九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 地震火山観測研究センター年報 : 2009 年度版 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター Institute of Seismology and Volcanology, Faculty of Sciences, Kyushu University https://doi.org/10.15017/18908 出版情報 : 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター年報. 2009, 2011-01. 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センターバージョン :published 権利関係 :
大分県西部の地震活動について 平 成 21 年 10 月 8 日 開 催 地 震 調 査 委 員 会 資 料 九州大学地震火山観測研究センター 2009 年 6 月 25 日 23 時 03 頃 大分県西部の日田市を震央とする M4.7 の地震が深さ 11km 付近で発生し 日田市などで震度4を観測した また 8 月 31 日にはこの地震の東側で M4.1 の地震が発生した 九州大学地震火山観測研究センターではこれら一連の地震活動を詳細 に調べるために 6 月 26 日より震央域周辺に臨時観測点を5カ所設置し このうちデータの 取得出来た3カ所のデータも用いて解析を行った 図1 臨時点の含まれている解析期間 は 6 月 26 日から 7 月 28 日である 6 月 25 日から 10 月 7 日までの地震について 手動検測で読み取り観測点数が 10 以上の 地震 439 個を用いて JHD 法により一次元地震波速度構造を求めた その構造を用いて DD 法により求めた震源分布と 初動極性より求めた主な地震の発震機構解を図2に 時空間 分布を図3に示す およそ N70 80 E 4 5km の広がり の走向で南東方向に傾斜した 面に集中して発生している M3.5 以上の地震の発震機構解については 震源分布の西側で 正断層型 東側で横ずれ断層型の解が求まっている 図1 大分県西部周辺の観測点配置図 赤三角が今回使用した臨時観測点 3カ所 黒三角は九州大学のテレメータ観測点 +印は他機関の観測点 - 70 -
DD 2009 6 25 10 7
2009 6 28 (M4.4) 21 7 9 2009 6 28 09 35 M4.4Mj4.0 10km 6 28 7 3 10 57 JHD DD M3.0 2km 6/28 10:14 6/28 6/30 7/1 VSAT OMIQ 1DD 2009 6 28 7 3
図3 長崎県大村湾周辺の観測点配置図 赤三角が今回設置した観測点 黒三角は九 州大学のテレメータ観測点 +印は他機関の観測点 - 73 -
32 50 32 40 130 10 130 20 10 0-10 -20-30 NS EW Tilt (microradian) Tilt (microradian) 5 0-5 -10-15 -20-25 N down -30 1992 1997 2002 2007 E down N down Monthly Rain(mm) at UWS,JMA E down 1000 500 25 20 15 10 5 0-5 -10-15 NS EW E down N down -20 Tilt (microradian) Tilt (microradian) 15 10 5 0-5 -10-15 NS EW E down N down
-300-304 -308-312 -316-320 1992 1997 2002 2007 47000 proton1 46750 proton1 (nt) 3 46900 46800 46700 proton2 46650 46550 46450 proton2 (nt) 2 1 0 P2 - P1*1.01-0.80*yr + 857 46600 1992 1997 2002 2007 46350-1 1992 1997 2002 2007
カルデラ縁 C 点 ( 透明 ) F 点 ( 透明 ) スパイン D 点 ( 透明 ) 崩落堆積物 N 破砕された溶岩からなる台地 霧氷沢 11 A 点 ( 透明 ) 古い溶岩の残骸 E 点 ( 高温 透明刺激臭 ) G 点 ( 透明 ) 0 100 200m 島の峰 溶岩ドームの主な噴気分布 ( 中田節也 (5/19/95) の図に加筆 ) Temperature
第 115 回火山噴火予知連絡会 九州大学地震火山観測研究センター * 雲仙火山における地下水観測 地下水位 (cm) 地下水位 (SHV 観測井 ) 月平均水位 800.0 700.0 600.0 500.0 400.0 300.0 200.0 100.0 ( 基準面は標高 17.4m) 0.0 1986 年 1988 年 1990 年 1992 年 1994 年 1996 年 1998 年 2000 年 2002 年 2004 年 2006 年 2008 年 2010 年 30.000 水温 (SHV 観測井 ) 月平均水温 29.800 水温 ( ) 29.600 29.400 29.200 29.000 1986 年 1988 年 1990 年 1992 年 1994 年 1996 年 1998 年 2000 年 2002 年 2004 年 2006 年 2008 年 2010 年 雨量 (mm) 1000.0 900.0 800.0 700.0 600.0 500.0 400.0 300.0 200.0 100.0 月間総雨量 (SEVO) 月間総雨量 0.0 1986 年 1988 年 1990 年 1992 年 1994 年 1996 年 1998 年 2000 年 2002 年 2004 年 2006 年 2008 年 2010 年 地震火山観測研究センター 島原観測所温泉観測井 (SHV 観測井 ) における月平均水位 月平均水温 月間総雨量の観測結果 (2005 年 5 月以降の月間総雨量は気象庁アメダス島原を使用 ) 地震火山観測研究センター 島原観測所温泉観測井 (SHV 観測井 ) は, 構内の標高 47.9m の場所に設置された深さ 365m の坑井である. 全長にわたり, ケーシングパイプが挿入されており,255~355m 間にはストレーナーが配置されている. 水圧式水位計を地表から 30.5m, 水晶温度計を 329m の深さに設置している. 被圧地下水であり, 泉質はアルカリ土類金属 (Mg Ca) を含むナトリウム - 炭酸水素塩泉である. 当観測井の地下水位は, 時差 2 ヶ月 半減期 12 ヶ月の実効雨量 ( 雲仙岳 ) と正の相関が強いことがわかっている ( 回帰期間 :1998 年 1 月 ~1999 年 12 月 ). 水温は,1988 年 10 月 ~1991 年 8 月の期間は, やや高い値を示している. その後は, 微細変動が観測されるだけで, ほぼ安定している. * 福井理作 清水洋 太田一也 雲仙岳
第 115 回火山噴火予知連絡会九州大学地震火山観測研究センター * SHV 観測井 水温 ( ) 雲仙火山における温泉観測 SHV 観測井水温の推移水温 ( ) 29.0 28.0 27.0 26.0 25.0 24.0 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 ph SHV 観測井 phの推移 ph 7.4 7.2 7.0 6.8 6.6 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 電気伝導率 (ms/m) SHV 観測井電気伝導率の推移電気伝導率 (ms/m) 110 105 100 95 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 陽イオン (mg/l) 陰イオン (mg/l) SHV 観測井 陽イオン濃度の推移 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 SHV 観測井 陰イオン濃度の推移 700 600 500 400 300 200 100 0 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 Na + K + Ca 2+ Mg 2+ - HCO 3 Cl - SO 4 2- CO 2 /Re 0.14 0.12 0.10 0.08 0.06 SHV 観測井 CO 2 /Re( 蒸発残留物 ) 濃度比の推移 CO 2 /R e 0.04 2003/7 2004/1 2004/7 2005/1 2005/7 2006/1 2006/7 2007/1 2007/7 2008/1 2008/7 2009/1 2009/7 2010/1 地震火山観測研究センター 島原観測所温泉観測井 (SHV 観測井 ) の水温 ph 電気伝導率 主要化学成分濃度 CO 2 /Re( 蒸発残留物 ) 濃度比の推移 2003 年 9 月の観測再開以降, 火山活動に起因すると思われる顕著な変動はない. * 福井理作 清水洋 太田一也 雲仙岳