県立自然史博物館世界最大級の肉食恐竜 スピノサウルス の実物頭骨化石を群馬初公開 映画 ジュラシックパーク Ⅲ で T.rex のライバルとして その大きさをしのぐ巨大肉食恐竜として登場した スピノサウルス の実物頭骨化石と背骨の化石 ( 学校法人成城大学所蔵 ) を展示 公開します 公開日 : 平成 30 年 8 月 5 日 ( 日 ) *8 月は休館日なしで 毎日開館します 展示場所 : 県立自然史博物館常設展示室 ( 富岡市上黒岩 1674-1) 平成 30 年 8 月 2 日生活文化スポーツ部自然史博物館 ( 髙桒 静野 ) 電話 :0274-60-1200 < 内容 > 今回展示するスピノサウルスの実物頭骨化石は 現在 学校法人成城学園 ( 東京都世田谷区 ) が所蔵しています 本県で スピノサウルス類の化石が日本で唯一発見されていることもあり 今回 スピノサウルスの実物頭骨化石と背骨化石を期間限定で展示することになりました スピノサウルスの実物頭骨の展示は群馬初公開 博物館などの常設研究機関では日本初公開となります また スピノサウルスの実物化石は残存部位が多く その変形も少ないので 様々な研究手法を用いることでスピノサウルスの実態に迫るような研究も期待できます ( 参考 ) 平成 23 年には 開館 15 周年記念展として よみがえる! 謎の巨大恐竜スピノサウルス を開催し 会期 (H23.7.16~11.20) 中の来館者数として 99,583 人を記録しました スピノサウルス とは 1912 年にドイツ人古生物学者シュトローマーによって発見されたスピノサウルスは スピノサウルス科に属する大型の獣脚類恐竜の一種です 第二次世界大戦の大火により標本のほとんどが失われてしまったため しばらくの間 謎の恐竜 とされていました しかし 2009 年以降 新たな化石の発見や近縁種などを元にした全身骨格復元をもとにした研究が進み 2014 年には 四足歩行で水中生活をしたのではないかという説が発表され話題となりました
世界最大級の肉食恐竜 スピノサウルス の実物頭骨化石を群馬初公開 1 スピノサウルスとはスピノサウルスは スピノサウルス科に属する大型の獣脚類恐竜の一種で 魚が主食だったのではないかと考えられています 1912 年にドイツ人古生物学者シュトローマーによって発見され 1915 年に背骨の突起が長く伸びていたことからスピノサウルスという属名がつき 2001 年に公開された映画 ジュラシックパーク Ⅲ では T.rex のライバルとして その大きさを凌ぐ巨大肉食恐竜として登場しました しかしシュトローマーの見つけた標本が第二次世界大戦で失われてしまっていたために 謎の恐竜 とされていました 平成 21(2009) 年には新しい標本や近縁種などを元に全身骨格復元が試みられました また平成 26(2014) 年には新しい標本を元に 四足歩行で水中生活をしていたのではないかという説が新しい骨格復元と共に発表されて話題となりました 2 スピノサウルスと当館との関わり日本ではこれまでに北海道から鹿児島県まで 19 の道県から見つかっています それらの中でスピノサウルスを含むグループ ( スピノサウルス類 ) は 群馬県で別々に見つかった 2 本の歯だけです つまり 群馬県のスピノサウルス類の化石が この仲間の日本での唯一の記録であることから 群馬県を代表すべき恐竜だと言えます 平成 23(2011) 年には 開館 15 周年記念展として よみがえる! 謎の巨大恐竜スピノサウルス を開催し 会期 (H23.7.16~11.20) 中の来館者数として 99,583 人を記録しました 3 公開するスピノサウルス実物頭骨化石について今回展示する頭骨化石は モロッコの白亜紀中ごろ ( およそ 1 億年前 ) の海で堆積した地層から見つかった化石を用いて復元されたもので その大きさは長さ約 120cm 幅約 40cm 高さ 50cm です 同じ地層からは 当時のサメの歯と共にクビナガリュウの仲間やモササウルスの仲間 竜脚類恐竜のレバッキサウルスなどの化石も見つかっています 現在 頭骨化石は学校法人成城学園 ( 東京都世田谷区 ) が所蔵しています 化石はモロッコで発掘された後 イタリアの標本業者を介して 成城学園卒業生の十津守宏氏 ( ユマニテク短期大学准教授 三重県在住 ) が入手することとなりました その後 十津氏から出身校である成城学園に寄贈され 現在に至っています 将来的には同学園で展示されますが それまで公開せずに大学内で単に保管するのではなく 広く研究の用に供したいとの判断から 成城学園や十津氏らのご厚意で 日本で唯一スピノサウルス類が発見されている群馬県の県立自然史博物館で借用し 展示できることとなりました なお 頭骨化石と共に十津氏から成城学園に寄贈されたスピノサウルスの背骨の化石も借用し 常設展示室で公開します 4 実物頭骨化石の意義 スピノサウルスの頭骨化石は断片的なものがほとんどなので 今回の標本はそれらの中でも状態が良好な貴重なものです 実物化石を用いて復元されたスピノサウルスの頭骨が展示されるのは群馬初 さらに博物館などの常設研究機関では日本初となります 実物の残存部位が多く その変形も少ないので 様々な研究手法を用いることでスピノサウルスの実態に迫るような研究も期待できます 5 スピノサウルスに関する基本情報学名 :Spinosaurus sp.( スピノサウルス属の一種 ) 所蔵者 : 学校法人成城学園 ( 理事長渡文明氏 ) 同学園卒業生の十津守宏氏 ( ユマニテク短期大学准教授 三重県在住 ) が寄贈 産地 : モロッコ産出年代 : 中生代白亜紀中ごろ ( 約 1 億年前 後期白亜紀の初期 ) 産出層 : ケムケム層
世界最大級の肉食恐竜 スピノサウルス の実物頭骨化石を群馬初公開 1 スピノサウルスとはスピノサウルスは スピノサウルス科に属する大型の獣脚類恐竜の一種で 魚が主食だったのではないかと考えられています 1912 年にドイツ人古生物学者シュトローマーによって発見され 1915 年に背骨の突起が長く伸びていたことからスピノサウルスという属名がつき 2001 年に公開された映画 ジュラシックパーク Ⅲ では T.rex のライバルとして その大きさを凌ぐ巨大肉食恐竜として登場しました しかしシュトローマーの見つけた標本が第二次世界大戦で失われてしまっていたために 謎の恐竜 とされていました 平成 21(2009) 年には新しい標本や近縁種などを元に全身骨格復元が試みられました また平成 26(2014) 年には新しい標本を元に 四足歩行で水中生活をしていたのではないかという説が新しい骨格復元と共に発表されて話題となりました 2 スピノサウルスと当館との関わり日本ではこれまでに北海道から鹿児島県まで 19 の道県から見つかっています それらの中でスピノサウルスを含むグループ ( スピノサウルス類 ) は 群馬県で別々に見つかった 2 本の歯だけです つまり 群馬県のスピノサウルス類の化石が この仲間の日本での唯一の記録であることから 群馬県を代表すべき恐竜だと言えます 平成 23(2011) 年には 開館 15 周年記念展として よみがえる! 謎の巨大恐竜スピノサウルス を開催し 会期 (H23.7.16~11.20) 中の来館者数として 99,583 人を記録しました 3 公開するスピノサウルス実物頭骨化石について今回展示する頭骨化石は モロッコの白亜紀中ごろ ( およそ 1 億年前 ) の海で堆積した地層から見つかった化石を用いて復元されたもので その大きさは長さ約 120cm 幅約 40cm 高さ 50cm です 同じ地層からは 当時のサメの歯と共にクビナガリュウの仲間やモササウルスの仲間 竜脚類恐竜のレバッキサウルスなどの化石も見つかっています 現在 頭骨化石は学校法人成城学園 ( 東京都世田谷区 ) が所蔵しています 化石はモロッコで発掘された後 イタリアの標本業者を介して 成城学園卒業生の十津守宏氏 ( ユマニテク短期大学准教授 三重県在住 ) が入手することとなりました その後 十津氏から出身校である成城学園に寄贈され 現在に至っています 将来的には同学園で展示されますが それまで公開せずに大学内で単に保管するのではなく 広く研究の用に供したいとの判断から 成城学園や十津氏らのご厚意で 日本で唯一スピノサウルス類が発見されている群馬県の県立自然史博物館で借用し 展示できることとなりました なお 頭骨化石と共に十津氏から成城学園に寄贈されたスピノサウルスの背骨の化石も借用し 常設展示室で公開します 4 実物頭骨化石の意義 スピノサウルスの頭骨化石は断片的なものがほとんどなので 今回の標本はそれらの中でも状態が良好な貴重なものです 実物化石を用いて復元されたスピノサウルスの頭骨が展示されるのは群馬初 さらに博物館などの常設研究機関では日本初となります 実物の残存部位が多く その変形も少ないので 様々な研究手法を用いることでスピノサウルスの実態に迫るような研究も期待できます 5 スピノサウルスに関する基本情報学名 :Spinosaurus sp.( スピノサウルス属の一種 ) 所蔵者 : 学校法人成城学園 ( 理事長渡文明氏 ) 同学園卒業生の十津守宏氏 ( ユマニテク短期大学准教授 三重県在住 ) が寄贈 産地 : モロッコ産出年代 : 中生代白亜紀中ごろ ( 約 1 億年前 後期白亜紀の初期 ) 産出層 : ケムケム層