答申第203号(公表用)

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19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

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1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

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消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

大情審答申第 号

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

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諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

第1 審査会の結論

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

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11総法不審第120号

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警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

答申

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

2 異議申立ての理由 文書不存在 はあり得ないと考える 第 4 実施機関の説明要旨 実施機関から提出された理由説明書の要旨は次のとおりである 1 本件開示請求と関わる可能性がある文書がないか調査した 開示請求のあった文書が 沖縄県と福建省との友好省県締結に関わるものであることが推測されたことから 対

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

26労271棄却(業務上外)

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

Microsoft Word - 答申第41号.doc

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

地域見守りカメラ設置促進事業要綱

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

横情審答申第 1352 号 平成 28 年 10 月 14 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市の保有する情報の公開に関する条例第 19 条第 1 項の規定に基づく 諮問について ( 答申 ) 平成 28 年 4 月 21 日建都計第 136 号による次の

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

Microsoft Word - 答申第141号.doc

教員等の懲戒処分に係る審査に関する規程 ( 平成 21 年 9 月 16 日 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 教育公務員特例法 ( 昭和 24 年 1 月 12 日法律第 1 号 以下 法 という ) 第 9 条第 2 項の規定に基づき 沖縄県立看護大学教授会 ( 以下 教授会 という )

答申第57号

処分済み

26労315棄却(業務上外)

事案である 3 仲裁合意本件では 申立人の申立書において仲裁合意の内容の記載があり 被申立人は答弁書においてこれを争わなかったので 本件についての書面による仲裁合意が存在する なお 被申立人は審問期日においても本仲裁に応じる旨の答弁をした 4 当事者の主張 (1) 申立人の主張申立人は 請求を基礎づ

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

                       H18

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平成14年7月3日

新請願・陳情全部

平成11年6月8日

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

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平成25年2月 日

Taro-答申第64号

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

平成 27 年労第 73 号 主 文 本件再審査請求を棄却する 理 由 第 1 再審査請求の趣旨及び経過 1 趣旨再審査請求人 ( 以下 請求人 という ) の再審査請求の趣旨は 労働基準監督署長 ( 以下 監督署長 という ) が平成 年 月 日付けで請求人に対してした労働者災害補償保険法 ( 昭

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ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

答申第693号

処分済み

11総法不審第120号

会員に対する処分等に係る手続に関する規則 (2018 年 7 月 30 日制定 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規則は 定款第 15 条に規定する会員に対する処分及び不服の申立てに係る手続の施行に関し 必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規則において 次の各号

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

11総法不審第120号

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

- 2 - ⑷ 保育所又は学童クラブにおいて 保育又は学童クラブの目的を達成するために 児童又はその保護者に対してされる行政指導 ⑸ 市の職員 ( 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 2 条に規定する地方公務員に該当する職員をいう 以下同じ ) 又は市の職員であった者に対して

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

る書類 ( 資料 ) が無いはずはない, あるはずだ 平成 年 5 月 31 日, 収納課 主査, 資産税課 課補立会いの元提示された資料が正にそれだ 又, 平成 年 6 月資産税課 職員が電話で説明した時の資料が正にそれだ 職員は異議申立人には納税義務がありませんと説明した それはどういうことだ?

11総法不審第120号

附則 ( 昭和 56 年 7 月 8 日県本部訓令第 14 号 ) この訓令は 昭和 56 年 7 月 16 日から施行する 附則 ( 昭和 56 年 8 月 29 日県本部訓令第 15 号 ) この訓令は 昭和 56 年 9 月 1 日から施行する 附則 ( 昭和 56 年 10 月 31 日県本

Transcription:

答申第 203 号 ( 諮問第 219 号 ) 群馬県警の司法警察員を含む職員 ( 以下甲という ) が一般県民 ( 以下乙という ) から暴力団に係る相談を受けても 当該構成員が乙の学校の同級生だからということで 甲は乙の当該相談をまともに相手にしなくてもよい 又はしてはならない という内容 外 2 件の公文書不存在決定に対する審査請求 群馬県公文書開示審査会第一部会

第 1 審査会の結論 群馬県警察本部長が行った決定は妥当であり 取り消す必要はない 第 2 諮問事案の概要 1 公文書開示請求審査請求人は 群馬県情報公開条例 ( 平成 12 年群馬県条例第 83 号 以下 条例 という ) 第 11 条の規定に基づき 群馬県警察本部長 ( 以下 実施機関 という ) に対し 別表 ( あ ) 欄に記載の年月日付けで 別表の ( い ) 欄に記載の開示請求 ( 以下 本件各開示請求 という ) を行った 2 実施機関の決定実施機関は 別表の ( う ) 欄に記載の年月日に 本件各開示請求に係る公文書について存在しないことを確認し 別表 ( え ) 欄に記載の決定 ( 以下 本件各処分 という ) を行い 不存在の理由を次のとおり付して 審査請求人に通知した ( 不存在の理由 ) 請求のあった公文書については 作成し 又は取得していないため 3 審査請求審査請求人は 群馬県公安委員会 ( 以下 諮問庁 という ) に対して 本件各処分を不服として平成 29 年 3 月 29 日付けで審査請求 ( 以下 本件審査請求 という ) を行った 4 弁明書の送付実施機関は 行政不服審査法 ( 平成 26 年法律第 68 号 ) 第 9 条第 3 項において読み替えて適用する同法第 29 条第 2 項の規定に基づき 弁明書を作成し 諮問庁に提出した 諮問庁は その副本を審査請求人に送付した 5 口頭意見陳述の実施 諮問庁は 行政不服審査法第 9 条第 3 項において読み替えて適用する同法第 3 1 条第 1 項の規定に基づき 平成 29 年 12 月 7 日 口頭意見陳述を実施した 6 諮問 諮問庁は条例第 26 条の規定に基づき 群馬県公文書開示審査会 ( 以下 審査会 という ) に対して平成 30 年 3 月 9 日 本件審査請求事案の諮問を行った 第 3 争点 本件各開示請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定は妥当であるか 第 4 争点に対する当事者の主張 - 1 -

1 審査請求人の主張要旨条例第 14 条第 2 号イ違反であり 原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用 怠業 群馬県内規違反 憲法違反 判例違反を隠蔽するものであるため 2 実施機関の主張要旨 (1) 不存在決定の理由について群馬県警察相談業務に関する訓令 ( 平成 12 年群馬県警察本部訓令第 17 号 ) ( 以下 訓令 という ) により 県民からの相談 苦情 要望等 を 相談等 と定義した上で 職員は 県民から相談等の申し出があったときは 県民の立場に立ち 親切 丁寧を旨として これを受理しなければならないこと 相談内容が複雑 難解等であるとの理由から 受理を拒否し 回付するなどいやしくも たらい回し とのそしりを受けるような取扱いをしないこと及び相談等の処理に当たっては 各種執務資料を活用するなどにより適切に処理しなければならないことを規定している ア別表項番 1に係る公文書について訓令の趣旨に反する 相談者の同級生が 相談の対象となっている暴力団の構成員であること を理由に実施機関の職員が相談等に対する事務処理を行わないなどの不適切な対応をしてよいことが記載されている公文書は 作成も取得もしていない イ別表項番 2に係る公文書について訓令の趣旨に反する 電話機が不調であること を理由に実施機関の職員が相談等に対する事務処理を行わないなどの不適切な対応をしてよいことが記載されている公文書は 作成も取得もしていない ウ別表項番 3に係る公文書について訓令の趣旨に反する 相談者の架電内容が理解できないこと を理由に実施機関の職員が相談等に対する事務処理を行わないなどの不適切な対応をしてよいことが記載されている公文書は 作成も取得もしていない (2) 審査請求人の条例第 14 条第 2 号イ違反の主張について審査請求人は 本件審査請求において条例第 14 条第 2 号イ違反である旨を主張するが 審査請求人の主張は本件開示請求に係る公文書が存在することを前提としたものであり そもそも 実施機関において 同公文書は作成し 又は取得しておらず 存在しないのであるから 同規定にいう情報に該当するか否かを検討することはできない (3) その余の主張について審査請求人によるその余の主張については 本件各処分を取り消し又は変更させるものではない 3 口頭意見陳述における審査請求人の主張要旨について 前記第 2 の 5 の口頭意見陳述について 実施機関から提出された口頭意見陳述 - 2 -

審理録には 審査請求人の主張として おおむね以下のことが記されている (1) 別表項番 1に係る公文書について相談者がそのヤクザと同級生であるからと言って そのヤクザと一緒に食事に行った際の出来事について 暴力団に係る相談として伊勢崎警察署の職員に相談したが まともに取り合わず 相手にされず 捜査もしない だから開示請求した文書が存在するはずである (2) 別表項番 2に係る公文書について県警本部の警察職員はバレンタインデーやホワイトデーのお返しの話には散々付き合っておきながら 話が捜査や刑事事件のことになった途端 急に電話の調子が悪いと聞こえない振りをする 実際に電話の対応で聞こえない振りをする職員がいるのだから 開示を求めた文書が存在するはずである (3) 別表項番 3に係る公文書について公文書不存在の決定になっているが 電話に出た男性の警察本部の当直員に対し 個人情報保護条例違反が発生した 新聞社からも電話がきた 警察で捜査するように と言ったが聞く耳を持たなかった こちらからの苦情や意見に対して 分からない と勝手に電話を切った訳であるから開示請求した文書が存在するはずである 第 5 審査会の判断 1 争点 ( 本件各処分の妥当性について ) 審査請求人は 原処分は群馬県条例を持ち出すまでもなく職権濫用 怠業 群馬県内規違反 憲法違反 判例違反を隠蔽するものであるため と主張している 一方 実施機関は訓令に照らし 本件各開示請求を内容とする公文書を作成し 又は取得はしていないと主張する そこで 本件各開示請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたか否か検討する なお 本審査会の判断に当たっては 本件各開示請求の記載内容に照らして 不特定多数の県民に対しての公文書が存在するか否かの観点から判断する (1) すべての地方公務員は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ( 以下 略 )) の適用を受け 同法第 32 条は 地方公務員に 法令 条例 地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従う義務を負わせている そして 地方公共団体の機関の定める規程である訓令は 県民から犯罪等による被害の未然防止に関する相談 その他の安全と平穏に係る相談 苦情 要望等の申し出があったときは 管轄区域及び所管の如何並びに勤務の内外を問わず 県民の立場に立ち 親切 丁寧を旨として これを受理し 処理等を行い その事務処理状況を相談業務報告書により明確にしておかなければならないことを規定している したがって 実施機関におけるすべての地方公務員は 同訓令に従う義務があり 更にこれに違反した場合には 同法第 29 条に基づく懲戒処分を受けるおそれがある (2) 別表項番 1に係る公文書について - 3 -

相談者の同級生が 相談の対象となっている暴力団の構成員であること を理由に実施機関の職員が相談等に対する事務処理を行わなくてよい 又は行ってはならないという対応は 一般的に実施機関に期待される訓令どおりの対応と著しく乖離するもので 地方公務員法第 32 条違反に該当する可能性があり このような内容の公文書を 実施機関の職員が作成又は取得することは通常想定し難いものである したがって 当該公文書を不存在とする実施機関の説明に特段不自然な点はなく 決定は妥当であると認められる (3) 別表項番 2に係る公文書について 電話機が不調であること を理由に実施機関の職員が相談等に対する事務処理を行わなくてよい 又は行ってはならないという対応は 一般的に実施機関に期待される訓令どおりの対応と著しく乖離するもので 地方公務員法第 32 条違反に該当する可能性があり このような内容の公文書を 実施機関の職員が作成又は取得することは通常想定し難いものである したがって 当該公文書を不存在とする実施機関の説明に特段不自然な点はなく 決定は妥当であると認められる (4) 別表項番 3に係る公文書について 相談者の架電内容が理解できないこと を理由に実施機関の職員が勝手に電話を切ってよい 又は切らなければならないという対応は 一般的に実施機関に期待される訓令どおりの対応と著しく乖離するもので 地方公務員法第 32 条違反に該当する可能性があり このような内容の公文書を 実施機関の職員が作成又は取得することは通常想定し難いものである したがって 当該公文書を不存在とする実施機関の説明に特段不自然な点はなく 決定は妥当であると認められる 2 結論以上のことから 第 1 審査会の結論 のとおり判断する なお 審査請求人は審査請求書において 本件各処分は条例第 14 条第 2 号イに違反すると主張する しかし 同規定は個人情報であっても一般に公にされている情報については あえて非開示情報として保護する必要性に乏しいものと考えられることから ただし書により 本号の非開示情報から除くこととしたものである そのため 本件開示請求に係る公文書は不存在であるという実施機関の判断が妥当である以上 本件開示請求に係る公文書が存在することを前提とした審査請求人の当該主張は是認することはできない また 審査請求人はその他種々主張するが 本答申の判断を左右するものではない 第 6 審査の経過 当審査会の処理経過は 以下のとおりである - 4 -

審査会の処理経過 年月日内容 平成 30 年 3 月 9 日諮問 平成 30 年 6 月 26 日 審議 ( 本件審査請求事案の概要説明 ) ( 第 69 回 第一部会 ) 平成 30 年 8 月 27 日 審議 ( 第 70 回 第一部会 ) 平成 30 年 9 月 11 日答申 - 5 -

別表 項 ( あ ) ( い ) ( う ) ( え ) 番 請求年月日 開示を請求する公文書の内容又は件名 決定年月日 決定 1 平成 2 9 年 1 月 1 8 日 群馬県警の司法警察員を含む職員 ( 以下甲という ) が一般県民 ( 以下乙という ) から暴力団に係る相談を受けても 当該構 平成 2 9 年 1 月 2 0 日 不存在 成員が乙の学校の同級生だからということで 甲は乙の当該相談をまともに相手にしなくてもよい 又はしてはならない という内容 2 平成 2 9 年 2 月 3 日 県警本部の女性警部補が 群馬県内規違反や警察法違反 地方公務員法違反となる行為を 一般県民の電話機のせいに 平成 2 9 年 2 月 8 日 不存在 して行ってよい 又は行わなければならない という内容 3 平成 2 9 年 2 月 1 8 日県警本部の当直員 ( 以下甲という ) が 群馬県警の本来群馬県公安委員会がやるべきことを代行してやっているやり方に平成 2 9 年 2 月 2 4 日不存在 ついて 一般県民 ( 以下乙という ) が甲に対して電話で苦情や意見を述べても 何を言っているのかわかりません と言 い放って乙の架電を勝手に切電してよい 又はしなければならない という内容 - 6 -