不溶化の仕組み 弊社の不溶化材を用いた場合のふっ素, 砒素, 鉛, セレンの不溶化に関する仕組みについて, 以下に概説いたします 基本特性マグネシア系不溶化材を土壌に混合したときの基本的な特性は以下のとおりです 土壌にマグネシア系不溶化材を撹拌混合すると, 不溶化材の主成分である酸化マグネシウムが間隙水中に徐々に溶解し, その進行に伴い, 土壌中に水酸化マグネシウムが生成し始め, その水和反応は養生初期において平衡状態に達します このときのは1 程度になります 土壌空気中の二酸化炭素濃度が高い土壌では, 水酸化マグネシウムに加えて炭酸マグネシウムや塩基性炭酸マグネシウム等が生成する可能性があることが知られています また, 酸化マグネシウムと土壌中の粘土鉱物等に含まれる可溶性成分との反応により, ケイ酸マグネシウム鉱物やMg-Al 系複水酸化鉱物等の新たな水和反応物が形成されることがあり, 土壌中の間隙が充填されます ( 組織が緻密化 ) MgO + H O Mg + + OH - 砒素の不溶化砒素の不溶化の仕組みは以下のとおりです 汚染土壌から溶出する砒素は水溶性のものです 砒素は, 通常, 酸素と結合した状態 ( オキソ酸と呼ばれる ) で存在します 亜砒酸 (3 価 ) と砒酸 (5 価 ) に分類されます 砒素の汚染土壌にマグネシア系不溶化材を混合すると, 酸化マグネシウムが溶解し, 水酸化マグネシウムが生成します 土壌の間隙水のは1 程度になり, 亜砒酸はH AsO - - 3 として存在しやすく, 砒酸はHAsO 4 として存在しやすい環境になります また, このときの酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシウムの表面はプラスに帯電しています ( 等電点が1 程度 ) このように,が1 程度では, 亜砒酸や砒酸は酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムに収着されやすい条件になり, 酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムの表面官能基と反応することにより直接結合していると考えられています ( この反応は配位子交換反応と呼ばれ, その生成物は内圏錯体と呼ばれています ) Mg + + OH - Mg(OH) マグネシウム系不溶化材で処理された土壌のは, 長期間にわたって1 程度に保たれ, その土壌環境下においては酸化マグネシウム粒子や水酸化マグネシウム等の水和反応物は溶けにくい物質で, 安定的に存在しており,の長期安定性が高いことが特徴です ふっ素の不溶化ふっ素の不溶化の仕組みは以下のとおりです 汚染土壌中のふっ素は, 水溶性のふっ素と非水溶性のふっ素に大別されます 汚染土壌から溶出するふっ素は水溶性のふっ素です その存在形態はや共存イオンなどにより異なりますが, フリーのふっ素イオン (F - ) または錯イオンです ここでは, フリーのふっ素イオンとして存在していることを前提に説明しています 前述のように, ふっ素の汚染土壌にマグネシア系不溶化材を混合すると, 酸化マグネシウムが溶解し, 水酸化マグネシウムが生成します その際に, ふっ素イオンが水酸化マグネシウムに取り込まれることにより不溶化されます ( 下式 ) また,Mg-Al 系複水酸化物が生成してふっ素イオンが取り込まれることもあります Mg + + (-x)oh - + xf - Mg(OH) -x F x 鉛の不溶化鉛の不溶化の仕組みは以下のとおりです 汚染土壌中の鉛は, 水溶性の鉛と非水溶性の鉛に大別され, 汚染土壌から溶出する鉛は水溶性の鉛イオン (Pb + ) です 鉛は, ふっ素や砒素とは異なり, 陽イオンです 鉛の汚染土壌にマグネシア系不溶化材を混合すると, 前述のように, 土壌の間隙水のが1 程度に上昇し, その際に, 水溶性の鉛は水酸化物や水酸化物 / 炭酸塩の複合体, また土壌鉱物や腐植物質の表面官能基に収着されていることが知られています セレンの不溶化セレンの不溶化の仕組みは以下のとおりです 汚染土壌中のセレンは, 酸素と結合した状態 ( オキソ酸と呼ばれる ) で存在し, 亜セレン酸 (4 価 ) とセレン酸 (6 価 ) に大別されます 通常, 亜セレン酸はSeO - 3 またはHSeO - 3, セレン酸はSeO - 4 として存在し, 亜セレン酸はセレン酸に比べて不溶化しやすいことが知られています セレンの汚染土壌にマグネシア系不溶化材 ( グリーンライムMP-S) を混合すると, 不溶化されにくいセレン酸が不溶化材に含まれる特殊成分によって直ちに亜セレン酸に還元された後に, 亜セレン酸が不溶化材の水和生成物に収着されます 不溶化の仕組み8 7
重金属不溶化材の不溶化性能 グリーンライム MP 経済性に優れ 自然由来や低濃度汚染土の不溶化に最適です (mg/l) (kg/m 3 ) mg/l (mg/l) (kg/m 3 ) mg/l (mg/l) (kg/m 3 ) mg/l グリーンライム MP-S 不溶化が困難とされるセレンの不溶化が可能です (mg/l) mg/l (kg/m 3 ) (mg/l) mg/l スーパー MAG 高濃度の汚染土の不溶化に最適です グリーンライム M 低濃度汚染土の不溶化とともに 強度の発現も可能です (mg/l) mg/l (kn/m ) (mg/l) (kg/m 3 ) mg/l (mg/l) mg/l mg/l (mg/l) (kg/m 3 ) (kg/m 3 ) 酸アルカリ試験 酸 アルカリ試験は 一旦不溶化した重金属が年月とともに溶出することがないか確認する試験です 溶出の原因としては不溶化処理土壌が酸及びアルカリに曝された場合に土壌のが変化し溶出するおそれがあると考えられています 酸アルカリ試験では人為的に土壌に酸及びアルカリを添加させ 溶出量を測定します (mg/l) kg/m 3 mg/l (mg/l) kg/m 3 mg/l (mg/l) kg/m 3 mg/l 重金属不溶化材の不溶化性能1 9
中性固 化 材 の 性 能 1 -S 中性域での強度発現かつ重金属の不溶化が可能な製品です 砂質土 コーン指数 kn/m 含水比 % コーン指数 kn/m 14. 15 6.97 31.1 88 7. 試験 6 16 5 1 5. 1 15 1 15 1 8 4 6.4 1..7 砒素 5.6 鉛 ふっ素.6 7. 3 6 9 5. 1 4.8.5 4.4 3..3.4.1 6 9.8 5 5. 3 固化材添加量 (kg/m ) 3 6 7. 1.6 土壌溶出量基準.1mg/L 添加量 (kg/m ) 1 5 16 試験.8. 3 4 5 1. 4 7. 8 1. 試験 砒素 鉛 溶出量 (mg/l) 含水比 不溶化試験 4 粘性土 関東ローム 排水基準値 5.8 8.6 各種土質とコーン指数の関係 ふっ素溶出量 (mg/l) 中性域での強度発現に優れた製品です 中性固化材の性能⑴ 6 添加量 (kg/m 3 ) 3 1 各種土質と一軸圧縮強さの関係 砂質土 含水比 % 一軸圧縮強さ kn/m 含水比 % 一軸圧縮強さ kn/m 71.1 11 7.11 4.4 48 8.3 一軸圧縮試験 一軸圧縮試験 試験 1. 試験 4 -A 調整に優れており 土砂の分別の剥離材としての使用も可能です 1. 土砂を中性域で石と土に剥離し 農地に搬出する場合などに有効です 14 1 1 7. 8 6 4 3 土の回収率 一軸圧縮強さ (kn/m ) 一軸圧縮強さ (kn/m ) 18 16 9. 7. 1 5. 15 5 1 15 5 1 5. 15 5 1 15 他固化材との性能比較 従来固化材との性能比較 一軸圧縮強さ kn/m 含水比 % コーン指数 kn/m 14. 18 6.97 84.8 81 6.97 1. 7. 1 11 5 1 15 5. 生石灰 高炉セメント 5 1 15 4 7. 1 5 1 15 5. 無処理 6 8 1 5. 無処理 6 8 1 -A添加率 (%) -A添加率 (%) 3. 石膏系固化材 石膏系固化材 11. 3 1. 1. 4 5 13. 生石灰 高炉セメント 7. 1. 試験 4. 一軸圧縮強さ (kn/m ) 5 試験 5.. 含水比 % 一軸圧縮試験 6. 3. 石膏系中性固化材との性能比較 7. 土の回収率 (%) 5 1. 8. 1 試験 粘性土 5 1 15 1
中性固化材の性能 () 長期強度の安定性 含水比 (%) 土の種類 湿潤密度 (g/cm 3 ) 一軸圧縮強さ (kn/m ) 45 粘性土 1.48 36 8.1 添加量 97kg/m 3 (kn/m ) 4 4 3 3 1 1 1 7 14 8 3 1 9 8 7 6 1 7 14 8 3 魚類急性毒性試験 添加材 : グリーンライム NP 試験群 (mg/l) 累積死亡率 (%) 溶存酸素濃度 (mg/l) 4 時間 48 時間 7 時間 96 時間開始時終了時開始時終了時 添加なし 8.1 8.1 1 1 1 8.1 8.1 8.1 試験方法 設定濃度として 1 添加なし 1mg/L 31mg/L 41mg/L の 4 種類の濃度になるように グリーンライム NP と試験用 水を48 時間撹拌し調節後 ヒメダカを放流し 4 48 7 96 時間後の致死数を確認しました 96 時間経過内にヒメダカの致死数はゼロであることを確認しました 中性固化材の性能⑵14 排水基準値 :5.8~8.6 試験方法 グリーンライム NP 添加後の時間の経過とともに強度 を測定しました 1 日 ~3 ヶ月まで強度を測定しましたが このデー タでは 倍以上の強度の伸びを観測しました さらに をみても 中性域で安定しています 植生試験 小松菜の発芽経過 土の曝露試験 グリーンライム NP 添加後 (97kg/m 3 ) の試料を屋外で 8 日間曝露し通過した雨水を測定しています 通過雨水 値 曝露後の土 7.78 1 未処理土 従来固化材 5kg/m 3 添加 グリーンライム NP 5kg/m 3 添加 試験方法は 土研式雨水曝露試験 に準拠する 試験方法未処理土 従来固化材 5kg/m 3 5kg/m 3 添加した試料土を作成し 小松菜の発芽試験を行いました 従来固化材では植生 14 日後も発芽はありませんでしたが では発芽が見られました 13
工事の流れ ( 重金属不溶化材 ) 工事の流れ ( 中性固化材 ) 一般的な不溶化工事の流れは以下のとおりです 事前調査 事前調査 室内配合試験 施工 品質管理 汚染物質の調査 汚染範囲の調査 土壌汚染対策法では 第 1 種 種 3 種の特定有害物質が定められている マグネシア系不溶化材は第 種特定有害物質の溶出量の抑制に効果があります 含有量ではありません 揮発性有機化合物 ( 第 1 種特定有害物質 ) 重金属等 ( 第 種特定有害物質 ) 農薬等 ( 第 3 種特定有害物質 ) 不溶化材の選択 添加量の提案 決定 施工機械の選定 不溶化材の混合 養生 溶出試験 モニタリング 土壌サンプリング 工事環境の調査 事前調査室内配合試験施工品質管理 原土強度測定 トラフィカビリティの検討 安定解析 目標強度の決定 が生態系に与える影響の調査 中性固化材の選択 添加量の提案 決定 施工機械の選定 中性固化材の混合 養生 確認試験 工事の流れ(重金属不溶化材/中性固化材)16 室内配合試験 弊社では 以下の内容で不溶化試験を外部委託しております 不溶化試験方法 汚染土壌及び溶出データの入手 1 かさ密度測定 添加量算出のため 未処理土のかさ密度を測定 (JIS Z 73-9 に準拠 ) 配合試験 分析表の溶出量を基に添加量を設定し 配合試験を実施 溶出試験 未処理土および配合試験を実施した処理土について 溶出試験を実施 ( 環境庁告示第 46 号に準拠 ) 結果報告 1 お客様よりかさ密度データを提供いただける場合には測定を省略します 報告書は室内試験の結果報告のみです 現場混合する場合の割増等につきましては 施工する方法によってお客様とご相談させて頂きます 尚 上記の試験方法以外にご要望があれば 別途お打合せ致します 15
施工方法 施工 1) 浅層処理方式の施工手順を以下に示します 準 巨礫の除去 不陸整正 防塵対策 施工手順 備 散布 不溶化材の散布 現場添加量から 1 トンフレコンの散布面積になるように区画割を行う 不溶化材を所定面積に均一に散布する 混合 整正 汚染土と不溶化材を均一に混合する 不陸整正 混合敷きならし締固め 養 生 所定の期間養生する ( 通常は 7 日 ) 応急処置 目に入った場合 : きれいな水で十分に洗浄し 直ちに医師の診断を受けて下さい 皮膚についた場合 : きれいな水で十分に洗い流して下さい 吸入した場合 : 多量の場合は 直ちに医師の診断を受けて下さい 飲み込んだ場合 : きれいな水で口の中をよく洗浄し 直ちに医師の診断を受けて下さい GHS ラベル要素絵表示 危険有害性情報 H315 ; 皮膚刺激 H318 ; 重篤な眼の損傷 H373 ; 長期または反復暴露による臓器 ( 肺 ) の障害のおそれ 注意書き [ 予防 ] P6 ; 粉塵 / 煙 / ガス / ミスト / 蒸気 / スプレーを吸入しないこと P8 ; 保護手袋 / 保護衣 / 保護眼鏡 / 保護面を着用すること [ 対応 ] P35+P351+P338 ; 眼に入った場合 ; 水で数分間注意深く洗うこと 次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと その後も洗浄を続けること P33+P313 ; 皮膚刺激が生じた場合 ; 医師の診断 / 手当てを受けること [ 保管 ] P45 ; 施錠して保管すること [ 廃棄 ] P51 ; 内容物 / 容器を国 地域のすべての法規に従い廃棄すること グリーンライム NP シリーズ MP シリーズはセメントを含まないため 六価クロム溶出試験の必要はありません ) スラリー状の不溶化材を用いた中層 深層処理方式の施工手順を以下に示します 準 備 巨礫の除去 不陸整正 ( 処理後の土の変化量を考慮し 必要に応じて空掘 掘削を行う ) 機材搬入 組立 スラリープラントの設置 吐出量のキャリブレーション 位置出し 施工ブロック位置出しおよび区画割を行う 混合 整正 撹拌装置を所定の位置にセットする 汚染土と不溶化材を均一に混合する 不陸整正 必要に応じ表面排水用の素掘り側溝の設置 養 生 所定の期間養生する ( 通常は 7 日 ) 取扱上のお願い保管上のお願い保管する場合は 水が浸入しないようにかさあげして保管してください 直接 地面に置かないでください 降雨の恐れがある場合は 湿度が高い場合にはビニールシート等で覆って 風でとばないようロープ等で固定してください フレコン取扱上のお願い 1. 吊上げの際吊ロープ又は吊ベルトはフックに正しく掛け 片吊はしないでください 急な吊上げ 吊下ろし 横引きはしないでください. 排出の際吊上げたフレコンの下に入って 開口しないでください 開口部が地面にふれないように吊上げして排出してください 内容物は残留しないよう全部排出してください 使用上のお願い改良効果は対象土との混合度合いに大きく影響しますので 均一になるまで十分に混合してください 施工手順 荷卸し 乳化 圧送粉状 圧送 注入 混合 攪拌 取扱い警告 ( ケアー ) マーク補足説明 1. 吊上げる場合. 排出する場合 3. 保管する場合 吊ロープのフックを正しく掛け 片づりはやめてください 吊下げたフレコンの下に入らないでください スタビライザでの混合 移動式プラントでの混合 急な吊上げ 吊下げ 横引きはしないでください 発塵防止の為できるだけ低い位置で排出してください 内容物は残留しないよう全量排出してください 仮貯蔵の際 水が浸入しないようにして貯蔵してください 施工方法18 17