クラウド時代の IT 資産管理 ~IT 資産管理とクラウド基盤何をどこまで管理すべきか ~ 株式会社アエルプラニング代表取締役甲田展子 ゲスト日本アイ ビー エム株式会社クラウド事業クラウド テクニカル サービス諸富聡
目次 1. はじめに 2. クラウド時代のIT 資産管理研究会サマリー各テーマ別ポイントと課題まとめ 3. オンプレミス クラウド選択について考える 4. IT 資産管理環境の変化とIT 統制管理の重要性 5. IT 資産 クラウド基盤の定義 6. 管理責任の分界点について考える 7. IT 資産管理者として管理設計の実際考慮ポイントから管理設計まで現場で起こっていること 8. まとめ 2
はじめに クラウド時代の IT 資産管理 ~IT 資産管理とクラウド基盤 何をどこまで管理すべきか ~ クラウドの登場により IT 資産管理がオンプレミス ( 自己保有資産 ) の時代から クラウド契約管理を企業として統合管理することが求められる時代がやってきました IT 基盤はハイブリッド環境へ移行し ますます複雑化 シャドー IT 化している今 IT 資産管理として クラウドをどう位置づけどこまで何を管理すべきか現場事例の紹介や留意すべきポイントをゲストと共に解説してまいります 当講演は 過去開催した IT 資産管理研究会の実施したコンテンツをダイジェストして提供します ゲストスピーカー略歴 - 日本アイ ビー エム株式会社クラウド事業クラウド テクニカル サービス諸富聡氏 1993 年日本 IBM 入社 2003 年よりアーキテクトとして中央省庁 製造業のお客様を中心に担当し 連携基盤システム 統合運用管理システムなど IT インフラの設計および構築を幅広く経験 現在はクラウド事業にてクラウド ソリューションのテクニカル セールスを担当 3
クラウド時代の IT 資産管理 IT 資産管理研究会サマリー 1 クラウド時代の IT 資産管理では どのような点に考慮が必要でしょうか? IT 資産管理研究会からポイントをサマリーします テーマ 1 ハイブリットクラウドと IT 資産管理 何を考慮すべきか? 多様な 多数の 変化する IT 資産を管理するためには 自動化 IT ガバナンス IT 資産情報の分析 変化対応の仕組テーマ 2 ソフトウェアライセンスの変化 : ユーザサブスクリプション対応 多種多様なインフラ デバイスへの対応 ライセンスカウント方法の把握 契約管理と効率性の追求 契約交渉術 テーマ 3 クラウド上での情報資産管理の対応 情報セキュリティ視点 IT 資産管理視点両面からのポリシー設計 テーマ 4 IT 資産管理ツールの動向 クライアント環境の IT 資産管理ツールは デバイスパーペチュアル ライセンス中心の物理管理ベースが国内では主流 グローバルでは メータリング 契約管理 ライセンスの最適化まで進展 クラウド時代の IT 資産管理の業務プロセスを考える上で何をどこまで管理すべきでしょうか? 4
クラウド時代の IT 資産管理 IT 資産管理研究会サマリー 2 IT 市場は今後クラウドモデルへの移行を含め IT サービス市場が拡大し 時間的 物理的な 縛りを超えて全体最適に向かう方向です IT 資産管理としてどのような課題を考えなければならないのでしょうか? サービス利用モデル ( クラウド ) 課題 3 混在環境管理課題 課題 2 移行課題 保有モデル ( オンプレミス ) 課題 1 オンプレミスとクラウドサービスの比較検討課題 企業として利用に対するメリット デメリットが整理できていない IT 部門がタッチせず ユーザ部門が安易に導入してしまう ( コスト比較 導入の手軽さ リスク ) 課題 2 オンプレミスからクラウドへの移行課題 オンプレミスから IaaS PaaS SaaS への移行 A. 管理対象 期間など 何を管理したらいいか? B. 移行した場合ライセンスはその条件を満たすか? 課題 3 オンプレミスとクラウド混在環境管理課題 ( サービスプロバイダー ユーザ側の責任が混在 ) A. クラウドモデル上に保有資産がある場合 例 : クラウドサービスでの保有ライセンス管理 B. サービス利用モデル上に IT 資産契約がある場合例 : クラウド上で直接契約ライセンス (O 社 ) を利用 C. サービス利用モデル上に自社の資産が存在している 5
3. オンプレミス クラウド選択について考える 出典 : 日本 IBM 6
IT 資産管理環境の変化と IT 統制管理の重要性 ユーザー部門がクラウドサービスを自由に取り込むことで 企業の IT 統制が損なわれる全体統制の視点で管理項目を再定義する必要がある 7
クラウド基盤と IT 資産をどう定義して管理していくべきですか? 仮想化が進むサーバ群クラウドサービスは多様化 IT 資産管理環境は所有とサービス利用が混在 サービスもマネージドサービスアンマネージドを区別して把握 多種多様なインフラデバイスの組み合わせ ソフトウエアライセンスの契約形態は複雑化? 8
オンプレミスとクラウドサービスでの管理責任の分界点はどこですか? どこまで管理すべきですか? アプリケーション データランタイムミドルウェア アプリケーション データランタイムミドルウェア アプリケーション データランタイムミドルウェア アプリケーション データランタイムミドルウェア ユーザー責任自社開発 / 自社所有長所 : 自由に構成製品選択開発が可能短所 : 設定 開発の工数がかかる OS 仮想化サーバ OS 仮想化サーバ OS 仮想化サーバ OS 仮想化サーバ サービスプロバイダー責任アウトソース長所 : 所有 開発コストが不要短所 : 選択肢が制限 ストレージ ネットワーク ストレージ ネットワーク ストレージ ネットワーク ストレージ ネットワーク 管理責任を厳密にみていくと サービスプロバイダーが責任をもたないものも存在 SaaS であっても現時点では利用端末は自社管理が多い オンプレミス IaaS PaaS SaaS 9
ハイブリットクラウド管理の仕組み 出典 : 日本 IBM 10
IT 資産管理 クラウド基盤管理項目例 組織として必要なビジネスに対して スピーディに IT 基盤を対応し CXO が評価分析できるレポートを設計 項目を作る必要がある 財務法務調達 CXO 社内の IT 資産はコスト削減は? 運用効率化は? リスクヘッジは? IT 運用担当者 IT 資産管理担当 ソフトウェア資産管理調達管理 IT 財務 契約 課金 契約購買人事 11
サービスポータルを構築してハイブリットクラウド環境を管理する 出典 : 日本 IBM 12
まとめ 1) ビジネスと IT 戦略のベースになる IT 資産管理はコスト削減 リスク対策といった IT 資産経営の視点を考慮しなければならない その視点から 必要な管理項目が決定されるべきである 2) IT 資産管理とは IT 資産のライフサイクル管理であり 自動化されたプロセスの上で収集 蓄積された情報が分析された結果 最適化への改善モデルにつながるマネジメントシステムとなるべきである 3) したがってオンプレミス クラウド問わず あらゆる環境において IT 資産は統制をかけて管理すべきである サービスポータルの仕組が重要例 ) 標準カタログ 窓口の一本化など IT 環境の変化への対応が考慮されていなければならない 13
株式会社アエルプランニング アエルプランニングは IT 資産管理 ( ソフトウェア資産管理 ) に草創期から関わり 現在 IAITAM の日本総代理店ならびに 認定資格試験を実施する会社です IT 資産管理のコンサルティングおよびサービスについては 2000 年以降 数多くの実績を保有し 関連書籍も出版しています SAM の視点だけでなく IT サービスの観点から IT 資産管理に特化したコンサルティングに強みを持っています 提携先 国際 IT 資産管理者協会 (IAITAM) IAITAM は 米国 欧州を中心に世界標準となっている IT 資産管理のベストプラクティスライブラリ (IBPL:IAITAM Best Practice Library) の出版および IT 資産管理教育プログラムの提供を行っている協会です ソフトウェア資産管理の標準である ISO19770 のクラス C リエゾンとして ソフトウェア資産管理 (SAM) の標準策定にも多大な影響力を持っています ISO19770-1 の改訂版では SAM プロセスと IAITAM の IBPL とのマッピングが行われました IAITAM は SAM プロセスと IT 資産管理プロセスの整合化 IT 資産管理と IT サービス管理の整合性を確保するための取り組みを通して業界見識者の意見を取り込み IBPL や教育プログラムのアップデートに取り組んでいます 設立 業務内容 1992 年 4 月 ITコンサルティングサービス ITサービス設計企画 マーケティング教育 カウンセリング 主なコンサルティング サービス IT 資産管理コンサルティング IT 資産運用管理設計コンサルティング LCM( ライフサイクルマネジメント ) SAM ( ソフトウェア資産管理 ) コンサル IT 資産管理レベル診断サービス IT 資産棚卸サービス 日本マイクロソフト SAM 認定パートナ 出版物 実践的な仕事に強くなるコツシリーズ! IT 資産管理のコツ 編著 : アエルプランニング協力 : ソフトウェア資産管理コンソーシアム発行 : セルバ出版定価 :2,310 円 ( 税込 ) 知らなかった では済まされないクラウド時代の IT 資産管理の実務 編著 : アエルプランニング甲田展子発行 : 中経出版定価 :2,100 円 ( 税込 ) 14