JIS 原案作成のための手引改訂について ( 規格調整分科会機能向上グループによる検討結果より ) 一般財団法人日本規格協会規格開発ユニット規格管理グループ標準チーム野田孝彰 2016
改訂の主なポイント 国際規格を基礎として作成した JIS 原案作成において 混乱が生じていた次の 2 点について方針を示した 1 引用規格の記載方法 (28 ページ ) 2 参考文献の記載方法 (36 ページ ~) 2016 1
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 現状 現在 国際規格を基礎とする JIS の引用規格の注記には, (MOD) などの JIS と国際規格との対応の程度を表す記号 ( 以下 整合性コードという ) を必ず記載している 例 : JIS X XXXX-1 〇〇システム及び機器 - 第 1 部 : システム注記対応国際規格 :IEC XXXXX-1, systems and components-part 1: system(mod) 2016 2
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 課題 JIS の引用規格の注記への整合性コードの記載については 幾つかの課題が指摘されていた 2016 3
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 課題 1 整合性コードの記載方法とその必要性 引用規格の注記の最後に記す整合性コードは JIS 発行時の整合性コードを示しただけであり その後に JIS 又は IS が改正された際の最新情報であることを保証するものでない また 注記で付記する整合性コードは 規格全体としての評価結果を示しているが 規格の一部を引用しているときには 引用部分の評価結果が全体評価と異なる場合もある 2016 4
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 課題 2 西暦年の付記方法とその必要性 元となる国際規格で指定されている引用国際規格の年版より 技術的に進み国際規格でも審議が進んでいる JIS があってその JIS を引用したい場合などに問題が生じていた 2016 5
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 結論 今後 国際規格を基礎として JIS を作成する場合 必ずしも整合性コードを記載しなくてもよい として運用することとした 2016 6
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 具体例 1 基礎とした国際規格が引用している国際規格に対応する JIS があり 対応の程度は MOD( 修正している ) だが 引用箇所の規定内容には 技術的な差異がない場合 JIS X XXXX-1 〇〇システム及び機器 - 第 1 部 : システム注記対応国際規格 :IEC XXXXX-1, systems and components-part 1: system 2016 7
1 国際規格を基礎として作成する JIS における引用規格の記載方法 具体例 2 基礎とした国際規格の引用国際規格と これを置き換えた引用 JIS が基礎とした国際規格の版とが異なる場合 JIS C 60068-2-20:2010 環境試験方法 - 電気 電子 - 第 2-20 部 : 試験 - 試験 T- 端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法注記 1 対応国際規格 :IEC 60068-2-20:1979, Basic environmental testing procedures- Part 2: Tests-Test T:Soldering 注記 2 鉛フリーはんだを取り入れるため, IEC 60068-2-20 の第 5 版 (2008) に対応する最新の JIS を引用した 2016 8
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 現状 参考文献の記載方法は JIS Z 8301 では詳細な規定がないために 引用規格の記載に倣って記載している JIS が多い 2016 9
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 課題 引用規格と同様に 参照国際規格を JIS に置き換え 整合性コードを付するなどの労力を費やす必要があるのかという点が課題となっていた 2016 10
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 結論 記載方法は自由であるが 引用規格の規定と同じルールで記載しなければならないという誤解を解消することも意図して 次の点を考慮し 指針としての具体例を提示した a) 国際規格のまま参考文献を記載する b) 国際規格のまま参考文献を記載し 記載の国際規格に対応しているJIS を明示する c) 国際規格の参考文献のうち 必要なものについて JIS に置き換えて記載する 2016 11
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 具体例 1 国際規格の Bibliography のままに記載する例 [1]SMITH, PA. Modulation phase-shift measurement of SPMD using only four launched polarization states: a new algorithm. Motorcycle Letters Online No. 5, May, 1988. [2]DIVID, QC. A new calculus for the treatment of systems. VI. Experimental determination of the matrix. J. Wonder Soc. Am., 1925, pp. 250-252. IEC 60793-1-48,Optical fibres-part 1-48: Measurement methods and test procedures-polarization mode dispersion IEC 61290-11-1,Optical amplifiers-test methods-part 11-1: Polarization mode dispersion parameter-jones matrix eigenanalysis (JME) 国際規格の Bibliography から一切変更を加えないで記載 2016 12
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 具体例 2 国際規格のまま参考文献を記載するが 記載の国際規格に対応する JIS を明示する例 [1] IEC 60335-1,Household and similar electrical appliances-safety-part 1: General requirements 注記 JIS C 9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性 - 第 1 部 : 通則が, この国際規格に対応している [2] IEC 60695-1-10,Fire hazard testing-part 1-10: Guidance for assessing the fire hazard of electrotechnical products-general guidelines 注記 JIS C 60695-1-10 耐火性試験 - 電気 電子 - 第 1-10 部 : 電気 電子製品の火災危険性評価のための指針 - 一般指針が, この国際規格に対応している 国際規格のまま参考文献を記載し 注記として対応するJISを記載する なお 注記の記載例については 今後のJIS Z 8301の改正によって変更する可能性がある 2016 13
2 対応国際規格を基礎とした場合の参考文献の記載方法について 具体例 3 国際規格の参考文献のうち 必要なものについて JIS に置き換えて記載する例 ( 記載順序は国際規格に合わせる ) [1] JIS B 9703:2011 機械類の安全性 - 非常停止 - 設計原則注記原国際規格では,ISO 13850:2006,Safety of machinery-emergency stop -Principles for design を記載している [2] IEC 60050-191,International Electrotechnical Vocabulary-Chapter 191: Dependability and quality of service ( この JIS に追加する参考文献 ) JIS C 0366 建築電気設備の電圧バンド IEC 61084 (all parts),cable trunking and ducting systems for electrical installations 国際規格の参考文献のうち 必要なものについて JISに置きかえて記載する例 また JIS 独自に追加する参考文献については 別に記載している なお 注記の記載例については 今後のJIS Z 8301の改正によって変更する可能性がある 2016 14
ご清聴ありがとうございました 2016 15