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3.1. IPv6 マルチキャストによる大容量 高画質の動画像配信技術検証と IPsec による認証技術検証用設備に関する検証結果 本章では e!school ネットワーク における IPv6 マルチキャストによる大容量 高画質の動画像配信技術検証の検証内容と検証結果 及び IPsec による認証技術検証の検証内容と検証結果をまとめる 3.1.1. 検証環境 3.1.1.1. 本章の検証で使用する e!school ネットワーク の概要 e!school ネットワーク の全ネットワーク構成は多岐にわたる その中で 本検証すなわち IPv6 マルチキャストによる大容量 高画質の動画像配信技術検証と IPsec による認証技術検証 で使用するネットワーク構成は 図 3.1.1 のとおりである ただし 各検証ですべてのネットワーク機器を使用するわけではい 個々の検証でどのネットワーク機器を使用するかは各検証項目で説明する 3-1-1

図 3.1.1 本検証で使用するネットワークの概要 3-1-2

3.1.1.2. 検証用ソフトウェア検証設備内に配置される各 IP ルータ サーバの状態を計測するために フリーソフトウェア Multi Router Traffic Grapher( 以下 MRTG と省略 ) を使用する 以下 MRTG の概要と機能 ( 何ができるのか ) について記述する 3.1.1.2.1.MRTG とは注 MRTG は GNU General Public License(GNU GPL 1 ) の下で無償で配付されている ネットワークの統計情報をグラフ化 監視するためのソフトウェアである MRTG は統注計情報取得のために SNMP(Simple Network Management Protocol 2 ) を使用する そのため このプロトコルを実装したルータ HUB サーバからの情報を元にさまざまなグラフを作成することができる 3.1.1.2.2.MRTG のグラフ化機能 MRTG のグラフ化機能は 2 つの数値を日毎 週毎 月毎 年毎のグラフに表示するというものである 以下に例を示すが これは あるサーバでの流入パケット 流出パケットを計測した場合であり このグラフからは 16 時を中心にトラフィックが増大していることが見て取れる Max In: 86.1 kb/s (0.1%) Average In: 8006.0 B/s (0.0%) Current In: 241.0 B/s (0.0%) Max Out: 127.4 kb/s (0.1%) Average Out: 15.2 kb/s (0.0%) Current Out: 2556.0 B/s (0.0%) 図 3.1.2 1 日毎 (5 分平均 ) グラフ 3-1-3

Max In: 308.4 kb/s (0.2%) Average In: 3263.0 B/s (0.0%) Current In: 197.0 B/s (0.0%) Max Out: 117.7 kb/s (0.1%) Average Out: 6642.0 B/s (0.0%) Current Out: 2429.0 B/s (0.0%) 図 3.1.3 2 週間毎 (30 分平均 ) グラフ Max In: 265.3 kb/s (0.2%) Average In: 4464.0 B/s (0.0%) Current In: 2673.0 B/s (0.0%) Max Out: 98.8 kb/s (0.1%) Average Out: 4834.0 B/s (0.0%) Current Out: 9267.0 B/s (0.0%) 図 3.1.4 3 月毎 (2 時間平均 ) グラフ Max In: 40.8 kb/s (0.0%) Average In: 3447.0 B/s (0.0%) Current In: 822.0 B/s (0.0%) Max Out: 13.0 kb/s (0.0%) Average Out: 3629.0 B/s (0.0%) Current Out: 4946.0 B/s (0.0%) 図 3.1.5 4 年毎 (1 日平均 ) グラフ 3-1-4

3.1.1.2.3. 検証への適用今回の検証では 市庁舎に MRTG が動作するコンピュータを設置し 検証設備内の各サーバ 各ルータの入出力トラフィック量及び ルータの CPU 負荷 (MIB が公開されているもののみ ) を計測することとした これにより 以下の検証を行った (1) マルチキャスト配信の場合に クライアント数 / 場所を変えることにより 各ルータのトラフィック サーバの CPU 負荷がどのように変化するかを観測することにより マルチキャストがネットワークにどのような影響を与えるか (2) 同様にユニキャスト配信の場合のネットワークへの影響はどのようなものであるか (3) クライアント数 / 場所を変えることにより 各ルータのトラフィック サーバの CPU 負荷がどのように変化するかを観測することにより 正しくマルチキャストが行われているかどうか また 著しいパケットの損失などが見られないか 注釈注 1) 注 2) http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html 参照 TCP/IP のネットワークにおいて ネットワーク上の各ホストから定期的に様々な情報を自動的に収集して ネットワーク管理を行うためのプロトコル 3-1-5

3.1.1.3. 検証用システム検証設備の特定回線を流れるトラフィック量を計測するために NTT アドバンステクノロジ ( 株 ) 製 SmartProbe を使用する 以下 SmartProbe の概要と機能 ( 何ができるのか ) について記述する 3.1.1.3.1.SmartProbe とは IPv4 及び IPv6 ネットワークのトラフィック情報を測定 分析するシステムである MRTG が機器単位での計測を行うソフトウェアであるのに対し SmartProbe は回線単位での計測を行うシステムである SmartProbe の特徴は以下のとおりであり トラフィック量の多い回線の計測や 特定の経路 特定の種類に限定して計測を行う必要がある場合に利用できる (1) 200Mbps 以上の平均レートの計測が可能 (2) フィルタ機能として以下の項目でトラフィックのフィルタリングが可能 1 パケットカプセリング 2 ネットワークプロトコル 3 IP プロトコル 4 ( 発着 )IP アドレス 5 ( 発着 )IP ポート番号 6 測定開始 / 終了時刻 7 ( 発着 ) ネットワーク番号 (3) 集約機能として以下の項目で分類したデータを集約可能 1 パケットカプセリング 2 ネットワークプロトコル 3 IP プロトコル 4 ( 発着 )IP アドレス 5 ( 発着 )IP ポート番号 6 ( 発着 ) ネットワーク番号 7 ユーザ番号 8 アプリケーション番号 (4) 大容量の分類が保存可能 3-1-6

次に SmartProbe のシステム構成についてであるが SmartProbe はマネージャ装置とプローブ装置 (1 マネージャにつき最大 10 台のプローブを接続可能 ) から構成される マネージャ装置は データベースを持ち プローブ装置から通知される計測したトラフィック情報を格納するとともに統計処理を行うための装置である また プローブ装置は測定対象の回線とタップ等を用いて接続され トラフィックを取り込み 設定に応じてフィルタ処理や集約を行い 結果をマネージャ装置に通知するための装置である 3.1.1.3.2.SmartProbe での計測例以下に SmartProbe を使った場合の計測例を示す (1) 発着のネットワーク ( あるいは IP アドレス ) で分類 IP パケットに含まれる発着の IP アドレスからネットワークを特定し そのネットワーク間で行き来したパケットをカウントすることにより ネットワーク間でどの程度のトラフィックのやり取りがあったか知ることができる また 以下の例のように やり取りが発生していない場合には何らかのネットワーク障害が発生している可能性があることを知ることができる 図 3.1.6 発着のネットワークで分類 ( 障害感知の例 ) 3-1-7

(2) 総トラフィックの計測回線を流れる総トラフィックを計測することで その回線の実帯域を知ることができる また 時系列トラフィックデータを見ることにより 時間による帯域を知ることができたり 下記の例のように 何らかのボトルネックがあることで一定以上帯域が増えていかないといった現象を見つけることが可能となる 図 3.1.7 ボトルネック例 (3) フィルタ機能 IP パケットを分析し 特定のプロトコルやポート番号だけを取り出し そのトラフィックを計測することができる これにより 帯域を多く使っているプロトコルを知ることができたり 以下の例のように異常な状態を検知することができる 図 3.1.8 不正検知例 フィルタ機能 / 集約機能 3-1-8

3.1.1.3.3. 検証への適用今回の検証では 教育センタに SmartProbe=プローブ装置を 市庁舎に SmartProbe =マネージャ装置を設置し GeoStream=GR ルータ間のトラフィックを計測することとした このとき 以下の検証を行った (1) SmartProbe の持つ発着のネットワーク ( あるいは IP アドレス ) での分類機能を使用して 特定の機能を持つサーバ ( 例えば IPv6 マルチキャスト対応ビデオ会議用サーバ ) の配信するトラフィックのみを取り出し 期待する通信が行われているか (2) そのとき クライアントの数や場所により どの程度のトラフィックが生じているか それはネットワークに対してどれくらいの負荷となっているか 3.1.2. 様々なアクセス系通信媒体における IPv6 マルチキャスト配信を通して レイヤを超えた影響の検証 3.1.2.1. 検証概要本検証項目では IPv6 マルチキャストが様々なアクセス系通信媒体 (CATV 高速無線 LAN Ether 等 ) 上で問題なく動作することを検証する 3.1.2.2. 検証の目的本検証では IPv6 マルチキャストが正しく動作していることを確認することが目的である 3.1.2.3. 検証項目各種コンテンツサーバからクライアントに対して IPv6 マルチキャスト配信を行い検証を行う 図書館 ICU コミュニティプラザ タウンプラザ 産業プラザ 三鷹駅市政窓口 社会教育会館にて DVTS が正常に受信できることを確認する また この各拠点に設置されている IX5003 ルータの入力 出力トラフィックを MRTG で測定する これにより DVTS を送信している拠点のトラフィックが NTT 三鷹ビルに設置されている GeoStream に流れ 各拠点に配信されていることを確認する 産業プラザ 三鷹駅市政窓口 社会教育会館 コミュニティプラザ 図書館 ICU にて TV 会議を行い正常に TV 会議が可能なことを確認する また TV 会議のトラフィックを SmartProbe にて測定し 市庁舎に設置されている IPv6 ビデオ会議サーバ との通信を確認する 3-1-9

表 3.1.1 検証 1 の検証内容と評価基準 項目検証内容 評価基準 ア ) イ ) クライアントの接続が想定されるネットワークに端末を接続し コンテンツを受信することで IP マルチキャストが到達可能なネットワーク範囲を確認 同時にユニキャスト等の別方式を使用するアプリケーションを動作させ影響を確認 様々な通信媒体を経由しても 通信媒体に影響なく アプリケーションレベルでコンテンツ配信が正常に行われること もし 問題が発生した場合は 各通信媒体上に存在するネットワーク機器の動作状況を把握し その原因を機器ベンダなどと協力して究明し 問題の解決を図る 他の通信に影響がないこと ウ ) 監視装置等により各装置の CPU 使用率 回線使用率等を確認 ネットワーク装置等に異常な動作や異常なパケットの発生 過負荷などが認められないこと エ ) 回線部分のトラフィックを試験器にて解析 異常なパケットの発生 過負荷などが認められないこと 3-1-10

3.1.2.4. 検証環境 図 3.1.9 本検証の試験対象と測定器 3-1-11

3.1.2.5. 検証手順と検証結果各項目について 検証手順と検証結果を述べる 3.1.2.5.1. ア )IP マルチキャストが到達可能なネットワーク範囲を確認 (1) 検証方法 1 DVTS 三鷹駅市政窓口から DVTS トラフィックを送信し タウンプラザ コミュニティプラザ 産業プラザ 三鷹駅市政窓口にて受信する 社会教育会館から DVTS トラフィックを送信し 図書館 ICU にて受信する ともにマルチキャストアドレスは ff05:1::1 を使用する e!school 三鷹モデル キックオフセレモニーにおいては教育センタからキックオフ風景が DVTS にて配信され 三鷹駅市政窓口 タウンプラザ 産業プラザ 図書館 社会教育会館 ICU の各 DV 映像受信装置にて受信する 2 TV 会議 産業プラザと三鷹駅市政窓口にて TV 会議を行い 正常に行えることを確認する 社会教育会館 コミュニティプラザ 図書館 ICU にて TV 会議を行い 正常に行えることを確認する TV 会議においては会議に参加するには 参加 会議から退出するには 退出 を実行しなければならない この場合 IPv6 ビデオ会議サーバとはユニキャストで通信が行われる TV 会議クライアントソフトウエアの設定を変更しマルチキャストを 可 にしておくと TV 会議の聴講が可能になる この場合でも 聴講するには 参加 を実行しなければならないが IPv6 ビデオ会議サーバからは TV 会議の様子がマルチキャストで配信されるようになる このどちらの場合でも動作可能かどうかを確認する (2) 検証結果 1 タウンプラザ コミュニティプラザ 産業プラザ 三鷹駅市政窓口 図書館 ICU の各拠点にて 映像のちらつき ブロックノイズ等もなく正常に受信可能であった 2 産業プラザ 三鷹駅市政窓口 社会教育会館 コミュニティプラザ 図書館 ICU の各拠点どうしで正常に TV 会議を実施することが可能であった e!school 三鷹モデル キックオフセレモニーの検証結果については 3.1.4 章で述べる 3-1-12

(3) 結論 考察三鷹駅市政窓口 タウンプラザ コミュニティプラザ 産業プラザ 社会教育会館 図書館 ICU にて DVTS 映像が受信可能であり IP マルチキャストが到達可能である 産業プラザ 三鷹駅市政窓口 社会教育会館 コミュニティプラザ 図書館 ICU で正常に TV 会議が可能であり ユニキャストおよびマルチキャストで利用可能である 3.1.2.5.2. イ ) 同時にユニキャスト等の別方式を使用するアプリケーションを動作させ影響を確認 (1) 検証方法まず 表 3.1.2 のストリーミングレートと再生時間をもつコンテンツを登録しておく No.1~No.7 と No.8~14 はコンテンツの内容が違うが No.1~No.7 はコンテンツの内容は同じであり ビットレートが異なる 同様に No.8~14 もコンテンツの内容は同じでありビットレートが異なる 表 3.1.2 検証用コンテンツ一覧 No.1 タイトル ビットレート 再生時間 1 図書館 1 56kbps 5:23 2 図書館 2 98kbps 5:23 3 図書館 4 230kbps 5:23 4 図書館 5 355kbps 5:23 5 図書館 3 505kbps 5:23 6 図書館 6 705kbps 5:23 7 図書館 7 1506kbps 5:23 8 社会教育会館 1 56kbps 3:49 9 社会教育会館 2 98kbps 3:49 10 社会教育会館 4 230kbps 3:49 11 社会教育会館 5 355kbps 3:49 12 社会教育会館 3 505kbps 3:49 13 社会教育会館 6 705kbps 3:49 14 社会教育会館 7 1506kbps 3:49 3-1-13

三鷹駅市政窓口から DVTS トラフィックを送信し 産業プラザ 図書館の各拠点で受信する 同時に産業プラザ 図書館にて検証用コンテンツを再生する スムーズに再生されなかったコンテンツについては DVTS 送信を停止し同様の結果が得られるか確認する (2) 検証結果コンテンツを再生しても DVTS の映像にちらつき 乱れなどはなくスムーズに再生された また 各コンテンツの再生結果は表 3.1.3 のとおりである 表 3.1.3 コンテンツの再生結果 No.1 タイトル 再生結果 1 図書館 1 (56kbps) スムーズに再生された 2 図書館 2 (98kbps) スムーズに再生された 3 図書館 4 (230kbps) スムーズに再生された 4 図書館 5 (355kbps) スムーズに再生された 5 図書館 3 (505kbps) スムーズに再生された 6 図書館 6 (705kbps) スムーズに再生された 7 図書館 7 (1506kbps) 途中で止まることがある 8 社会教育会館 1 (56kbps) スムーズに再生された 9 社会教育会館 2 (98kbps) スムーズに再生された 10 社会教育会館 4 (230kbps) スムーズに再生された 11 社会教育会館 5 (355kbps) スムーズに再生された 12 社会教育会館 3 (505kbps) スムーズに再生された 13 社会教育会館 6 (705kbps) スムーズに再生された 14 社会教育会館 7 (1506kbps) 途中で止まることがある No.7 No.14 のコンテンツについては DVTS 送信を停止させても同様の結果であった したがって DVTS マルチキャスト配信の影響ではない また ビットレートは 1.5Mbps 程度であり 帯域幅にはまだまだ余裕があることから 帯域の問題ではないといえる このビットレートと帯域の問題については第 3.1.3 章で述べる (3) 結論 考察 DVTS を使用しながら各コンテンツの再生を実行しても問題はなかった 3-1-14