・構成の異なる集団での活動を通して、生徒が学校生活を送る上での基盤となる力や社会で生きて働く力を育む活動として機能してき

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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

ICTを軸にした小中連携

第4章 道徳

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

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Microsoft Word - 学習指導要領改訂のポイントQ&A(表紙)

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

り込んで獲得するものではなく 探究の過程を通して 自分自身で取捨 選択し 整理し 既にもっている知識や体験と結び付けながら 構造化され 身に付けていくものである そして こうした過程を経て獲得された知識は 実社会 実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識 すなわち概念として形成されて

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

人権教育の推進のためのイメージ図

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教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

PowerPoint プレゼンテーション

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

工業教育資料347号


第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

新しい幼稚園教育要領について


佐賀県教育センター 平成 24 年 2 月 1 日 新学習指導要領で評価が変わる! 新学習指導要領における学習評価の進め方 ( 中学校特別活動 ) 平成 24 年度から, 中学校では新学習指導要領が全面実施となります 新学習指導要領の趣旨を反映した学習評価の考え方については, 平成 23 年 7 月

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続の在り方について ( 報告 ) ( 概要 ) 子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期の教育 ( 幼稚園 保育所 認定こども園における教育 ) と児童期の教育 ( 小学校における教育 ) の円滑な接続の在り方について検討し 以下のとおり 報告をとりまとめた 1

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

スライド 1

平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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造を重ねながら取り組んでいる 人は, このような自分の役割を果たして活動すること, つまり 働くこと を通して, 人や社会にかかわることになり, そのかかわり方の違いが 自分らしい生き方 となっていくものである このように, 人が, 生涯の中で様々な役割を果たす過程で, 自らの役割の価値や自分と役割

新学習指導要領の理念と カリキュラム マネジメント 2019( 平成 31) 年 1 月 16 日 文部科学省 3 階講堂 天笠茂 ( 千葉大学特任教授 )

各教科 科目において 基礎的 基本的な知識 技能の習得とともに 知識 技能を活用する学習活動を重視すること 各教科 科目において 義務教育と高等学校との間の系統性を重視した円滑な接続を図ること 豊かな心や健やかな体の育成のため 道徳教育の充実や健やかな心身の育成についての指導の充実を図ること 生きる

希望が丘高等学校年間計画

愛媛県学力向上5か年計画

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

現職教育(移行措置)1002完成8ページ版

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

政経 311 政治・経済

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

4 選抜方法 ( 1 ) 選抜の方法 学力検査の成績 調査書の得点 第 2 日の検査 ( 面接 ) の得点 を全て合計した 総得点 により順位をつけ 各選抜資料の評価等について慎重に審議しながら 予定人員までを入学許可候補者として内定する < 総得点の満点の内訳 > 調査書の得点第 2 日の検査学力

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

基本施策情報活用能力の育成を図ります 幼児教育の推進 にあたっては 幼児期が生涯の人格形成の基礎を培う大切な時期であるとの認識のもと 子どもたちの心身の発達に資する質の高い幼児教育を推進します 2 人との絆や自然との関わりの中で伸びゆく豊かな心の育成 子どもたちが生命を大切にする心や思いやりの心 感

平成 30 年 4 月 1 日 平成 30 年度 第 70 回 日本連合教育会研究大会 桐生大会 大会主題 分科会研究協議題 等 Ⅰ 大会主題及び大会主題設定の趣旨 Ⅱ 分科会研究協議題 研究協議題設定の理由 研究協議の視点 (1) 第 1 分科会国語 (2) 第 2 分科会 社会 (3) 第 3

副教材「私たちが拓く日本の未来」活用のための指導資料(P6~P15)

第 1 章高校教育を取り巻く現状と課題 2 高校教育を取り巻く現状と課題 (2) 県立高校の現状と課題 4 不登校生徒や中途退学者の状況 そのため, 高校と中学校 特別支援学校 地域の保健福祉部門等との連携を強化し, 教育相談体制を拡充するとともに, 生徒一人一人の自己肯定感の涵養や自己実現を積極的

31阿賀野全:方針実践のための行動計画

平成28年度 小学校外国語活動 2_研究の実際(1)方向性

基礎的 はんよう汎用的能力は 分野や職種にかかわらず 社会的 職業的自立に向け て必要な基盤となる能力であると考える 例えば 企業が新規学卒者に期待する力は 就職の段階で 即戦力 といえる状態にまで学校教育を通じて育成することを求めているわけではなく 一般的には コミュニケーション能力 熱意 意欲

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生徒指導提要 第1章~第4章

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc

求められる整理編

Taro-自立活動とは

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

商業科 ( 情報類型 ) で学習する商業科目 学年 単位 科目名 ( 単位数 ) 1 11 ビジネス基礎 (2) 簿記(3) 情報処理(3) ビジネス情報(2) 長商デパート(1) 財務会計 Ⅰ(2) 原価計算(2) ビジネス情報(2) マーケティング(2) 9 2 長商デパート (1) 3 プログ

Microsoft Word - 社会科

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

4 選抜方法 (1) 選抜の方法 本校の 期待する生徒像 に基づき, 学力検査の成績, 調査書, 面接の結果 等を総合的に判定して入学者の選抜を行う ア 下表のとおり合計点を算出する 学力検査 調査書 5 教科の 教科の学習の記録 出欠 行動 特別活動 部活動等 面接 得点合計 の記録 の記録 の記

生徒指導の役割連携_四.indd

第1節キャリア教育の必要性と意義(その2)

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

成績評価を「学習のための評価」に

Transcription:

特別活動 1 学習指導要領改訂の趣旨 平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申を踏まえ 改訂の方向性が次のとおり示された (1) 特別活動の成果 構成の異なる集団での活動を通して 生徒が学校生活を送る上での基盤となる力や社 会で生きて働く力を育む活動として機能してきたこと 協働性や異質なものを認め合う土壌を育むなど 生活集団 学習集団として機能するため の基盤となるとともに 集団への所属感 連帯感を育み それがホームルーム文化 学校文化への醸成とつながり 各学校の特質ある教育活動の展開を可能としてきたこと (2) 特別活動の課題 ア イ ウ 特別活動において育成することを目指す資質 能力の視点 ホームルーム活動 生徒会活動及び学校行事 ( 以下 各活動 学校行事 という ) において身に付けるべき資質 能力は何なのか どのような学習過程を経ることに より資質 能力の向上につなげるのかということが必ずしも意識されないまま指導 が行われてきたこと 特別活動が各教科等の学びの基盤となるという面もあり 教育課程全体における特別活動 の役割や機能を明らかにする必要があること 内容の示し方の視点 内容や指導のプロセスの構造的な整理が必ずしもなされていないこと 各活動等の関係性や意義 役割の整理が十分でないまま実践が行われてきたこと 複雑で変化の激しい社会の中で求められる能力を育成するという視点 社会参画の意識の低さが課題となる中で 自治的な能力の育成が求められていること キャリア教育を学校教育全体で推進する中で特別活動が果たす役割への期待が大きいこと 防災を含む安全教育や体験活動など 社会の変化や要請も視野に入れ 各教科等の学習 と関連付けながら 特別活動において育成を目指す資質 能力を示す必要があること (3) 改訂の基本的な方向性 特別活動は 様々な構成の集団 から学校生活を捉え 課題の発見 や解決を行い よりよい集団や学 校生活を目指して様々に行われる 活動である 活動範囲は 図のよ うに 学年 学校段階が上がるに つれて 広がりをもっていき そ こで育まれた資質 能力は 社会 例えば 体育祭 を通して どのような資質 能力を身に付けさせるのか といった視点をもって特別活動を計画 実施することが必要である に出た後の集団や人間関係の中で 生かされていく 図中央教育審議会 (H28.12.21 答申 ) このような特質を踏まえ 指導する上での重要な視点を 人間関係形成 ( 集団の中で 人間関係を自主的 実践的によりよいものへと形成するという視点 ) 社会参画 ( 集団や社会に参画し様々な問題を主体的に解決しようという視点 ) 自己実現 ( 集団の中で 現在及び将来の自己の生活の課題を発見し よりよく改善しようとする視点 ) - 特別活動 1 -

の三つに整理した 三つの視点はそれぞれ重要であるが 相互に関わり合っていて 明 確に区別されるものではないことに留意することが必要である 2 主な改訂事項 (1) 特別活動の目標 今回の改訂では 各教科 科目等と同様に特別活動においても 指導を通してどのような資質 能力の育成を目指すのかを明確にしつつ それらを育むに当たり 学びの過程において特別活動の 見方 考え方 を働かせながら 教育活動の充実を図ることが次のとおり目標の中で示された 特別活動の目標 ( 全体目標 ) 集団や社会の形成者としての見方 考え方を働かせ 様々な集団活動に自主的 実践的に取り組み 互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して 次のとおり資質 能力を育成することを目指す (1) 多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し 行動の仕方を身に付けるようにする ( 知識及び技能 ) (2) 集団や自己の生活 人間関係の課題を見いだし 解決するために話し合い 合意形成を図ったり 意思決定したりすることができるようにする ( 思考力 判断力 表現力等 ) (3) 自主的 実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして 主体的に集団や社会に参画し 生活及び人間関係をよりよく形成するとともに 人間としての在り方生き方についての自覚を深め 自己実現を図ろうとする態度を養う ( 学びに向かう力 人間性等 ) 見方 考え方学びの過程育成を目指す資質 能力 (2) 各活動 学校行事の目標と内容各活動 学校行事の目標には 集団の特質や活動の過程の特徴を踏まえた活動を通して 特別活動の全体目標に示された資質 能力を育てるものであることが示されている また 内容について 従来は項目だけが示されていたが それぞれの項目についてどのような過程を通して学ぶのかが端的に示された 各学校においては こうした特別活動の全体目標と各活動 学校行事の関係を踏まえて指導計画を作成し 指導の充実を図ることが大切である ア ホームルーム活動 ホームルーム活動の目標 ホームルームや学校での生活をよりよくするための課題を見いだし 解決するために話し合い 合意形成し 役割を分担して協力して実践したり ホームルームでの話合いを生かして自己の課題の解決及び将来の生き方を描くために意思決定して実践したりすることに 自主的 実践的に取り組むことを通して 特別活動の全体目標に掲げる資質 能力を育成することを目指す ホームルーム活動において育成すべき資質 能力 ( 例 ) 知識及び技能思考力 判断力 表現力等学びに向かう力 人間性等 ホームルームや学校における ホームルームや学校及び自己 ホームルームや学校における集 集団生活や主体的かつ自律的なの生活 人間関係をよりよくす団活動を通して身に付けたことを 生活を送ることの意義を理解し るための課題を見いだし 解決生かして 人間関係をよりよく形 そのために必要となることにつするために話し合い 合意形成成し 他者と協働して集団や自己 いて理解し身に付けるようにすを図ったり 意思決定したりすの課題を解決するとともに 人間 る ることができるようにする としての在り方生き方についての自覚を深め その実現に向けて 主体的に日常生活の向上を図ろう とする態度を養う - 特別活動 2 -

ホームルーム活動の内容 項目学びの過程 (1) では 学習の過程として 集団と しての合意形成を行うことが示された (1) ホームルームや学校におけ合意形成る生活づくりへの参画アホームルームや学校にお ホームルームや学校における生活を向上 充実させるための課題をける生活上の諸問題の解決見いだし 解決するために話し合い 合意形成を図り 実践すること イホームルーム内の組織づ ホームルーム生活の充実や向上のため 生徒が主体的に組織をつくくりや役割の自覚り 役割を自覚しながら仕事を分担して 協力し合い実践すること ウ学校における多様な集団 生徒会などホームルームの枠を超えた多様な集団における活動や学の生活の向上校行事を通して学校生活の向上を図るため ホームルームとしての提案や取組を話し合って決めること (2) 及び (3) では 学習の課程として (2) 日常の生活や学習への適応一人一人の意思決定を行うことが示された 意思決定と自己の成長及び健康安全 ア 自他の個性の理解と尊重 自他の個性を理解して尊重し 互いのよさや可能性を発揮し コミ よりよい人間関係の形成 ュニケーションを図りながらよりよい集団生活をつくること イ 男女相互の理解と協力 男女相互について理解するとともに 共に協力し尊重し合い 充実した生活づくりに参画すること ウ 国際理解と国際交流の推 我が国と他国の文化や生活習慣などについて理解し よりよい交流 進 の在り方を考えるなど 共に尊重し合い 主体的に国際社会に生き る日本人としての在り方生き方を探求しようとすること エ 青年期の悩みや課題とそ 心や体に関する正しい理解を基に 適切な行動をとり 悩みや不安 の解決 に向き合い乗り越えようとすること オ 生命の尊重と心身ともに 節度ある健全な生活を送るなど現在及び生涯にわたって心身の健康 健康で安全な生活態度や規 を保持増進することや 事件や事故 災害等から身を守り安全に行 律ある習慣の確立 動すること 学校 家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て 学んだことを振り返りながら 新たな学習や生活への意欲 につなげたり 将来の生き方を考えたりする活動を行うこ (3) 一人一人のキャリア形成と意思決定とが示された 自己実現ア学校生活と社会的 職業 現在及び将来の生活や学習と自己実現とのつながりを考えたり 社的自立の意義の理解会的 職業的自立の意義を意識したりしながら 学習の見通しを立て 振り返ること イ主体的な学習態度の確立 自主的に学習する場としての学校図書館等を活用し 自分にふさわと学校図書館等の活用しい学習方法や学習習慣を身に付けること ウ社会参画意識の醸成や勤 社会の一員としての自覚や責任をもち 社会生活を営む上で必要な労観 職業観の形成マナーやルール 働くことや社会に貢献することについて考えて行動すること エ主体的な進路の選択決定 適性やキャリア形成などを踏まえた教科 科目を選択することなどと将来設計について 目標をもって 在り方生き方や進路に関する適切な情報を収集 整理し 自己の個性や興味 関心と照らして考えること イ 生徒会活動 生徒会活動の目標 異年齢の生徒同士で協力し 学校生活の充実と向上を図るための諸問題の解決に向けて 計画を立て役割を分担し 協力して運営することに自主的 実践的に取り組むことを通して 特別活動の全体目標に掲げる資質 能力を育成することを目指す 生徒会活動において育成すべき資質 能力 ( 例 ) 知識及び技能思考力 判断力 表現力等学びに向かう力 人間性等 生徒会やその中に置かれる委員会生徒会において 学校全体の生自治的な集団における活動などの異年齢により構成される民主活をよりよくするための課題を見の中で身に付けたことを生か的かつ自治的組織における活動の意いだし その解決のために話し合して 多様な他者と協働し 義について理解するとともに そのい 合意形成や意思決定すること学校や社会におけるよりよい活動のために必要なことを理解し行で よりよい人間関係を形成する生活づくりに参画しようとす動の仕方を身に付けるようにする ことができるようにする る態度を養う - 特別活動 3 -

生徒会活動の内容 項目学びの過程 生徒が主体的に組織をつくること また 学校内の活動に加えて ボランティア等の 社会参画を重視することとされた (1) 生徒会の組織づくりと生 生徒が主体的に組織をつくり 役割を分担し 計画を立て 学校生活の徒会活動の計画や運営課題を見いだし解決するために話し合い 合意形成を図り実践すること (2) 学校行事への協力 学校行事の特質に応じて 生徒会の組織を活用して 計画の一部を担当したり 運営に主体的に協力したりすること (3) ボランティア活動などの 地域や社会の課題を見いだし 具体的な対策を考え 実践し 地域や社会参画社会に参画できるようにすること ウ 学校行事 学校行事の目標 全校若しくは学年又はそれらに準ずる集団で協力し よりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して 集団への所属感や連帯感を深め 公共の精神を養いながら 特別活動の全体目標に掲げる資質 能力を育成することを目指す 生徒会活動において育成すべき資質 能力 ( 例 ) 知識及び技能思考力 判断力 表現力等学びに向かう力 人間性等 各学校行事の意義や行事におけ学校行事を通して集団や自己学校行事を通して身に付けたる活動のために必要なことを理解の生活上の課題を結び付け 人ことを生かして 集団や社会のするとともに 規律ある行動の仕間としての在り方生き方につい形成者としての自覚を深め 多方や習慣を身に付けるようにする て考えを深め 場面に応じた適様な他者を尊重しながら協働し 切な判断をしたり 人間関係や公共の精神を養い よりよい生集団をよりよく形成したりする活をつくろうとする態度を養う ことができるようにする 学校行事の内容 項目学びの過程 健康安全 体育的行事の中で 事件や 事故 災害等から身を守ることについ て示された (1) 儀式的行事 学校生活に有意義な変化や折り目を付け 厳粛で清新な気分を味わい 新しい生活の展開への動機付けとなるようにすること (2) 文化的行事 平素の学習活動の成果を発表し 自己の向上の意欲を一層高めたり 文化や芸術に親しんだりするようにすること (3) 健康安全 体育的行事 心身の健全な発達や健康の保持増進 事件や事故 災害等から身を守る安全な行動や規律ある集団行動の体得 運動に親しむ態度の育成 責任感や連帯感の涵養 体力の向上などに資するようにすること (4) 旅行 集団宿泊的行事 平素と異なる生活環境にあって 見聞を広め 自然や文化などに親しむとともに よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすること (5) 勤労生産 奉仕的行事 勤労の尊さや創造することの喜びを体得し 就業体験活動などの勤労観 職業観の形成や進路の選択決定などに関する体験が得られるようにするとともに 共に助け合って生きることの喜びを体得し ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるようにすること (3) 特別活動における 主体的 対話的で深い学び の実現特別活動における主体的 対話的で深い学びの実現とは 各活動 学校行事の学習の過程において授業や指導の工夫 改善を行うことで 一連の活動過程の中での質の高い学びを実現することである それは 特別活動の各活動 学校行事の内容を深く理解し それぞれを通して資質 能力を身に付け 高等学校卒業後も能動的に学び続けるようにすることでもある - 特別活動 4 -

主体的な学び の実現に向けてホームルームや学校における集団生活を通して 生活上の諸課題を見いだし解決できるようにすることが大切 対話的な学び の実現に向けてホームルーム活動や生徒会活動の自治的な活動においては ホームルームや学校における生活上の課題を見いだし 解決するために合意形成を図ったり 意思決定する中で 他者の意見に触れ 自分の考えを広げ 課題について多面的 多角的に考えたりすることが大切 深い学び の実現に向けて特別活動が重視している 実践 を 単に行動の場面として狭く捉えるのではなく 課題の設定から振り返りまでの一連の活動を 実践 として捉えることが大切 (4) 特別活動の教育活動全体における意義 特別活動の指導に当たっては 次の教育的意義を理解して 効果的な指導計画を立て る必要がある ア特別活動の特質を踏まえた資質 能力の育成 様々な集団活動の中で 思考力 判断力 表現力等 を活用しながら他者と協力して実践することを通して 知識及び技能 は実感を伴って体得され 活動を通して得られたことを生涯にわたって積極的に生かそうとする 学びに向かう力 人間性等 が育成されていく こうした特徴をもつ特別活動だからこそ目指すことができる資質 能力を育むことが大切である イホームルーム経営の充実と特別活動 今回の改訂では 学習や生活の基盤として 教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため 日頃からホームルーム経営の充実を図ること や ホームルーム活動における生徒の自発的 自治的な活動を中心としてホームルーム経営の充実を図ること が新たに示された ホームルーム経営は 特別活動を要として 計画され 特別活動の目標に示された資質 能力を育成することにより 更なる深化が図られる ウ各教科 科目等の学びを実践につなげる特別活動 特別活動は 各教科 科目等で育成した資質 能力を 集団や自己の課題の解決に向けた実践の中で活用することにより 実生活で活用できるものにする役割を果たすものである 今回の改訂では 特別活動を要としつつ各教科 科目等の特質に応じて キャリア教育の充実を図ること が新たに示されており 社会生活及び職業生活など生涯にわたっての生活に生かしていくという態度を養うことが大切である エホームルームや学校の文化を創造する特別活動 特別活動の全ての活動は ホームルームや学校の文化の創造に直接関わる活動であると言える 具体的には 各活動 学校行事やそれに関わる放課後や休み時間 地域等での準備等の活動を通して 教師や生徒相互理解や新たな人間関係の構築 自己の再発見 後輩に引き継ぎたい学校固有の伝統や行事などを体験し そこから自己やホームルームとしての成長や生きる糧を実感するなど 生徒の人間形成に顕在的 潜在的に影響を及ぼす風土が培われ 多くの教育的効果が期待できる 3 指導計画の作成と内容の取扱い (1) 特別活動の全体計画特別活動の全体計画は 次の事項を踏まえて作成することと示されている ア学校の創意工夫を生かし ホームルームや学校 地域の実態 生徒の発達の段階を考慮すること イ各教科 科目 総合的な探究の時間などの指導との関連を図り 生徒による自主的 実践的な活動が助長されるようにすること ウ家庭や地域の人々との連携 社会教育施設等の活用などを工夫すること - 特別活動 5 -

(2) 全体計画 ( 例 ) 北海道〇〇高等学校 特別活動の全体計画 北海道教育推進計画 学校教育目標 関係法規等 豊かな人間性を育む道徳 (1) 誇りを持って学び 心身ともに健全な人を育てる 〇学習指導要領及び学習指導 教育の充実 (2) 創造性を養い 社会の発展に寄与する人を育てる 要領解説 ( 文部科学省 ) 体験活動の充実 (3) 文化と伝統を尊重し 平和を希求する人を育てる 学校安全計画 いじめの防止や不登校生徒特別活動の重点目標を 育成を目指すへの支援の取組の充実資質 能力 ( 人間関係形成 社会参画 自己実現 ) から設定 特別活動の重点目標 ( 育成すべき資質 能力 ) 北海道いじめ防止基本方針 高等学校教育課程編成 実 施の手引 ( 道教委 ) (1) 集団活動の意義が社会の中で果たしている役割や意 保護者 地域の要望 義 人間としての在り方や生き方との関連で集団活動 生徒の実態 将来 社会人として自立すの価値を理解できる 規範意識や倫理観が十分に るために 自分の夢や希望 (2) 自他のよさや可能性を発揮しながら 主体的に集団や身に付いていない に向かって挑戦しつつ成長社会の問題について理解し 合意形成を図ってよりよ 人間関係が希薄で コミュ してほしい い解決策を求め それに取り組むことができる ニケーション能力が未発達 規範意識や公正な判断力を (3) 集団や社会の形成者として 多様な他者と協働し 問である 身に付け たくましく生き題を解決し よりよい生活をつくろうとすることがで 自己肯定感が低く 慢性的 る力を身に付けてほしい きる な疲れや安易に諦める傾向ホームルーム活動の全項目は が見られる 入学から卒業までの間で系統立てて指導できるよう 各学年の > 学校行事においては 生徒の健年間指導計画に位置付けること康や安全を考慮するなど 危機が必要であること 管理との関連を図ること ホームルーム活動の内容 生徒会活動の内容 学校行事の内容 (1) ホームルームや学校における生活づくり (1) 生徒会の組織づくりと生徒会活動の計 (1) 儀式的行事 への参画画や運営 学校生活に有意義な変化を付 ホームルームや学校における生活上の諸将来 多様な他者と協働しなが 生徒が主体的に組織をつくり 役割をけ 新しい生活の展開への動問題の解決を図る ら 地域の課題を自分のことと分担し 計画を立て 学校生活の課題機付けとなるようにする して捉え主体的にその解決に関 ホームルーム内の組織づくりや役割の自わり 社会に積極的に関わってを見出し解決するために話し合い 合 (2) 文化的行事覚を促す いくために必要な資質 能力を意形成を図り実践する 学習活動の成果を発表し 自 学校における多様な集団の生活の向上を育成するという主権者教育の視 (2) 学校行事への協力己の向上意欲を高めるととも点からも重要であること 図る 学校行事の特質に応じて 生徒会の組に 文化や芸術に親しませる (2) 日常の生活や学習への適応と自己の成長織を活用し 計画の一部を担当したり (3) 健康安全 体育的行事 及び健康安全運営に主体的に協力する 心身の健全な発達や 身を守 自他の個性の理解と尊重 よりよい人間 (3) ボランティア活動などの社会参画 る安全な行動や規律ある集団 関係の形成を図る ボランティア活動等の学校外 地域や社会の課題を見いだし 具体的 行動の体得 責任感や連帯感 の活動については 家庭や地 男女相互の理解と協力を促進する 域との連携 協力を十分に図 な対策を考え 実践し 地域や社会へ の涵養を図るなど資するよう 国際理解と国際交流を推進する りながら 生徒の主体的な活 参画できるようにする にする 緊急時の対応にも配 青年期の悩みや課題とその解決を理解動として行われるよう指導す 慮する する ることが大切であること (4) 旅行 集団宿泊的行事 生命の尊重と心身とともに健康で安全な 生徒指導との関連 自然や文化などを親しむとと 生活態度や規律ある習慣の確立を図る いじめの未然防止等を含めたホームルもに よりよい人間関係を築 (3) 一人一人のキャリア形成と自己実現ーム活動の充実を図る くなどの集団生活の在り方や 学校生活と社会的 職業的自立の意義の 各教科 科目 総合的な探究の時公衆道徳などについての体験 理解を図る 間などの指導との関連 を積む 不測の事故対応策な 主体的な学習態度の確立と学校図書館等 各教科 科目等で育成された能力が特どに十分に配慮する の活用を図る 別活動で十分に活用できるように関連 (5) 勤労生産 奉仕的行事 社会参画意識の醸成や勤労観 職業観の付ける 就業体験活動やボランティア 形成を図る 道徳教育との関連 活動の体験の機会を確保する 主体的な進路の選択決定と将来設計を促 道徳性の育成を目指し 生徒が主体的 す に行動し よりよい人間関係を形成で きる活動を振り返り 自己の生き方を考える場面を意図的に計画する - 特別活動 6 -

(3) 内容の取扱いについての配慮事項 内容の取扱いについての主な配慮事項の一部は 次のとおりである アホームルーム活動及び生徒会活動における 生徒の自発的 自治的な活動の効果的な展開 特別活動における自発的 自治的な活動の基本となるものが ホームルーム活動の (1) ホームルームや学校における生活づくりの参画 である 自発的 自治的な活動では ホームルームや学校として実践することを 生徒が提案し 合意形成を図る学習過程となる 効果的な展開のため 生徒の主体的な活動場面をできるだけ多く取り入れ 合意形成のための話合い活動の充実や実践活動の場や機会 時間の確保 評価や励まし等を工夫すること 生徒に これらの活動に関して一定の制限や範囲があることについても理解させ 必要な場合には教師が的確な助言や指示を行うこと 育成を目指す資質 能力のうち 各活動において主として何を目指すかについて適切に判断し 活動内容の焦点化 重点化を図ること カリキュラムマネジメントの視点に立ち 内容相互の関連付けを図り 生徒個々の深い学びを促すこと 自分たちできまりをつくって守る活動 の充実図ることで 生徒の規範意識や社会性 社会的な実践力が育成される イ各学年において取り上げる指導内容の重点化と内容間の関連や統合 他の内容の追加が可能 特別活動は 道徳教育の目標全体を踏まえた指導を行う必要がある 各学校の目指す生徒像や教育理念 生徒の実態など それぞれの実情に応じて 道徳教育の重点を踏まえた指導の重点化を図り 育成することを目指す資質 能力を明確にし それに沿った指導内容や方法を工夫することが大切である ホームルーム活動は 生徒の実態等を踏まえて各学校で重点化を図っていく中で 活動の特質や育成すべき資質 能力の関連を明らかにした上で 効果的と考えられる場合は いくつかの内容項目を統合したり 内容の関連を図って指導したりすることも考えられる 入学から卒業までの見通しの上に指導計画に盛り込むことが重要である 生徒会活動は 各内容を個別のものと捉えず 生徒総会などで決定した活動方針等と常に関連付け 活動相互のつながりを意識できるような指導内容の取扱いが必要である 学校行事は 年間指導計画作成の段階から 各行事で育成しようとしている資質 能力の関連を明確にし 各行事の指導内容を考える必要がある ウガイダンスとカウンセリングの趣旨を踏まえた指導 教師には 特別活動のいずれの内容においても 集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと 一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方の趣旨を踏まえて指導を行うことが求められる ガイダンスの機能を充実させるためには 日々の指導について ねらいをもち その実現のための指導をより適時 適切な場や機会を設け よりよい内容 方法で実施するよう改善を図ることや 指導計画を立て 教師の共通理解と協力により その効果を高めるように行うことが大切である 生徒一人一人の発達を促すためには 個別の指導を適切に行うことが大切であり 特に 就職や進学など現実的に進路の選択決定が迫られる高等学校の段階では 一人一人に対するきめ細かな指導は極めて重要である 特別活動におけるカウンセリングとは 専門家に委ねることや面接や面談を特別活動の時間の中で行うことではなく 教師が日頃行う意図的な対話や言葉掛けのことと認識する必要がある エ異年齢集団や幼児 高齢者 障がいのある人々などとの交流等を通して 協働することや社会に貢献することの喜びを得る活動の重視 生徒会活動における各種委員会等での活動や 生徒会として取り組むボランティア活動などの異年齢集団の交流は 他者の役に立つ喜びを体得 自己肯定感の醸成にも寄与する 学年を越えた取組となるため 全教師の共通理解に基づき 指導計画の工夫を行うことが求められる 幼児 高齢者 障がいのある人々などとの交流や対話 障がいのある児童生徒との交流及び共同学習は 特別活動の目標を実現する上で 大変重要な意義をもつ 生徒は このような交流や共同学習を通して 自他の尊重や共に力を合わせて生活することの大切さを学ぶことができる 各活動 学校行事の特質を生かし 一人一人の生徒が自己有用感や自己肯定感を体得できるように指導を工夫するとともに 自分のよさや可能性を発揮してよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的 実践的な活動を設定することが大切である - 特別活動 7 -

4 質疑応答 問 1 ホームルーム活動の目標にある 合意形成 と 意思決定 との違いは何か ホームルーム活動は 集団として合意形成を進める自発的 自治的な活動の形態と個人として 自己の在り方生き方を意思決定していく自主的 実践的な活動の形態との2つに分けることができる ホームルーム活動の内容 (1) ホームルームや学校における生活づくりへの参画 では 学校における生活を向上 充実させるために 集団として合意形成したり 生徒たちで適切なルールをつくったりするための話合い活動が考えられる また 内容 (2) 日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全 や (3) 一人一人のキャリア形成と自己実現 では 個人としての問題解決に向けた目標や方法などを生徒自身が意思決定するための話合い活動が考えられる 問 2 特別活動と総合的な探究の時間との違いは何か 特別活動と総合的な探究の時間は 各教科 科目等で身に付けた資質 能力を総合的に活用 発揮しながら 生徒が自ら現実の課題解決に取り組むことを基本原理としている点に 共通点が見られる しかし 両者の目標を比べると 特別活動は 実践 に 総合的な探究の時間は 探究 に本質があると言える 総合的な探究の時間における 探究 は 物事の本質を探って見極めようとしていくことであるのに対し 特別活動における 実践 は 話し合って決めたことを 実践 したり 現実の課題の解決に生かしたりするものである 問 3 特別活動において 障がいのある生徒などに対し留意すべき点は何か 障がいのある生徒などの指導に当たっては 個々の生徒の困難さに応じた指導内容や指 導方法を工夫する必要がある 特別活動における配慮として 次のことなどが考えられる 話を最後まで聞いて答えることが苦手な場合は 発言するタイミングが理解できる ように 事前に発言や質問する際のタイミングなどについて具体的に伝えるなど コ ミュニケーションの図り方について指導する 学校行事における避難訓練の参加に対し 強い不安を抱いたり戸惑ったりする場合 は 見通しがもてるよう 各活動 学校行事のねらいや活動の内容 役割 ( 得意なこ と ) の分担などについて 視覚化したり 理解しやすい方法を用いたりして事前指導 を行うとともに 周囲の生徒に協力を依頼しておく 参考資料 学校文化を創る特別活動 ( 高校編 ) ホームルーム活動のすすめ ( 平成 30 年 8 月文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター ) 掲載 URL:http//:www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/tokkatsu_hig_h3008-col.pdf - 特別活動 8 -