総量規制の導入経緯と問題点 伊藤 幸郎 東京情報大学大学院 堂下 浩 東京情報大学 要旨 貸金業法は 2006 年 12 月に国会へ上程され 2010 年 6 月に完全施行へと至った 新たに導入された制度の一つとして 借り手へ源泉徴収票等の提出を義務付け 個人年収の 1/3 を超える貸し付けを禁止する規制 いわゆる総量規制がある 法律が改正された 2006 年以降 総量規制は日本の貸金市場における借り手と貸し手の双方に広く影響を与えてきた そこで本論文では 1) 貸金業法の過程について主に政府が公表した公開資料から精査し 総量規制がノンバンクの貸付市場にのみ導入された背景を分析した 2) 次に筆者らは 2005 年 3 月から 2006 年 12 月に渡る自民党と金融庁における立法の策定過程の議論に注目した 特に自民党で貸金業法の策定にあたり国会側の立法責任者として深く関与してきた増原義剛氏と 金融担当大臣として 2006 年 12 月に貸金業法を国会に上程した山本有二氏による発言に着目し 公開資料では示されていない貸金業法制定の背景を知ることに努めた 3) さらに筆者らは当時 貸金業法の立法に関わった人物 具体的には 2006 年当時の業界代表者 記者 そして業界ロビイストらを特定し 貸金業法制定の経緯 特に総量規制導入の経緯についてインタビュー調査を実施した 上記の調査を通じて 得られた結論は (A) 政府は貸金業者に対して感情的になった世論を恐れて貸金業法の立法を急いだ (B) 貸金業法に盛り込まれた総量規制の影響調査も欠落していていた という 2 点に集約される 1 はじめに 2006 12 1. 29.2% 15 20%.. 1/3 3 1/3 1983 11 13
1983 13 a 1973 b 1975 3K 2 3 1983 11 1 50 10% 50 4 1990 2001 2003 1983 2005 3 2006 9 2006 14
総量規制の導入経緯と問題点 2 総量規制の問題点と仮説の提起 2.1 総量規制の問題点 5 3 1 4 4 4 4 5 2010 4 16 6 7 4 4 4 4 8 3 3 1 25% 5% 2010 9 4 4 4 4 2010 3 1 1 1 2008 2008 10 3 1 IR 3 1 3 1 15
2013 11 2014 2 2.1 5 3 2.2 仮説の提起 1 1983 2006 2006 12 2010 13 3 総量規制が生まれた経緯 (2005 年以降の議論 ) に関する分析 3.1 公開資料に基づく審議経緯の時系列調査 3.1.1 法改正の柱となった金融庁懇談会と自民党小委員会 2005 3 14 2006 8 19 3 2 2003 2006 5 15 16 1990 3 2005 16
総量規制の導入経緯と問題点 15~20 3.1.2 政府による議論の経緯 ( 金融庁 貸金業制度等に関する懇談会 ) 2005 3 17 2005 3 30 1 2005 4 27 2 150 200 2005 5 27 3 2 2005 6 15 4 18 50~100 50 2005 6 29 5 3 2005 7 29 6 2005 9 7 7 2005 12 8 8 8 9 2006 13 17
2006 1 27 9 2006 2 15 10 2006 2 28 11 10 19 11 20 2006 4 21 1 11 21 2006 3 10 12 2006 3 31 14 2006 4 7 15 2006 8 24 19 15 18 19 9 50 3.1.3 立法府による議論の経緯 ( 自民党金融調査会 貸金業制度等に関する小委員会 ) 2006 5 11 2006 5 30 18
総量規制の導入経緯と問題点 2006 7 6 2006 5 11 7 6 1~2 2006 7 22 1200 5 230 200 2300 1399 22 23 2006 9 14 JCFA 2006 9 15 2006 9 15 1/3 19
2012 200 300 400 3 5 600 600 85% 15% 100 1/3 3 1 3 1 2006 9 19 9 19 9 11 3 1 3 1 2006 10 25 10 25 3 2 3.1.4 国会での議論の経緯 ( 衆議院 参議院における議論 ) 2006 10 25 10 31 2006 11 14 2006 11 15 3 3 2006 11 17 24 25 7 1200 72% 900 1/3 10% 800 20
総量規制の導入経緯と問題点 表 1 総量規制導入に係る議論の経緯 2006 11 22 11 28 6 11 29 11 30 12 1 26 3 100 12 5 12 12 12 13 12 20 2 6 1 21
3.2 立法に拘わった関係者による見解について の調査 3.2.1 当時の立法担当者の見解 (1) 増原義剛元衆議院議員 ( 当時 貸金業制度 等に関する小委員会 小委員長 ) の見解 2006 5 27 2014 10 3 28 29 4 2 6 2009 7 2009 12 2012 1/3 500 2010 6 2006 (2) 山本有二衆議院議員 ( 当時金融担当大臣 ) の見解 2006 11 14 30 5 2 3.3 立法に携わった関係者へのインタビュー調査 A B C 3 22
総量規制の導入経緯と問題点 (1) 貸金業界を代表して法改正議論にて発言した A 氏 A A 2006 4 6 2006 9 (2) 業界紙記者として立法過程を取材した B 氏 B (3) 大手貸金業者で自民党や金融庁と連絡調整に携わった C 氏 C MOF C C 3.4 上記調査からの示唆 1/3 4 まとめ ( 仮説の検証 ) 2006 5 11 7 6 23
表 2 総量規制に対する代表的な反対派と賛成派の意見 3 2 2 2 2.2 2014 5 注 1 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_ kasikin/singi_kasikin.html 24
総量規制の導入経緯と問題点 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 TAPALS 2007 p142 http://www. fsa.go.jp/policy/kashikin/siryou/20100204/01.pdf http://www.fsa.go.jp/ common/law/ 1 1 2010 6 500 2 22 4 16 15 (2010) 2010 6 500 CREDIT AGE Vol.2 19 2008 7 p38 CREDIT AGE 2013 9 (2) 2006 10 10 CREDIT AGE 2010 8 2 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 http://www.fsa.go.jp/singi/ singi_kasikin/singi_kasikin.html http://www.fsa.go.jp/singi/ singi_kasikin/20060421.html (2012) 1 2014 10 3 16 00 19 30 11 4 4 CREDIT AGE 2008.4 参考文献 2008 25
No. ZR14-13 2014 1-19 CREDIT AGE 2008.4 2008 TAPALS 2007 2007 - - 1982 8 20 2006 12 1 2006 12 10 2012 2010 6 500 2010 2015 11 8 26