2014 年度 ( 平成 27 年度 ) 活動報告 はじめに 今年度の活動方針は 難病対策の法制化と今後の課題及び活動と組織の充実 強化について を中心課題として掲げ 成立した難病法 ( 難病の患者に対する医療等に関する法律 ) の円滑な施行と 法制定以後の社会的役割を担いうる組織の充実 強化に取り

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Transcription:

2014 年度 ( 平成 27 年度 ) 活動報告 はじめに 今年度の活動方針は 難病対策の法制化と今後の課題及び活動と組織の充実 強化について を中心課題として掲げ 成立した難病法 ( 難病の患者に対する医療等に関する法律 ) の円滑な施行と 法制定以後の社会的役割を担いうる組織の充実 強化に取り組もうとよびかけた 1 新しい難病対策 小児慢性特定疾病対策の施行にむけての取り組みと今後 の課題 2014 年 5 月 23 日に 国会を構成する衆参両院の全ての会派の賛成によって 難病法および児童福祉法一部改正法が成立した 難病法の成立によって 1972 年に始まった難病対策から 42 年の年月を経て ようやく法律に基づく対策として難病対策が位置づけられたこととなった このことは 単に医療費助成制度が義務的経費として法制化されたに留まら ず 小児慢性特定疾病対策をはじめ福祉 介護 就労など他制度との有機的連 携の下に総合的な難病対策に道を拓くものとして大きな意義をもつ 特定医療費助成においても 1 月から 110 疾病として先行施行された対象疾 病に加えて 7 月からは新たに 196 疾病が対象疾病に加えられ 306 疾病を対象 とする医療費助成制度が開始される 小児慢性特定疾病は 704 疾病を対象と して 1 月から新制度が始まっている JPA は 医療費の負担に悩む多くの患者のために 難病法および児童福祉 法一部改正法の成立にむけて 各政党や国会議員へのはたらきかけを行い 法 律の制定に当事者団体として力を尽くしてきた 法成立後も 指定難病対象疾病の検討過程においても また法施行準備や内 容の周知においても 加盟団体とともに患者のための制度となるよう はたら きかけを行ってきた 昨秋にはすべてのブロックの交流会やブロック会議で 厚生労働省の担当者に新しい難病制度の説明をしてもらい 質問にも答えても らうなどして 患者団体を通じて患者 家族への制度の周知も行ってきた 同時に この制度の施行は新たな制度の第一歩であり 患者家族や医師への 周知をはじめ 指定医 指定医療機関の登録や 地域での診療所や開業医も含 めた医療ネットワークの構築 難病相談支援センターの拡充 それらを患者ニ 2

ーズに合わせて拡充していくための難病対策地域協議会の設置とそこへの当事 者の参画など 法律に基づき対策を推進させる多くのことがこれからの課題と なっている また 特定疾病の指定難病には個々に重症度分類 ( 基準 ) が制定されたこと や 特定疾患治療研究事業や小児慢性特定疾患治療研究事業で医療費助成を受 けていた人たちの多くの自己負担が引き上がられたこと とくにこれまで負担 がなかった重症患者や低所得者の負担や入院時食事療養費の一部負担が新たに 生じたことなど 患者家族にとっては必ずしも良いことばかりとは言えない 指定難病対象疾病患者で日常生活 社会生活の支障がある人たちが特定医療 費助成を受けられなくなったり 負担が重すぎることにならないよう 施行後 の実態を注視する必要がある さらに 日常生活 社会生活上の障害を抱える疾病であっても 疾病に関す る情報が足りなかったり 要件を満たさずに指定難病に指定されなかった人た ちがまだ多く存在することとなった 小児慢性特定疾病対象疾病で 成人した 患者への社会的支援策の問題 いわゆるトランジション問題も 多くの疾病で は未解決のままとなった これらも今後の大きな課題として残されている 障害者総合支援法における対象疾病についても 指定難病の検討をふまえて 1 月からは 151 疾病が対象とされ 7 月からは 332 疾病が対象疾病となることも 決定された しかしながら 障害者福祉における支援の対象として決められた 新たな要件を満たすかどうかの検討は 指定難病の対象疾病における検討の範 囲に留まっており さらに視野を広げて 福祉的支援を必要とするすべての疾 病に対象を拡大すべきであるとして国への働きかけを進めてきた 就労対策として実施されている発達障害者 難治性疾患患者雇用開発助成金 ( 発難金 ) の対象疾病も 2015 年 1 月より 154 疾病となった 2015 年 7 月には 障害者総合支援法の対象疾病を参考にしながらその対象を見直すとされている 2010 年秋から毎年開催してきた難病 慢性疾患全国フォーラムは 2014 年 11 月の開催で 5 年目を迎えた 2010 年の第 1 回フォーラムは 小児難病親の会 をまとめる認定 NPO 法人難病のこども支援全国ネットワーク 患者の声協議会 など 患者の声を医療政策に反映させるための活動を行っている公益社団法人 日本リウマチ友の会 JPA の 3 者が共同で行う初めてのフォーラムとなった 記念講演に神経難病の権威で厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会委員 長の金澤一郎先生を迎えて これからの難病対策のあり方を講演していただき 政党シンポジウムでは与野党の難病対策担当国会議員が登壇して 与野党を挙 げて難病対策の推進が述べられるなど 難病対策の改革にむけての契機となる シンポジウムとして大成功を収めた その後 毎年のフォーラムでは 改革の 進捗状況が報告 提言され 難病対策委員会での提言まとめや 難病法の制定 3

に大きな役割を果たしてきた 昨年秋のフォーラムは あらたな一歩を踏み出すために と題して 法制定後の総合的対策を見据えて 福祉 介護 リハビリ 年金などの専門家からの発言を盛り込み 今後の難病法制定で課題となるべき問題を明らかにした 2 難病 長期慢性疾患の患者と家族のための医療と保険制度 介護 福祉 年金 生活保護 住宅 障害者差別解消法などの課題と取り組み 今年度も患者家族をとりまくさまざまな課題についても 国に施策の拡充を求めてはたらきかけを行ってきた 1) 難病 小児慢性特定疾病 長期慢性疾患対策の総合的な推進に向けての要望で厚生労働省と話し合い 2) 身体障害者福祉法の内部障害認定に膵臓機能障害を加えることを要望 3) 患者申出療養 ( 仮称 ) の新設をはじめとする政府の医療 成長戦略 に 患者負担の増大と安全性 有効性への危惧と懸念を表明 4) 障害者総合支援法 3 年後の見直し に向けての課題整理のためのヒアリングで意見表明 5) 障害者差別解消法の施行にむけての障害者雇用対策ヒアリング 内閣府障害者政策委員会での意見表明 6) 国の審議会等への参画 1 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会 2 遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 3 内閣府障害者政策委員会 4 社会保障審議会障害者部会 7) 他団体との共同行動 1NPO 法人日本障害者協議会 2 難病 慢性疾患全国フォーラム実行委員会 3 組織強化 事務局強化と財政 資金活動の取り組み 1) 事業資金委員会と資金活動の推進 2) 広報委員会と JPA の仲間 ホームページの作成 3) 地域難病連ブロック交流会と地域活動の活性化推進 4) 調査研究部と調査 研究協力活動の推進自治体の難病対策 ( 施行前 ) の取り組み状況調査 5) 国際交流部と患者会の国際交流支援及び JPA の国際連携推進 4

現在のJPAの果たすべき役割と活動の水準を保障するために 財政活動での取り組みを加盟団体によびかけた 加盟分担金 国会請願募金 協力会費 賛助会費ともに 今年度は前年を下回る結果となった 今年度のブロック交流会 ( 会議 ) は すべてのブロックで厚生労働省から担当者に来ていただき 新しい難病対策の説明と質疑応答を行った 4 新しい国会請願の取り組み 5 月 26 日 ( 月 ) に国会請願集会および請願行動を行い 784,151 筆の署 名 難病 長期慢性疾患 小児慢性疾患の総合的対策を求める 国会請願行 動 ( 院内集会 議員室訪問 ) を行った 署名は 衆議院で 122 件 参議院で 60 件の紹介議員により衆参両院に提出され 国会最終日の 6 月 20 日に両院 ともに採択された 今年度は 難病法の成立ということもふまえたうえで 対策をさらに推進 していくということで 新たに国会請願署名を集めるための行動を加盟団 体 準加盟団体に提起し 取り組んだ 各団体を通じて全国で取り組んだ署名 684,155 筆は 総会翌日に行う請願 行動の際に紹介議員事務所に届け 紹介議員を通じて 衆参両院に提出され た 5 平成 26 年度厚生労働省補助金 難病患者サポート事業 の取り組み 今年度からは 厚生労働省補助事業として 難病患者サポート事業を実施し た 4 年目となった今年度は 新たな事業も加えてさらに充実をはかった その主な内容は次のとおり 1) 患者 ( 相談 ) 支援事業 1 相談事業 患者支援ネットワークの構築にむけた具体的な内容全国各地から寄せられる難病患者 家族からの個別相談に応じるとともに 各地難病相談 支援センター 地域難病連 全国患者会等の相談事業間の連携を図り 患者 家族へのサポートをよりスキルの高いものにするための支援を行った 5

関係機関との情報共有並びに 個々の患者団体や難病相談 支援セン ター等への継続的な支援 協力 協働を働きかけた 2 人材育成 ( 患者団体の運営管理研修の開催 ) これまで新しい役員の養成と新たな患者会向けの研修会を開催してき たところ好評であったため 第 4 回患者会リーダー養成研修を開催した さらに中堅役員向けのフォローアップ研修の開催要望も多いため 今 回初めて過去にリーダー養成研修を受講した人を対象に患者会リーダー フォローアップ研修会 2014 を開催した 3 新しい患者会の設立支援 設立の準備から設立総会までの手順やよびかけ 社会への情報発信の 方法などのノウハウについての研修とボランティアの紹介などの設立に かかわる支援を行った 今期は 当事業による残念ながら新たな患者会の設立はなかったが 発足して間もない患者会や これから患者会の立ち上げを準備している 患者等に対してのアドバイスを行った 4 地域希少疾患団体の連携支援 各地の地域難病連内に作られている 疾患ごとの団体を作ることがで きない主に希少疾患の患者 家族団体の全国連携を支援した 全国連絡 会の結成支援を視野に入れ 第 1 回希少疾患団体を地域で組織している 患者会同士の交流会を開催した 5 重症難病患者のコミュニケーション支援者養成講座 ALS などの重症患者にとってはコミュニケーションが生きる希望に直 結するもっとも重要な要素となっている 重症難病患者のコミュニケー ションの確保には支援者のスキルを確保することが重要であるが 患者 数は必ずしも多くないことから 結果的に導入経験の無い支援者が多く さらに導入事例を少なくするという悪循環が続いている この状況を打開するべく 機器企業や NPO 団体を通じて特に導入支援 者が少ない地方を中心に支援機器講座を実施し 支援者のスキルの底上 げを行った NPO 法人 ICT 救助隊 ( 今井啓二 / 仁科恵美子 / 岡部宏生 ) との共催で 次の 4 カ所で事業を実施した < 高知県 >< 鹿児島県 >< 福岡県 >< 栃木県 > 6 重症難病患者のコミュニケーションのためのスイッチ適合紹介サイトの 作成 6

重症難病患者の支援機器導入の可否に影響するのは入力スイッチの適 合である 一人一人の身体状況が異なり 経験やノウハウに依存してい るのが実情である 入力スイッチの適合事例を集めたホームページを立ち上げ 経験者が 自分の患者への導入事例を投稿し 経験の少ない支援者が その事例か ら自分の患者の状況に類似した事例を参考として適合を行うことで 経 験の少ない支援者でも適合を行うことができる環境を提供した 2) 患者活動支援事業 1 難病 慢性疾患全国フォーラム 2014 の開催 JPA を中心とした実行委員会方式による難病 慢性疾患全国フォーラ ム 2014 を開催した 5 回目を数える今年のフォーラムは 難病法の施行 を前にして 総合的な対策に向けて考えるために 教育 福祉 年金な どの専門家からの問題提起をあわせて行う企画となった 2 全国難病センター研究会研究大会の開催 各県難病相談 支援センター相談員 患者団体相談員 自治体の難病 対策担当者 難病専門医 福祉関係者 研究者 難病医療コーディネー ター 福祉機器関係者 医療機関相談担当者などによる全国難病センタ ー研究会とともに 全国研究大会 を開催した この研究大会は全国の 難病相談 支援センターのレベルアップと相談支援員の連携およびスキ ルの向上を目的とし 患者会による相談のスキルの向上と関連団体間の 情報の共有の場として ピアサポートの向上に資するものであり それ らを通して全国の難病患者のサポート事業の広がりと質の向上につなが った 2003 年から各地で開設されてきた難病相談 支援センターの方向性を 確立し 運営 相談に従事する者の知識 技術等の資質向上を目的に 医療 福祉 行政関係者 患者 家族団体とのネットワークの構築を図 るため 東京 高知での大会への支援を行った 3 難病対策の一般市民向け周知事業 新しい難病対策 ( 難病法 ) の理念と基本方針に基づく 難病患者が尊 厳を持って地域で生きていくことのできる共生社会を目指す 具体的な 周知活動として またその地域における患者団体と地方自治体が連携し て具体的な施策を考える機会として 全国各地域での開催を目指すため のパイロット事業を行った 今年度は 京都 広島の 2 地域で開催した 4 世界希少 難治性疾患の日 (RDD ) RDD 日本事務局との共催により全国各地で開催し 難病患者も尊厳を 持って生きることのできる共生社会の実現を目指す とした新しい難病 7

対策による難病問題の社会への周知を目指した 日本における希少 難 治性疾患患者への支援とサポートの実態を世界へ情報発信する取り組み を行った JPA の周知事業として取り組み RDD2015 バッジを普及した 5 難病患者会の国際連携の推進 希少 難治性疾患 ( 難病 ) 研究や治療法の早期開発に寄与するため 国際連携を推進することを目的とした患者会の海外交流支援を行った 希少疾患患者団体の国際交流の推進を図ることを目的として 海外団 体との連絡 資料の翻訳 発表資料の作成などの支援および代表派遣支 援を行った National Marfan のFoundation(NMF) Family (14 meeting 年 7 月ア メリカ ボルチモア開催 ) に国内個別疾患患者会の要請を受け代理と して参加し アメリカ国内の現状を理解するとともに 患者 家族ら との交流をおこなった DIAJapan (14 年 11 月日本 東京開催 ) における国内個別疾患患者 会の発表資料作成のアドバイスをおこなった 6 全国レベル協議会の国際連携の推進 希少 難治性疾患 ( 難病 ) 対策の国際連携による推進を目的とし アメ リカ ヨーロッパ アジアの全国レベル協議会との国際交流及び代表派 遣 世界協議会への代表派遣を行った ECRD Meeting (14 年 5 月ドイツ ベルリン開催 ) に参加し EURORDIS ( 欧州希少疾患患者協議会 ) 総会にて JPA として挨拶をおこなった また 関係識者との意見交換を実施した CORD (Canadian Organization カナダ希少疾患患 of Rare Disorde 者協議会 ) との連携に向けた意見交換を実施し アジア パシフィッ ク連携に向けた議論を展開した 2013 年に締結した MOU に基づき JPA ならびに NORD (National Organization for 全米希少疾患患者協議会 Rare Disorders ) の会員 患者会を中心に希少疾患患者インデックス ( 日本語版 英語版 ) を作 成した 3) 調査 記録事業 患者 家族の会の結成時の機関誌には当時の患者会の苦労や苦しみ 悩 みが生々しく収録されており 当時の社会の状況を把握する貴重な資料と なっている またそれらの資料を研究することによって現在及び未来の日 本の医療と福祉の仕組み 社会保障の在り方を点検し 将来の日本の患者 会のあり方についての研究に資する重要な資料となる 収録した患者会機 8

関紙 誌などの資料は WEB 上で公開提供を行うこととした 編集は改題以 前から編集作業を行っている NPO 難病支援ネット北海道及び関係団体との 連携システムによる 2013 年度に 日本患者運動史 を 日本の患者会 と改題し サイトの デザインを一新し 2014 年 3 月 17 日に公開した 6 東日本大震災と災害復興支援 1) 政府主催追悼式に参列し 全国の患者団体を代表しての献花を行った 2) 福島を肌で感じるツアー 2015 年 を実施した 3)JDF 障害者の支援に関する報告書 にJPAの取り組みを掲載 今回はその英語版にも掲載されるにあたり 英訳文のチェックを国際交流部が担当した 7 研究活動への参画 難病法の成立 施行に伴い 患者の実態や支援のあり方に関する研究も動き 出した とくに就労支援については 下記の 2,4 の研究班に加えて 産業医 療職の立場からの難病患者 中途障害者の就労継続支援についての研究班も動 き出しており これらに JPA として参画した 1) 厚生労働省指定研究 難病患者の支援体制に関する研究 ( 西澤班 ) 2) 厚生労働省指定研究 難病のある人の福祉サービス活用による就労支援 についての研究 ( 深津班 ) 3) 厚生労働科学研究費補助金 患者団体等が主体的に運用する疾患横断的 な患者レジストリのデータの収集 分析による難病患者の QOL 向上および 政策支援のための基礎的知見の収集 (J-RARE ネット研究班 ) 4) 障害者職業総合センター 難病の症状の程度に応じた就労困難性の実態 および就労支援のあり方に関する研究 8 まとめとして 9

法律に基づく制度として新たに始まる難病対策および小児慢性特定疾病対 策は 今後 難病対策地域協議会による患者 家族の実態 ニーズの施策へ の反映を行う 当事者組織の役割が大切になる 地域における患者会の現状は 難病対策の法制化のうごきや がん対策基 本法などのうごきから 近年 新たな患者会の設立 結成が顕著 その多く は 2000 年代以降に生まれ 希少疾病団体 がん患者の団体が多く生まれてい る これらの動きに対応し その受け皿となる地域組織として 地域での難 病連の今後の発展が求められている JPA も これらの動きをふまえた組織のあり方を真剣に考えて 社会的 役割を果たしうる組織改革と それを支える財政の確立が求められている 10