資料1-5

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金融商品取引法の改正 ~ インサイダー取引規制に係る見直しについて 1. はじめに 2013 年 4 月 16 日に 金融商品取引法等の一部を改正する法律案 が第 183 回国会に提出され 同年 6 月 12 日に成立 同月 19 日に公布されました ( 平成 25 年法律第 45 号 以下 改正法

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平成 24 年 11 月 13 日 新潟縣信用組合 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 第 1 第 6 条第 1 項第 1 号に規定する法第 4 条及び第 5 条の規定に基づく措置の実施に関する方針の概要 当組合は 地域に根差し 地

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

中小機構の概要 設立 : 平成 16 年 7 月 1 日 たかだ 中小機構の支援機能 ひろし 役職員 : 理事長高田坦史 ( 役員 13 名 職員 784 名 ) 主要拠点 : 本部 ( 東京 ) 地域本部 (9 地域本部 + 沖縄事務所 ) 中小企業大学校 (9 校 ) ~ 創業 新事業展開から成

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

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事業内容を補完し又は一体不可分として捉えることができる業務については行うことが可能であると考えられることから 債務保証や質権設定がこのような趣旨で行われるのであれば可能であると考えられます LPSにおいて出資一口の金額は均一であることが必要でしょうか LPS 法において出資一口の金額は均一でなければ

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11 月度貸金情報統計 登録状況 ( 11 月 20 日時点 ) 件数 人数 当月 前年比 当月 前年比 総登録情報 18,421 万件 99.3% 7,431 万人 99.4% 残高有情報 1,715 万件 100.8% 1,162 万人 100.7% 異動情報 564 万件 100.6% 416

1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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10 月度貸金情報統計 登録状況 ( 10 月 20 日時点 ) 件数 人数 当月 前年比 当月 前年比 総登録情報 18,431 万件 99.2% 7,434 万人 99.3% 残高有情報 1,707 万件 100.7% 1,158 万人 100.6% 異動情報 562 万件 100.2% 414

国際金融都市・東京の実現に向けた検討の進め方について

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平成 30 年 8 月 31 日 平成 31 年度の財政投融資計画要求書 ( 機関名 : 株式会社日本政策金融公庫 ( 特定事業等促進円滑化業務 )) 1. 平成 31 年度の財政投融資計画要求額 ( 単位 : 億円 %) 平成 31 年度平成 30 年度対前年度比区分要求額当初計画額金額伸率 (1

投資型クラウドファンディング

公社債の店頭売買の参考値等の発表及び売買値段に関する規則 に関する細則 の 一部改正について 平成 30 年 4 月 6 日 日本証券業協会 Ⅰ. 改正の趣旨本協会では平成 27 年 11 月 2 日より 社債の取引情報の発表制度 ( 以下 発表制度 という ) を開始しており 発表制度については

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

2 満たした場合には 事業を行う SPC 自体には不動産特定共同事業の許可は不要とし 届出により事業を行うことを可能とした ( 旧法 40 条の 2 第 1 項 同 2 項 ) もっとも 事業に対する規制の一律の適用が制度の利用を妨げており 他の証券化手法との関係での競争力 利用率は低い現状があり

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中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

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平成 30 年 6 月 29 日 各位 ラッキーバンク インベストメント株式会社 業務改善命令に対する再発防止策等について ラッキーバンク インベストメント株式会社 ( 以下 弊社 といいます ) は 平成 30 年 3 月 2 日 関東財務局より 金融商品取引法第 38 条第 8 号 ( 平成 2

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目次 アンケート回答者属性 企業向けアンケート 弁理士向けアンケートの回答者属性 P2 1. 標準化 1-1 企業 P3 1-2 弁理士 P7 2. データの取扱い 2-1 企業 P 弁理士 P14 本調査研究の請負先 : 株式会社サンビジネス 1

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

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挨拶 本協会会長 稲野和利

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おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金

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2017 투자동향보고서_일본어.key

銀行等の議決権保有規制の例外措置拡充

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

2008年6月XX日

22 特定項目に係る十五パーセント基準超過額 うち その他金融機関等に係る対象資本調達手段のうち普通株式に該当するものに関連するものの額 うち 無形固定資産 ( モーゲージ サービシング ライツに係るものに限る ) に関連するものの額 うち 繰延税金資産 ( 一時差異に係るものに限

その他 Tier1 資本に係る基礎項目 31a その他 Tier1 資本調達手段に係る株主資本の及びその内訳 30 31b その他 Tier1 資本調達手段に係る新株予約権の 32 その他 Tier1 資本調達手段に係る負債の 特別目的会社等の発行するその他 Tier1 資本調達手段の

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ならないとされている (IFRS 第 15 号第 8 項 ) 4. 顧客との契約の一部が IFRS 第 15 号の範囲に含まれ 一部が他の基準の範囲に含まれる場合については 取引価格の測定に関する要求事項を設けている (IFRS 第 15 号第 7 項 ) ( 意見募集文書に寄せられた意見 ) 5.

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平成 29 年 6 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 6,274 4,182 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達

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平成 30 年 3 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 15,162 3,790 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本

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参考資料 1 第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会中間取りまとめ平成 29 年 12 月 9 日経済産業省 1. はじめに第四次産業革命が世界の産業構造に変革をもたらしつつある中 長期かつ高いリスクを取るリスクマネーの領域では ソブリンウェルスファンド (SWF; Sovereign

1 本資料のポイント! そもそも MLP ってなに? 米国のエネルギー関連事業を進める上で重要な資金調達手段 MLP( マスター リミテッド パートナーシップ ) とは 米国で行われている共同投資事業形態のひとつであり その出資持分が米国の金融商品取引所等で取引されています 一般的に 総所得の 90

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( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

借換保証制度要綱(H ~)[1]

Japan Academy of Personal Finance パーソナルファイナンス研究 No.2 総量規制の導入経緯と問題点 伊藤 幸郎 東京情報大学大学院 堂下 浩 東京情報大学 要旨 貸金業法は 2006 年 12 月に国会へ上程され 2010 年 6 月に完全施行へと至った 新たに導入

負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 9 6 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額 少数出資金融機関等の対象普通株式等の額 特定に係

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第3回成長資金の供給促進に関する検討会配付資料

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

スライド 1

Transcription:

資料 1-5 (H30.2.27) 規制改革推進会議第 16 回投資等 WG クラウドファンディングに係る 規制改革要望 2018 年 2 月 27 日 フィンテック PT シェアリングエコノミー推進 PT 1

目 次 2 1. 株式投資型クラウドファンディング総額 1 億円 投資家 1 人当たり 50 万円上限規制見直し 2. 貸付型クラウドファンディング匿名化とファンド化を要請される問題への環境整備

1. 株式投資型クラウドファンディング総額 1 億円 投資家 1 人当たり 50 万円上限規制見直し 3

株式投資型クラウドファンディング 4 株式投資型クラウドファンディングとは 非上場株式の発行により インターネットを通じて資金を集める仕組み 制度への期待 効果 1 スタートアップ企業等に対するリスクマネーの供給経路のひとつ 2 資金調達を通じて発行会社とその事業への理解及び共感を生む

株式投資型クラウドファンディング 5 制度制定経緯 2013 年 6 月 14 日閣議決定 規制改革実施計画 新興 成長企業へのリスクマネー供給を促進する観点から 金融仲介機能の充実を図る取組として 株式形態を含め インターネット等を通じた資本調達 ( クラウド ファンディング ) の枠組みの整備についての検討を行い 結論を得る ( 平成 25 年度検討 結論 ) 同日閣議決定 日本再興戦略 JAPAN is BACK - 技術やアイディアを事業化する段階でのリスクマネーの供給を強化するとともに地域のリソースを活用するための方策の一つとして クラウド ファンディング等を通じた資金調達の枠組みについて検討する 市場関係者等のニーズや投資者保護に配意しつつ 制度改正が必要な事項について 金融審議会で検討を行い 本年中に結論を得る 2013 年 12 月 25 日金融庁金融審議会 新規 成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング グループ が報告書公表 株式投資型クラウド ファンディングの活用を提言 2015 年 5 月 29 日法令等を整備し 新制度施行

制度活用実績 施行してから 2 年間実績なし 昨年から実績が出始める 発行価額が目標募集額を上回る 株式投資型 ( 株式 ) の累計 (2018 年 1 月まで ) 取扱件数 20 件発行価額 5.6 億円 株式投資型クラウドファンディング統計情報 1. 株式 年月 会員等数 ( 単位 : 社 ) 取扱件数 ( 単位 : 件 ) 目標募集額 ( 単位 : 円 ) 新規発行株式数 ( 単位 : 株 ) 募集価格の総額 ( 単位 : 円 ) 発行価額の総額 ( 単位 : 円 ) 年次 2015 - - - - - - 2016 - - - - - - 2017 2 17 325,780,000 9,620,696 477,975,000 472,740,000 2018 2 3 52,100,000 59,184 93,450,000 91,850,000 2. 新株予約権 年月 会員等数 ( 単位 : 社 ) 取扱件数 ( 単位 : 件 ) 目標募集額 ( 単位 : 円 ) 新規発行新株予約権個数 ( 単位 : 個 ) 募集価格の総額 ( 単位 : 円 ) 発行価額の総額 ( 単位 : 円 ) 年次 2015 - - - - - - 2016 - - - - - - 2017 1 1 42,000,000 600 42,000,000 42,000,000 2018 1 1 30,030,000 429 30,030,000 30,030,000 ( 出所 ) 日本証券業協会公表の統計資料 6

リスクマネーの供給に関する現状認識 7 経済産業省主催 第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会 中間とりまとめ ( 抄 ) (2017 年 12 月 9 日 ) 第四次産業革命においては技術革新や顧客 市場ニーズの変化のスピードが早くなり 製品のライフサイクルが短くなる 大規模な投資を決断 実施する経営判断が求められるとともに それを支えるリスクマネーが必要となる 実際に グローバル展開のための大規模マーケティング投資や巨額の先行開発投資を長期にわたって継続する必要があるリアルテック等のメガベンチャーは 未上場で巨額の長期資金 ( ペイシェント リスクマネー ) を獲得している 未上場ベンチャー企業の資金調達額は リーマンショック後の落ち込みを迎えたのち 2013 年以降の調達額は右肩上がりで増加している 他方 技術開発系ベンチャーの立ち上げ期への投資は未だに不足している状況 開業率は上がってきているが ベンチャーキャピタルの投資対象となるレベルの企業は少ないのが現状 我が国では IPO のハードルが低く早期に IPO を行う傾向があり ユニコーンと呼ばれる未上場のまま状態で大きく成長するベンチャーがほとんど生まれていない また IPO 以外の EXIT が少ないため M&A の拡大や 資金調達手段の多様化が課題として挙げられている

ベンチャーの資金調達 ( 出所 ) 経済産業省主催の 第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会 における経産省作成資料 8

ベンチャーの資金調達 ( 出所 ) 経済産業省主催の 第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会 における経産省作成資料 9

現行規制の問題点 10 投資家側の意見 自らのリスクで多額の投資を望む人や一定のポーションを取りたい人にとっては 各投資家の投資額の上限規制 50 万円以下が足かせ 潜在的に出し手として存在するリスクマネーが結局供給されないまま 目詰まり 発行会社側の意見 各投資家の投資額の上限規制により 投資家の人数が多くなり株主管理コストが大きくなる 発行価額の総額の上限規制により 調達額が頭打ち 総額 1 億円にはクラウドファンディング以外の調達も合算され 制約が厳しい 応援をしたいというファンからの資金を必要額調達してイノベーションを起こしていくという機動的な循環 エコシステムの形成が不十分

目次 11 貸付型クラウドファンディングにおける匿名化とファンド化が求められることの問題に対する環境整備

1 貸付型クラウドファンディングとは 投資家から出資を受けたクラウドファンディング事業者が 資金ニーズのある事業者に資金を貸付け 分配金を受け取る仕組み 融資型クラウドファンディング ソーシャルレンディングなどと言われることもある 資金調達ニーズ マッチング 余剰資金 2 貸付 1 出資 借り手 ( 事業者 ) 3 返済 クラウドファンディング事業者 4 分配 投資家 ( 個人 ) 不動産デベロッパーなど 一般的なサラリーマンなど 12

2 拡大する貸付型クラウドファンディング市場 ( 出所 ) クラウドポート 2017 年ソーシャルレンディング業界レポート 13

3 貸付型クラウドファンディングの意義 個人の余剰資金と資金調達ニーズをマッチング 借手が不動産を取得して収益を得ようとする場合 自己資金と銀行融資だけでは資金が不足する場合がある この不足部分 ( メザニン部分 ) をまかなうために貸付型クラウドファンディングが多く活用され不動産の有効活用にも貢献 最近はそのほかの分野でも活用 ミドルリスク ミドルリターンの投資 投資家側にも高利回りというメリット 借り手 ( デベロッパー ) 4 収益 不動産 メザニン部分不足 銀行融資 資金調達ニーズ 5 返済 1 案件を選別 募集 3 貸付クラウドファンディング事業者 余剰資金 2 投資 6 分配 投資家 ( 個人 ) 自己資金 銀行融資 + 自己資金では取得額に満たないケースが多い この不足部分がメザニン部分 14

4 貸付型クラウドファンディングの問題点 1 15 投資家が 貸付の実行判断を行っていない ことを担保するための手段としてファンド化 匿名化の要件が求められる ( 当該要件が満たされなければ投資家に貸金業者としての登録が求められる ) 投資家にとって投資対象が不明確となり 投資家の保護が十分に図られない 金商法の適用領域 行政庁 貸金業法の適用領域 第二種金融商品取引業者として登録 貸金業者として登録 要件 1 ファンド化 貸付 借り手 1 個人投資家 匿名組合出資 クラウドファンディング事業者 ( ファンド化 匿名化がなければ ) 個人投資家に貸金業者としての登録が必要に 貸付 借り手 2 要件 2 匿名化 ( 投資家からみて

5 貸付型クラウドファンディングの問題点 2 16 投資家が 貸付の実行判断を行っていない ことを担保するための措置 ( ファンド化 匿名化等 ) が求められる理由は 貸金業法の精神である 借手の保護 しかし 貸付型クラウドファンディングの実態をみると 貸金業法の形式的な適用により借手を保護する必要性がないだけでなく かえって投資家保護が阻害される事態になっている 投資家 クラウドファンディング事業者 借手 案件について情報を得た上で投資したい 比較的少額の余剰資金を投資する個人 ( サラリーマン等 ) であり 事業者 ( 不動産ディベロッパー等 ) 相手に追い込みをかける意図はない 匿名組合出資であり借手に対する権利を有していない 業法の登録を受けた貸金業者として借手に対して責任を負っている 匿名組合出資の営業者として 投資家に対して責任を負っている 情報を開示した上で投資家を集め 円滑な資金調達を実現したい 事業者 ( 不動産ディベロッパー等 ) であり 個人から追い込みをかけられる懸念は持っていない

6 当連盟の提案 17 少なくとも現行の運用は実態に即したものではない そもそも 現行の貸金業法は貸付型クラウドファンディングという形態をまったく想定していない そこに既存のスキームを無理やりあてはめようとした結果 無理が出ている 世界で実施できることが日本でもすぐに実現できるような環境整備が必要