平成 28 年度決算に基づく福井市健全化 判断比率及び資金不足比率審査意見書 福井市監査委員
監査第 44 号 平成 29 年 8 月 29 日 福井市長東村新一様 福井市監査委員 谷川秀男 福井市監査委員 滝波秀樹 福井市監査委員 矢修一 福井市監査委員 藤田 諭 平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及び資金不足比率審査意見の提出について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第 3 条第 1 項及び第 22 条第 1 項の規定に基づき 平成 29 年 7 月 13 日付けで審査に付された 平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及び資金不足比率並びにその算定の基礎となる事項を記した書類について審査した結果 次のとおりその意見を提出する
目 次 健全化判断比率審査 第 1 審査の対象 1 第 2 審査の概要 1 第 3 審査の結果 1 資金不足比率審査 第 1 審査の対象 3 第 2 審査の概要 3 第 3 審査の結果 3 資料 5
平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率審査意見 第 1 審査の対象 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率及び将来負担比率並びにその算定の基礎となる 事項を記載した書類 第 2 審査の概要 1 審査の方法審査にあたっては 市長から提出された平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が 適正に作成されているかどうかを主眼として実施した 2 審査の実施期間平成 29 年 7 月 13 日から平成 29 年 8 月 29 日まで 第 3 審査の結果 審査に付された平成 28 年度決算に基づく福井市健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を 記載した書類は いずれも適正に作成されているものと認めた ( 単位 :%) 区分 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度基準値 1 実質赤字比率 11.25 2 連結実質赤字比率 16.25 3 実質公債費比率 11.4 11.9 12.0 11.8 11.4 25.0 4 将来負担比率 106.5 105.4 111.6 113.0 111.8 350.0 ( 注 ) 実質赤字比率 連結実質赤字比率について の表示は 赤字額がないことを表している 1 実質赤字比率について 平成 28 年度決算に基づく普通会計の実質収支額は 7 億 4,901 万 9 千円の黒字であり 実質赤字 比率は算出されなかった 2 連結実質赤字比率について 平成 28 年度決算に基づく普通会計の実質収支額及び公営事業会計の資金不足 剰余額の合計は 90 億 4,075 万円の黒字であり 連結実質赤字比率は算出されなかった 1
3 実質公債費比率について 平成 28 年度の実質公債費比率は 11.4% となっており 前年度に比べ 0.4 ポイント低下し 早期 健全化基準の 25.0% を下回った 4 将来負担比率について 平成 28 年度決算に基づく将来負担比率は 111.8% となっており 前年度に比べ 1.2 ポイント低下 し 早期健全化基準の 350.0% を下回った むすび本市の平成 28 年度決算に基づく健全化判断比率は 実質赤字比率及び連結実質赤字比率は算出されず 実質公債費比率及び将来負担比率は いずれも早期健全化基準を下回った また 上昇傾向にあった将来負担比率についても 投資的経費の大幅な減少により 昨年度に比べ低下した しかしながら 扶助費 社会保障費は増加傾向にあり それらを賄う税収や保険料の収入増が見込めないことから 既存事業のスクラップ アンド ビルドの徹底と併せ 新たなニーズの対応に向け これまで以上に効率的かつ効果的な行政運営を推進されたい 2
平成 28 年度決算に基づく福井市資金不足比率審査意見 第 1 審査の対象 1 平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計資金不足比率簡易水道特別会計資金不足比率宅地造成特別会計資金不足比率中央卸売市場特別会計資金不足比率集落排水特別会計資金不足比率地域生活排水特別会計資金不足比率下水道事業会計資金不足比率ガス事業会計資金不足比率水道事業会計資金不足比率 2 付属書類各公営企業会計資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類 第 2 審査の概要 1 審査の方法審査にあたっては 市長から提出された平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計の資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が 適正に作成されているかどうかを主眼として実施した 2 審査の実施期間平成 29 年 7 月 13 日から平成 29 年 8 月 29 日まで 第 3 審査の結果 審査に付された平成 28 年度決算に基づく各公営企業会計の資金不足比率及びその算定の基礎とな る事項を記載した書類は いずれも適正に作成されているものと認めた ( 単位 :%) 会計名 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 基準値 簡易水道特別会計 20.0 宅地造成特別会計 20.0 中央卸売市場特別会計 20.0 集落排水特別会計 20.0 地域生活排水特別会計 20.0 下水道事業会計 20.0 ガス事業会計 20.0 水道事業会計 20.0 ( 注 ) の表示は 資金不足額がないことを表している 3
むすび本市の平成 28 年度決算に基づく資金不足比率は いずれの公営企業会計においても資金不足額が生じていないことから算出されなかった しかし 下水道事業経営戦略 ガス事業経営戦略 水道事業経営戦略 によると いずれの公営企業会計においても 施設等の更新や耐震化に要する費用が増加するが 人口減少等により収入が減少するため 資金不足になることが予測されている 今後も 経営戦略に掲げる施設規模の見直しや民間活力の導入など 経費の縮減と収入の確保を図るよう 不断の経営努力に取り組まれたい 4
用語解説 標準財政規模 地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので 標準税 収入額等に普通交付税を加算した額である 実質赤字比率 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率である 福祉 教育 まちづくり等を行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示 す指標である [ 算出方法 ] 一般会計等の実質赤字額実質赤字比率 = 標準財政規模 連結実質赤字比率 公営企業会計を含む地方公共団体の全会計を対象とした実質赤字額又は資金の不足額の標準財政規模 に対する比率である すべての会計の赤字や黒字を合算し 地方公共団体全体としての赤字の程度を指 標化し 地方公共団体全体としての財政運営の悪化の度合いを示す指標である [ 算出方法 ] 連結実質赤字額連結実質赤字比率 = 標準財政規模 実質公債費比率 一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模を基本とした額に対する比率であ る 借入金 ( 地方債 ) の返済額及びこれに準じる額の大きさを指標化し 資金繰りの程度を示す指標で ある [ 算出方法 ] 実質公債費比率 = (3か年平均) ( 地方債の元利償還金 + 準元利償還金 ) ( 特定財源 + 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 標準財政規模 ( 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 5
将来負担比率 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め 当該地方公共団体の一般会計等が将 来負担すべき実質的な負債の標準財政規模を基本とした額に対する比率である 地方公共団体の一般会 計等の借入金 ( 地方債 ) や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高を指標化し 将来財政 を圧迫する可能性の度合いを示す指標である [ 算出方法 ] 将来負担比率 = 将来負担額 ( 充当可能基金額 + 特定財源見込額 + 地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額 ) 標準財政規模 ( 元利償還金 準元利償還金に係る基準財政需要額算入額 ) 資金不足比率 当該地方公共団体の公営企業会計ごとの資金の不足額の事業の規模に対する比率である 公営企業の 資金不足を 公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し 経営状態の悪化の度合い を示す指標である [ 算出方法 ] 資金の不足額資金不足比率 = 事業の規模 健全化判断比率に係る早期健全化基準 早期健全化基準 実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率将来負担比率公営企業ごとの資金不足比率 都道府県 :3.75% 市区町村 : 財政規模に応じ 11.25%~15% 都道府県 :8.75% 市区町村 : 財政規模に応じ 16.25%~20% 都道府県 :25% 市区町村 :25% 都道府県 政令市 :400% 市区町村 :350% ( 経営健全化基準 )20% 6
福井駅周辺整備特別会計国民健康保険特別会計国民健康保険診療所特別会計後期高齢者医療特別会計介護保険特別会計競輪特別会計駐車場特別会計下水道事業会計ガス事業会計水道事業会計簡易水道特別会計宅地造成特別会計中央卸売市場特別会計集落排水特別会計地域生活排水特別会計福井坂井地区広域市町村圏事務組合鯖江広域衛生施設組合こしの国広域事務組合福井市土地開発公社公営企業会計一般会計等以外の特別会計のうち公営企業会計以外の特別会計地方公社法非適用企業公営事業会計一部事務組合 広域連合一般会計等法適用企業一般会計一般会計等に属する特別会計実質赤字比率連結実質赤字比率将来負担比率実質公債費比率資金不足比率健全化判断比率等の対象について 7