東京都建築安全条例の見直しの考え方

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隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

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根拠条項 第 131 条の 2 第 3 項 壁面線の指定等がある場合の高さ制限の例外認定 法令の定め第 131 条の 2 3 前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合又は前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ 後退して法第 68 条の 2

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2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

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平成 27 年 6 月 1 日施行 建築基準法令 ( 法第 21 条 第 27 条関連抜粋 )

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東京都建築安全条例の見直しの考え方 1 見直しの考え方の概要 東京都建築安全条例 以下 条例 という は 建築基準法 以下 法 という 第 40 条及び第 43 条第 2 項等に基づき 東京の市街地に必要な安全性や防火性などを考慮し 必要な制限を付加しています このたび 以下のように 条例を見直しました 1 寄宿舎等について 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直し平成 25 年 9 月の通知等により 国土交通省は いわゆるシェアハウスなどについて 法令上 寄宿舎として取り扱うことを明確にしました 建築基準法施行令 以下 政令 という 第 114 条第 2 項において 寄宿舎等は 防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とすることなどが求められており 条例においても 窓先空地 から直接屋外に避難するためなどの空地 の設置などが求められています 平成 26 年 7 月 政令が改正され 防火上支障がない部分注 1 にある防火上主要な間仕切壁の防火規制が緩和されました 条例においても 多様な住まい方に対応できるよう 寄宿舎等について 既存ストックの活用も想定し 窓先空地を不要にするなど 規模や形態に応じたきめ細かい基準としました 規模や形態による分類 : ⅰ 戸建て住宅と同様の形態のもの ⅱ マンションの住戸と同様の形態のものなど なお その他の法令基準についても 寄宿舎に適用されるものに適合すること が求められることにご留意ください 1/9

Ⅰ Ⅱ 注 1 防火上支障がない部分の概要 政令第 112 条第 2 項より作成 平成 26 年 7 月 政令が改正され 防火上支障がない部分 次の ア 又は イ にある防火上主要な間仕切壁の防火規制が緩和された ア 自動スプリンクラー設備等設置部分床面積が200m2以下の階又は床面積 200m2以内ごとに準耐火構造の壁若しくは防火設備で区画されている部分で スプリンクラー設備 水噴霧消火設備 泡消火設備その他これらに類するもので自動式のもの 以下 自動スプリンクラー設備等 という を設けたもの イ その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分 平成 26 年 8 月 22 日国土交通省告示第 860 号より作成 a 居室の床面積が 100 m2以下の階又は居室の床面積 100 m2以内ごとに準 耐火構造の壁若しくは防火設備で区画されている部分であること a ~ c に適合 c 又は に適合 b Ⅰ Ⅱ 各居室に煙感知式の住宅用防災報知設備若しくは自動火災報知設備又は連動型住宅用防災警報器が設けられていること各居室から直接屋外への出口等 へ避難することができること各居室の出口から屋外への出口等の一に至る歩行距離が8m 難燃材料で内装の仕上げをした場合等は16m 以下であって 各居室と当該通路とが間仕切壁及び常時閉鎖式等の戸 ふすま 障子等を除く で区画されていること 屋外への出口等 : 屋外への出口若しくは避難上有効なバルコニーで 道若しくは道に通 ずる有効幅員 50cm 以上の通路その他の空地に面する部分又は準耐火 構造の壁若しくは防火設備で区画されている他の部分 2/9

2 その他 法改正等に伴う見直し平成 26 年 6 月に公布された改正法等を踏まえ 必要な対応を行いました 1 木造建築関連基準に関する改正 法第 27 条注 2 に伴う見直し 2 法が想定していない新技術の円滑な導入を促進する改正 法第 38 条注 3 に伴う見直し 3 4 階以上に設ける教室等の禁止に関する規定の見直し 4 駐車場の構造及び設備に関する規定の見直し 5 小規模な共同住宅における接道に関する規定の見直し 注 2 法第 27 条の改正概要 国土交通省報道発表資料より作成 建築物における木材利用の促進を図るため 耐火建築物としなければならないこととされている建築物について 一定の防火措置を講じた場合には 主要構造部を準耐火構造等とすることができることとする 注 3 法第 38 条の改正概要 国土交通省報道発表資料より抜粋 現行の建築基準では対応できない新建築材料や新技術について 国土交通大臣 の認定制度を創設し それらの円滑な導入の促進を図ることとする 2 施行日について 1 見直しの考え方の概要 1 及び 23~5: 平成 27 年 4 月 1 日 1 見直しの考え方の概要 21 2: 平成 27 年 6 月 1 日 改正法の施行日 3/9

3 見直しの考え方の詳細 1 寄宿舎等について 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直し改正政令の内容を満足する寄宿舎など 次の < 対象となる建築物 > について < 見直しの考え方 > をもとに 条例で求められる寄宿舎及び下宿の基準を見直し ました < 対象となる建築物 > 平成 26 年 7 月に施行された改正政令を踏まえ 防火上支障がない部分の要件を満足する建築物 又は 防火上主要な間仕切壁を設置するほか 火災に早く気づくことのできる措置を講じた建築物 を対象としています 具体的には 寄宿舎又は下宿の用途に供する建築物のうち 以下のいずれかに該当するものとします 注 4 自動スプリンクラー設備等設置部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の要件を満足するもの 注 4 自動スプリンクラー設備等には 建築基準法施行令改正の経緯等を踏まえ 消防法令に準じて設けられた特定施設水道連結型スプリンクラー設備も含む 防火上主要な間仕切壁 準耐火構造とし 小屋裏又は天井裏に達するもの を設置するほか 煙感知式の住宅用防災報知設備の設置等 上記の国土交通大臣が定める部分の要件の一部を満足するもの < 見直しの考え方 > 1 まず < 対象となる建築物 >について 延べ面積 階数 数等を勘案するほか 既存建築物からの転用も想定し 戸建て住宅と同様の形態のもの と マンションの住戸と同様の形態のもの に分類しています 2 その上で 基準の適用について 現行の単位ではなく 戸建て住宅と同様の形態のもの は各階ごと また マンションの住戸と同様の形態のもの は 1 住戸ごとなど 一定の区画単位で考えます 4/9

ⅰ 戸建て住宅と同様の形態のもの < 対象となる建築物 > のうち < 要件 ⅰ> の全てに該当するものについて 屋 外通路の確保により窓先空地を不要とするなど < 基準 ⅰ> の適用が可能となり ます < 要件 ⅰ> 延べ面積 200 m2以下 階数 3 以下 避難階以外の階の数 6 以下 数の合計 12 以下 自動スプリンクラー設備等設置部分は制限なし 複合用途の場合は 建築物全体が 戸建て住宅と同様の形態のもの の要件に該当しているものに限る < 基準 ⅰ> 1 各階に設置したの部分注 5 に直接屋外に通ずる窓及び避難上有効なバルコニー又は器具等を設け 等注 6 まで避難上有効に連絡させた幅員 50 cm以上の屋外通路を確保することにより 窓先空地は不要 第 19 条第 1 項第 2 号 第 3 号 ただし 各に直接屋外に通ずる窓を設け 同様な避難経路を確保する場合も 窓先空地は不要 注 5 非常時に避難経路とすることが可能なものを含む 注 6 等 とは 第 19 条第 2 項に規定する 公園 広場その他これらに類するもの を指す 2 廊下は両側居室としてもよい 第 20 条第 2 項 3 廊下の幅員は制限しない 第 20 条第 3 項 4 路地状敷地に建築可能 第 10 条 5 特殊建築物として求められる接道長さを要しない 第 10 条の 3 6 遮音間仕切壁は不要 第 11 条の 4 7 既存建築物の転用等やむを得ないと特定行政庁が認定した場合は 面積が 7 m2未満でもよい 第 19 条第 1 項第 1 号 イメージ図 2 階平面 屋外通路 幅員 バルコニー バルコニー 50 cm 以上 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 見直し後 屋外通路の確保などにより窓先空地は不要 5/9

凡例 屋外通路 幅員 50cm 以上 : 敷地境界線 : 窓先空地 条例第 19 条 : ⅰ-2 このうち 特に小規模なものは 幅員 50cm の屋外通路も不要 < 要件 ⅰ>の全てに該当するもののうち < 要件 ⅰ-2>の全てに該当するものについては < 基準 ⅰ-2>の適用が可能となります < 要件 ⅰ-2> 延べ面積 100m2以下 階数 2 以下 数の合計 6 以下 < 基準 ⅰ-2> 1 窓先空地は不要 第 19 条第 1 項第 2 号 2~7 は < 基準 ⅰ> と同様 イメージ図 2 階平面 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 見直し後 窓先空地は不要 凡例 窓先空地 条例第 19 条 : 敷地境界線 : 6/9

ⅱ マンションの住戸と同様の形態のもの < 対象となる建築物 > のうち < 要件 ⅱ> に該当するものについて 各へ の窓先空地の設置は不要とするなど < 基準 ⅱ> の適用が可能となります < 要件 ⅱ> < 要件 ⅰ> に該当しない寄宿舎又は下宿 < 基準 ⅱ> 1 各区画注 7 に設置したの部分に直接屋外に通ずる窓及び避難上有効なバルコニー又は器具等を設け 窓先空地を確保することにより 各には窓先空地を設けなくてよい 第 19 条第 1 項第 2 号 第 3 号 第 2 項 第 3 項 注 7 居室の床面積が 100 m2以下の階又は 100 m2以内ごとに準耐火構造の壁等で区画 自動スプリンクラー設備等を設置した場合は 200 m2以内 2 各階にある 区画数 + 住戸数 が 6 以下であれば直通階段は 1 つでよい 第 18 条第 1 項 3 各区画内にある廊下は両側居室としてもよい 第 20 条第 2 項 4 各区画内にある専用の廊下の幅員は制限しない 第 20 条第 3 項 居室の床面積の合計が 200 m2をこえる階において 3LDK など 4 室以上の居室を持つ 1 住戸を寄宿舎とする場合は 当該廊下について 政令 119 条の規定が適用される 5 遮音間仕切壁は不要 第 11 条の 4 6 既存建築物の転用等やむを得ないと特定行政庁が認定した場合は 面積が 7 m2未満でもよい 第 19 条第 1 項第 1 号 7/9

イメージ図 2 階平面 居間等 居間等 バルコニー 窓先空地 見直し前 各に窓先空地が必要 居間等 居間等 バルコニー 窓先空地 見直し後 避難経路の確保により各の窓先空地は不要 凡例 窓先空地 条例第 19 条 : 敷地境界線 : 居室面積 100 m2以内の区画 : 自動スプリンクラー設備等を設置した場合は同 200 m2以内 8/9

2 その他 法改正等に伴う見直し 平成 26 年 6 月に公布された法改正等に伴い 条例の基準について見直しました 1 木造建築関連基準に関する改正 法第 27 条 に伴う見直し 法改正に伴い 木造を活用した準耐火構造等が可能となることなどを受け 条例の規定についても対応が可能となるように見直し 第 7 条 第 10 条の5 第 38 条 法改正に伴い 引用条文を変更 第 20 条 第 25 条 2 法が想定していない新技術の円滑な導入を促進する改正 法第 38 条 に伴う見直し現行の建築基準では対応できない新建築材料や新技術について 法と同等以上であるかを判断する新たな大臣認定制度が創設されたことを受け 大臣認定を取得した建築物に対して 条例と同等以上である場合は 知事が認定する仕組みを創設するため 条文を新たに設定 新設 条例の認定については 大臣認定の検討と並行して東京都と事前に相談してください 3 4 階以上に設ける教室等の禁止に関する規定の見直し現行のただし書きで規定されている小学校と同様に 知的障害のある児童又は生徒が使用する教室等について 4 階以上の階への設置を可能とした また その要件として 各階の教室等の各部分から直通階段の一に至る歩行距離を30m 以下とする規定に加え 避難階においては 教室等の各部分から屋外の出口の一に至る歩行距離が30m 以下であれば 直通階段の一に至る歩行距離を30m 以下とする必要はない とする見直し 第 12 条 4 駐車場の構造及び設備に関する規定の見直し 自動車車庫等について 国の取扱いなどを踏まえ 外壁の設置や汚水排除の 設備の設置を一律に求めない とする見直し 第 31 条 5 小規模な共同住宅における接道に関する規定の見直し寄宿舎について 東京の市街地に必要な安全性や防火性などを考慮し 規模や形態に応じたきめ細かい基準とする見直しを行うことを踏まえ 戸建て住宅と同規模の共同住宅 延べ面積 200m2以下かつ階数 3 以下かつ住戸数の合計 12 以下 についても 路地状敷地 路地状部分の長さが20m 以下 での建築を可能とし 特殊建築物として求めている接道長さを制限しない とする見直し 第 10 条 第 10 条の3 9/9