平成 28 年度決算に基づく福井市健全化 判断比率及び資金不足比率審査意見書 福井市監査委員

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2007財政健全化判断比率を公表いたします

貝監第  号

16 筑紫野市 22.91% 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

田川市水道事業会計

平成 28 年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率に関する審査意見書 春日井市監査委員

山形県庄内町平成 28 年 11 月 ( 訂正版 ) 平成 26 年度決算に基づく健全化判断比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第 3 条第 1 項の規定により 健全化判断比率を公表 いたします 健全化判断比率は 自治体の財政が健全かどうかを表す指標です 地方公共団体の財政の健全化に関する法

地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に係る比率について 1 概要北海道夕張市のような地方自治体の財政破綻を未然に防ぐため 平成 20 年 4 月に 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 ( 以下 財政健全化法 といいます ) が施行されました 財政健全化法では 市の一般会計の決算だけでなく 市

01 H30記者発表資料

鯖監査第  号

地方公共団体財政健全化法

地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に係る比率について 1 概要北海道夕張市のような地方自治体の財政破綻を未然に防ぐため 平成 20 年 4 月に 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 ( 以下 財政健全化法 といいます ) が施行されました 財政健全化法では 市の一般会計の決算だけでなく 市

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平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

連結実質赤字比率 ) 実質赤字比率 =A/B*100が負一般会計等 2 会計名学童等災害共済学童等災害共済事業 数の場合における A/B*100の絶対 一般会計等 2 実質収支額 値 一般会計等 3 会計名 中小企業従業員中小企業従業員退職金等

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Ⅱ 健全化判断比率の概要 1 健全化判断比率 財政健全化法の施行に伴い 地方公共団体は 平成 19 年度から 毎年度 次の健全化判断比率 (4 指標 ) を監査委員の審査に付した上で 議会に報告し 公表しなければならないことになっています 早期健全化基準を上回ると財政健全化計画の策定が義務付けられ

15 小郡市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 21 年度 118.0% 平成 22 年度 102.9% 平成 23 年度 平成 24 年度 81.4% 92.7% 81.4% 平成 25 年度 76.4% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め その地

1 北九州市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 20 年度 171.8% 平成 21 年度 173.5% 平成 22 年度 平成 23 年度 166.9% 166.0% 166.9% 平成 24 年度 170.3% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.8% 12.6% 実質公債費比率 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 平成 26 年度 11.8% 平成 27 年度 12.6% 平成 28 年度 13.7% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.4% 10.8% 実質公債費比率 平成 21 年度 9.9% 平成 22 年度 11.7% 平成 23 年度 11.4% 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の

29 那珂川町 実質公債費比率の状況と推移 4.6% 4.0% 実質公債費比率 平成 23 年度 5.6% 平成 24 年度 5.1% 平成 25 年度 4.6% 平成 26 年度 4.0% 平成 27 年度 3.6% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の額を その

15 小郡市 13.9% 13.5% 比較する財政の規模 ( 分母 ) の内訳について 計算式 : 標準財政規模 (c) - 算入公債費等の額 (b) 標準財政規模 (c) の内訳 ( 単位 : 千円 %) H22 決算 H23 決算 H24 決算 H25 決算 標準税収入額等 7,265,856

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平成20年度決算に基づく

01_H28表紙


各種財政分析指標の解説

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平成 29 年度 浜田市健全化判断比率及び浜田市資金不足比率審査意見書 浜田市監査委員 1

別紙様式 1-1( 平成 19 年度承認計画用 ) 西総財第 7 7 号 平成 23 年 8 月 26 日 静岡財務事務所長 殿 西伊豆町長藤井武彦印 財政健全化計画等執行状況報告書 以下の財政健全化計画等の執行状況について 別紙のとおり報告します 財政健全化計画 公営企業経営健全化計画上水道事業

その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,

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目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

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1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

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市税収入額(人口推移)

なまらわかる!財政のあらまし

はじめにこの 釧路市の財政 は 釧路市の歳入 歳出等の状況をグラフを使って経年的に表すことにより 市民の皆様に釧路市の財政状況を出来るだけわかりやすくお知らせするために作成いたしました 本資料を通じて 釧路市の財政について 一人でも多くの市民の皆様にご理解をいただき ご意見をいただきながら今後の財政

さぬき市普通会計決算状況 普通会計決算状況及び財政指標等 1P 普通会計歳入決算状況 普通会計歳出決算状況 主な一般財源の推移 ( 市税及び地方交付税 ) 普通建設事業費と義務的経費の推移 基金 市債及び元利償還金等の状況 2P 3P 4P 5P 6~8P

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キャッシュ・フロー計算書について

なまらわかる!財政のあらまし

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決算の内訳 性質別の 何の用として使ったか 決算の内訳 2015 年度決算額 2014 年度決算額 目的別の どの野に使ったか 2015 年度決算額 2014 年度決算額 人 件 49 億 5,996 万円 49 億 2,608 万円 議 会 2 億 3,045 万円 2 億 2,274 万円 物


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平成 29 年度福岡県市町村普通会計決算及び健全化判断比率等の概要 ( 速報 ) ( 政令市以外の県内 58 市町村 ) 1 ポイント 平成 29 年度における普通会計決算 歳入 歳出は ともに平成 27 年度以来 2 年ぶりに増加し 過去最大 経常収支比率は 平成 28 年度に引き続き 2 年連続

資料 2 国が進める土地開発公社等の抜本的改革について 背景 地方公共団体が損失補償等を行っている土地開発公社等に係る債務は将来的に財政に深刻な影響を及ぼす可能性 平成 21 年度から 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 ( 財政健全化法 ) が全面施行 財政健全化法に基づく 健全化判断比率の一

市債の状況 一般会計基金の状況 円 計 円 地 発基金などの定額運用基金は含んでいません 主な財政用語の説明 会計区分 一般会計市税 国や県からの補助金 交付金 手数料などの収入や 市の行う仕事に必要な支出といったお金の処理をまとめて行うために設けられた会計で 市のお金の流れの中心となっています 企

地方財政分析と臨時財政対策債

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報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

スライド 1

流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

平成17年度の決算状況

報告第4号

PowerPoint プレゼンテーション

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経常収支比率財政構造の弾力性を測定する比率で 市税 普通交付税等を中心とする経常的に収入される一般財源が 人件費 扶助費 公債費等の経常的な経費にどの程度充当されているかを示す割合 この比率が高いほど財政構造に弾力性がなく硬直化している 経常利益企業が行う経常的な経済活動によって生じる利益 公営企業

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OTA シティ マネジメントレポート Ⅱ 決算から区財政の状況をお示しします 日本の官庁会計制度は 明治 22 年に当時のプロイセンからカメラル式簿記 ( 単式簿記 現金主義会計 ) が導入されたことが起源とされています 現在 欧米の各国では 行財政の効率化や世代間負担の公平性などをより精緻に分析で

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財 政 の 現 状

Ⅳ 地方交付税

市町村決算額政令指定都市 中核市 特例市 都市 町村 特別区 一部事務組合及び広域連合における決算額の単純合計額から 一部事務組合及び広域連合とこれを組織する市区町村との間の相互重複額を控除したもの 形式収支 歳入決算総額から歳出決算総額を差し引いた歳入歳出差引額 実質収支当該年度に属すべき収入と支

平成 26 年度 佐賀市財務諸類の公表について Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデ

石巻市わかりやすい財政用語

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決算報告 574 億 1,173 万円一般会計歳出決算内訳 ( 性質別 ) 歳出 歳出決算の特徴 平成 22 年度に比べ 2 億 5,161 万円増 (0.44% 増 ) となりました 増額となっている主なものは 社会福祉や医療助成の経費である扶助費 (10 億 1,310 万円増 ) 積立金 (1

平成 25 年度 佐賀市財務諸類の公表公表についてについて Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示され

の自主財源では 分担金 負担金 使用料 手数料 寄付金 繰入金が増加しましたが 財産収入や諸収入が大幅に減少したことにより 自主財源は前年より 6,952 万円の減 (3.8% 減 ) となっております 国や県などの制度に影響を受ける依存財源は 53 億 9,090 万円で 県支出金や町の借金である

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平成 2 4 年度 佐賀市財務書類 基準モデル 平成 26 年 3 月佐賀市総務部財政課

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財政基礎講座

第 1 部平成 28 年度決算にみる中野区の財政 平成 28 年度普通会計決算の概要 ( 歳入 歳出 ) 歳入歳出 実質収支の推移 歳入歳出実質収支 ( 実質収支 ) 1,4 1,2 1, ,324 1,333 1,23 1,265 1,95 1,43 1,52 1,89 1,14

2 決算収支 実質収支は 59 億 63 百万円の黒字で 11 年連続で全団体黒字となった 単収支は 9 億 92 百万円の黒字となった また 赤字団体は35 団体中 15 団体となり 前と比べて8 団体減少した 実質単収支は 189 億 82 百万円の赤字となり 前と比べて41 億 47 百万円赤

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

2 川越市 元利償還金の額 ( 繰上償還等を除く ) 9,58,715 8,786,498 9,222,745 2 積立不足額を考慮して算定した額 ,122,55 1,175,8 1,165, ,575 36,2

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2. 歳入の状況 ( 単位 : 億円 ) 1,8 1,6 1,4 1, 1, 1, 市債 国庫 県支出金 地方交付税 地方譲与税 交付金 市税以外の自主財源 市税 自主財源総額 比率 1,384 1,525 1,529 1,539 1, ,564

1

1-041 団体情報 -7 議員公務災害 一部事務組合 非常勤公務災害 加入の状況 退職手当 ( 加入 1) 事務機共同 税務事務 老人福祉

Transcription:

平成 28 年度決算に基づく福井市健全化 判断比率及び資金不足比率審査意見書 福井市監査委員

監査第 44 号 平成 29 年 8 月 29 日 福井市長東村新一様 福井市監査委員 谷川秀男 福井市監査委員 滝波秀樹 福井市監査委員 矢修一 福井市監査委員 藤田 諭 平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及び資金不足比率審査意見の提出について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第 3 条第 1 項及び第 22 条第 1 項の規定に基づき 平成 29 年 7 月 13 日付けで審査に付された 平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及び資金不足比率並びにその算定の基礎となる事項を記した書類について審査した結果 次のとおりその意見を提出する

目 次 健全化判断比率審査 第 1 審査の対象 1 第 2 審査の概要 1 第 3 審査の結果 1 資金不足比率審査 第 1 審査の対象 3 第 2 審査の概要 3 第 3 審査の結果 3 資料 5

平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率審査意見 第 1 審査の対象 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率及び将来負担比率並びにその算定の基礎となる 事項を記載した書類 第 2 審査の概要 1 審査の方法審査にあたっては 市長から提出された平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が 適正に作成されているかどうかを主眼として実施した 2 審査の実施期間平成 29 年 7 月 13 日から平成 29 年 8 月 29 日まで 第 3 審査の結果 審査に付された平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を 記載した書類は いずれも適正に作成されているものと認めた ( 単位 :%) 区分 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度基準値 1 実質赤字比率 11.25 2 連結実質赤字比率 16.25 3 実質公債費比率 11.4 11.9 12.0 11.8 11.4 25.0 4 将来負担比率 106.5 105.4 111.6 113.0 111.8 350.0 ( 注 ) 実質赤字比率 連結実質赤字比率について の表示は 赤字額がないことを表している 1 実質赤字比率について 平成 28 年度決算に基づく普通会計の実質収支額は 7 億 4,901 万 9 千円の黒字であり 実質赤字 比率は算出されなかった 2 連結実質赤字比率について 平成 28 年度決算に基づく普通会計の実質収支額及び公営事業会計の資金不足 剰余額の合計は 90 億 4,075 万円の黒字であり 連結実質赤字比率は算出されなかった 1

3 実質公債費比率について 平成 28 年度の実質公債費比率は 11.4% となっており 前年度に比べ 0.4 ポイント低下し 早期 健全化基準の 25.0% を下回った 4 将来負担比率について 平成 28 年度決算に基づく将来負担比率は 111.8% となっており 前年度に比べ 1.2 ポイント低下 し 早期健全化基準の 350.0% を下回った むすび本市の平成 28 年度決算に基づく健全化判断比率は 実質赤字比率及び連結実質赤字比率は算出されず 実質公債費比率及び将来負担比率は いずれも早期健全化基準を下回った また 上昇傾向にあった将来負担比率についても 投資的経費の大幅な減少により 昨年度に比べ低下した しかしながら 扶助費 社会保障費は増加傾向にあり それらを賄う税収や保険料の収入増が見込めないことから 既存事業のスクラップ アンド ビルドの徹底と併せ 新たなニーズの対応に向け これまで以上に効率的かつ効果的な行政運営を推進されたい 2

平成 28 年度決算に基づく福井市資金不足比率審査意見 第 1 審査の対象 1 平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計資金不足比率簡易水道特別会計資金不足比率宅地造成特別会計資金不足比率中央卸売市場特別会計資金不足比率集落排水特別会計資金不足比率地域生活排水特別会計資金不足比率下水道事業会計資金不足比率ガス事業会計資金不足比率水道事業会計資金不足比率 2 付属書類各公営企業会計資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類 第 2 審査の概要 1 審査の方法審査にあたっては 市長から提出された平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計の資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が 適正に作成されているかどうかを主眼として実施した 2 審査の実施期間平成 29 年 7 月 13 日から平成 29 年 8 月 29 日まで 第 3 審査の結果 審査に付された平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計の資金不足比率及びその算定の基礎とな る事項を記載した書類は いずれも適正に作成されているものと認めた ( 単位 :%) 会計名 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 基準値 簡易水道特別会計 20.0 宅地造成特別会計 20.0 中央卸売市場特別会計 20.0 集落排水特別会計 20.0 地域生活排水特別会計 20.0 下水道事業会計 20.0 ガス事業会計 20.0 水道事業会計 20.0 ( 注 ) の表示は 資金不足額がないことを表している 3

むすび本市の平成 28 年度決算に基づく資金不足比率は いずれの公営企業会計においても資金不足額が生じていないことから算出されなかった しかし 下水道事業経営戦略 ガス事業経営戦略 水道事業経営戦略 によると いずれの公営企業会計においても 施設等の更新や耐震化に要する費用が増加するが 人口減少等により収入が減少するため 資金不足になることが予測されている 今後も 経営戦略に掲げる施設規模の見直しや民間活力の導入など 経費の縮減と収入の確保を図るよう 不断の経営努力に取り組まれたい 4

用語解説 標準財政規模 地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので 標準税 収入額等に普通交付税を加算した額である 実質赤字比率 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率である 福祉 教育 まちづくり等を行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示 す指標である [ 算出方法 ] 一般会計等の実質赤字額実質赤字比率 = 標準財政規模 連結実質赤字比率 公営企業会計を含む地方公共団体の全会計を対象とした実質赤字額又は資金の不足額の標準財政規模 に対する比率である すべての会計の赤字や黒字を合算し 地方公共団体全体としての赤字の程度を指 標化し 地方公共団体全体としての財政運営の悪化の度合いを示す指標である [ 算出方法 ] 連結実質赤字額連結実質赤字比率 = 標準財政規模 実質公債費比率 一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模を基本とした額に対する比率であ る 借入金 ( 地方債 ) の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し 資金繰りの程度を示す指標で ある [ 算出方法 ] 実質公債費比率 = (3か年平均) ( 地方債の元利償還金 + 準元利償還金 ) ( 特定財源 + 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 標準財政規模 ( 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 5

将来負担比率 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め 当該地方公共団体の一般会計等が将 来負担すべき実質的な負債の標準財政規模を基本とした額に対する比率である 地方公共団体の一般会 計等の借入金 ( 地方債 ) や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高を指標化し 将来財政 を圧迫する可能性の度合いを示す指標である [ 算出方法 ] 将来負担比率 = 将来負担額 ( 充当可能基金額 + 特定財源見込額 + 地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額 ) 標準財政規模 ( 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 資金不足比率 当該地方公共団体の公営企業会計ごとの資金の不足額の事業の規模に対する比率である 公営企業の 資金不足を 公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し 経営状態の悪化の度合い を示す指標である [ 算出方法 ] 資金の不足額資金不足比率 = 事業の規模 健全化判断比率に係る早期健全化基準 早期健全化基準 実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率将来負担比率公営企業ごとの資金不足比率 都道府県 :3.75% 市区町村 : 財政規模に応じ 11.25%~15% 都道府県 :8.75% 市区町村 : 財政規模に応じ 16.25%~20% 都道府県 :25% 市区町村 :25% 都道府県 政令市 :400% 市区町村 :350% ( 経営健全化基準 )20% 6

福井駅周辺整備特別会計国民健康保険特別会計国民健康保険診療所特別会計後期高齢者医療特別会計介護保険特別会計競輪特別会計駐車場特別会計下水道事業会計ガス事業会計水道事業会計簡易水道特別会計宅地造成特別会計中央卸売市場特別会計集落排水特別会計地域生活排水特別会計福井坂井地区広域市町村圏事務組合鯖江広域衛生施設組合こしの国広域事務組合福井市土地開発公社公営企業会計一般会計等以外の特別会計のうち公営企業会計以外の特別会計地方公社法非適用企業公営事業会計一部事務組合 広域連合一般会計等法適用企業一般会計一般会計等に属する特別会計実質赤字比率連結実質赤字比率将来負担比率実質公債費比率資金不足比率健全化判断比率等の対象について 7