Oracle Warehouse Builder 11g Release 1概要

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Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 2007 年 3 月

注 : 本書は情報提供のみを目的としています 下記の事項は マテリアルやコード 機能の提供を確約するものではなく また 購買を決定する際の判断材料とはなりえません 本書に記載されている機能の開発 リリースおよび時期については 弊社の裁量により決定いたします 本書には 書式 ソフトウェアまたは印刷物のいかんによらず オラクルが独占的に所有する独自の情報が含まれています 本書とここに含まれる情報は オラクルの事前の同意を得ることなく オラクル以外の者に開示 複写 複製または配布することが禁じられています 本書は ライセンス契約の一部をなすものではなく オラクル その子会社または関連会社とのいかなる契約上の合意事項にも組み込まれるものではありません Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 2

Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 はじめに 企業のナレッジに対する要求が大きくなっている中で ナレッジの習得を支援するツールの傾向を理解することは重要です 最新の機能を理解することで質の高いナレッジを企業に提供できるからです 現在の情報アーキテクチャは 数年前に比べ はるかにダイナミックです 経営上層部は ますます多くの情報 分析能力 動作予測機能を求めています 特に重要な点は 経営上層部が 競争における差別化を図るために 企業全体にこれらすべてを求めていることです Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 を使用することで 企業の情報要件を満たすことができます 本書では ナレッジを提供するインフラストラクチャを作成するためのツールの新しい機能について説明します 本書をお読みいただくことで この新しいリリースの Oracle Warehouse Builder が 企業の対応能力を大幅に改善することをご理解いただけます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 3

情報統合における主要なトレンドの確認 多くのデータ分析が毎日のように行われています しかしながら " 最新かつ最大 " のデータトレンドを理解し 実装する際には 注意が必要です 情報は 利用者が求める形式で求められる場所に提供する必要があります トレンドを評価する場合は この点に留意する必要があります この注意点を念頭におくと 以下の 3 つのトレンドを特定できます 情報品質の向上 既存の情報の活用 情報ソリューションの早期稼動これらのトレンドは インフラストラクチャの利用者だけでなく 開発者にとっても重要です そこで これらのトレンドが企業にとってどのような意味を持っているかについて 詳しく見ていきましょう 情報品質の向上 長年にわたって論じられてきましたが 情報資産が正しく管理される時代がついに到来しました 情報資産管理に対し最も影響の大きいものは 品質の問題と評価です この 2 つの要素により 情報品質への対応の必要性が明らかにされています 重要な点は 元データの品質ではなく 情報の品質です 情報は元データとメタデータ ( ビジネス定義 ) から構成されているため データとメタデータ両方のより高い品質要件を指しています これは アーキテクチャだけでなく プロセスやシステム設計にまで影響が及びます 既存の情報の活用 情報が真に資産になると 利用者はこれらの資産からより多くの結果を期待します この結果がナレッジです 既存の情報資産からより多くのナレッジを獲得するために 利用者は 未知の方法で新しい情報を発見し 新しい方法で既存の情報を利用します 情報活用技術の発展に伴い ユーザーは情報を活用したいと考えています つまり 企業が活用できるナレッジを生成するには 分析能力を強化し その結果をより多くの利用者に提供できるように準備する必要があります より多くのシステムからの提供適切な時期に情報を提供するという要件は 適切な瞬間にますます多くのデータを統合する必要があるため さらに複雑です 情報の必要性の増加に伴い 情報を提供するために分析する必要がある情報源も増加し 多様化しています より多くのシステムを統合し 適切な時期に情報を提供する要件は 作成する情報インフラストラクチャにも大きく影響します Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 4

早期の稼動 ビジネスが加速し 情報要件が飛躍的に増大するのに伴い 新しい情報要件に対応する時間をいっそう短縮する方法を見つける必要があります それには 反復作業を自動化し ビジネス ナレッジを作業にカプセル化し ソリューションを早期に提供できるツールセットが必要です Oracle Warehouse Builder 固有の拡張性 作業の自動化 および専門的情報を組み込む機能により 複雑なシステムをかつてなく迅速に提供できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 5

パッケージ Oracle Warehouse Builder は Oracle Database 11g の重要な要素です Oracle Warehouse Builder は すべての Edition(Standard Edition Standard Edition One Enterprise Edition) で動作しますが 特に Oracle Database 11g が認定され 移植されているすべてのプラットフォームで動作します 製品の中核機能は データベースのライセンスにより無料で使用できます オプションは別売りであり Oracle Database Enterprise Edition でのみ使用可能です 図 1 パッケージおよびオプション オプションの詳細は 文書またはインターネットで Oracle データベースのオプションについての説明を参照してください 以下の各項で オプションの概要について説明します 中核機能 製品の中核機能では 多くの環境とのデータ統合とモデリングを可能にすることを目的としています Oracle Warehouse Builder の使用を無料で体験できるので便利です ただし 小規模の実装は目的としていません Enterprise ETL オプション このオプションは 性能と生産性を改善して情報抽出を高速化し 再利用を促進する機能です また 高度なメタデータ管理機能も付属しています Data Quality オプション Data Quality オプションは 完全に統合された比類のない製品の一部として市場の他のツールにはない固有の利点を持ち データ プロファイリング データ ルール ( 実質はビジネス ルール ) および情報準拠機能をサポートします 統合により データ プロファイリング中に収集される情報を使用して 自動的にデータ修正処理を生成できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 6

コネクタ コネクタは ERP および CRM パッケージ アプリケーションへのアクセスを簡素化し 統合を強化します Oracle Warehouse Builder 11g では Siebel コネクタが新たに追加されています 統合 ツールを最大限に活用するには ETL コンポーネントを他の情報管理の柱と統合 することが重要です 図 2 統合された製品 データ モデリング データ準拠 およびデータ品質は 情報管理ツールが保持すべき中核機能です 各社の主張を超えて 各ツールの操作性 統合方式 販売方式 ( セットまたは単独製品 ) を最初から理解することが重要です これによって製品の統合性を把握できます では なぜ統合が重要なのでしょうか オラクルは 長年にわたって 図 2 の各項目を個別ツールとして扱ってきました ( 現在も その方式を採用しているベンダーもあります ) お客様は ETL ツールにデータ モデルを統合する方法を模索し 結局は他社製の統合ソフトウェアを購入することになります これが 現在の一般的な状況です 近い将来を見据えると データ プロファイリング ツールから得た結果を ETL 開発者に伝達する必要があります では どのようにそれを実現するのでしょうか データ プロファイリング情報は データ不良を解決するために必要なデータ品質変換にどのように流れ込むのでしょうか これらの質問の答えが統合です したがって 市販のツールや方式を活用するには より迅速かつ良好に作業を実行するための統合ツールを探す必要があります Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 7

Oracle Warehouse Builder による情報品質の改善 冒頭でトレンドに関して述べたとおり 現在および近い将来 単にデータを提供するだけでは不十分になります 情報の提供者または統合者として 高品質の情報の取得を支援するツールセットが必要です Oracle Warehouse Builder は このツールセットの重要な要素です メタデータの品質 データ品質は ここまで繰り返し説明したように重要です しかし メタデータについては メタデータ品質を提供する製品はおろか データ品質の議論からも脱落しています 新しいOracle Warehouse Builderは この状況を大きく変えます このツール 1 は 初めて環境の変化によって生じる一部の問題の解決を支援します 新しい Oracle Warehouse Builder の依存性管理サービスを通じて システム内のメタデータ変化の波及効果を発見し メタデータの変化によるシステム停止を防止できます 図 3 システム内の変化の伝達 初めてシステム内の変化を予防的に管理できます たとえば 図 3 の場合 マッピング エディタの中でシステム全体に変化を伝達できます 1 特許出願中 Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 8

図 4 Name 属性に対する伝播の影響 この Oracle Warehouse Builder を使用すると 時間と作業を大幅に軽減できるだけ でなく メタデータの品質も改善できるので ユーザーのために有効な情報を作成できます データ プロファイリング 情報の有用性と精度に不可欠な他の重要な要素が データ品質レベルの保証です 新しい Oracle Warehouse Builder は すでに市場で入手できるデータ品質セットに強力な機能を追加しています Oracle Warehouse Builder の情報品質の主な特長は 一般にデータ プロファイリングと呼ばれるデータ品質評価機能が 組み込まれていることです 図 5 に データ プロファイリングの概要を示します Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 9

図 5 データ プロファイリングの概要 Oracle Warehouse Builder でデータ プロファイリングの結果を使用すると 修正マッピングと呼ぶ Extract Transform および Load ルーチン (ETL) を通じて データに適用できるデータ クレンジング ルールを作成できます ETL プロセスが作成される中でのこの統合こそ 従来のプロファリング ソリューションと Oracle Warehouse Builder の大きな違いです 統合により Oracle Warehouse Builder でのデータ プロファリングの効率が大幅に向上し ビジネス用のデータ品質が迅速に改善されます データ品質の目標が企業の期待目標に到達することを保証するために データの品質を継続的に監視する Data Auditor をプロセスに追加できます 品質が指定された期待目標に到達しない場合 ( シックス-シグマまたは欠陥率で測定可能 ) Data Auditor から警告が通知されるため 適切な処置を行うことができます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 10

図 6 Data Auditor の作成 データ品質 中核データベース テクノロジを利用すると 現行の機能セットが改善されます データ品質アルゴリズムをパイプラインできるようになったため 効率が改善されます 強化された新しい照合結合アルゴリズムにより より良好な結果をより迅速に生成できます これらすべてが Oracle Warehouse Builder の中核 ETL コンポーネントに組み込まれています また ソフトウェア以外の改善も行われました Oracle Warehouse Builder のアプリケーション プログラミング インタフェース (API) がデータ品質専門ベンダーに公開されたので お好みのベンダーから Oracle Warehouse Builder を入手できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 11

図 7 名前とアドレスのクレンジング この機能は製品の 9.2 リリースで導入されていますが 新しい Oracle Warehouse Builder では より多くのデータ品質パートナ (OTN[ 英語 ] を参照してください ) と共同で データ クレンジングの簡素化と低コスト化を図っています Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 12

Oracle Warehouse Builder による情報の価値の増大 2 番目のトレンドは より多くのデータを一元的に高度分析できる機能です Oracle Warehouse Builder が到達できるすべての情報源と高度なデータ品質機能により ユーザーにより多くの情報を提供できます しかし ユーザーは what-if 分析を実行し これまで隠れていたパターンを発見し このナレッジをビジネス問題に適用するために 簡単に使用できる高度な分析ツールが必要です 新しい Oracle Warehouse Builder は この高度分析要件に適合する最新テクノロジの一部を実現しています OLAP 対象設計 高度計算 ( 共有 順位付け および時系列 ) および ETL の Oracle OLAP データベースとの統合が Oracle Warehouse Builder の機能における新しい主要コンポーネントです OLAP 以外にも Oracle Warehouse Builder では Oracle Spatial や Oracle Data Mining のような Oracle プラットフォームに搭載されているより高度な機能を使用できます これらのテクノロジを通じて 収益の見込める場所や顧客が競争相手を選択した理由などの情報を得ることができます すなわち 場所に基づいて情報を表示し 詳細に調査することで 現在の状況や起こりうる状況を理解できます 図 8 Oracle プラットフォームでの高度分析ツールの使用 Oracle プラットフォームを利用すると Oracle のビジネス インテリジェンス製品を使用して マップ ゲージおよびその他のビジュアル化機能によりデータを表示できます 従来の ETL 機能 最初の段階は 従来の ETL テクノロジです 新しい Oracle Warehouse Builder リリースにおける ETL の新機能を見ていきましょう Oracle Warehouse Builder には 新しいマッピング エディタが追加されています ( 図 9) Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 13

図 9 Oracle Warehouse Builder のマッピング エディタ ユーザー インタフェースに多くの機能が追加され 大型マッピングの作成 生産性の向上 および誤操作の減少が図られています 表示機能と生産性の強化に加え ETL プロセスの作成を高速化できるさまざまな新しいコンポーネントが追加されています 既存のマッピングから再利用可能なマッピング コンポーネントを作成できます 簡単なクリック操作で オンライン分析処理 (OLAP) データベースに緩やかに変化するディメンション (SCD) やデータをロードする 高度な ETL 機能を使用できます このように 新しい Oracle Warehouse Builder は 情報をより迅速により高い品質で提供できる より多くの ETL 機能を提供しています より多くのデータ情報源の活用 企業がより多くの標準アプリケーションを実装するのに伴い これらのパッケージ アプリケーションとの接続の重要性が高まっています Oracle Warehouse Builder の新しいリリースでは 既存の SAP コネクタを強化し 製品に多数のパッケージ アプリケーション コネクタを追加して この状況に対応できる機能が追加されています 変更の取得適切な時期に情報を提供するためのポイントは 情報源で関連情報を取り込み 対象に配信する機能です 新しい Oracle Warehouse Builder では 最新のデータベース技術を使用している Oracle Change Data Capture(Oracle CDC) を利用できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 14

Oracle Warehouse Builder では パートナ ソリューション 2 を通じて パートナの CDC アプリケーションを含むメインフレーム データを統合できます Oracle E-Business Suite の統合より多くのパッケージ アプリケーションの使用を促進するための一環として Oracle E-Business Suite が統合されています Oracle Warehouse Builder の新しいリリースでは Oracle Embedded Data Warehouse との統合に加え Oracle E-Business Suite との統合が追加されています 図 10 Oracle E-Business Suite 接続 Oracle Warehouse Builder は Oracle E-Business Suite(Oracle EBS) 内のメタデータを完全に理解し より簡単で効率的にメタデータを抽出できます また Oracle EBS コネクタは EBS 製品ファミリ内の Concurrent Manager にシームレスに統合されています この機能により EBS の汎用スケジューリングおよびジョブ管理フレームワークに Oracle Warehouse Builder のプロセスを緊密に統合できます PeopleSoft の統合 Oracle E-Business Suite 同様 PeopleSoft のパッケージ アプリケーションも 標準コネクタとして Oracle Warehouse Builder に追加されています PeopleSoft コネクタを通じて Oracle Warehouse Builder は PeopleSoft アプリケーション固有のメタデータ構造を理解できます PeopleSoft アプリケーションのメタデータをインポートすると Oracle Warehouse Builder のすべての機能を使用して このデータを環境の残りの部分に統合できます 2 詳細については OTN( 英語 ) を参照してください http://www.oracle.com/technology/products/warehouse/htdocs/otn_partners.html Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 15

Siebel の統合 Siebel コネクタは EBS コネクタや PeopleSoft コネクタに非常に似ています Siebel コネクタは Siebel メタデータの構造を理解し これらの構造のビジネス ビューを提供します 上述のコネクタと同様 Siebel コネクタも SQL ベースのコネクタです SAP の統合 SAP コネクタは 本リリース用に改善されています SQL や PL/SQL を使用する Oracle Warehouse Builder の他のほとんどの ETL と異なり SAP からの抽出にはネイティブ SAP 言語である ABAP が使用されます この違いにより 抽出プログラムが SAP サーバーにおいてネイティブ言語で動作することが保証されます Oracle Warehouse Builder の新しいバージョンは SAP プログラムの SAP サーバーへの直接配置と実行をサポートします おそらく SAP スタッフは稼働サーバーでのプログラム管理を継続することになりますが この強化により SAP 抽出プロセスの配置が簡素化されるため 開発作業とテスト作業が大幅に改善されます この拡張に加え SAP コネクタの性能と生産性も大幅に強化されています SAP コネクタは 完全な機能 ネイティブ ABAP コードの生成 および価格の点から SAP システムからデータを抽出する場合に貴重なコンポーネントです 高度な分析の利用 OLAP ソリューションの最大の利点は ユーザーに驚異的な応答時間を提供する 非常に高度な計算処理能力です Oracle OLAP オプションは Oracle データベース内で使用できるので Oracle Warehouse Builder でこのテクノロジを簡単に使用できます Oracle Warehouse Builder では OLAP キューブのディメンション 階層 メジャー 計算メジャー および必要なすべてのコンポーネントを記述する論理設計を作成します Oracle Warehouse Builder は OLAP オプションで新しい XML API を使用して データベース カタログに必要なアナリティック ワークスペースとメタデータを作成します また Oracle Warehouse Builder では お客様の実装を選択できます 純粋な多次元 OLAP ソリューション (MOLAP) またはリレーショナル OLAP ソリューションを選択できます テストの方向により スイッチを切り替えるだけで ソリューションを切り替えることができます スキーマまたはアナリティック ワークスペースを作成したら Oracle Warehouse Builder の ETL モデラーを使用して ロード プログラムを作成できます Oracle Warehouse Builder は アナリティック ワークスペースに任意のデータを直接ロードできるので 最初から OLAP データ ロードの豊富な変換機能を使用できます OLAP オプションにより 任意の情報源から多くのデータを直接ロードし 高度な分析を実行可能なため 多くのユーザーが OLAP データにアクセスし 操作できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 16

図 11 キューブへの分析用コンテンツの追加 OLAP キューブ エディタに高度な分析用の生成オプションを直接追加することで 分析用のキューブを直接準備できます これらの計算メジャーは ユーザーが作成するのではなく データベースに格納されるため 性能と一貫性が向上します BI メタデータの抽出 Oracle Warehouse Builder は 強力なインフラストラクチャを提供するだけでなく ユーザーに提示できる暫定的な ( テンプレート ) レポートも提供します これにより 開発時間が大幅に短縮されます ( リレーショナルまたは OLAP) データベースを定義し データをロードすることで 大量のメタデータが作成され 収集されます 従来は このデータベース設計の上にアプリケーションを構築していたため メタデータと設計の作成をもう一度繰り返す作業が必要でした Oracle Warehouse Builder では 設計からユーザー メタデータが抽出されるため この重複作業とメタデータが不要になります そのため 必要な作業が減るだけでなく エラーのリスクやメタデータの同期を維持する作業も減るので メタデータの品質が向上します また これらの定義を一元的に管理することで 万全のインパクト分析を提供できることも メタデータの品質にとって重要です データベースの変更の影響を事前に把握できるだけでなく BI 環境への影響も把握できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 17

したがって Oracle Warehouse Builder では キューブ メタデータを選択し たとえば Oracle BI Standard Edition(Oracle BI SE) ユーザー階層を抽出し 最初に Oracle Warehouse Builder のリポジトリにこの情報を格納できます 次に Oracle Warehouse Builder の中で Oracle BI SE のオブジェクトを編集できます 編集が終了したら これを Oracle BI SE に配置します Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 18

Oracle Warehouse Builder による生産性の改善 これまで 2 つのトレンドと Oracle Warehouse Builder を使用して品質を改善し 企業内のナレッジを増やす方法について見てきました 次に これらの手順に高速化に取り組む必要があります この場合にも Oracle Warehouse Builder は有効でしょうか 高度な機能のカプセル化 データ統合の多くの作業は 標準作業にカプセル化できます 高度な分析計算の生成については すでに説明しました ( 図 11 を参照してください ) 開発者やユーザーにこのような退屈な作業をさせることなく これらの計算を 1 つの手順で生成できます 緩やかに変化するディメンション緩やかに変化するディメンションでも同じことが実行されます 重要な情報の変化をとらえ データの中でバージョニングするという概念は難しいものではありませんが 実装方法が人によって異なるため データ統合作業は困難になります Oracle Warehouse Builder の緩やかに変化するディメンションの論理は 実際のディメンション メタデータの中で設計されています ディメンションは入ってくるデータに適用されるすべての論理を取得します 図 12 緩やかに変化するディメンションの単一の実装 Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 19

ビジネス ユーザーが重要な属性を決定すると データ モデラーがディメンションを設計します ETL の手順の中では ディメンションは他の任意のディメンションと同様に表示されます 開発者は 変更や更新を処理する方法を気にする必要がありません Oracle Warehouse Builder が ディメンションの定義に基づいてその処理を自動化します このような手順 設計 および標準化の組合せにより 緩やかに変化するディメンションを大幅に高速化できます その他 パーティショニングを使用することでロードと問合せ時間を改善するスマート ストレージ ファクト表の索引の適切な定義の使用によるスター クエリー変換 時間ディメンションの生成などの機能が含まれています これらの例は 高度な機能を簡素な構成要素に組み込む方法を示す 2 つの例にすぎません 次に説明する生産性改善機能は はるかに強力です データ修正データの状態に基づいてスキーマ全体を生成し そのスキーマと生成したマッピングを保持し 対象スキーマに流れ込むときにデータ エラーを修正できることを想像してください サイエンス フィクションのように聞こえるかもしれません しかし Oracle Warehouse Builder の修正モジュールを使用することで 実現可能です 簡単にその動作を説明します データ プロファイリングの結果に基づいて データの理想の状態を表すデータ ルールを抽出または設計できます 次に 修正マッピングとこれらの修正マッピングの対象として機能するスキーマを生成します 修正マッピングを生成するとき データが対象スキーマの中に移動するときにデータがデータ ルールに適合することを保証するクレンジング メソッドを選択できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 20

図 13 データ クレンジングの選択 Oracle Warehouse Builder は このプロセスを自動化して データ統合プロセスを大幅に高速化します しかも プロセスがデータ ルールから生成されるため ルールの変更に伴うプロセスの再作成では さらに時間が短縮されます 再開発する必要はなく ルールのメタデータを変更し プロセスとスキーマを再度生成するだけで 稼動状態に復帰します これは単なる生産性の向上でなく 生産性の強力な推進装置です ビジネス プラクティスのカプセル化 Oracle Warehouse Builder の多くの機能により 一般的なプラクティスの自動化やカプセル化が可能になり データ クレンジングのルーチンも生成できますが 独自のビジネス ルールとプラクティスをカプセル化する方法が必要な場合もあります プラッガブル マッピング各種の情報源からデータを統合するとき 企業の仕様に従って特定の方法で変換されたかどうか確認したいことがあります Oracle では 常にこれらのルールをカプセル化する PL/SQL を記述でき Oracle Warehouse Builder でこれらのプログラムを使用できます ただし その保守や変更は 非常に困難です プラッガブル マッピングを使用すると 通常のマッピングと同じ視覚的かつオープンな方法で 変換や ETL 構造をモデル化できます プラッガブル マッピングを使用すると ETL プロセスが使用するコンポーネントを汎用化するためのインタフェース ( 入力と出力の両方 ) を定義できます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 21

図 14 入力と出力の署名があるプラッガブル マッピング これらのコンポーネントはグラフィカル設計を持っているため 理解と保守が大幅に簡素化されます 開発者が企業を離れた場合でも 論理的なデータ フローの解釈には 何行ものコードを読む必要がないため 時間と作業が節減されます Experts 変換論理の再利用に加えて たとえば Microsoft Excel でマクロを使用するように より複雑な特定の作業を反復できればよいと思いませんか Oracle Warehouse Builderでは エキスパートと呼ぶ機能でこれを実行できます Expertsを使用すると グラフィカル エディタとスクリプティング言語 (OMB 3 およびOMU 拡張を持つTCL) を使用して タスク フローの中に作業をプログラムできます Oracle Warehouse Builderが非常にグラフィカルなツールであるため エキスパートでは Oracle Warehouse Builderのユーザー インタフェース コンポーネントを再利用して 独自の " ウィザード " を作成できます 3 Oracle MetaBase(OMB) およびOracle Metabase User interface(omu) コマンドは 標準のTCL 言語の拡張機能です Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 22

図 15 グラフィカル エディタでのエキスパートの設計 この機能を使用すると 多くの目標を達成できます 経験の少ない開発者でも エキスパートを使用して経験のある開発者が定義した仕事を実行できるので 両方の生産性が向上します また 単純な命名規則から特定のオブジェクトを設計する方法まで広がるビジネス プラクティスをカプセル化することができます ガイドラインを文書化する代わりに これらのガイドラインを製品の中に埋め込み 強制できます そのため 費用のかかる再確認 監査 およびより重要な改訂やコンプライアンスの違反が減少します 単純なダイアログ ボックスまたは複雑なシャトルや他のカスタム コンポーネントのような独自のユーザー インタフェース コンポーネントを作成する必要がある場合は Oracle Warehouse Builder を使用すると エキスパートエディタで または Java コンポーネントを使用して カスタム ダイアログを設計できます いずれの場合も 内蔵された言語コンポーネントを使用して リポジトリ メタデータと対話できます また Oracle Warehouse Builder のユーザー インタフェースにログインせずにエキスパートを実行できるので Oracle Warehouse Builder 以外のユーザーにもエキスパートを公開できます かくして よりビジネス指向のユーザーもリポジトリと対話できます たとえば OLAP ベースのスプレッドシートのデータ異常を調べる必要があるユーザーです Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 23

図 16 Excel から情報源までの系統 エキスパートで系統ユーザー インタフェースを統合し バッチ ファイルを使用してこれを Excel に公開することで 任意のビジネス ユーザーにデータの適性を理解させることができます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 24

まとめと結論 情報統合のトレンドを見る場合 以下の事実を把握する必要があります より高品質の情報の提供 既存の情報を活用したナレッジの抽出 情報提供の高速化限られた予算の制約の中でこのすべてを実行するには 予算を賢明に使用する必要があります Oracle Warehouse Builder を使用すると 手を加えずに低価格でこれらの要件を実現できます したがって Oracle Warehouse Builder を使用することで 企業はデータから迅速により高品質の結果を得ることができます Oracle Warehouse Builder 11g Release 1 概要 25

Oracle Warehouse Builder 11g Release1 概要 2007 年 3 月著者 :Jean-Pierre Dijcks Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口 : 電話 : +1.650.506.7000 ファクシミリ : +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright 2007, Oracle.All rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく さらに 口述による明示または法律による黙示を問わず 特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み いかなる他の保証や条件も提供するものではありません オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracle は米国 Oracle Corporation およびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です