライセンスの有効期限は? 永続ライセンス 1ライセンス :1マシン 1ライセンス :1ユーザ 1( 特定の条件下で ユーザ単位での管理が必要 2 台目 ( インストール台数は バッ 2のマシンへのインストールユーザとマシンの紐付け管理が必要クアップ環境を含めて2 台 ) 3可グループ版と個人版を管理 ) 月または年間単位 契約単位で管理が必要所有ライセンス登録時に契約期間を登録することで 期間管理を行うことが可能です ダウングレード ( 旧バージョン ) 利用は可能? 申請書の提出により旧製申請書の提出により旧製品を利用可能品を利用可能 Creative Suite Creative Cloudが混在している組織対象バージョン / ダウングレード使用ともに どちらのライセンスを使用しているか管理が必要各ライセンスとマシンまたは利用者に割当管理を行うことで 適切なライセンス管理を実現可能 27
まとめ クラウド移行後のソフトウェア管理の必要性 インストール数とライセンス購入数をただ合わせる ソフトウェア監査 のためだけではなく今までよりも一歩進んだライセンス管理が必要 ソフトウェア管理における課題と解決案 利用許諾から見るユーザーライセンスの特徴システムを利用したライセンス管理例 28
まとめ ソフトウェア管理運用目標の設定例 ソフトウェアの管理対象と範囲拡大方法 運用目標達成までのステップ例 ソフトウェア管理運用立ち上げまでの流れ初期登録と可視化 是正までの流れ定常運用の流れ組織移動時の流れユーザーライセンスの管理例 29
当手法がお客様のソフトウェア管理の効率化 についての一案になれば幸いです 以上で終了です ご清聴ありがとうございました 30
31