第 4 回日豪外務 防衛閣僚協議 日本とオーストラリア : 平和と安定のための協力 共通のビジョンと目標 1. 玄葉光一郎日本国外務大臣, 森本敏日本国防衛大臣, ボブ カー オーストラリア外務大臣, スティーブン スミス オーストラリア国防大臣は,9 月 14 日にシドニーにおいて会談し, 地域的

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HP掲載後微修正】日本側共同声明案和文

目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

我が国の2015年安保理非常任理事国選挙 バングラデシュ対策(案)

第 9 部 宇宙空間における制度的枠組 第 1 章 総 論 国際社会は 宇宙空間における軍事利用を禁止又は制限する幾つかの国際的な枠組みを既に作成してきている 例えば 1967 年に発効した宇宙条約は 宇宙を宇宙空間と月その他の天体とに分け 宇宙空間については 核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

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設問 6: あなたは普段どの程度国際的なニュースや情報に接しているか ( 注 ) この設問は2015 年より実施 (1) 毎日 (2) 週に2~3 回程度 (3) 週 1 回程度 (4) 月 1 回程度 8 8 (5)2~3ヶ月に1 回程度 2 3 (6)6ヶ月に

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防衛交流の基本方針について(通達)

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

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実であれば このように人命を盾にとって脅迫をするということは誠に許しがたく 強い怒りを覚えているという旨を発言をし そして防衛省としましても 防衛駐在官等を通じまして 情報収集に万全を期す所存である旨を伝えたところでございます そして わが国としてもテロに屈することなく 日英で協力をして 国際社会に

Microsoft Word 【日尼共同声明】和文仮訳

この長期にわたる紛争に対する政治的解決を達成することとマグレブ アラブ連合の加盟国間の協 力の強化は 安定および安全 同様にサヘル地域の全ての人々のための仕事 成長および機会を導き出 すことに貢献するであろうことを認識し 国際連合西サハラ住民投票監視団 (MINURSO) を含む 全ての平和維持活動

撃のリスクが 全ての地域と加盟国に影響する可能性があることに懸念を表明し 民間航空に対するテロ攻撃について深刻な懸念を表明しそしてそのような攻撃を強く非難し 民間航空が 外国人テロ戦闘員による輸送手段として用いられる可能性があることにまた懸念を表明し そして 1944 年 12 月 7 日にシカゴで

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

はじめに 日本の平和と安全を維持し その存立を全うすることは 政府 の最も重要な責務です また 日本の安全保障政策を高い透明性をもって示すことも政府が果たすべき役割です 日本は 戦後 70 年以上にわたり 平和国家として歩んできました 自由 民主主義 人権 法の支配を擁護し 地域そして世界の平和と繁

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日本国とアラブ首長国連邦との間の戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明 - 繁栄と安定に向けた協力の新たな章の幕開け- ( 和文仮訳 ) 2018 年 4 月 29 日から30 日の安倍晋三日本国総理大臣のアラブ首長国連邦訪問に際し 安倍総理大臣とムハンマド ビン ザーイド アール ナ

( 別紙 ) 国家安全保障戦略 Ⅰ 策定の趣旨政府の最も重要な責務は 我が国の平和と安全を維持し その存立を全うすることである 我が国の安全保障 ( 以下 国家安全保障 という ) をめぐる環境が一層厳しさを増している中 豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには 我が国の国益を長期的視点から

平和維持活動業績資料を含む 平和維持活動の有効性に関する資料が 明快で十分に特定された達成条件に基づいて 派遣団の活動の分析と評価を改善するために用いられることを確保するという事務総長への安保理の要請を想起し 派遣団が その職務権限を効果的に実行するために必要とされる技能と柔軟性を保持するような M

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

よる 誓約 への留意 ( パラ 139) 核兵器使用の影響は瞬時又は長期的な結末をもたらし, それが以前理解されていたよりもずっと深刻であることを確認 ( パラ 140) あらゆる核兵器の使用による壊滅的で非人道的な結末に関する深い懸念は, 核軍縮分野における努力を下支えし続けるべき鍵となる要因であ

1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

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Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

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憲章に従い 全ての国の主権 領土保全及び政治的独立への約束を強調するととも に 国際連合憲章の目的及び原則を想起し 事態の平和的かつ外交的な解決に対する要望を更に表明するとともに 対話を通じ た平和的かつ包括的な解決を容易にする理事国及びその他の加盟国の努力に対する 歓迎を改めて表明し 国際の平和及

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

総 論

The Sanwa Bank Limited

平成19年6月  日

①180612_G7シャルルボワサミット結果報告(循環部会用セット)

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第 1 章 2017 年の国際情勢と日本外交の展開日本が政治 安全保障及び経済上の国益を確保し 自由 民主主義 人権 法の支配といった基本的価値に基づいた 日本にとって望ましい国際秩序を維持 発展させていくためには 国際情勢の変化を冷静に把握し その変化に対応しながら 戦略的に外交を展開していく必要

「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~_損保ジャパン日本興亜


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の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

A: 最近の韓国での出来事だとか 日本での出来事などについて率直に意見交換をしたわけでございますが 私が感じたのは長官の話を通じて 韓国のこの平和と朝鮮半島の平和と安定 これは日本にとっても安全保障上 大変重要なことでございまして 韓国の防衛政策も伺えましたけど 非常にしっかりとしたものであります

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なぜ社会的責任が重要なのか

謝辞

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新 日米防衛協力のための指針 ( ガイドライン )

CONNEX Basic Principles

係を継続的に進展させていく上で重要であるとの認識で一致した Ⅱ. 経済自由貿易 5. 双方は自由で開かれた貿易の力強い支持者であり, 世界貿易機関 (WT O) やAPECなどの国際フォーラムへの積極的な参加者である 双方は, 貿易及び投資の自由化及び円滑化の前進並びに多角的貿易体制の支持への共通の

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止力を維持しつつ 沖縄の負担軽減を実現していく旨述べた 両首脳は また 普天間飛行場の移設及び嘉手納以南の土地の返還計画を早期に進めていくことで一致した ( ウ ) 安倍総理より 宇宙 サイバーの分野で 日米の包括的対話を立ち上げることになったことを歓迎する旨述べた 2. アジア太平洋地域情勢 (1

経済成長, 雇用創出及び信認を強化するため我々の財政戦略を機動的に実施し, 及び構造政策を果断に進めることに関し,G7 が協力して取組を強化することの重要性について合意する 我々は, 成長, 生産性及び潜在産出量を増加するために構造改革を進展させること並びに構造的な課題への対処に際して自ら模範を示す

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

1. 応募書類の提出 1) 提出期限 2017 年 6 月 30 日 ( 金曜日 )17:00( 日本時間 ) 必着 2) 提出方法 グローバル賞 岡山地域賞 各部門の募集要項を確認のうえ 応募に必要な資料等を 以下 の応募先に電子メールにて提出してください (A) グローバル賞募集要項 3 4 ペ

★1207共同声明

検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による


き続き求めてまいります と申し上げました また 北朝鮮による拉致問題についても 日本や韓国の国民のみならず タイやレバノン ルーマニアなど世界各国においても拉致された方々がおられるとされており 基本的人権の侵害という国際社会全体における普遍的な問題 として問題解決への協力をこの場でお願いをいたしまし

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24 日付当地紙グランマにて,21 日に開催された閣僚評議会の概要について報じられた 同評議会でなされた説明, 決定等は以下のとおり (1) 国家医薬プログラムの一部修正案及び自然療法 伝統医学の発展プログラムの現代化が提示され, これに対し, ラウル カストロ議長は, このプログラムを具体化するた

APECの食料安全保障に関するカザン宣言

2 マイケル マクデビット加藤洋一 望を持たせる兆候となる しかし その一方で 北朝鮮が長い間にわたり核開発計画を放棄してこなかった長い歴史を振り返れば 今後 北朝鮮が再び深刻な挑発に走ることを なお考えないわけにはいかない とりわけ もし北朝鮮の核とミサイルの能力が 抑制を受けないまま野放しとなれ

資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

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Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

参考資料 1-1 本年次報告の位置付け サイバーセキュリティ戦略 (2015 年 9 月 4 日閣議決定 ) に基づく二期目の年次報告 2016 年度のサイバーセキュリティに関する情勢及び年次計画に掲げられた施策の実施状況を取りまとめたもの ウェブアプリケーション (Apache Struts 等

進展を遂げたと結論づける 1994 年から 2009 年までの間,APEC エコノミーによる物品の総貿易は年 7.1 パーセント増加した一方,APEC 域内の貿易は同期間に 3 倍の増加を示した APEC 地域への, また, 同地域からの海外直接投資は,1994 年から 2008 年までの間に, い

目 次 1. 日本 APEC のテーマ 2.APEC の位置付け 3.APEC 参加メンバー 4. アジア太平洋をめぐる国際的枠組み 5.APEC の重み 6.APEC の組織 7. ビジネス界との協力 8. 日本 APEC 関連会合日程 年日本 APEC の歴史的意義 1

取引または行為の内容

草稿 Ver.3

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1 3: 気候変動については 環境と経済成長との好循環を実現する好機として G7 が世界の脱炭素化を牽引することが重要であり 我が国としても脱炭素化に向けた骨太な長期戦略を創り上げていく 2: 資源循環については 先進事例の共有を国内外で進めることが重要であり 我が国としては世界循環経済フォーラム

2.G7 香川 高松情報通信大臣会合 G7の枠組みにより情報通信について深く議論されるのは 年にブリュッセルにおいて大臣会合が開催されて以来 実に 21 年ぶりであった ブリュッセルでの会合名は G7 Ministerial Conference on the Global Infor

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弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

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第 4 回日豪外務 防衛閣僚協議 日本とオーストラリア : 平和と安定のための協力 共通のビジョンと目標 1. 玄葉光一郎日本国外務大臣, 森本敏日本国防衛大臣, ボブ カー オーストラリア外務大臣, スティーブン スミス オーストラリア国防大臣は,9 月 14 日にシドニーにおいて会談し, 地域的及びグローバルな安全保障問題並びに日本とオーストラリアとの間の安全保障及び防衛協力を前進させるための方策について議論を行った 2. 日本とオーストラリアとは, 民主主義, 法の支配, 人権の保護及び開放された市場へのコミットメントを含む共通の価値と利益を共有する自然な戦略的パートナーである 3. 日本とオーストラリアとは, アジア太平洋地域及びそれを超える地域において戦略的及び安全保障上の環境が変化する中で, 長期にわたる平和, 安定及び繁栄を確保するとの共通の戦略目標を共有している 4. かかる目標の達成に資するため, 日本とオーストラリアとは, 次の諸方策を通じて, 安全保障及び防衛に関する事項につき, より一層緊密に取り組んでいくことにコミットする アジア太平洋における協力 5. 地域の安定を阻害する潜在的可能性のある問題について, 地域協力を強化するため, 交流を深め, 共に取り組むこと 6. アジア太平洋における平和, 安定及び繁栄を引き受けることに引き続き資する, それぞれの米国との同盟への相互の支持を確保するとともに, この地域における米国の包括的な関与を維持, 強化する上で, 積極的なパートナーとして共に取り組むこと 7. 日本, オーストラリア, 米国の 3 者間で, 日米豪戦略対話を通じて, 幅広い地域及びグローバルな問題に及ぶ三国間の政策調整及び実際的な協力を強化すること 8. 中国の, ルールに基づいた国際秩序への責任ある, 建設的な参画と, 地域の繁栄と安定を促進する役割を支持する形で, 中国との前向きかつ包括的な関係を引き続き構築するとともに, 中国の軍事力の近代化と活動に関する公開性及び透明性の向上を促すこと 9. インド, 大韓民国及び ASEAN 諸国を含む, 地域の他の諸国との安全保障問題に係る互恵的関係と協力を強化すること 10. 朝鮮半島の長期的な平和と安定を達成するため, 北朝鮮に対して, 拉致問題等の北朝鮮における人道上の懸念の解決を含む, 関連する国際連合安全保障理事会決議や 2005 年の六 1

者会合共同声明における自らのコミットメントを完全に遵守するよう強く求めていくことも含め, 関係各国と協力すること 11. 地域のアーキテクチャー, 特に東アジア首脳会議を強化し, この地域が直面する政治, 安全保障, 経済及びその他の諸課題についての協力を促進すること 12. 東アジア首脳会議外相会合及び拡大 ASEAN 国防相会議を歓迎し, 東アジア首脳会議,A SEAN 地域フォーラム及び拡大 ASEAN 国防相会議における協力と実際の活動を支持すること 13. 航行の自由, 合法的な通商が妨げられないこと並びに南シナ海及びそれを超える地域における紛争の, 国際連合海洋法条約 (UNCLOS) を含む国際法に従ったルールに基づく平和的解決を含む, 海上の安全保障及び安全に係る規範を地域において遵守することを促進すること 14. 地域の開発途上国がミレニアム開発目標 (MDGs) を 2015 年までに達成するよう支援し, 国際連合による 2015 年以降の開発アジェンダの設定を支持することにより, 開発問題に関する協力を前進させること 15. 太平洋諸島フォーラム (PIF) 及び太平洋 島サミット (PALM) を通じて, また PIF の 太平洋における開発協調の強化に関するケアンズ コンパクト 及びその他の援助効果に関する国際的に認められた諸原則に従って, 太平洋における持続可能な開発を支持する共同の努力を次のとおり強化すること (a) 民主主義, 経済改革及び良い統治を促し, 支持すること (b) 保健, 教育及びインフラを改善すること (c) 漁業分野を含む, 環境及び資源の持続可能性を促進すること (d) 海洋の監視を強化すること (e) 気候変動の影響に適応し, それを緩和すること 16. 気候変動の影響並びに食糧, 水及びエネルギーの安全保障に関する交流と協力を深化すること 国際的な安全保障問題に関する協力 17. 国際的な安全保障上の懸案に取り組むため, 国際連合を含むグローバル及び地域的なフォーラムにおける協力を深化すること 18. 大量破壊兵器とその運搬手段の拡散を防止するため, また, 不拡散 軍縮に係る国際的な法的枠組みを支持するため, 拡散に対する安全保障構想 (PSI) を通じた協力, 及び弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範における 2013 年から 14 年の日本の議長としての役割への支持を含む, 地域的及びグローバルな行動を追求すること 2

19. イランの核関連活動に対する正当な国際的な懸念の解決を達成するよう, 取り組むこと 関連する国際的規範及び義務に立脚して, 大量破壊兵器に関連する物資の管理と取引に対する地域的及びグローバルな関心を強化するよう, 取り組むこと 20. 核兵器不拡散条約の枠組みにおいてコンセンサスにて合意された結果を実効的にしていくため, 日豪で設立した不拡散 軍縮イニシアティブにおいて, 他のパートナーと取り組むこと 21. 不拡散 軍縮に関する ASEAN 地域フォーラム会期間会合でオーストラリア, 日本及びフィリピンが共同議長を務める 2012 年から 2014 年の期間を通じて,2015 年の NPT 運用検討会議のための地域における準備を行うこと 22. 通常兵器の国際取引を規制する武器貿易条約の可及的速やかな合意のための国際的な努力に係る協力を, 二国間及び共同起草グループ内において継続すること 23. 軍民間の調整の向上を含む防災, 並びに災害への備え及び対応に関する二国間及び地域的な協力を強化すること 日本が主催する意図を表明した第 3 回国際連合防災世界会議において, 具体的な結果を実現するよう積極的に取り組むこと 24. 災害への備え及び対応に責任を有する日豪の機関の間の情報交換, 経験の共有及び共同演習の機会を探求すること 25. サイバー空間における脅威の増大に対応するため, 国際的な協力枠組みの形成を含む, サイバー問題に関する国際的及び地域的な対話を具体化することにより, 共に取り組むこと 26. 特に宇宙に関する国際的な規範の形成及び信頼醸成措置を含む宇宙の安全保障問題に関する協力を, 二国間, 米国も含めた三国間及びその他のパートナーとの間で強化すること 外宇宙活動における国際行動規範案を前進させるために共に取り組むこと ASEAN 地域フォーラムを含むこの地域を宇宙の問題に関与するようにすること 27. 国際連合, グローバル テロ対策フォーラム及び地域的なフォーラム並びに日米豪戦略対話を通じた米国を含むその他のパートナーとの協働の強化を通じて, テロ対策に関する協力を強化すること 28. 日本の常任理事国入りを含む, 国際連合安全保障理事会の改革の早期実現に向けた協力を強化すること 29. アフガニスタンにおける安定と持続可能な開発を支持すべく協力すること 二国間防衛協力 30. 地域的及びより広い国際的な安全保障及び防衛上の要請に対応するため, 日本の自衛隊とオーストラリア国防軍並びに双方の防衛省 国防省が, 緊密, 効果的かつ短い予告時間の内に取り組むことができるよう, 実際的な二国間の防衛協力を強化すること 3

31. 日本とオーストラリアが, 海上の安全保障, 平和維持活動, 人道支援 災害救援及び退避活動の分野において, 共に運用を行うことができるよう, 両国の防衛組織間の相互運用性を強化すること 32. 今後 5 年間を視野に, 効果的かつ柔軟な二国間防衛関係を促進する行動計画を維持すること 33. 双方の防衛組織の相互運用性を高め, 技量と能力を向上させるため, 定期的な航空, 陸上及び海上の演習及び関与を行うこと 34. 相互運用性を支えるため, 戦略, 運用及び戦術レベルでの二国間の情報交換を深化すること 35. 戦略, 政策及び科学に携わる職員の交流を含む人的繋がり及び交流を拡張すること 36. 日本の 2011 年の 防衛装備品等の海外移転に関する基準 に留意しつつ, 防衛分野における日本とオーストラリアとの科学技術協力を深化すること 37. 双方に関心のある防衛科学技術の分野で情報交換を開始すること 38. 日本の防衛省技術研究本部 (TRDI) とオーストラリアの防衛科学技術機関 (DSTO) との間の関係と結びつきを深化すること 39. 東南アジア及び太平洋における防衛分野の能力構築に向けた協力の機会を検討すること 40. 日豪物品役務相互提供協定の早期発効を通じて, 演習, 運用及びその他の実際的な交流の実施を含む日豪協力を深化すること 41. 南スーダン共和国における日本の自衛隊とオーストラリア国防軍との協力に加えて, 国際的な平和構築努力に貢献するため, 協働の更なる機会を探求すること 42. 既存の二国間の協力の枠組みが拡大している日豪関係のニーズを満たす形となるよう, 既存の二国間の協力の枠組みをレビューし, 必要に応じて, 追加的なアレンジメントを行うこと 43. 米国との三国間防衛協力を強化すること 三国間防衛協力 44. 全 3 カ国の防衛組織間の相互運用性を強化すること 45. 三国間の防衛大臣会合, 三国間の安全保障 防衛協力会合 (SDCF) 及び三国間の軍種毎の対話を通じて, 日本, オーストラリア及び米国との間の, 強固で, 定期的かつ実際的な協力に焦点を当てること 4

46.2020 年までの間の, 力強く, 動的かつ柔軟な三国間防衛関係を促進する行動計画を作成し, 実行すること 47. 航空, 陸上及び海上での協力を通じて, 海上の安全保障を強化していくための各国の能力の改善に焦点を当てた, 三国間の演習を実施すること 48. 米国と日豪それぞれとの演習へのオブザーバーの交換を行うこと 協議及び情報交換 49. 日豪外務 防衛閣僚協議 ( 2+2 会合 ) を, 安全保障及び防衛関係を監督する上で, 二国間の中心的メカニズムとして一層強化すること 50. 二国間の協議及び調整を強化するため, 2+2 の高級事務レベル組織を, これを支える実務レベル協議プロセスとともに設置しつつ, 現存する政務 防衛協議, 防衛当局間協議及び軍種間の対話を維持すること 51. 日本とオーストラリアの間の情報保護協定の署名を受け, 情報共有を円滑化するための実際的な方策の検討, 及びこの分野における協力的な努力の強化を含め, 更なる関係を築き上げていくこと 5