東京都建築安全条例の見直しの考え方

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新旧対照表 (1/15)

Taro-03_H3009_ただし書同意基準

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

条例解説6~11条

建築基準法施行規則第10条の2第1号

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

民泊の安全措置の手引き ~ 住宅宿泊事業法における民泊の適正な事業実施のために ~ 平成 29 年 12 月 26 日 ( 平成 30 年 3 月 29 日改訂 ) 国土交通省住宅局建築指導課

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

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(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項の規定に基づく一団地の総合的設計制度及び連担建築物設計制度等の運用について 建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項及び法第 86 条の2 第 1 項の規定に基づく認定の運用は 平成 11 年 4 月 28 日付け建設省住街発第 48 号局長通達による

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の基準 ( 包括同意基準 ) 平成 30 年 9 月 28 日 加古川市都市計画部建築指導課

基準2 消防用設備等の設置単位の取扱いに関する基準

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建築基準法第 43 条第 1 項ただし書による包括許可基準 平成 23 年 3 月 4 日 焼津市建築審査会承認 1 趣旨次の基準に適合するものは 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 43 条第 1 項ただし書の規定に基づき 特定行政庁が交通上 安全上 防火上

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制

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日影許可諮問(熊野小学校)

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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別添 ( 用語の定義 ) 消防法( 昭和 23 年法律第 186 号 ) 法 消防法施行令( 昭和 36 年政令第 37 号 ) 令 消防法施行規則( 昭和 36 年自治省令第 6 号 ) 規則 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令 ( 平成 20

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27_建築確認(幼保連携)通知

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目次 ( )

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(5) 第 1 号から前号までの規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のう ち 次に掲げるいずれかの住宅の部分 ア床面積が 7 平方メートル以上である居室が 5 以上存する階の廊下 イアに規定する階に廊下が存しない場合にあっては 当該階から直下階に通ずる 階段の上端 ウアに規定する階に廊下

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1600 mm 1200 mm 1200 mm 1600 mm 2200 mm 1200 mm 大阪市建築基準法取扱い要領 2-30 特別避難階段の付室の取扱い 令第 123 条第 3 項 (1) 付室の最小幅員下記のような特別避難階段の付室内の最小幅員は 法定の廊下幅及び階段幅以上とする 非常用

鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

番号 特定共同住宅等の種類と必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 二方向避難型特定共同住宅等である (1) 初期拡大抑制性能 ( その 2) 図面番 ア地階を除く階数が 5 以下のもの 消火器具屋外消火栓設備動力消防ポンプ設備 又は住戸用及び共同住宅用非常警報設備 イ地階を除く階数

1 届出の趣旨工事中に建築物を使用する場合は, 建築基準法に基づいて当該建築物に設置されている避難施設等の機能に支障を来たすことがよくあります もとより建築基準法は, 建築物の最低限の安全性能を定めたものですから, 避難施設等の機能に支障が生じているときに出火したりすれば, 大災害につながるおそれが

○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

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ポリカーボネート板に関する建築物の屋根への適用状況

面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

エ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計は 現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計を超えないこと オ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影部分の形状は 現に存する建築物又は現に建築の工事

建築基準法第85条第4項の仮設建築物の許可基準

第2 令別表第1の取扱い

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建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

習志野市一団地の総合的設計制度認定基準 第 1 目的この基準は 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 86 条第 1 項又は第 86 条の2 第 1 項 ( 第 86 条第 1 項に係る部分に限る 以下同じ ) の規定による認定に関し必要な事項を定め 一団地の総合的設計制度の適用により良好な市街

一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

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根拠条項 第 131 条の 2 第 3 項 壁面線の指定等がある場合の高さ制限の例外認定 法令の定め第 131 条の 2 3 前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合又は前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ 後退して法第 68 条の 2

報設備 共同住宅用非常コンセント設備 特定小規模施設用自動火災報知設備 加圧防排煙設備及び複合型居住施設用自動火災報知設備第二講習の対象講習は 消防法施行規則 ( 昭和三十六年自治省令第六号 以下 規則 という ) 第三十一条の六第六項各号のいずれかに該当する者を対象とするものとする 第三講習科目及

第6 非常用の進入口

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第2章 事務処理に関する審査指針

(4) 区域は 境界が明確であること (5) 区域は 道路に 4m 以上接していること ただし 次に掲げる場合は この限りでない ア路地状区域の場合は 道路に 2.7m 以上接すること イ小規模路地状区域の場合は 道路に 2m 以上接すること (6) 区域は 区域内の敷地を細分化する建築行為を含まな

第 6 内装制限 防火材料 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 ( 平成 11 年法律第 87 号 ) が平成 12 年 4 月 1 日に施行されたことに伴い これまでの建設省等の通達等の取扱いについては建築主事等 の執務上の取扱いによることとなった 1 防火材料 (1) 不燃材

2-21 踊場を共有する階段 令第 23 条令第 121 条府条例第 33 条 図 -1 図 -2 図 -3 UP DN UP DN 3F A 2F 1F DN UP DN UP w w w w 上図のような階段形式のものについては次の通り取り扱う ただし 図 -3 においては 縦方向に A の範囲

市街化調整区域における都市計画法第 34 条第 12 号の規定による開発許可等の基準に関する条例 の審査基準 ( 趣旨 ) 第 1 条この条例は 市街化調整区域における都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 以下 法 という ) 第 34 条第 12 号の規定による開発許可の基準及び都市計

「東京都建築安全条例の運用について(技術的助言)」に係る質問と回答について

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南部地区 地区の名称 南部地区建築物の用途の制限 ( ほなみ町 桜新町 ) 敷地面積の最低限度 ( 東原町 苗津町 長者町の各一部 ) 22.5ha 沿道業務地区 17.6ha 合計 40.1ha 建築物等の形態又は意匠の制限 沿道業務地区には 次に掲げる建物は建築してはならない マージャン屋 ぱち


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三重県建築基準条例

第 3 点検の期間点検の期間は 次の表の上欄 ( 左欄 ) に掲げる用設備等の等並びに同表中欄に掲げる点検の内容及び方法に応じ 同表下欄 ( 右欄 ) に掲げるとおりとする ただし 特殊用設備等にあっては 法第 17 条第 3 項に規定する設備等設置維持計画に定める期間によるものとする 用設備等の等

第2章第2節 第4~6

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許可及び認定申請等

様式第 2 号の 4 特定共同住宅等省令適用チェックリスト ( その 1) 番号 特定共同住宅等の種類と省令消防用設備等 計画 図面 番号 1 二方向避難 開放型特定共同住宅等である ( 計算書を添付する ) (1) [ 初期拡大抑制性能 ] ア地階を除く階数が 10 以下のもの 消火器具 屋内消火

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

線路敷 河川道路敷地道路久留米市建築確認申請の手引き (2016 年版 ) 制限の緩和等 ( 公園 水面 線路敷 道路 等 )(2/4) 関係条文法第 2 条第 1 項第六号 令第 20 条第 2 項 法第 42 条第 2 項 法第 53 条第 3 項第二号 市細則 17 条 令第 134 条 令第

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第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

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(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

計画書 阪神間都市計画防災街区整備地区計画の変更 ( 尼崎市決定 ) 都市計画今福 杭瀬寺島地区防災街区整備地区計画を次のように変更する 名称 位置 面積 地区計画の目標 区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設及び地区防災施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 その他当該区域の

地区整備計画書地区整備計画建築物等に関する事項地区の区分 地区の名称地区の面積 建築物等の用途の制限 建築物の敷地面積の最低限度 建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の最高限度建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度 壁面の位置の制限 独立住宅地区 A 約 21.9 ha (1) 長屋

2 都市計画法第 34 条第 11 号に係る区域指定の許可基準について 都市計画法の趣旨 施策の方針市街化調整区域において, 市街化区域に隣接又は近接し, 一体的な日常生活圏を構成している市街化の進行した一定の区域を条例で指定し, 予定建築物を周辺環境と調和する用途に制限することにより, 許可の対象

2 屋内消火栓設備

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東京都建築安全条例の見直しの考え方 1 見直しの考え方の概要 東京都建築安全条例 以下 条例 という は 建築基準法 以下 法 という 第 40 条及び第 43 条第 2 項等に基づき 東京の市街地に必要な安全性や防火性などを考慮し 必要な制限を付加しています このたび 以下のように 条例を見直しました 1 寄宿舎等について 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直し平成 25 年 9 月の通知等により 国土交通省は いわゆるシェアハウスなどについて 法令上 寄宿舎として取り扱うことを明確にしました 建築基準法施行令 以下 政令 という 第 114 条第 2 項において 寄宿舎等は 防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とすることなどが求められており 条例においても 窓先空地 から直接屋外に避難するためなどの空地 の設置などが求められています 平成 26 年 7 月 政令が改正され 防火上支障がない部分注 1 にある防火上主要な間仕切壁の防火規制が緩和されました 条例においても 多様な住まい方に対応できるよう 寄宿舎等について 既存ストックの活用も想定し 窓先空地を不要にするなど 規模や形態に応じたきめ細かい基準としました 規模や形態による分類 : ⅰ 戸建て住宅と同様の形態のもの ⅱ マンションの住戸と同様の形態のものなど なお その他の法令基準についても 寄宿舎に適用されるものに適合すること が求められることにご留意ください 1/9

Ⅰ Ⅱ 注 1 防火上支障がない部分の概要 政令第 112 条第 2 項より作成 平成 26 年 7 月 政令が改正され 防火上支障がない部分 次の ア 又は イ にある防火上主要な間仕切壁の防火規制が緩和された ア 自動スプリンクラー設備等設置部分床面積が200m2以下の階又は床面積 200m2以内ごとに準耐火構造の壁若しくは防火設備で区画されている部分で スプリンクラー設備 水噴霧消火設備 泡消火設備その他これらに類するもので自動式のもの 以下 自動スプリンクラー設備等 という を設けたもの イ その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分 平成 26 年 8 月 22 日国土交通省告示第 860 号より作成 a 居室の床面積が 100 m2以下の階又は居室の床面積 100 m2以内ごとに準 耐火構造の壁若しくは防火設備で区画されている部分であること a ~ c に適合 c 又は に適合 b Ⅰ Ⅱ 各居室に煙感知式の住宅用防災報知設備若しくは自動火災報知設備又は連動型住宅用防災警報器が設けられていること各居室から直接屋外への出口等 へ避難することができること各居室の出口から屋外への出口等の一に至る歩行距離が8m 難燃材料で内装の仕上げをした場合等は16m 以下であって 各居室と当該通路とが間仕切壁及び常時閉鎖式等の戸 ふすま 障子等を除く で区画されていること 屋外への出口等 : 屋外への出口若しくは避難上有効なバルコニーで 道若しくは道に通 ずる有効幅員 50cm 以上の通路その他の空地に面する部分又は準耐火 構造の壁若しくは防火設備で区画されている他の部分 2/9

2 その他 法改正等に伴う見直し平成 26 年 6 月に公布された改正法等を踏まえ 必要な対応を行いました 1 木造建築関連基準に関する改正 法第 27 条注 2 に伴う見直し 2 法が想定していない新技術の円滑な導入を促進する改正 法第 38 条注 3 に伴う見直し 3 4 階以上に設ける教室等の禁止に関する規定の見直し 4 駐車場の構造及び設備に関する規定の見直し 5 小規模な共同住宅における接道に関する規定の見直し 注 2 法第 27 条の改正概要 国土交通省報道発表資料より作成 建築物における木材利用の促進を図るため 耐火建築物としなければならないこととされている建築物について 一定の防火措置を講じた場合には 主要構造部を準耐火構造等とすることができることとする 注 3 法第 38 条の改正概要 国土交通省報道発表資料より抜粋 現行の建築基準では対応できない新建築材料や新技術について 国土交通大臣 の認定制度を創設し それらの円滑な導入の促進を図ることとする 2 施行日について 1 見直しの考え方の概要 1 及び 23~5: 平成 27 年 4 月 1 日 1 見直しの考え方の概要 21 2: 平成 27 年 6 月 1 日 改正法の施行日 3/9

3 見直しの考え方の詳細 1 寄宿舎等について 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直し改正政令の内容を満足する寄宿舎など 次の < 対象となる建築物 > について < 見直しの考え方 > をもとに 条例で求められる寄宿舎及び下宿の基準を見直し ました < 対象となる建築物 > 平成 26 年 7 月に施行された改正政令を踏まえ 防火上支障がない部分の要件を満足する建築物 又は 防火上主要な間仕切壁を設置するほか 火災に早く気づくことのできる措置を講じた建築物 を対象としています 具体的には 寄宿舎又は下宿の用途に供する建築物のうち 以下のいずれかに該当するものとします 注 4 自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の要件を満足するもの 注 4 自動スプリンクラー設備等には 建築基準法施行令改正の経緯等を踏まえ 消防法令に準じて設けられた特定施設水道連結型スプリンクラー設備も含む 防火上主要な間仕切壁 準耐火構造とし 小屋裏又は天井裏に達するもの を設置するほか 煙感知式の住宅用防災報知設備の設置等 上記の国土交通大臣が定める部分の要件の一部を満足するもの < 見直しの考え方 > 1 まず < 対象となる建築物 >について 延べ面積 階数 数等を勘案するほか 既存建築物からの転用も想定し 戸建て住宅と同様の形態のもの と マンションの住戸と同様の形態のもの に分類しています 2 その上で 基準の適用について 現行の単位ではなく 戸建て住宅と同様の形態のもの は各階ごと また マンションの住戸と同様の形態のもの は 1 住戸ごとなど 一定の区画単位で考えます 4/9

ⅰ 戸建て住宅と同様の形態のもの < 対象となる建築物 > のうち < 要件 ⅰ> の全てに該当するものについて 屋 外通路の確保により窓先空地を不要とするなど < 基準 ⅰ> の適用が可能となり ます < 要件 ⅰ> 延べ面積 200 m2以下 階数 3 以下 避難階以外の階の数 6 以下 数の合計 12 以下 自動スプリンクラー設備等設置部分は制限なし 複合用途の場合は 建築物全体が 戸建て住宅と同様の形態のもの の要件に該当しているものに限る < 基準 ⅰ> 1 各階に設置したの部分注 5 に直接屋外に通ずる窓及び避難上有効なバルコニー又は器具等を設け 等注 6 まで避難上有効に連絡させた幅員 50 cm以上の屋外通路を確保することにより 窓先空地は不要 第 19 条第 1 項第 2 号 第 3 号 ただし 各に直接屋外に通ずる窓を設け 同様な避難経路を確保する場合も 窓先空地は不要 注 5 非常時に避難経路とすることが可能なものを含む 注 6 等 とは 第 19 条第 2 項に規定する 公園 広場その他これらに類するもの を指す 2 廊下は両側居室としてもよい 第 20 条第 2 項 3 廊下の幅員は制限しない 第 20 条第 3 項 4 路地状敷地に建築可能 第 10 条 5 特殊建築物として求められる接道長さを要しない 第 10 条の 3 6 遮音間仕切壁は不要 第 11 条の 4 7 既存建築物の転用等やむを得ないと特定行政庁が認定した場合は 面積が 7 m2未満でもよい 第 19 条第 1 項第 1 号 イメージ図 2 階平面 屋外通路 幅員 バルコニー バルコニー 50 cm 以上 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 見直し後 屋外通路の確保などにより窓先空地は不要 5/9

凡例 屋外通路 幅員 50cm 以上 : 敷地境界線 : 窓先空地 条例第 19 条 : ⅰ-2 このうち 特に小規模なものは 幅員 50cm の屋外通路も不要 < 要件 ⅰ>の全てに該当するもののうち < 要件 ⅰ-2>の全てに該当するものについては < 基準 ⅰ-2>の適用が可能となります < 要件 ⅰ-2> 延べ面積 100m2以下 階数 2 以下 数の合計 6 以下 < 基準 ⅰ-2> 1 窓先空地は不要 第 19 条第 1 項第 2 号 2~7 は < 基準 ⅰ> と同様 イメージ図 2 階平面 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 見直し後 窓先空地は不要 凡例 窓先空地 条例第 19 条 : 敷地境界線 : 6/9

ⅱ マンションの住戸と同様の形態のもの < 対象となる建築物 > のうち < 要件 ⅱ> に該当するものについて 各へ の窓先空地の設置は不要とするなど < 基準 ⅱ> の適用が可能となります < 要件 ⅱ> < 要件 ⅰ> に該当しない寄宿舎又は下宿 < 基準 ⅱ> 1 各区画注 7 に設置したの部分に直接屋外に通ずる窓及び避難上有効なバルコニー又は器具等を設け 窓先空地を確保することにより 各には窓先空地を設けなくてよい 第 19 条第 1 項第 2 号 第 3 号 第 2 項 第 3 項 注 7 居室の床面積が 100 m2以下の階又は 100 m2以内ごとに準耐火構造の壁等で区画 自動スプリンクラー設備等を設置した場合は 200 m2以内 2 各階にある 区画数 + 住戸数 が 6 以下であれば直通階段は 1 つでよい 第 18 条第 1 項 3 各区画内にある廊下は両側居室としてもよい 第 20 条第 2 項 4 各区画内にある専用の廊下の幅員は制限しない 第 20 条第 3 項 居室の床面積の合計が 200 m2をこえる階において 3LDK など 4 室以上の居室を持つ 1 住戸を寄宿舎とする場合は 当該廊下について 政令 119 条の規定が適用される 5 遮音間仕切壁は不要 第 11 条の 4 6 既存建築物の転用等やむを得ないと特定行政庁が認定した場合は 面積が 7 m2未満でもよい 第 19 条第 1 項第 1 号 7/9

イメージ図 2 階平面 居間等 居間等 バルコニー 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 居間等 居間等 バルコニー 窓先空地 見直し後 避難経路の確保により各の窓先空地は不要 凡例 窓先空地 条例第 19 条 : 敷地境界線 : 居室面積 100 m2以内の区画 : 自動スプリンクラー設備等を設置した場合は同 200 m2以内 8/9

2 その他 法改正等に伴う見直し 平成 26 年 6 月に公布された法改正等に伴い 条例の基準について見直しました 1 木造建築関連基準に関する改正 法第 27 条 に伴う見直し 法改正に伴い 木造を活用した準耐火構造等が可能となることなどを受け 条例の規定についても対応が可能となるように見直し 第 7 条 第 10 条の5 第 38 条 法改正に伴い 引用条文を変更 第 20 条 第 25 条 2 法が想定していない新技術の円滑な導入を促進する改正 法第 38 条 に伴う見直し現行の建築基準では対応できない新建築材料や新技術について 法と同等以上であるかを判断する新たな大臣認定制度が創設されたことを受け 大臣認定を取得した建築物に対して 条例と同等以上である場合は 知事が認定する仕組みを創設するため 条文を新たに設定 新設 条例の認定については 大臣認定の検討と並行して東京都と事前に相談してください 3 4 階以上に設ける教室等の禁止に関する規定の見直し現行のただし書きで規定されている小学校と同様に 知的障害のある児童又は生徒が使用する教室等について 4 階以上の階への設置を可能とした また その要件として 各階の教室等の各部分から直通階段の一に至る歩行距離を30m 以下とする規定に加え 避難階においては 教室等の各部分から屋外の出口の一に至る歩行距離が30m 以下であれば 直通階段の一に至る歩行距離を30m 以下とする必要はない とする見直し 第 12 条 4 駐車場の構造及び設備に関する規定の見直し 自動車車庫等について 国の取扱いなどを踏まえ 外壁の設置や汚水排除の 設備の設置を一律に求めない とする見直し 第 31 条 5 小規模な共同住宅における接道に関する規定の見直し寄宿舎について 東京の市街地に必要な安全性や防火性などを考慮し 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直しを行うことを踏まえ 戸建て住宅と同規模の共同住宅 延べ面積 200m2以下かつ階数 3 以下かつ住戸数の合計 12 以下 についても 路地状敷地 路地状部分の長さが20m 以下 での建築を可能とし 特殊建築物として求めている接道長さを制限しない とする見直し 第 10 条 第 10 条の3 9/9