PRIMECLUSTER GLS for Windows クラスタ連携ガイド MSCS/MSFC 編 B1FN-5931-02Z0(00) 2012 年 2 月
まえがき 本書の目的 本書は PRIMECLUSTER GLS for Windows( 以降 GLS と略します ) を クラスタシステムで構築する場合の導入手順について説明しています 本書の読者 本書は クラスタシステムで GLS の構築を行うシステム管理者を対象にしています 本書を読む場合 以下の知識が必要です オペレーティングシステムに関する知識 クラスタシステムに関する知識 ネットワークに関するハードウェアおよびソフトウェアの知識 本書の構成 本書の構成は 以下のとおりです 第 1 章概要 クラスタシステムに GLS を導入する場合の概要について説明しています 第 2 章設計 クラスタシステムに GLS を導入する場合の設計について説明しています 第 3 章導入 クラスタシステムに GLS を導入する場合の手順について説明しています 第 4 章コマンドリファレンス クラスタシステムで使用する GLS のコマンドについて説明しています 本書の表記について 製品名の略称 本マニュアルは 以下の製品名称を略称で表記しています 略称正式名称備考 GLS PRIMECLUSTER GLS for Windows MSCS Microsoft Cluster Service 以下の環境で GLSと連携します - Windows Server 2003 R2 MSFC Microsoft Failover Cluster 以下の環境で GLSと連携します - Windows Server 2008 - Windows Server 2008 R2 コマンドプロンプト 本書では コマンドプロンプトを > で示し コマンドの使用例を以下のように記述しています > strhanet なお GLS のコマンドのパスは省略しています 標準のインストール先にインストールした場合 必要に応じて C:\Program Files \PRIMECLUSTER GLS\usr\command をつけて実行してください 上記コマンドの場合 以下のパスになります C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\strhanet - i -
記号 特に注意が必要な事項や参考情報は 以下の形式で記述しています 注意 特に注意していただきたいことを記述しています 必ずお読みください ポイント 知っていると役に立つ情報を記述しています 参照 関連項目など参照先を記述しています 参考 ご利用になるうえで参考になる情報を示します 商標について Microsoft MS MS-DOS Windows および Windows Server は 米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です Microsoft Corporation のガイドラインに従って画面写真を使用しています Ethernet は 富士ゼロックス株式会社の登録商標です PRIMECLUSTER は富士通株式会社の登録商標です そのほか 本マニュアルに記載されている会社名および製品名は それぞれ各社の商標または登録商標です なお 本マニュアルでは (R) TM 表記を省略しています 出版年月 改版履歴 2008 年 8 月初版 2012 年 2 月第 2 版 高度な安全性が要求される用途への使用について 本製品は 一般事務用 パーソナル用 家庭用 通常の産業用等の一般的用途を想定して設計 製造されているものであり 原子力施設における核反応制御 航空機自動飛行制御 航空交通管制 大量輸送システムにおける運行制御 生命維持のための医療用機器 兵器システムにおけるミサイル発射制御など 極めて高度な安全性が要求され 仮に当該安全性が確保されない場合 直接生命 身体に対する重大な危険性を伴う用途 ( 以下 ハイセイフティ用途 という ) に使用されるよう設計 製造されたものではございません お客様は 当該ハイセイフティ用途に要する安全性を確保する措置を施すことなく 本製品を使用しないでください ハイセイフティ用途に使用される場合は 弊社の担当営業までご相談ください お願い 本書を無断で他に転載しないようお願いします 本書は予告なしに変更されることがあります - ii -
著作権 All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 2008-2012 - iii -
目次 第 1 章概要...1 1.1 機能概要...1 1.2 クラスタシステム構成...1 1.3 クラスタシステム構築の流れ...2 第 2 章設計...4 2.1 1:1 運用待機型の設計...4 2.1.1 業務 LAN の設計...5 2.1.2 業務グループの設計...5 2.1.3 汎用アプリケーションリソースの設計...6 2.1.4 IP アドレスリソースの設計...6 2.1.5 その他のリソースの設計...7 2.2 相互待機型の設計...7 2.2.1 業務 LAN の設計...8 2.2.2 業務グループの設計...9 2.2.3 汎用アプリケーションリソースの設計...10 2.2.4 IP アドレスリソースの設計...11 2.2.5 その他のリソースの設計...12 第 3 章導入...13 3.1 GLS のインストール...13 3.2 仮想アダプターの作成...13 3.3 クラスタの作成...13 3.4 業務グループの作成...13 3.4.1 MSCS の導入手順...14 3.4.1.1 グループの作成...14 3.4.1.2 汎用アプリケーションリソースの作成...15 3.4.1.3 IP アドレスリソースの作成...17 3.4.1.4 グループのオンライン化...19 3.4.2 MSFC の導入手順...21 3.4.2.1 クラスタネットワークの設定...21 3.4.2.2 サービスまたはアプリケーションの作成...23 3.4.2.3 汎用アプリケーションリソースの作成...25 3.4.2.4 IP アドレスリソースの作成...30 3.4.2.5 サービスまたはアプリケーションのオンライン化...33 第 4 章コマンドリファレンス...35 4.1 GLS リソースモニタコマンド...35 - iv -
第 1 章概要 本章では GLS をクラスタシステムで使用するための構築手順について説明します 1.1 機能概要 GLS がインストールされている MSCS および MSFC では GLS の仮想アダプターを業務 LAN の通信のために使用することで 仮想アダプターのリンクダウンや伝送路異常の検出を契機とした フェールオーバーを実現します これにより ノード間による業務グループのフェールオーバーが自動的に行われるため システム管理者が介入することなく 業務を継続できます 図 1.1 GLS とクラスタシステム 仮想アダプターのリンクダウンや伝送路異常の検出には GLS リソースモニタを使用します GLS リソースモニタは MSCS および MSFC の グループおよびサービス ( またはアプリケーション ) に作成された 汎用アプリケーションリソースから呼び出され 仮想アダプターの状態を監視します GLS リソースモニタが異常を検出すると 汎用アプリケーションにより フェールオーバーが行われます 1.2 クラスタシステム構成 GLS を使用してフェールオーバーを行う場合の クラスタシステム構成を以下に示します - 1 -
図 1.2 GLS を使用してフェールオーバーを行う場合のクラスタシステム構成 クラスタシステムを構成する要素を以下に示します 表 1.1 クラスタシステムを構成する要素構成要素ノード1 ノード2 業務グループ業務アプリケーション IPアドレスリソース汎用アプリケーションリソース GLSリソースモニタ仮想アダプター物理アダプター 1 物理アダプター 2 HUB1 HUB2 説明 クラスタシステムを構成するノード 業務を行うリソースを 1 つにまとめたグループ (MSCS: グループ MSFC: サービスまたはアプリケーション ) 業務を行うソフトウェアやディスク ネットワーク名などのリソース 業務グループで使用する IP アドレスのリソース GLS リソースモニタを呼び出し フェールオーバーを行うリソース GLS の仮想アダプターの状態を監視するコマンド GLS の仮想アダプター 業務グループで使用される IP アドレスを設定 GLS の仮想アダプターで使用する物理アダプター GLS の仮想アダプターと接続する ping 監視先 1.3 クラスタシステム構築の流れ クラスタシステムで GLS を使用する場合の構築の流れを説明します - 2 -
1. 設計クラスタシステムにGLSを導入する事前準備として 以下の設計を行います 業務 LANの設計 業務グループの設計 汎用アプリケーションの設計 IPアドレスリソースの設計 その他のリソース設定詳細は 第 2 章設計 を参照してください 2. 導入クラスタシステムにGLSを導入する流れは以下になります 1. GLSのインストールクラスタを構成する各ノードに GLSをインストールします 2. 仮想アダプターの作成各ノードに GLSの仮想アダプターを作成します 3. クラスタの作成業務 LANの通信のために 仮想アダプターを使用するクラスタを作成します 4. 業務グループの作成フェールオーバーを行うために 必要なリソースをまとめた業務グループを作成します 詳細は 第 3 章導入 を参照してください - 3 -
第 2 章設計 本章では クラスタシステムにおいて GLSを使用する場合の設計について 以下の運用モデルを例に説明します 1:1 運用待機型 相互待機型 2.1 1:1 運用待機型の設計 1 対 1 運用待機型のクラスタシステムで 業務 LAN に引継ぎ IP アドレスを 1 つだけ割り当てる シンプルな業務グループの場合の設計について説明します 図 2.1 1:1 運用待機型の場合 上図の場合の ノードおよびグループの構成を以下に示します 表 2.1 システム構成と設定内容システム構成設定内容 HOST1の業務 LANの構成 GLSの仮想アダプター (sha0) が定義されています HOST1 固有のIPアドレス (192.168.2.1) が設定されています HOST2 の業務 LAN の構成 GLS の仮想アダプター (sha0) が定義されています HOST2 固有の IP アドレス (192.168.2.2) が設定されています 業務グループの構成 HOST1 でアプリケーションを動作させます HOST1 で異常が発生した場合 業務を HOST2 へ移動させます アプリケーションへのアクセスは 引継ぎ IP アドレス IP1(192.168.2.100) を使用します - 4 -
2.1.1 業務 LAN の設計 業務 LAN で使用する各ノードの仮想アダプターに 以下の項目を設計します 表 2.2 仮想アダプターの設計に必要な項目と説明 項目 仮想アダプター名 IP アドレス サブネットマスク 説明 引継ぎ IP アドレスの設定先とする仮想アダプターに 各ノードで同じ名前を設定します 各ノードで固有の IP アドレスを割り当てます 業務 LAN のネットワーク環境に合わせて割り当てます 例 設計例を以下に示します 表 2.3 各ノードの仮想アダプターにおける設計例ノード名 項目 設定値 HOST1 仮想アダプター名 sha0 IPアドレス 192.168.2.1 サブネットマスク 255.255.255.0 HOST2 仮想アダプター名 sha0 IPアドレス 192.168.2.2 サブネットマスク 255.255.255.0 2.1.2 業務グループの設計 業務グループに 以下の項目を設計します 表 2.4 業務グループの設計に必要な項目と説明 グループ名 優先所有者 項目 説明 他のリソースまたはグループと重複しない 一意の名前を設定します 優先的に動作するノードを指定します 例 ) HOST1 を運用ノード HOST2 を待機ノードとする場合 優先所有者として HOST1 を指定します 例 設計例を以下に示します 表 2.5 業務グループにおける設計例項目グループ名優先所有者 PUBLIC LAN HOST1 設定値 - 5 -
2.1.3 汎用アプリケーションリソースの設計 GLSリソースモニタを実行する汎用アプリケーションに 以下の項目を設計します 表 2.6 汎用アプリケーションリソースの設計に必要な項目と説明 項目 説明 リソース名 他のリソースまたはグループと重複しない 一意の名前を設定します リソース種別 汎用アプリケーションを設定します グループ リソースが動作するグループを指定します 依存関係 設定は不要です コマンドライン GLSリソースモニタのコマンドを指定します 詳細は 4.1 GLSリソースモニタコマンド を参照してください パラメータ MSFC のみ 現在のディレクトリ レジストリレプリケーション GLS リソースモニタコマンドのパラメータを指定します GLS リソースモニタの格納先ディレクトリを指定します 設定は不要です 例 設計例を以下に示します 表 2.7 汎用アプリケーションリソースにおける設計例 リソース名 リソース種別 グループ 依存関係 項目 sha0-ip1 汎用アプリケーション PUBLIC LAN なし 設定値 コマンドライン MSCS C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe -n sha0 -c m パラメータ MSFC のみ -n sha0 -c m -i 5 MSFC C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe 現在のディレクトリ レジストリレプリケーション C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command なし 2.1.4 IP アドレスリソースの設計 引継ぎIPアドレスを設定するIPアドレスリソースに 以下の項目を設計します 表 2.8 IPアドレスリソースの設計に必要な項目と説明項目説明リソース名他のリソースまたはグループと重複しない 一意な名前を設定します - 6 -
項目リソース種別グループ依存関係アドレスサブネットマスクネットワーク IP アドレスを設定します 説明 リソースが動作するグループを設定します クラスタサービスで最初にオンラインにする必要があるリソースを指定します ここでは GLS リソースモニタを実行する汎用アプリケーションリソースを指定してください 引継ぎ IP アドレスを設定します 業務 LAN のサブネットマスクを指定します GLS の仮想アダプターを指定します 例 設計例を以下に示します 表 2.9 IPアドレスリソースにおける設計例 項目 リソース名 IP1 リソース種別 IPアドレス グループ PUBLIC LAN 依存関係 sha0-ip1 アドレス 192.168.2.100 サブネットマスク 255.255.255.0 ネットワーク sha0 設定値 2.1.5 その他のリソースの設計 業務グループで使用するアプリケーションリソースを追加します 項目は 追加するリソースの種別に依存するため 以下のように設計してください リソースの動作に引継ぎ IP アドレスを使用する場合 IP アドレスリソースの後に アプリケーションリソースがオンライン状態になるように 依存関係の設定で 引継ぎ IP アドレスを指定してください ノード間で NetBIOS 名を引き継ぐ場合 ネットワーク名リソースを追加してください 2.2 相互待機型の設計 相互待機型のクラスタシステムにおいて HOST1 および HOST2 の各業務グループの業務 LAN に 引継ぎ IP アドレスを 1 つずつ割り当てる場合の設計について説明します - 7 -
図 2.2 相互待機型の場合 上図の場合の ノードおよびグループの構成を以下に示します 表 2.10 システム構成と設定内容システム構成設定内容 HOST1の業務 LANの構成 GLSの仮想アダプター (sha0) が定義されています HOST1 固有のIPアドレス (192.168.2.1) が設定されています HOST2 の業務 LAN の構成 GLS の仮想アダプター (sha0) が定義されています HOST2 固有の IP アドレス (192.168.2.2) が設定されています 業務グループの構成 HOST1 および HOST2 でアプリケーションを動作させます HOST1 で異常が発生した場合 : 業務を HOST2 へ移動させます アプリケーションへのアクセスは 引継ぎ IP アドレス IP1(192.168.2.100) を使用します HOST2 で異常が発生した場合 : 業務を HOST1 へ移動させます アプリケーションへのアクセスは 引継ぎ IP アドレス IP2(192.168.2.101) を使用します 2.2.1 業務 LAN の設計 業務 LAN で使用する各ノードの仮想アダプターに 以下の項目を設計します 表 2.11 仮想アダプターの設計に必要な項目と説明 項目 仮想アダプター名 説明 引継ぎ IP アドレスの設定先とする仮想アダプターに 各ノードで同じ名前を設定します - 8 -
IP アドレス サブネットマスク 項目 説明 各ノードで固有の IP アドレスを割り当てます 業務 LAN のネットワーク環境に合わせて割り当てます 例 設計例を以下に示します 表 2.12 各ノードにおける仮想アダプターの設計例ノード名 項目 設定値 HOST1 仮想アダプター名 sha0 IPアドレス 192.168.2.1 サブネットマスク 255.255.255.0 HOST2 仮想アダプター名 sha0 IPアドレス 192.168.2.2 サブネットマスク 255.255.255.0 2.2.2 業務グループの設計 HOST1 HOST2 をそれぞれ運用ノードとする業務グループを 1 つずつ作成します 各業務グループに 以下の項目を設計します 表 2.13 業務グループの設計に必要な項目と説明 グループ名 優先所有者 項目 説明 他のリソースまたはグループと重複しない 一意の名前を設定します 優先的に動作するノードを指定します 例 ) HOST1 を運用ノード HOST2 を待機ノードとする場合 優先所有者として HOST1 を指定します 例 設計例を以下に示します 表 2.14 HOST1が優先所有者の場合項目グループ名優先所有者 PUBLIC LAN1 HOST1 設定値 表 2.15 HOST2が優先所有者の場合項目グループ名優先所有者 PUBLIC LAN2 HOST2 設定値 - 9 -
2.2.3 汎用アプリケーションリソースの設計 GLSリソースモニタを実行する汎用アプリケーションを 業務グループごとに1つずつ作成します 各業務グループに 以下の項目を設計します 表 2.16 汎用アプリケーションリソースの設計に必要な項目と説明項目説明リソース名他のリソースまたはグループと重複しない 一意の名前を設定します リソース種別汎用アプリケーションを設定します グループリソースが動作するグループを指定します 依存関係設定は不要です コマンドライン GLSリソースモニタのコマンドを指定します 詳細は 4.1 GLSリソースモニタコマンド を参照してください パラメータ MSFC のみ 現在のディレクトリ レジストリレプリケーション GLS リソースモニタコマンドのパラメータを指定します GLS リソースモニタの格納先ディレクトリを指定します 設定は不要です 例 設計例を以下に示します 表 2.17 HOST1 が優先所有者の場合 リソース名 リソース種別 グループ 依存関係 項目 sha0-ip1 汎用アプリケーション PUBLIC LAN1 なし 設定値 コマンドライン MSCS C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe -n sha0 -c m パラメータ MSFC のみ -n sha0 -c m -i 5 MSFC C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe 現在のディレクトリ レジストリレプリケーション C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command なし 表 2.18 HOST2が優先所有者の場合項目リソース名リソース種別グループ依存関係 sha0-ip2 汎用アプリケーション PUBLIC LAN2 なし 設定値 - 10 -
項目 設定値 コマンドライン MSCS C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe -n sha0 -c m パラメータ MSFC -n sha0 -c m -i 5 MSFC C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command\dsphanet.exe 現在のディレクトリ レジストリレプリケーション C:\Program Files\PRIMECLUSTER GLS\usr\command なし 2.2.4 IP アドレスリソースの設計 引継ぎ IP アドレスを設定する IP アドレスリソースを 業務グループごとに作成します 各業務グループに 以下の項目を設計します 表 2.19 IP アドレスリソースの設計に必要な項目と説明 リソース名 リソース種別 グループ 依存関係 アドレス サブネットマスク ネットワーク 項目 説明 他のリソースまたはグループと重複しない 一意な名前を設定します IP アドレスを設定します リソースが動作するグループを設定します クラスタサービスで最初にオンラインにする必要があるリソースを指定します ここでは GLS リソースモニタを実行する汎用アプリケーションリソースを指定してください 引継ぎ IP アドレスを設定します 業務 LAN のサブネットマスクを指定します GLS の仮想アダプターを指定します 例 設計例を以下に示します 表 2.20 HOST1が優先所有者の場合 項目 リソース名 IP1 リソース種別 IPアドレス グループ PUBLIC LAN1 依存関係 sha0-ip1 アドレス 192.168.2.100 サブネットマスク 255.255.255.0 ネットワーク sha0 設定値 - 11 -
表 2.21 HOST2が優先所有者の場合 項目 リソース名 IP2 リソース種別 IPアドレス グループ PUBLIC LAN2 依存関係 sha0-ip2 アドレス 192.168.2.101 サブネットマスク 255.255.255.0 ネットワーク sha0 設定値 2.2.5 その他のリソースの設計 各業務グループで使用するアプリケーションリソースを追加します 項目は 追加するリソースの種別に依存するため 以下のように設計してください リソースの動作に引継ぎ IP アドレスを使用する場合 IP アドレスリソースの後に アプリケーションリソースがオンライン状態になるように 依存関係の設定で 引継ぎ IP アドレスを指定してください ノード間で NetBIOS 名を引き継ぐ場合 ネットワーク名リソースを追加してください - 12 -
第 3 章導入 本章では クラスタシステムにおいて GLS を使用する場合の導入作業について説明します 3.1 GLS のインストール クラスタを構成する各ノードに GLS をインストールします 参照 GLS の導入手順については インストールガイド を参照してください 注意 GLS のインストールディレクトリは クラスタシステムの各ノードで同一にしてください クラスタシステムの各ノードで作成する仮想アダプター名は 同一にしてください MSCS および MSFC では プライベート LAN の通信においてアダプターのチーミングが推奨されていません そのため GLS の仮想アダプターは 業務 LAN でのみ使用してください 3.2 仮想アダプターの作成 各ノードに GLS の仮想アダプターを作成します 仮想アダプターの作成については PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド の 導入 を参照してください 3.3 クラスタの作成 業務 LAN の通信のために 仮想アダプターを使用するクラスタを作成します 参照 クラスタの設計および導入手順については MSCS または MSFC のマニュアルを参照してください 3.4 業務グループの作成 業務グループの作成の流れを説明します なお MSCS と MSFC では 業務グループの作成手順が異なるため 詳細は 3.4.1 MSCS の導入手順 または 3.4.2 MSFC の導入手順 を参照してください 1. グループ または サービスまたはアプリケーション の作成 業務に必要なリソースを動作させるための グループ または サービスまたはアプリケーション を作成します 業務の起動や停止 フェールオーバーは グループ または サービスまたはアプリケーション 単位で行われるため この単位で定義します - 13 -
2. 汎用アプリケーションリソースの作成仮想アダプターの状態を監視するための汎用アプリケーションリソースを作成します 3. IPアドレスリソースの作成引継ぎIPアドレスを設定するためのIPアドレスリソースを作成します 4. グループ または サービスまたはアプリケーション のオンライン作成した グループ または サービスまたはアプリケーション がオンラインできることを確認します 3.4.1 MSCS の導入手順 MSCS における業務グループの作成手順を説明します 3.4.1.1 グループの作成 グループの作成手順を以下に示します 1. グループを作成します メニューの [ 新規作成 ] から [ グループ ] を選択します [ 名前 ] [ 説明 ] を入力し [ 次へ ] ボタンをクリックします - 14 -
2. グループの優先所有者を設定します 優先所有者として指定するノードを [ 利用可能なノード ] から選択し [ 優先所有者 ] へ追加します 優先所有者は 優先順に並べてください [ 完了 ] ボタンをクリックすると グループが作成されます 3.4.1.2 汎用アプリケーションリソースの作成 汎用アプリケーションリソースの作成手順を以下に示します 1. 汎用アプリケーションリソースを作成します メニューの [ 新規作成 ] から [ リソース ] を選択します [ 名前 ] [ 説明 ] [ リソースの種類 ] [ グループ ] を指定し [ 次へ ] ボタンをクリックします - 15 -
[ リソースの種類 ] には 汎用アプリケーション を選択します [ 実行可能な所有者 ] ウィンドウおよび [ 依存関係 ] ウィンドウは 設定する必要はありません [ 次へ ] ボタンをクリックして 次のウィンドウへ進みます 2. 汎用アプリケーションリソースの設定をします [ コマンドライン ] [ 現在のディレクトリ ] を指定し [ 次へ ] ボタンをクリックします 設定値の詳細は 以下を参照してください - 1:1 運用待機型の場合 2.1.3 汎用アプリケーションリソースの設計 - 16 -
- 相互待機型の場合 2.2.3 汎用アプリケーションリソースの設計 [ レジストリレプリケーション ] ウィンドウは 設定する必要はありません [ 次へ ] ボタンをクリックしてください [ 完了 ] ボタンをクリックすると 汎用アプリケーションリソースが作成されます 3.4.1.3 IP アドレスリソースの作成 IPアドレスリソースの作成手順を以下に示します 1. IPアドレスリソースを作成します メニューの [ 新規作成 ] から [ リソース ] を選択します [ 名前 ] [ 説明 ] [ リソースの種類 ] [ グループ ] を指定し [ 次へ ] ボタンをクリックします [ リソースの種類 ] には IPアドレス を選択します [ グループ ] は IP1またはIP2で作成したグループを選択してください 設定値の詳細は 以下を参照してください - 1:1 運用待機型の場合 2.1.4 IPアドレスリソースの設計 - 17 -
- 相互待機型の場合 2.2.4 IP アドレスリソースの設計 [ 実行可能な所有者 ] ウィンドウは 設定する必要はありません [ 次へ ] ボタンをクリックして 次のウィンドウへ進みます 2. リソースの依存関係を指定します 仮想アダプターの監視用に作成した汎用アプリケーションリソースを [ 利用できるリソース ] から [ リソースの依存関係 ] へ追加し [ 次へ ] ボタンをクリックします 3. 引継ぎ IP アドレスを指定します [ アドレス ] [ サブネットマスク ] [ ネットワーク ] を指定します 設定値の詳細は 以下を参照してください - 18 -
- 1:1 運用待機型の場合 2.1.4 IPアドレスリソースの設計 - 相互待機型の場合 2.2.4 IPアドレスリソースの設計 [ 完了 ] ボタンをクリックすると IP アドレスリソースが作成されます 3.4.1.4 グループのオンライン化 業務グループへの追加が完了したら グループが正常にオンラインできることを確認します 1. グループをオンラインにします [ クラスタアドミニストレータ ] ウィンドウの左フレームから 作成したグループを選択します 以下のいずれかの方法でオンラインにします - [ ファイル ] メニューから [ オンラインを実行する ] を選択 - 19 -
- 左フレームまたは右フレームから 右クリックで [ オンラインを実行する ] を選択 - 20 -
2. オンライン状態の確認をします 追加したリソースが正常に起動し 右フレームの状態欄が オンライン であることを確認します 3.4.2 MSFC の導入手順 MSFC における業務グループの作成手順を説明します 3.4.2.1 クラスタネットワークの設定 クラスタネットワークの設定手順を以下に示します - 21 -
1. GLS の仮想アダプターが含まれるクラスタネットワークを選択します [ フェールオーバークラスタ管理 ] ウィンドウの左フレームから 該当するクラスタネットワークを選択します - 22 -
2. クラスタネットワークを設定します [ クラスタネットワーク ] の [ プロパティ ] ウィンドウを開きます [ クラスタにこのネットワークの使用を許可する ] を選択し [ クライアントにこのネットワーク経由の接続を許可する ] をチェックします [OK] ボタンをクリックして 本ウィンドウを終了します 3.4.2.2 サービスまたはアプリケーションの作成 サービスまたはアプリケーションの作成手順を以下に示します - 23 -
1. サービスまたはアプリケーションを作成します [ フェールオーバークラスタ管理 ] ウィンドウから [ サービスとアプリケーション ] を選択します 右クリックのプルダウンメニューから [ その他のアクション ]-[ 空のサービスまたはアプリケーションの作成 ] を選択します - 24 -
2. サービスまたはアプリケーションのプロパティを設定します 作成された [ 新しいサービスまたはアプリケーション ] の [ プロパティ ] ウィンドウを開き [ 名前 ] と [ 優先する所有者 ] を設定します [OK] ボタンをクリックして 本ウィンドウを終了します 3.4.2.3 汎用アプリケーションリソースの作成 汎用アプリケーションリソースの作成手順を以下に示します - 25 -
1. 汎用アプリケーションリソースを作成します [ フェールオーバークラスタ管理 ] ウィンドウの [ 操作 ] メニューから [ リソースの追加 ]-[ 汎用アプリケーション ] を選択します 2. 汎用アプリケーションの設定をします [ 新しいリソースウィザード ] ウィンドウの左フレームから [ 汎用アプリケーションの設定 ] を選択します [ コマンドライン ] と [ パラメータ ] を設定し [ 次へ ] ボタンをクリックします 設定値の詳細は 以下を参照してください - 1:1 運用待機型の場合 2.1.3 汎用アプリケーションリソースの設計 - 26 -
- 相互待機型の場合 2.2.3 汎用アプリケーションリソースの設計 - 27 -
3. 設定内容を確認します [ 新しいリソースウィザード ] ウィンドウの左フレームから [ 確認 ] を選択します 右フレームに表示されている設定内容を確認し 問題がなければ [ 次へ ] ボタンをクリックします - 28 -
汎用アプリケーションリソースが作成されます [ 完了 ] ボタンをクリックし 本ウィンドウを終了します - 29 -
4. リソース名を設定します 作成された汎用アプリケーションリソースから [dsphanet アプリケーションのプロパティ ] ウィンドウを開き [ リソース名 ] を設定します [OK] ボタンをクリックして 本ウィンドウを終了します 3.4.2.4 IP アドレスリソースの作成 IP アドレスリソースの作成手順を以下に示します - 30 -
1. IP アドレスリソースを作成します [ フェールオーバークラスタ管理 ] ウィンドウの [ 操作 ] メニューから [ リソースの追加 ]-[ その他のリソース ]-[IP アドレスの追加 ] を選択します 2. IP アドレスを設定します 作成された IP アドレスリソースから [IP アドレス : < 未構成 > のプロパティ ] ウィンドウを開きます [ 全般 ] タブで IP アドレスを設定するネットワークと IP アドレスを設定します 設定値の詳細は 以下を参照してください - 1:1 運用待機型の場合 2.1.4 IP アドレスリソースの設計 - 31 -
- 相互待機型の場合 2.2.4 IP アドレスリソースの設計 [OK] ボタンをクリックして 本ウィンドウを終了します - 32 -
3. 汎用アプリケーションリソースを依存関係に指定します 汎用アプリケーションリソースが IP アドレスリソースより先にオンラインされるように設定します [IP アドレス : < 未構成 > のプロパティ ] ウィンドウの [ 依存関係 ] タブで 汎用アプリケーションリソースを選択します [OK] ボタンをクリックして 本ウィンドウを終了します 3.4.2.5 サービスまたはアプリケーションのオンライン化 サービスまたはアプリケーションへリソースの追加が完了したら グループが正常にオンラインできることを確認します 1. グループをオンラインにします [ フェールオーバークラスタ管理 ] ウィンドウの左フレームから 作成したグループを選択します 以下のいずれかの方法でオンラインにします - [ 操作 ] メニューから [ このサービスまたはアプリケーションをオンラインにする ] を選択 - 33 -
- 左フレームまたは中央フレームから 右クリックで [ このサービスまたはアプリケーションをオンラインにする ] を選択 2. オンライン状態の確認をします 追加したリソースが正常に起動し 右フレームの状態欄が オンライン であることを確認します - 34 -
第 4 章コマンドリファレンス 本章では クラスタシステムで使用するコマンドについて説明します コマンドの記述形式については PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド の コマンドリファレンス を参照してください 4.1 GLS リソースモニタコマンド クラスタシステムの汎用アプリケーションリソースから実行される GLSリソースモニタのコマンドについて説明します 形式 dsphanet -n vadapt -c m l [-i timer] 機能説明 クラスタシステムのリソースの状態を定期的に監視します また 仮想アダプターの状態を表示します 本コマンドをクラスタの汎用アプリケーションリソースとして登録することで リソースのオンライン時に本コマンドが起動され オフライン時に停止されます また 本コマンドが仮想アダプターの異常を検出した場合 本コマンドは停止し フェールオーバーが行われます 仮想アダプターの状態表示については PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド の コマンドリファレンス を参照してください オプション -n vadapt 監視対象の仮想アダプターを指定します 本オプションの指定により 仮想アダプターの状態を定期的に監視します -c m l フェールオーバーを行う条件を指定します 以下の条件から選択します m を指定する条件 仮想アダプターがリンクダウンしたとき または ping 監視で異常を検出したときにフェールオーバーしたい場合 l を指定する条件 -i timer 仮想アダプターがリンクダウンしたときだけフェールオーバーしたい場合 GLS のサービスにリソースの状態を問い合わせる周期を 秒単位で指定します 初期値は 10 秒です 推奨値は MSCS では 10 秒 ( 初期値 ) MSFC では 5 秒です 注意 本コマンドでは GLS のサービスにリソースの状態を問い合わせるため GLS のサービスが停止している場合は使用できません 例 1 例 仮想アダプターのリンクダウンまたは ping 監視の異常検出時にフェールオーバーし リソースの状態を問い合わせる周期を 5 秒に設定する場合 - 35 -
> dsphanet -n sha0 -c m -i 5 例 2 仮想アダプターのリンクダウン時のみフェールオーバーし リソースの状態を問い合わせる周期を 5 秒に設定する場合 > dsphanet -n sha0 -c l -i 5-36 -