平成 29 年度家庭部門の CO 2 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) 平成 31 年 3 月 環境省地球環境局 低炭素社会推進室 1 はじめに環境省は 家庭部門の詳細な CO 2 排出実態等を把握し 地球温暖化対策の企画 立案に資する基礎資料を得ることを目的に 平成 29 年度から 統

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共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 ( 平成 28 年国土交通省告示第 266 号 ) における 同等以上の評価となるもの の確認方法について 住宅部分の外壁 窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネルギー消費量に関する基準 (

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LED 照明の種類 LED 照明は主に器具と光源が一体化したシーリングライトなどの LED 照明器具 と白熱電球や蛍光灯の光源部分を LED に置き替えた LED ランプ に分類されます ( 図 2-1) 省エネ性と環境性が重視され 公共建築物で使用された LED 照明器具の採用機種数は 2010

目次 1. 奈良市域の温室効果ガス排出量 温室効果ガス排出量の推移 年度 2010 年度の温室効果ガス排出状況 部門別温室効果ガス排出状況 温室効果ガス排出量の増減要因 産業部門 民生家庭部門

スマートライフおすすめ BOOK P2_P 省エネ ネ エ 蓄 ネ 創エ! なるほど はじめに もう中学生! フ イ ラ ト ー マ ス が そ れが それ も くじ 地球温暖化と私たち 4 エネルギーと私たち 6 スマートライフ はじめよう スマートライフ 10 HEMS


章の表紙

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平成 30 年度朝倉市地球温暖化対策実行計画 ( 事務事業編 ) 実施状況報告書 ( 平成 29 年度実績 ) 平成 30 年 9 月 朝倉市環境課

【配布資料】

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

目次 1. 調査の概要 調査の目的 調査対象 対象地域 調査方法 回収状況 結果の概要 住み替え 建て替え リフォームに関する事項 住み替えに関する意思決定 リフォーム

1

家庭の中で最も多くの電力を消費するのが電気冷蔵庫 (14.2%) で 家庭全体の電力消費量の約 7 分の 1 を占めています 続いて照明 (13.4%) テレビ (8.9%) エアコン (7.4%) といった順番になっており この 5 種類を合わせると全体の約 44% になります ( 図 ) この中

お知らせ

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

平成 28 年度エネルギー消費統計における製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) のエネルギー消費量を部門別にみると 製造部門で消費されるエネルギーは 1,234PJ ( 構成比 90.7%) で 残りの 127PJ( 構成比 9.3%) は管理部門で消費されています 平成 28 年度エ

環境・設備からみたLCCM住宅へのアプローチ

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( 第二面 ) 1. 建築主 イ. 氏名のフリガナ ロ. 氏名 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 2. 代理者 イ. 氏名 ロ. 勤務先 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 3. 設計者 イ. 氏名 ロ. 勤務先 ハ. 郵便番号 ニ. 住所 ホ. 電話番号 4. 備考

資料1 美しい星へのいざない「Invitation to 『Cool Earth 50』」~3つの提案、3つの原則~」

表 2-1 参加世帯の構成人数別件数 割合 世帯構成人数 世帯数 割合 単身 % 2 人 % 3 人 % 4 人 % 5 人 % 6 人 % 7 人 7 1.3% 未記入 9 1.7% 合計 %

計資料 50 設

統計トピックスNo.96 登山・ハイキングの状況 -「山の日」にちなんで-

1. 家電エコポイント制度の概要 目的 1 地球温暖化対策の推進 2 経済活性化 3 地上デジタル放送対応テレビの普及 実施期間 家電エコポイント発行対象期間 : 平成 21 年 5 月 15 日 ~ 平成 23 年 3 月 31 日購入分 家電エコポイント登録申請受付期間 : 平成 21 年 7


地球温暖化対策計画書

2-5 住宅の設備

目次 1. 調査概要 2. モニターの概要 3. 省エネ効果の検証 3-1. 省エネ行動実施率と省 CO2 効果 ( サンプル全体 ) 3-2. 省エネ行動実施率の比較 ( 属性別分析 ) 3-3. 費用対効果の試算 4. 省エネ効果向上策の考察 5. 家族向け実証の考察 5-1. 家族のまとめ 5

今日お話しすること 1. 家庭部門の温室効果ガス排出 エネルギー消費の動向 2. 環境省うちエコ診断の概要と成果から見た家庭の対策 3. 家庭部門の対策の推進のための自治体に期待すること 2

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

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平成24年度エネルギー消費統計結果概要

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流通政策課関係団体配布資料 電球形 LED ランプにおける トップランナー規制について 平成 25 年 8 月資源エネルギー庁省エネルギー対策課 Ministry of Economy, Trade and Industry Agency for Natural Resources and Ener

1. 電子マネー 1 の保有状況等の推移二人以上の世帯について 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合をみると 電子マネーの調査を開始した平成 2 年以降 毎年上昇しています また 電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合も上昇しており 平成 2 年には約 2 割でしたが 23 年には3 割

取組概要 ( 申請書からの転記 ) 全 般 排 出 量 の 認 識 取組名称 認証取得者名取組の概要 適用したカーボン オフセット第三者認証基準のバージョン認証の有効期間オフセット主体認証ラベルの使途 認証対象活動 認証番号 :CO 有効期間満了報告書受領済み 持続可能な島嶼社会の発展に

調査の目的 全国の自動はかりの設置 使用状況等の実態把握 この度の計量制度見直しにより 平成 年 月より順次 取引又は証明に使用される自動はかりを検定の対象とすることとなった 検定システムを構築するには これらの 自動はかり の全国的な設置状況の実態を把握し 検定に必要なリソースを検討するため 全国

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2017 年 6 月 1 日 階段灯で業界トップ ( 1) の高効率を達成 一体型 LED ベースライト id シリーズ階段灯に非常用照明器具を拡充 壁と天井で同じデザインが可能 品名 一体型ベースライト id シリーズシンプルセルコン階段灯非常用照明器具 品番数 8 機種 24 品番 希望小売価格

表 2-1 参加世帯の構成人数別件数 割合 世帯構成人数 世帯数 割合 単身 % 2 人 % 3 人 % 4 人 % 5 人 % 6 人 % 7 人 % 8 人以上 5 0.6% 未記入

【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

平成19年就業構造基本調査結果概要

PART GDP ( 人 ) 2,500,000 一般 特定派遣労働者数の計 一般派遣労働者数 2,000,000 2,022,035 特定派遣労働者数 1,842,841 1,672,398 1,7

2 累計 収入階級別 各都市とも 概ね収入額が高いほども高い 特別区は 世帯収入階級別に見ると 他都市に比べてが特に高いとは言えない 階級では 大阪市が最もが高くなっている については 各都市とも世帯収入階級別の傾向は類似しているが 特別区と大阪市が 若干 多摩地域や横浜市よりも高い 東京都特別区

蛍光ランプのみを主光源とする照明器具のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等 平成 11 年 3 月 31 日通商産業省告示第 191 号 ( 廃止 制定 ) 平成 16 年 1 月 22 日経済産業省告示第 8 号 ( 一部 ) 平成 18 年 3 月 29

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ARCHITREND ZERO 外皮性能計算編

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について

外気カット制御 有 外気冷房制御 無 全熱交換器制御 有 ( 全熱交換効率 0.) 2 換気設備 室用途毎に基準設定換気風量 ( 換気回数 ) 基準設定全圧損失 標準的な送風機の送風機効 率 伝達効率 余裕率 モータ効率を定め これらを標準設備仕様とする 基準設定換気風量 : 設計者へのヒアリング調

2(1) 総量削減義務と排出量取引制度のポイント (2010 年度 ~) 大規模事業所向け制度の主な変更点等 旧制度 ( 地球温暖化対策計画書制度 ) 新制度 ( 排出総量削減義務と排出量取引制度 ) 温室効果ガス排出量の削減対策推進義務 排出総量の削減義務と排出量取引制度の導入 計画書等の作成 提

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真空ガラス スペーシア のご紹介 一般に使用されている一枚ガラスの約 4 倍の断熱効果を発揮!! お部屋全体を快適にします オフィスやパブリックスペースの環境は 冷房や暖房に常に取付専用グレチャン気を配らなければなりません 高断熱 Low-Eガラスしかし一方で経営者の方々にとっては節電対策も重要な項


アジェンダ 1. 市場動向 2. ハイブリッド給湯機とは 3. 省エネ性 4. 経済性 5. 環境性 6. 快適性 7. 当社製品の特 2

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参考資料1:日常生活CO2情報提供ツール(仮称)の表示例

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4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

1.CO2 削減ポイントプログラムの効果検証の方針 HEMS サービスの一つとして アドバイス情報や排出削減に対してインセンティブを付与できるような仕組みを構築していくためには それがサービスの継続利用や削減行動の促進につながる必要がある 効果検証 1 では HEMS サービスの継続利用と削減行動に

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

平成 22 年度エネルギー消費統計結果概要 経済産業省資源エネルギー庁平成 24 年 4 月 エネルギー種別に見ると 最終エネルギー消費総量の 37.5% が燃料 54.8% が電力 7.4% が熱となっています 調査の対象となった非製造業 製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) 業務部

各実証ならびに結果の概要 実証は 単身若年世帯向けの実証 (2 件 ) と家族世帯向けの実証 (1 件 ) を実施しました 各実証の結果及び概要は 次の通りとなります 1 大学新入生向け省エネ家電の購入促進実証 ( 単身若年世帯向け実証 ) 実証概要 : 一人暮らしをする大学生の子を持つ親を対象に


表 2-1 参加世帯の構成人数別件数 割合 世帯構成人数 世帯数 割合 単身 % 2 人 % 3 人 % 4 人 % 5 人 % 6 人 % 7 人 % 8 人以上 3 0.3% 未記入 39 4.

2017 年度 1 指定地球温暖化対策事業者の概要 (1) 指定地球温暖化対策事業者及び特定テナント等事業者の氏名 指定地球温暖化対策事業者又は特定テナント等事業者の別 地球温暖化対策計画書 氏名 ( 法人にあっては名称 ) 指定地球温暖化対策事業者 国土交通省 (2) 指定地球温暖化対策事業所の概

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

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各家庭の 1 年間の出費のうち約 7% は電気 ガス 灯油といったエネルギーへの支出です 詳しくは 各制度のパンフレット W EB で 市民向け 太陽光発電 燃料電池 ( エネファーム ) HEMS ( ホームエネルギーマネジメントシステム ) 定置用蓄電 太陽熱利用 ガスエンジン木質コージェネバイ

目 次 1. トップランナー制度について 1トップランナー制度の概要について 3 2トップランナー基準に関する基本的な考え方について 5 3トップランナー基準に関する主な規定について 8 4トップランナー基準策定及び運用の流れについて 9 2. ラベリング制度について 1ラベリング制度の概要について

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UR賃貸住宅の募集・入居に係る4つの新制度の実施について

平成 27 年度補正予算中小企業等の省エネ 生産性革命投資促進事業費補助金 設備別省エネルギー効果計算の手引き 省エネルギー効果計算について 平成 28 年 7 月 2.0 版

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

( 考察 ) <アクションプラン策定時の排出係数を固定した場合の温室効果ガス排出量 > 環境モデル都市 の取組による温室効果ガス排出量の影響を適切に表現するため 毎年変動する排出係数の外部要因を排除する目的で アクションプラン策定時の排出係数を固定して推計した 電気排出係数 0.418kg-CO2/

見直し後11 基準相当1.64GJ/ m2年hh11 基準相当見直しH11 基準と見直し後の省エネ基準の比較について 住宅 建築物判断基準小委員会及び省エネルギー判断基準等小委員会平成 24 年 8 月 31 日第 2 回合同会議資料 1-1 より抜粋 設備機器の性能向上により 15~25% 程度省

Microsoft Word - ②(添付資料)家庭の夏期節電実態調査の結果について

なぜ 窓のエコリフォーム なのでしょうか? 1 なぜ 窓のエコリフォームをするとエコポイントが もらえるのでしょうか? 窓から出入りする熱が圧倒的に 多く 断熱効果が大きいから!

[ 建築主等に関する事項 ] 1. 建築主 イ. 氏名のフリガナ ロ. 氏 名 ハ. 郵 便 番 号 ニ. 住 所 ホ. 電 話 番 号 ( 第二面 2. 代理者 イ. 資 格 ( 建築士 ( 登録 第 号 ロ. 氏 名 ハ. 建築士事務所名 ( 建築士事務所 ( 知事登録 第 号 ニ. 郵便番号

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1 福祉施設の動向 1.1 特養 平米単価は平成 22 以降初めて低下 近年は高止まりの様相を呈す 地域別では首都圏 近畿地方等で平均を上回る (1) 平米単価 平米単価は 全国平均および首都圏ともに平 成 22 を底に上昇傾向にあったが 平成 29 は初めて低下した ( 図表 1) 長期的にみ れ

平成 27 年度補正予算 平成 29 年度エネルギー使用合理化等事業者支援事業 Ⅱ. 設備単位 設備別省エネルギー量計算の手引き 高効率照明 平成 29 年 5 月

電機・電子業界「低炭素社会実行計画」の推進について

4 推進体制 経営責任者 環境管理責任者 (PSN 佐江戸 ) ( 計画管理責任者 : 事業部長 ) GM: グループマネージャー TL: チームリーダー Sa: 参事 SJ: 主事 事務局 (PSN 佐江戸 ) ( 計画推進責任者 :GM) 技術管理者 :SJ 平成 6 年 4 月 1 日時点 イ

住宅・建築物の 着実な省エネルギー設計への誘導


各制度における計算支援プログラムの扱い 表中の Web プログラムについては 国立研究開発法人建築研究所の HP( からアクセス可能 建築物省エネ法 性能向上計画認定申請 基準適合認定表示申請 省エネ法 (H28 年度

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平成 年度家庭部門の CO 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) 平成 1 年 月 環境省地球環境局 低炭素社会推進室 1 はじめに環境省は 家庭部門の詳細な CO 排出実態等を把握し 地球温暖化対策の企画 立案に資する基礎資料を得ることを目的に 平成 年度から 統計法に基づく一般統計調査として 家庭部門の CO 排出実態統計調査 ( 以下 家庭 CO 統計 という ) を実施している 本資料は 平成 年度の調査結果について 分析事例を示すものである なお 電気のエネルギー消費量は 二次換算 (1kWh=.MJ) である 調査の特長について従来の調査 統計においては 家庭における CO 排出量やエネルギー消費量とその説明要因 ( 居住人数や住宅の建て方 保有する機器等 ) が別々に把握されていた 本調査により 世帯の CO 排出量やエネルギー消費量とその説明要因をまとめて把握することで 家庭におけるCO の排出実態を精緻に把握することが可能になる 1

窓の断熱化 ( 二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無とエネルギー消費量 ) 本統計調査外の情報複層ガラスの窓等を採用することで 熱の出入りを抑制し 暖房 冷房のエネルギー消費を削減することができる 図 1 住宅における熱の出入り ( 出所 ) 経済産業省資源エネルギー庁 家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬 (01 年 月 ) 窓の熱貫流率 ( 例 ) アルミサッシ + 単板ガラス.1 アルミサッシ + 複層ガラス ( 中空層 mm 以上 ) アルミ 樹脂複合サッシ +Low-E 複層ガラス ( ガス封入有 中空層 mm 以上 1mm 未満 ) 樹脂サッシ +Low-E 三層複層ガラス ( ガス封入有 中空層 mm 以上 ) 1.0..0 熱貫流率が小さいほど熱が伝わりにくく 断熱効果が高い ( ) ガス とは アルゴンガス又は熱伝導率が 0 これと同等以下のものをいう [W/( mk)] 図 窓の断熱性能 ( 出所 ) 国立研究開発法人建築研究所 平成 年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報 ( 住宅 ) (01 年 月 日更新 ) を参考に作成

家庭 CO 統計の結果アエネルギー消費量の傾向気候が寒冷な地方 ( 北海道 東北 北陸 ) 以外の戸建住宅に居住する 人以上の世帯について 二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別にエネルギー消費量を比較すると すべての窓にある世帯又は一部の窓にある世帯では ない世帯に比べ エネルギー消費量が少ない傾向がみられる また 用途別にみると 暖房によるエネルギー消費量は すべての窓にある世帯はない世帯と比べ 約 % エネルギー消費量が少なくなっている 電気都市ガス LP ガス灯油 すべての窓にある 1..1... 一部の窓にある 1..... ない 0.0.... 戸建 人以上の世帯全体 ( 北海道 東北 北陸を除く ) 0....0 0. 0 0 0 0 0 [GJ/ 世帯 年 ] 図 二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別世帯当たり年間エネルギー種別 消費量 ( 北海道 東北 北陸を除く戸建 人以上の世帯 ) 暖房冷房給湯台所用コンロ照明 家電製品等 すべての窓にある.1 1.0.0 1.0.1 一部の窓にある.0 1.. 0.. ない 戸建 人以上の世帯全体 ( 北海道 東北 北陸を除く ).. 1. 1.1.. 1. 1. 1.0. 0 0 0 0 0 [GJ/ 世帯 年 ] 図 二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別世帯当たり年間用途別エネルギ ー消費量 ( 北海道 東北 北陸を除く戸建 人以上の世帯 )

イ世帯属性の把握二重サッシまたは複層ガラスの窓の普及率が比較的高いのは 気候が寒冷な地方 ( 北海道 東北 北陸 ) の世帯 建築時期が近年である住宅の世帯 年間世帯収入が高い世帯 延べ床面積の大きい世帯となっている 北海道以外の地方では 戸建住宅に比べ 集合住宅での普及率が低い状況である すべての窓にある一部の窓にあるない不明 北海道 東北 関東甲信 1 北陸 0 東海 1 1 近畿 1 中国 1 1 0 四国 1 1 九州 1 11 沖縄 0 全国 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 地方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無 すべての窓にある一部の窓にあるない不明 北海道 1 東北 1 関東甲信 1 北陸 1 東海 1 0 近畿 0 1 中国 四国 1 1 九州 沖縄 戸建全体 1 0 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 地方別建て方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無 ( 戸建 )

すべての窓にある一部の窓にあるない不明 北海道東北関東甲信北陸東海近畿中国四国九州沖縄集合全体 1 1 1 1 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 地方別建て方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無 ( 集合 ) すべての窓にある一部の窓にあるない不明 10 年以前 11~10 年 11~10 年 1 1 11~1 年 1 1~000 年 1 1 001~00 年 1 00~0 年 1 011~0 年 1 1 01 年以降 1 全体 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 建築時期別建て方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無

すべての窓にある一部の窓にあるない不明 0 万円未満 0~00 万円未満 0 0 00~0 万円未満 0~00 万円未満 1 1 1 00~00 万円未満 1 1 1 00~000 万円未満 0 1 000 万円以上 1 1 全体 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 年間世帯収入別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無 すべての窓にある一部の窓にあるない不明 m未満 ~0 m未満 1 0~ m未満 1 ~0 m未満 0 0~ m未満 1 1 ~0 m未満 0 0~00 m未満 00~00 m未満 00 m以上 0 全体 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 延べ床面積別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無

冷蔵庫の買い替え ( 冷蔵庫の製造時期とエネルギー消費量 ) 本統計調査外の情報 01 年製の冷蔵庫の年間消費電力量は 年前の製品に比べ 約 割少ない なお 内閣府の消費動向調査 ( 平成 0 年 月調査 ) によると冷蔵庫の平均使用年数は 1. 年である 冷蔵庫の年間消費電力量 00 年 0~0kWh/ 年 01 年 0~0kWh/ 年 ( 注 ) このデータは特定の冷蔵庫の年間消費電力量を示したものではありません 各年度毎に定格内容積 01~0Lの冷蔵庫の年間消費電力量を推定した目安であり 幅をもたせて表示しています 年間消費電力量はJIS C 01-:0による 出典 : 一般社団法人日本電機工業会 図 11 製造時期による冷蔵庫の年間消費電力量の比較 ( 出所 ) 一般社団法人家電製品協会 01 年度版スマートライフおすすめ BOOK (01 年 月 ) を参考に作成

家庭 CO 統計の結果アエネルギー消費量の傾向 人以上の世帯について 冷蔵庫の製造時期別 (1 台目 ) にエネルギー消費量を比較すると 1 年以前を除き 冷蔵庫の製造時期が新しいほど 世帯の電気の消費量が少ない傾向がみられる また 冷蔵庫の製造時期が新しいほど 照明 家電製品等のエネルギー消費量が少ない傾向がみられる 電気都市ガス LP ガス灯油 1 年以前 1 年 ~000 年 001 年 ~00 年 00 年 ~0 年 011 年 ~0 年 01 年以降 人以上の世帯全体 1.... 1..0 11.. 1.. 11.1. 1.1... 1....1 1....0 1.... 1.. 1. 0.1. 0. 0. 0 0 0 0 0 [GJ/ 世帯 年 ] 図 1 冷蔵庫の製造時期 (1 台目 ) 別世帯当たり年間エネルギー種別消費量 ( 人 以上の世帯 ) ( 注 )1 台目とは 複数台使用している世帯の場合は 最も内容積の大きい冷蔵庫をいう 暖房冷房給湯台所用コンロ照明 家電製品等 1 年以前 1 年 ~000 年 001 年 ~00 年 00 年 ~0 年 011 年 ~0 年 01 年以降 人以上の世帯全体. 0. 1...0 11....1.. 0. 0. 0. 0. 0. 0...1 1...1.1...... 1. 1. 1. 1. 11. 1. 0 0 0 0 0 [GJ/ 世帯 年 ] 図 1 冷蔵庫の製造時期 (1 台目 ) 別世帯当たり年間用途別エネルギー消費量 ( 人以上の世帯 )

イ世帯属性の把握 年ごとの区分で 調査を行った年度 (01 年度 ) 及び平均使用年数 (1. 年 ) を考慮すると 00 年以前の冷蔵庫が買い換え時期を迎えていると想定できる 本調査により 製造時期が 00 年以前の冷蔵庫の割合が比較的高いのは高齢世帯となっていることが把握できる 1 年以前 1~000 年 001~00 年 00~0 年 011~0 年 01 年以降不明 単身 高齢 1 単身 若中年 0 夫婦 高齢 1 夫婦 若中年 0 夫婦と子 高齢 1 0 夫婦と子 若中年 三世代 1 その他 全体 0 0% % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 図 世帯類型別冷蔵庫の製造時期 (1 台目 ) ( 注 )1 台目とは 複数台使用している世帯の場合は 最も内容積の大きい冷蔵庫をいう

高効率照明の利用 ( 照明の種類とエネルギー消費量 ) 本統計調査外の情報電球形 LED ランプの消費電力は ほぼ同じ明るさの一般電球 ( 白熱電球 ) に比べ 約 % 小さい 消費電力 一般電球 0 形 W 電球形 LED ランプ 一般電球形 全方向が 明るいタイプ 電球色 約 W 図 一般電球と電球形 LED ランプの消費電力の比較 ( 出所 ) 一般社団法人家電製品協会 01 年度版スマートライフおすすめ BOOK (01 年 月 ) を参考に作成 ( 注 ) ほぼ同じ明るさの一般電球と電球形 LED ランプとの比較

電球類の出荷数量の推移をみると 白熱電球から電球形 LED ランプへの切り替 えが進んでいる また 照明器具の出荷数量の推移をみると LED 照明器具への 切り替えが急速に進んでおり 01 年度には約 % を占めている [ 百万個 ] 10 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 0 1 0 0 電球形 LEDランプ一般蛍光ランプ ( 電球形 ) 一般照明用電球 0 0 011 01 01 0 0 01 01 年度 図 1 電球類の出荷数量の推移 ( 出所 ) 一般社団法人日本照明工業会照明用光源類等自主統計 [ 百万台 ] 0 0 0 0 0 0 0 0 1 11 1. 0. 0. 0 011 01 01 0 0 01 01 年度 LED 器具 蛍光灯器具 白熱灯器具 図 1 照明器具の出荷数量の推移 ( 出所 ) 一般社団法人日本照明工業会照明器具自主統計 11

家庭 CO 統計の結果アエネルギー消費量の傾向戸建住宅に居住する 人世帯について 使用している照明の種類別にエネルギー消費量を比較すると LED 照明のみ使用している世帯では 他の照明を併用している世帯や LED 照明を使用していない世帯に比べ 照明 家電製品等のエネルギー消費量が少ない傾向がみられる 暖房冷房給湯台所用コンロ照明 家電製品等 LED 照明のみ使用 LED 照明と他照明の併用 ( 白熱電球なし ) LED 照明と他照明の併用 ( 白熱電球あり ) LED 照明不使用 ( 白熱電球なし ) LED 照明不使用 ( 白熱電球あり ) 戸建 人世帯全体. 1.. 1.0. 1. 1.1. 1.0. 1. 1.. 1.1.. 1.. 0.. 11.1 1.. 1.0. 1. 1.. 1.0. 0 0 0 0 0 [GJ/ 世帯 年 ] 図 1 使用している照明の種類 ( 住宅全体 ) 別世帯当たり年間用途別エネルギー消 費量 ( 戸建 人世帯 ) 1

イ世帯属性の把握居間で LED 照明の使用率が比較的高いのは 年間世帯収入の高い世帯 建築時期が011 年以降の住宅の世帯となっている 居間で白熱電球の使用率が比較的高いのは 若中年世帯 年間世帯収入の高い世帯となっている 白熱電球の使用率について 建築時期別にみると 0 年までは近年に建築された住宅の世帯で使用率が高くなっているが 011 年以降の世帯では 00~0 年の世帯に比べ低くなっている 単身 高齢単身 若中年夫婦 高齢夫婦 若中年夫婦と子 高齢夫婦と子 若中年三世代その他全体...0 1. 0.... 0. 11..1 0.... 1.0.... 0.0..0.0... 0 0 0 0 0 0 0 [%( 複数回答 )] 白熱電球 蛍光灯 LED 図 1 世帯類型別使用している照明の種類 ( 居間 ) 0 万円未満 0~00 万円未満 00~0 万円未満 0~00 万円未満 00~00 万円未満 00~000 万円未満 000 万円以上全体...0..... 1...1. 1... 11... 1...... 0 0 0 0 0 0 0 [%( 複数回答 )] 白熱電球 蛍光灯 LED 図 0 年間世帯収入別使用している照明の種類 ( 居間 ) 1

10 年以前 11~10 年 11~10 年 11~1 年 1~000 年 001~00 年 00~0 年 011~0 年 01 年以降全体.... 1. 0..0...1 0. 0......0. 1. 0.. 1.0... 1..... 0 0 0 0 0 0 [%( 複数回答 )] 白熱電球 蛍光灯 LED 図 1 建築時期別使用している照明の種類 ( 居間 ) 今後の活用について本調査については データを蓄積し 以下のような活用を検討している COOL CHOICE を始めとする家庭部門の地球温暖化対策の企画 立案 日本の温室効果ガス排出量の算定方法及び増減要因分析の精緻化また 統計法第 条に基づき 地方公共団体 大学等に対して 調査対象の秘密の保護を図った上で 調査票情報の提供が可能である 速報値との差異について 1 速報値では 電気の CO 排出係数が前年度 ( 平成 年度 ) 値となっているが 確報値では 当該年度 ( 平成 年度 ) の電気のCO 排出係数を適用している なお この 平成 年度家庭部門のCO 排出実態統計調査の分析事例 ( 参考資料 ) では CO 排出量ではなくエネルギー消費量に関する図表のみを掲載しているため 速報値公表時から図表に修正はない 確報値については 政府統計の総合窓口 (e-stat) に統計表を公表した 1 速報値は平成 0 年 月 日に公表 http://www.env.go.jp/press/00.html また 確報値については オーダーメード集計 が平成 1 年度中に開始予定である オーダーメード集計 : 学術研究の発展に資すると認められる場合等において 既存の統計調査で得られた調査票データを活用して 調査実施機関等が申出者からの委託を受けて そのオーダーに基づいた新たな統計を集計 作成し 提供するもの