問屋販売とか用途が明確でなく 本件では下記重要分野に組みこまれる物が多いと思われるが 下記表 2 に別途記載した 元々 日本生産分では 年間 400 トンでの推移であり 輸入品は需要数量への緩衝と見なされており 表 2 の国内需給において ( 需要 供給 ) が全てマイナスであり なおかつ 2009

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34. ビスマス (Bi) 34.1 マテリアルフ ー分 の国内生産は精鉱からではなく 主に鉛製錬の副産物として鉛電解スライムから生産 される 従い 鉛製錬の原料の廃バッテリーの割合が高くなっているため 今後の日本国内生産量の 増加は期待できない これは 国内のみならず世界的な傾向であるが 中国は鉱石からの鉛製錬を拡 大してきているとともに ビスマス鉱石の生産も拡大しており ビスマスの増産余地をもっている しかし 中国についても環境負荷の大きい鉛製錬を抑制するための環境規制の強化 更には 2006 年 9 月の 輸出奨励策にあたる輸出増値税還付 (13%) の撤廃により 将来的には 同国においても廃バッテリー からの鉛回収が進展し ビスマスの供給拡大には限界があるとみられている 2010 年の日本のの輸入は 前年比 11.9% 増の 366t であった ( 表 1) 主要輸入国は中 国 (195t:53%) 韓国(99t:27%) である また 2010 年はメキシコからの輸入が急増し 54t(15%) が計 上されている 表 1 の国別輸入推移 単位 :t 2005 2006 2007 2008 2009 2010 数量 % 数量 % 数量 % 数量 % 数量 % 数量 % 中国 517 57 583 55 599 60 118 35 191 58 195 53 ペルー 207 23 311 29 232 23 151 45 94 29 0 0 韓国 75 8 95 9 44 4 25 7 25 8 99 27 ベルギー 101 11 20 2 12 1 7 2 3 1 13 4 米国 10 1 15 1 10 1 6 2 9 3 5 1 その他 1 0 41 4 99 10 28 8 5 2 54 15 合計 911 100 1,065 100 996 100 335 100 327 100 366 100 出典 : 財務省貿易統計 中国では 年間約 8,000 トンの生産をしておりその最大手が 湖南柿竹園 (Hunan Bismuth Industry グループ ) 韓国では 高麗亜鉛であり 両社が日本の輸出しているメインの会社である 日本向けには亜鉛 銀 モリブデン等 ( 特に 銀 ) の含有量が少ない事が要求され この 2 社が対応している (2) 国内需給ビスマスの国内需給を表 2 に示す 2010 年のの国内生産は前年比 7% 増の 448t であった 国内需要は 前年比 3% 増の 464t となっている 冶金添加剤向け 低融点合金向けともに前年を上回っており 今後は環境対応としてアルミニウム合金や銅合金快削材料における鉛からビスマスへの代替が進展することが期待されている 一方 フェライトの需要は減少傾向にある 特にビスマスの用途別需要で最大のシェアを占めていたフェライトは 2004 年にその地位を冶金添加剤に譲り 2010 年まで冶金添加剤がビスマスの最大需要分野になっている これは フェライト磁石の需要減と主に電気材料のRoHS 規制に合わせた鉛フリーの動きに合わせた伸銅 アルミ快削製品への添加の増加が挙げられる 現在 鉄の快削鋼への使用の検討が行われ 今後での需要の伸びが期待できる 低融点合金については 上記のごとく 鉛フリーの動きに合わせてのはんだ等への添加材としての使用が伸びた事が挙げられる さらに 塗料での分野は 上記鉛フリーの動きからビスマスを使う動きもある 2009 年には ビスマスの輸出が増加したが 元々 下記表の如く供給過多の状態であったので 本件 在庫処分との形でなされたとの話しが多く 日本生産品か輸入品かは不明 その他については 1-335 -

問屋販売とか用途が明確でなく 本件では下記重要分野に組みこまれる物が多いと思われるが 下記表 2 に別途記載した 元々 日本生産分では 年間 400 トンでの推移であり 輸入品は需要数量への緩衝と見なされており 表 2 の国内需給において ( 需要 供給 ) が全てマイナスであり なおかつ 2009 年を除いて数値が大きく 供給過剰であることを示している このため日本鉱業協会は 在庫の増減から内需の統計値を補正した内需 ( 見掛値 ) を公表しており これを表 2 の ( 参考 ) として示す 実際の内需は内需 ( 見掛値 ) に近いものと見られる 注 ) 内需 ( 見掛値 )= 期初在庫 + 供給計 - 輸出 - 期末在庫 表 2 の国内需給 単位 :t 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2010 構成比 10/09 比 供給 国内生産 456 417 388 466 420 448 107% 輸入 911 1,065 996 335 327 366 112% 供給計 1,367 1,482 1,384 801 747 814 109% 需要 内需計 ( 統計値 ) 480 425 368 406 451 464 100% 103% フェライト 109 73 54 34 24 4 0.9% 17% 冶金添加剤 122 121 75 50 43 53 11.4% 123% 低融点合金 38 38 46 37 32 87 18.8% 272% 医薬 7 8 14 17 14 20 4.3% 143% 触媒 22 11 35 23 19 42 9.1% 221% その他 182 174 144 245 319 259 55.8% 81% 輸出 60 98 21 61 239 151 63% 需要計 540 523 389 467 690 615 89% 需要 - 供給 -827-959 -995-334 -57-199 ( 参考 ) 内需 ( 見掛値 ) 1,330 1,391 1,343 681 578 679 需要計 ( 見掛値ベース ) 1,390 1,489 1,364 742 817 830 需要 - 供給 ( 同上 ) 23 7-20 -59 70 16 出典 : 日本鉱業協会 の輸入価格推移を図 1 に示す 2007 年の急騰から 2009 年にかけて抑制されつつあった輸入価格だが 2010 年は反発している 2007~2008 年の高騰は 中国での鉛製錬に対する環境規制や干ばつによる生産低下を名目に 価格をつり上げようとする中国の生産者の思惑も一因と見られている 2009 年は世界的な景気後退を背景に需要が急減し価格が大幅に低下したが 2010 年は鉛需要が回復したことで再び価格が上昇した 2-336 -

30.0 25.0 20.0 $/kg 15.0 10.0 5.0 0.0 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 図 1 の輸入価格推移 (3) ビスマス生産物の生産者ビスマス生産物に係る我が国の主要生産者並びに生産品目は次のとおりである 表 4 中間生産物に関する主要生産者及び生産品目 主要生産者 DOWA メタルマイン 東邦亜鉛 三井金属鉱業 細倉金属鉱業 ( 三菱マテリアル ) JX 日鉱日石金属 太陽鉱工 アジア物性材料 日本化学産業 出典 : 各社ウェブサイト 酸化ビスマス 生産品目 酸化ビスマス 高純度ビスマス ビスマス化合物 2009 2010 34.2 リサイクル リサイクルの現状表に示すように 製品自体が回収リサイクルされないものが多く ビスマス自体も基板に使用されたはんだに含有されるものが 10% 程度リサイクルされている以外は全くリサイクルされていない 34.3 ビスマス化合物 世界的にみれば ビスマスの化合物が イギリスの Mining of Chemical Products Group SA 3-337 -

(MCP グループ ) が ベルギーの Sidech/Sidmet SA を吸収合併して世界第一位のメーカーになっている 中国にも設立して 中国市場に進出している 中国でも Vital Chemical がビスマス化合物の生産をしており 今後 中国市場での高まる需要に対応する体制を取っている 一方 日本では化合物メーカー自身での生産量は頭打ちであり 今後 減少するのではと予想される 4-338 -

ビスマス (Bi) のマテリアルフロー (2010) 量の単位 :Bi 純分 t < 原料 > < 金属 > < 中間製品 > < 最終製品 > < 主要応用製品 > < リサイクル > 鉛電解スライム 製錬工程 低融点合金 ( スプリンクラー はんだ ) はんだの一部で実施 生産量 (448) (87) 輸入 冶金添加物 ( 可鍛鋳鉄 アルミ合金 銅合金 ビスマス系超伝 リサイクルなし 輸入量 (366) (53) 導線 環境対応快削合金 金型用合金 ) 輸入国中国 (195) ビスマス酸化 化合物 医薬品 ( 医薬品化合物 ) 韓国 ( 99) (20) メキシコ ( 54) 触媒 ( アクリロニトリル ) リサイクルなし ベルギー ( 13) (42) 米国 ( 5) フェライト ( 自動車 家電用磁石 ) リサイクルなし (4) その他 ( 塗料 医療機器センサー ペルチェ素子等 ) リサイクルなし (259) < 総供給量 >(814) < 内需 >(464) < 輸出量 > (151) ( 出典 ) 財務省貿易統計 日本鉱業協会 - 339 -

ビスマス (Bi) リサイクルの現状 主な応用製品 利用形態 使用済み品の存在形態 / 量 リサイクル形態 リサイクル 備考 ( 注 4) 現状評価 形態等量 (t) リサイクルの実態リサイクルのサイクル ( 注 2) リサイクル率 (A~G)( 注 3) スプリンクラー はんだ ( 注 1) 低融点合金 スプリンクラー (32t) はんだなど一部でリ スプリンクラー (~30 年 ) スプリンクラー 0% G( 建物に付属 ) 廃電気電子機器 サイクル 廃電気電子機器 (5~10 年 ) E 基板などは 10% 程度 継手 ( 可鍛鋳鉄 ) 冶金添加剤 廃配管継手 (43t) りサイクルなし 廃配管継手 (-) 0% B 快削合金 廃電気電子機器 廃電気電子機器 (5~10 年 ) Bi は微量添加しているのみである 鉄鋼 アルミ合金 銅合金スクラップとしてはリサイクルされている 金型 医薬品 化合物 (14t) リサイクルなし 0% B アクリロニトリル製造触媒 触媒使用済み触媒 (19t) リサイクルなし (4~6 年 ) 0% E アクリロニトリルの Mo は回収されているが Bi は回収されていない フェライト磁石モーターなど廃電気電子機器 (24t) リサイクルなし (5~10 年 ) 0% B フェライト磁石の性能向上のために少量含有されている 磁石もほとんど回収されていない その他 防錆塗料 (319t) リサイクルなし (-) 0% 医療機器センサー 熱電素子 など ( 出典 : 日本鉱業協会 鉱山 2010 年 8 月号 ( 注 )1 量の単位 : 2 サイクル : 3 現状評価 ( ) 内の使用量純分 ( ) 内は推定使用年数 A: 応用製品が消耗品である E: 経済性がない 4 リサイクルのボトルネックと解決の難易度 その他は発生量純分その他は実リサイクル年数 B: 添加剤として使用されている F: 需要開発が十分にされていない毒性 保管の危険性の有無など C: リサイクルの流通システムがない G: その他 D: 効果的なリサイクル技術がない 6-340 -