効果的なグループ会計方針マニュアルの整備と運用 2012 年 9 月 25 日 ジャパン ビジネス アシュアランス株式会社
目次 1. 背景 2. APPMの構成 3. APPM 作成上の留意点 4. APPM 運用上の留意点 2
1. 背景 1 APPM とは APPM とは AP= 会計方針 と PM= 業務手順書 で構成されるマニュアルです 既存の会計方針書 (APM) に具体性をもたせ さらにプロセスやフォームの標準まで対象範囲を広げることで経理業務の標準化を達成し 効率化を実現するツールとなります Accounting Policy 1 会計方針 2 仕訳リスト 会計基準に準拠したグループ共通の会計方針や仕訳リストを記載します Procedure Manual 1 業務手順書 2 チュートリアル 3 標準フォーム 会計処理のために必要な手順 解説 フォームやワークシート等を記載します 3
1. 背景 2 ニーズ 企業のグローバル化や会計基準の国際的調和の流れのなかで 会計方針の統一やプロセスの標準化のニーズが高まっている 企業活動のグローバル化 各地に分散した経理部門の管理が必要 競争のために管理コストの低減と経営のための分析の重要性が高まる 会計基準の国際的調和 連結グループで会計方針統一が必要 決算日統一に向けて決算プロセス効率化も必要 経理部門の課題経理部員の経験に依存した属人的経理業務の積み上げスタイルの限界 会計方針統一 グループ会計方針を統一したい プロセス標準化 業務プロセスや帳票を標準化したい 4
1. 背景 3 目的 効果 (1/2) 会計方針や業務プロセス統一の目的は 経営の効率化です 目的を明確にして整備する必要があります 会計方針統一 プロセス標準化 同質の財務数値による現状把握 IR の要請に対応 ベストプラクティスの水平展開による効率化 内部統制レベルの向上 その先に目指すものは 共通の会計基盤によるグループ管理の展開 業務集約化 シェアード化によるグループ全体の効率化 5
1. 背景 3 目的 効果 (2/2) 会計方針や業務プロセス統一により経理業務の標準標準化を目指します 業務が標準化される事でジョブ ローテーションや 経理 財務部員の育成の基盤が整備される 会計方針統一 プロセス標準化 経理 財務部員のジョブ ローテーションによる育成が容易になる 経理 財務部員のグローバルな地域ローテーションによる グローバル経理 財務人材 の育成が可能になる 6
2.APPM の構成 1 コンセプト APPM のコンセプト 会計情報基盤の整備 及び 業務の効率化 を実現するための方針及びプロセス等の手引きを提供するためのツール 目的 会計情報基盤の整備 IR 目的 管理会計目的 APPM の役割 会計基準などの制度対応 経営管理に必要な情報の整備 業務の効率化 個別業務の効率化 全体の効率化 効率的な業務フローの提供 業務集約化につながる標準化 7
2. APPM の構成 2 構成要素と役割 APPM は具体的な会計処理までの標準的かつ具体的な方法を提供します 取引事実 会計方針 (AP) / 仕訳リスト (JE) どうするか ( 方針 )? APPM 業務手順 (PM) チュートリアル (Tut) 誰が いつ 何をするか? 具体的な方法は? フォーム (Form) 会計処理 使用する帳票は? 8
2. APPM の構成 3 関連図 ( イメージ ) APPM は 会計方針 仕訳 業務手順 チュートリアル及びフォームなどから構成されます また それらの関連を明確にします INDEX 会計方針 (AP) AP-REC 売上債権 AP-INV 棚卸資産 AP-FIX 有形固定資産 AP-REV 収益 業務手順書 (PM) PM-REC 売上債権 PM-INV 棚卸資産 PM-FIX 有形固定資産 PM-REV 収益 参照 会計方針 AP-FIX 有形固定資産 ( 会計方針等を記述 ) 業務手順書 PM-FIX-01 固定資産取得 ( 業務手順を記述 ) 9 仕訳リスト JE-FIX 有形固定資産 ( 関連する仕訳を記載 ) チュートリアル Tut-FIX-01 取得原価の集計 ( 具体的な解説を記述 ) フォーム Form-FIX-01 ( 標準フォーム )
2. APPM の構成 5 業務手順書 業務エリア毎の各業務手順について 業務手順書を作成し 具体的な処理方法などを詳細に解説したチュートリアルや標準フォームを合わせて作成します 業務手順 PM-FIX 有形固定資産 項目 01 取得 02 減価償却 03 減損 04 除却 売却 05 修繕 06 業務手順書 PM-FIX-01 取得 Ⅰ. 目的及び範囲 Ⅱ. 責任者 Ⅲ. 業務手順 1. 発注書を確認する 2. 納品書を確認する 3. 検収完了報告を確認する 4. 付随費用を確認する 5. 資産計上額を算定する (Form-FIX-01-01) 6. 固定資産台帳に登録する (Tut-FIX-01-01) 7. 固定資産台帳に登録した内容を承認する 10 フォーム Form-FIX-01-01 資産計上額算定シート 標準フォームを添付 チュートリアル Tut-FIX-01-01 固定資産システムへの登録 ( 固定資産システムへの具体的な登録方法を解説 )
3. APPM 作成上の留意点 1 APPM 作成の前提 APPM 作成上の留意点 APPM を作成するためには グループ共通の会計方針 標準となるプロセス及び IT 基盤の検討が必要になります APPM 作成の前提 (1) グループ共通の会計方針 (2) 標準プロセス 帳票 ワークシート (3) IT 基盤の整備 IFRS 対応 勘定科目体系整備 BPR グループ共通システム等 APPM という ツール を使って展開する コンテンツ や インフラ の整備が前提 11
3. APPM 作成上の留意点 2 APPM 作成チーム APPM 作成チーム APPM は 専門的な内容と実務的な内容が含まれます また 分量も多くなるため 全体を把握している管理者 実務的な担当者 外部専門家などを活用して APPM 作成チームを組成して文書化を進めます 会計方針 (AP) 業務手順 (PM) チュートリアル (Tut) フォーム (Form) 抽象的 / 専門的 具体的 / 実務的 外部専門家などを活用 実務担当者 全体を把握している管理者が統括 会社に対する知識及び経験と専門性を併せ持ったチーム作り 12
3. APPM 作成上の留意点 3 文書化作業 文書化作業のポイント既存の文書の活用が前提です 実務担当者の利用を想定して作成します 会計方針 (AP) 業務手順 (PM) チュートリアル (Tut) フォーム (Form) APPM サンプルの活用も文書化作業の軽減に有効 経理規程などが整備されていれば活用する IFRS 対応の検討結果も織り込む J-SOX で作成した文書を活用する J-SOX でも使用 ( 重複して保有しない ) 経験が浅くても作業を遂行できるレベルを想定して作成する 各担当者が個人的に作成している場合があるので活用を検討する セグメントや使用するシステムの相違によって ローカライズが必要となる 標準化すべき部分は明確にする 13
3. APPM 運用上の留意点 1 概要 APPM 運用上の留意点 APPM を運用するためには APPM をグループに導入し 浸透させることと 継続的にメンテナンスを行う事が必要になります APPM 運用のための検討事項 (1) グループ展開方法 (2) サポート体制 (3) メンテナンス 冊子 or 電子メール or IT 基盤活用 親会社による子会社ヘルプデスク設置 業務改善を担うメンテナンスチーム 展開 メンテナンス サポート 14
3. APPM 運用上の留意点 2 メンテナンスは業務改善 メンテナンス APPM は 作成 導入後もグループの実態とかい離しないようにメンテナンスを継続することが必要です APPM メンテナンス体制を構築し メンテナンスを継続的に行う事が 業務改善そのものであると言っても過言ではありません APPM 陳腐化要因 会計基準の変更 新規事業の開始 システム変更 技術革新などメンテナンス体制 業務改善チームとしての役割を担えるチーム体制 会計基準変更対応などは外部専門家の活用も有効 プロセスや KPI 見直し 事業環境変化 会計基準変更 APPM 改善 = 業務改善 IT 技術革新 システム変更 15
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 作成 APPM サービス内容 APPM サンプルフォーマット提供 APPM カスタマイズサービス ( 別途有償 ) 運用 グループ子会社経理ヘルプデスク支援 ( 別途有償 ) グループ子会社とのコミュニケーション支援 対応言語 : 英語 中国語 グループ子会社への APPM 展開 運用時などに有効 メンテナンス 会計基準変更時に APPM 変更支援 会計顧問サービス ( 詳細別紙参照 ) と同時提供 月額定額サービス ( 月 30 万円 ~) を予定 APPM カスタマイズ費用は別途ご相談 APPM メンテナンス及び運用をサポート 16
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) サンプルフォーマットリリース予定 項目 日本語版 英語版 売上債権 2012 年 9 月 2012 年 9 月 棚卸資産 2012 年 9 月 2012 年 9 月 有形固定資産 2012 年 9 月 2012 年 9 月 固定資産の減損 2012 年 9 月 2012 年 9 月 仕入債務 2012 年 9 月 2013 年 3 月予定 収益 2012 年 9 月 2012 年 9 月 項目 日本語版 英語版 現金及び預金 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 金融商品 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 リース 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 無形資産 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 退職給付会計 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 引当金 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 純資産 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 随時追加予定 法人所得税 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 外貨建取引等 2013 年 3 月予定 2013 年 3 月予定 サンプルフォーマットは下記の基準及び言語をご用意しております 会計基準 : 日本基準版 IFRS 版 対応言語 : 日本語 英語 17
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 )APPM INDEX APPM の INDEX( 例 ) 18
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) 会計方針 (AP) INDEX 会計方針 (AP) のリスト 仕訳リスト (JE) のリスト 19
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) 業務手順書 (PM) INDEX 業務手順書 (PM) を作成している業務分野のリスト 各業務分野毎の下記文書のリスト 業務手順書 (PM) チュートリアル (Tut) フォーム (Form) 20
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) 会計方針 (AP) 会計方針 (AP) の例 21
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) 仕訳リスト (JE) 仕訳リスト (JE) の例 22
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) 業務手順書 (PM) 業務手順書 (PM) の例 23
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) チュートリアル (Tut) チュートリアル (Tut) の例 24
4. JBA の APPM 関連サービスのご紹介 ( ご参考 ) フォーム (Form) 標準フォーム (Form) の例 25
本資料に関する免責条項 本資料に基づく情報は ジャパン ビジネス アシュアランス ( 以下 JBA ) が 実施した本セミナーによる使用のみを目的とし JBA と本セミナー参加者のみを当事者として作成したものです JBA は本資料に基づく情報について一切の表明や保証をせず いかなる個人または法人に対して かかる個人または法人が本資料に基づく情報の開示を受けることまたはそれを使用ないしそれに依拠することにより JBA にいかなる契約上またはその他の責任や責務は発生しないことをここに明示します 26
27