り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

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おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

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Microsoft Word - 20年度(行情)答申第585号.doc

これを公にした場合には 政府の情勢認識 関心事項 情報収集能力等が明らかとなり 又は推察されると認められる したがって 当該不開示部分を公にすることにより 我が国の安全が害されるおそれ 又は公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき 相当の理由があるとして法 5

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 30 年 9 月 26 日 ( 平成 30 年 ( 行情 ) 諮問第 424 号 ) 答申日 : 平成 31 年 3 月 29 日 ( 平成 30 年度 ( 行情 ) 答申第 554 号 ) 事件名 : 不動産鑑定士に対する懲戒処分について に係る決裁文書の

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第183号.doc

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

答申第693号

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

書のみが公開されており, 設計書は事前にも事後にも公開されていない 設計書が公開されていないことにより, 測量業務における加減率 ( 耕地, 村落地, 準市街地, 市街地, 過密市街地等のどれに該当するかによる人員や作業時間 ) が不明であり, また, 測量の変化率の諸条件係数 ( 傾斜区分, 視通

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

11総法不審第120号

ださい との付記があったことから, 処分庁が行政文書の特定を容易にできるよう, 審査請求人において法人設立時に提出されたものと思われる行政文書の名称を列記して記載したところである 本件請求を受けて, 処分庁は, 補正を要する事項があるとして, 平成 27 年 11 月 17 日付け特定記号第 136

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

第1 審査会の結論

< F2D95F193B98E9197BF D86A D D96B1>

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

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第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

諮問第 483 号 答 申 第 1 審査会の結論 千葉県教育委員会 ( 以下 実施機関 という ) の決定は妥当である 第 2 異議申立人の主張要旨 1 異議申立ての趣旨異議申立ての趣旨は 実施機関が平成 24 年 3 月 28 日付教財第 1947 号で行った行政文書不開示決定 ( 以下 本件決定

11総法不審第120号

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

ないことから明らかである イ全体設計書が請負業者の承諾もなく変更され 当初の全体設計書とは異なる工事完成後の出来形数値が記載された全体設計書が会計検査時に用いられており 違法がある ウ全体設計書の保存期間は10 年間とされているが 入札に供した全体設計書が廃棄されていることについて違法がある エ低入

答申第203号(公表用)

Microsoft Word - 答申第141号.doc

Taro-答申第64号

Microsoft Word - 答申第41号.doc

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

を原因としたものであるのか, あるいは処分庁の事務又は事業の在り方自体に内在する問題を原因としたものであるのかを精査した上で4 号該当の適否を判断するべきである 後者を原因とした不都合であるとすれば, 開示情報により処分庁の諸活動を国民に説明する責務が全うされるように, 処分庁の事務又は事業の在り方

2 審査請求の理由 (1) 審査請求書 ( 諮問第 586 号ないし第 589 号 ) ア審査請求の経緯 ( ア ) 特定年月日 A, 平成 26 年度司法書士試験筆記試験実施 ( イ ) 特定年月日 B, 平成 26 年度司法書士試験多肢択一式における法務省解答発表 ( ウ ) 特定年月日 C,

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総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

< F2D F8C668DDA A91E D86939A905C>

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

11総法不審第120号

処分済み

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

( イ ) 私は, 平成 27 年 4 月 8 日の年機構発 2 号 保有個人情報の開示をしない旨の決定について ( 通知 ) を見て驚いている 書類があるのに開示しないのは, 非常に遺憾である 特定年金事務所が, 私の 保有個人情報の開示請求 を受付けないことで, 私は会社との民事裁判平成 23

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

11総法不審第120号

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

大情審答申第 号

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

2 異議申立ての理由 文書不存在 はあり得ないと考える 第 4 実施機関の説明要旨 実施機関から提出された理由説明書の要旨は次のとおりである 1 本件開示請求と関わる可能性がある文書がないか調査した 開示請求のあった文書が 沖縄県と福建省との友好省県締結に関わるものであることが推測されたことから 対

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

11総法不審第120号

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

Taro-合同委員会合意

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

11総法不審第120号

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

横情審答申第 1352 号 平成 28 年 10 月 14 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市の保有する情報の公開に関する条例第 19 条第 1 項の規定に基づく 諮問について ( 答申 ) 平成 28 年 4 月 21 日建都計第 136 号による次の

11総法不審第120号

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

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債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

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平成25年2月 日

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告

Transcription:

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 28 年 4 月 6 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 293 号 ) 答申日 : 平成 29 年 3 月 15 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 795 号 ) 事件名 : 米軍が横田空域を管理していることの法的根拠等が分かる文書等の不開示決定に関する件 答申書 第 1 審査会の結論別紙に掲げる文書 1ないし文書 9( 以下 本件対象文書 という ) につき, その全部を不開示とした決定は, 文書 1ないし文書 8については, 妥当であり, 文書 9については, 結論において妥当である 第 2 異議申立人の主張の要旨 1 異議申立ての趣旨行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 以下 法 という )3 条の規定に基づく開示請求に対し, 国土交通大臣 ( 以下 諮問庁 又は 処分庁 という ) が行った平成 27 年 10 月 30 日付け国広情第 22 3 号による不開示決定 ( 以下 原処分 という ) について, その取消しを求める 2 異議申立ての理由異議申立人が主張する異議申立ての理由は, 異議申立書の記載によると, おおむね以下のとおりである (1) 日米両政府の合意について不開示の理由として 日米双方の合意がない限り公表されないことが日米両政府間で合意されており と書かれているが, いつ, どこで, 何のために, 誰が担当者となって合意したのでしょうか また, 公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがある と書かれていますが, 公開したらどうして日本とアメリカの信頼関係が損なわれるのでしょうか (2) インターネット上にアップされている文書について文書 7については, すでにインターネット上にアップされているため, 不開示とする理由はないと考えられます 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件異議申立てについて (1) 本件開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対して, 別紙に掲げる文書 1 ないし文書 9( 本件対象文書 ) の開示を求めたものである (2) これを受けて, 処分庁は, 本件対象文書は, 日米双方の合意がない限 1

り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて本件異議申立てを提起したものである 2 理由説明書 (1) 日米両政府間の合意について本件対象文書は, 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 6 条に基づく施設及び区域並びに日本国におけるアメリカ合衆国軍隊の地位に関する協定 ( 以下 日米地位協定 という )25 条に定める日米合同委員会の関連文書である 日米合同委員会の関連文書については, 昭和 35 年 6 月 23 日の第 1 回日米合同委員会における合意により, 日米双方の合意がなければ公表されないことが日米両政府間で合意されている したがって, 本件対象文書を公表することは, 米国との信頼関係を損なうおそれがあるとされているため, 不開示とする原処分を行ったものである 日米合同委員会では, その内容が公表されないことを前提に, 日米地位協定の実施に関し相互間の協議を必要とする全ての事項に関して忌たんのない協議や意見交換を行っている かかる協議によって, 在日米軍をめぐる諸問題に日米両政府が迅速かつ効果的に対応することが可能となっており, 在日米軍の我が国での安定的かつ円滑な活動を確保するうえで極めて重要な要素となっている また, 在日米軍をめぐる諸問題は, その性質上, 日米両国の国家全体としての利害のみならず, 在日米軍の利害, 日本国内の諸勢力の利害など様々な利害が複雑に絡み合っているところ, 公表を前提とした協議では, このような複雑な利害関係の調整を図ることは極めて困難である このような事情から, 日米合同委員会の意見の交換や協議の内容 ( 及びそれが記録された文書 ) については, 日米双方の合意がない限り, 公表されないことが日米両政府間で合意されており, 仮に本件対象文書が開示されることとなれば, 日米間の信頼関係を損ない, 今後, 米国側との間で忌たんのない協議を行えなくなるおそれがあり, ひいては米軍をめぐる諸問題に対する日米両政府の対処能力を低下させ, 米軍の我が国での安定的かつ円滑な活動を阻害するおそれがあることから, 法 5 条 3 号に該当することとなり, 不開示とした原処分は妥当である (2) インターネット上にアップされている文書について異議申立人は, 文書 7がインターネット上にアップされているため, 開示すべきと主張するが, 諮問庁において処分庁に確認したところ, そういった事実はなく, また, 公にすることが予定されている情報でもな 2

いとの報告を受けている したがって, 文書 7を不開示としたことは妥当である 3 補充理由説明書 (1) 特定した文書について別紙に掲げる文書 1ないし文書 8について, 特定した文書は, 以下のとおりである 日米合意文書 2 件, 日米協定書 1 件, 日米覚書 1 件, 米軍運用所要 1 件,Airspace management of ATMC in JCAB1 件, アルトラブ ノータム関連文書 36 件 (2) 文書 7の不開示理由について文書 7については, 他の文書 1ないし文書 6 及び文書 8 同様, 日米合同委員会の関連文書であり, その意見の交換や協議の内容 ( 及びそれが記録された文書 ) については, 日米双方の合意がない限り, 公表されないことが日米両政府間で合意されている 仮に文書 1ないし文書 6 及び文書 8が開示されることとなれば, 日米間の信頼関係を損ない, 今後, 米国側との間で忌たんのない協議を行えなくなるおそれがあり, ひいては米軍をめぐる諸問題に対する日米両政府の対処能力を低下させ, 米軍の我が国での安定的かつ円滑な活動を阻害するおそれがあることから, 法 5 条 3 号に該当することとなり, 不開示とすると理由説明書で説明したところである しかしながら, 諮問庁として, 文書 7の不開示理由について, 処分庁に改めて確認させたところ, 処分庁から以下のとおり回答があった 文書 7は, 国連機関である国際民間航空機関 (ICAO) が開催している Civil/Military Lecture/Semina r( 民軍協調セミナー / ワークショップ ) で, 国土交通省が発表した資料であり,ICAO 北京支所関連サイトに掲載されたが, 本件開示請求時点では削除されており, 公になっている資料ではない 当該資料について, 国土交通省がICAOにサイト上から削除することを依頼したにもかかわらず, 公にしてしまうと,ICAOからセミナーの開催等の情報提供を得ることができなくなり, 航空交通管理の国際的な連携が困難になり, 他国の航空交通管理に関する有益な情報が得られず, 航空交通管理の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある また, 当該資料は, 日米合同委員会の関連文書の内容を推察され, これを公にすると, 米軍からの情報共有が適切に行われなくなり, 民間航空機の安全且つ円滑な運航に支障が生じるなどの混乱を生じるおそれがあり, 航空交通管理の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある 上記処分庁の説明を受け, 諮問庁としては, 文書 7は法 5 条 6 号に該当し, 不開示とする 3

(3) 文書 9の不開示理由について文書 9については, 他の文書 1ないし文書 6 及び文書 8 同様, 日米合同委員会の関連文書であり, その意見の交換や協議の内容 ( 及びそれが記録された文書 ) については, 日米双方の合意がない限り, 公表されないことが日米両政府間で合意されている 仮に文書 1ないし文書 6 及び文書 8が開示されることとなれば, 日米間の信頼関係を損ない, 今後, 米国側との間で忌たんのない協議を行えなくなるおそれがあり, ひいては米軍をめぐる諸問題に対する日米両政府の対処能力を低下させ, 米軍の我が国での安定的かつ円滑な活動を阻害するおそれがあることから, 法 5 条 3 号に該当することとなり, 不開示とすると理由説明書で説明したところである しかしながら, 諮問庁として, 文書 9の存在について, 処分庁に改めて確認させたところ, 処分庁から以下のとおり回答があった 文書 9の保存期間は, 国土交通省行政文書管理規則第 14 条に則り, 保存期間は5 年としてあるため, 過去 5 年間について文書 9を調べたところ, 航空法第 76 条の2に基づく異常接近に関する機長報告のうち米軍機に関連したものは一切確認できず, 文書 9に該当する文書は存在しなかった 上記処分庁の説明を受け, 諮問庁としては, 文書 9に該当する文書は, 当該文書が存在すればその性質上法 5 条 3 号に該当することは認められるものの, 文書 9に該当する文書が存在しない現時点において不開示理由は, 保有しておらず不存在のため, 不開示とする 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 調査審議を行った 1 平成 28 年 4 月 6 日諮問の受理 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 3 同月 25 日審議 4 同年 11 月 1 日本件対象文書の見分及び審議 5 平成 29 年 2 月 9 日諮問庁から補充理由説明書を収受 6 同年 3 月 13 日審議第 5 審査会の判断の理由 1 本件対象文書について本件開示請求は, 別紙に掲げる文書 1ないし文書 9( 本件対象文書 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件対象文書の全部を法 5 条 3 号に該当するとして不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った 異議申立人は, 原処分の取消しを求めているが, 諮問庁は, 補充理由説明書を提出し, 文書 7については法 5 条 6 号柱書きに該当し, 文書 9につ 4

いては不存在であると不開示理由を変更した上で原処分は妥当としていることから, 以下, 本件対象文書の見分結果を踏まえ, 本件対象文書の不開示情報該当性について検討する 2 不開示情報該当性について (1) 文書 1ないし文書 6 及び文書 8についてア本件対象文書を見分すると, 文書 1ないし文書 6 及び文書 8は, 日米合意文書, 日米協定書, 日米覚書, 米軍運用所要及びアルトラブ ノータム関連文書であり, 文書 1, 文書 3, 文書 5 及び文書 6については, この文書は日米の政府に関連する公文書であり, 双方の合意がない限り, 公表しない 旨の英文の記載があることが認められる 当審査会事務局職員をして, 諮問庁に対し, 文書 1ないし文書 6 及び文書 8について, 法 5 条 3 号に該当するとして不開示とした経緯等について改めて確認させたところ, 諮問庁はおおむね以下のとおり説明する ( ア ) 文書 1ないし文書 6 及び文書 8は, 日米合同委員会関連の文書であり, 日米双方の合意がなければ公表されないことが日米両政府間で合意されている ( イ ) 具体的には, 文書 1, 文書 3, 文書 5 及び文書 6については, この文書は日米の政府に関連する公文書であり, 双方の合意がない限り, 公表しない 旨の英文の記載があり, このような記載がない文書 2 及び文書 4についても, これらは米空軍との協定書及び覚書であり, これらを開示することとなれば, 日米間の信頼関係を損ない, 今後, 米国側との間で忌たんのない協議を行えなくなるおそれがあり, ひいては米軍をめぐる諸問題に対する日米両政府の対処能力を低下させ, 米軍の我が国での安定的かつ円滑な活動を阻害するおそれがある また, 文書 8についても, 日米間における197 5 年 4 月の覚書及び1996 年 3 月の日米合同委員会合意において, 日米双方の合意なしに公表しないこととしている ( ウ ) なお, 文書 1ないし文書 6 及び文書 8について, 米国側に本件開示請求を受けて, その開示の可否について意見を求めたところ, 不開示が妥当である旨の回答を得ているところである イ上記アの諮問庁の説明及び本件対象文書の見分結果を踏まえると, 文書 1ないし文書 6 及び文書 8として処分庁が特定した各文書は, これらを開示することとなれば, 我が国と米国との信頼関係を損なうおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められるので, 法 5 条 3 号に該当し, 不開示としたことは妥当である (2) 文書 7についてア本件対象文書を見分すると, 文書 7は国土交通省が作成した資料で 5

あり, 日米合同委員会の関連文書の内容が推察される内容であることが認められる 諮問庁は, 不開示情報該当性について, 補充理由説明書 ( 上記第 3の3(2)) 及び当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させた結果によると, おおむね以下のとおり説明する ( ア ) 文書 7は, 国連機関である国際民間航空機関 (ICAO) が開催している Civil/Military Lecture/Se minar( 民軍協調セミナー / ワークショップ ) で, 国土交通省が発表した資料であり, 一時期,ICAOから国土交通省にIC AO 北京支所関連サイトへの掲載の可否の確認が行われることなく同サイトに掲載されたが, 国土交通省がICAOにこれを削除するよう依頼した結果, 本件開示請求時点では削除されており, 公になっている資料ではない ( イ ) 当該資料について, 国土交通省がICAOにサイト上から削除することを依頼したにもかかわらず, その一方で自らこれを公にしてしまうと,ICAOからセミナーの開催等の情報提供を得ることができなくなり, 航空交通管理の国際的な連携が困難になり, 他国の航空交通管理に関する有益な情報が得られず, 航空交通管理の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある ( ウ ) また, 当該資料は, 日米合同委員会の関連文書の内容を推察される内容であり, これを公にすると, 米軍からの情報共有が適切に行われなくなり, 民間航空機の安全かつ円滑な運航に支障が生じるなどの混乱が生じるおそれがあり, 航空交通管理の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから, 法 5 条 6 号に該当する イ本件対象文書の見分結果を踏まえると, 文書 7として処分庁が特定した文書を開示した場合, 航空交通管理の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとする上記アの諮問庁の説明は否定し難い したがって, 文書 7は法 5 条 6 号柱書きに該当すると認められ, 不開示としたことは妥当である (3) 文書 9についてア諮問庁は, 文書 9を不開示とする理由について, 補充理由説明書 ( 上記第 3の3(3)) 及び当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させた結果によると, おおむね以下のとおり説明する ( ア ) 国土交通省行政文書管理規則 14 条にのっとり, 文書 9の保存期間は5 年としてあるため, 過去 5 年間について文書 9を調べたところ, 航空法 76 条の2に基づく異常接近に関する機長報告のうち米軍機に関連したものは一切確認できず, 文書 9に該当する文書は存在しなかった ( イ ) 念のため, 本件審査請求を受け, 改めて処分庁に対し, 文書 9を 6

保有しているか確認するため, 担当部署の執務室, 書庫等を入念に探索させたが, 文書 9の存在は確認できなかった イ文書 9を保有していないとする上記アの諮問庁の説明に特段不自然 不合理な点は認められず, これを覆すに足る事情は認められない したがって, 国土交通省において, 文書 9を保有しているとは認められないので, 文書 9の開示請求につき, 法 5 条 3 号に該当するとして不開示とした原処分については, 不存在による不開示決定をすべきであるが, 原処分を取り消して再度不開示決定をする実益はないので, 結論において妥当である 3 異議申立人のその他の主張について異議申立人はその他種々主張するが, いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない 4 付言文書 9について, 処分庁は法 5 条 3 号によりその全てを不開示とする原処分を行い, 諮問庁も当初は原処分は妥当である旨説明していたが, 結局, 諮問後に当該文書は不存在であることが判明するなど, 本件開示請求に対する処理は甚だ不適切であったといわざるを得ない 今後, 諮問庁 ( 処分庁 ) においては, 開示決定等の重要性に鑑み, 誤りのない適切な処理をすることが望まれる 5 本件不開示決定の妥当性について以上のことから, 本件対象文書につき, その全部を法 5 条 3 号に該当するとして不開示とした決定について, 諮問庁が文書 1ないし文書 8は同条 3 号及び6 号に該当し, 文書 9は保有していないことから不開示とすべきとしていることについては, 文書 1ないし文書 8は, 同条 3 号及び6 号柱書きに該当すると認められるので, 不開示としたことは妥当であり, また, 文書 9については, 国土交通省において保有しているとは認められないので, 不開示としたことは結論において妥当であると判断した ( 第 5 部会 ) 委員南野聡, 委員椿愼美, 委員山田洋 7

別紙 本件対象文書文書 1 米軍の 横田空域 が設置され, 提供され, 米軍がその管制業務など空域を管理していることの法的根拠, 法律上の根拠などを記している文書など関連文書のすべて 文書 2 米軍の 横田空域 の設置提供と米軍によるその管制業務など空域の管理をめぐって日本側と米国側で合意をした, 取り決めをした文書など関連文書のすべて 文書 3 米軍の 岩国空域 が設置され, 提供され, 米軍がその管制業務など空域を管理していることの法的根拠, 法律上の根拠などを記している文書など関連文書すべて 文書 4 米軍の 岩国空域 の設置, 提供と米軍によるその管制業務など空域の管理をめぐって日本側と米国側で合意をした, 取り決めをした文書など関連文書のすべて 文書 5 2010 年に米軍の 嘉手納ラプコン が日本側に移管された際, 嘉手納ラプコン の進入管制業務の移管に関し,2010 年 3 月 1 8 日に日米合同委員会で承認された合意文書, CIVIL AER ONAUTICS SUBCOMMITTEE MEMORANDU M FOR:The Joint Committee SUBJE CT: Amendment to the Okinawa Ai r Traffic Control Agreement dat ed 15 May 1972 の英文テキスト(AnnexやTA Bを含めた ) 全文と日本語訳文 文書 6 2010 年に日本側に米軍の 嘉手納ラプコン が移管されるまで, その移管交渉において, 日米合同委員会民間航空分科委員会及び特別作業部会で米国側が示し説明した, 沖縄進入管制業務の移管に係る 運用所要 と関連文書すべて 文書 7 2014 年 11 月 19 日 ~21 日に中国の北京で開かれた Civ il/military.lecture/seminar で国土交通省が発表した英文資料, Airspace manageme nt of ATMC in JCAB とその日本語訳文, 同じような内容を日本語で説明している文書など関連文書のすべて 文書 8 アメリカ軍用機の行動のための空域の一時的保留 ( アルトラブ ) の実施情報を民間機に知らせるために公示されるノータム ( 飛行情報 ) が記録されている文書, つまり国土交通省が保有している米軍機のアルトラブに関するノータムのすべて 8

文書 9 過去に起きたアメリカ軍用機と民間機のニアミス, コンフリクショ ンの記録が記された文書など関連文書のすべて 9