11総法不審第120号

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処分済み

もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

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処分済み

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保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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処分済み

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第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

平成 30 年 9 月 25 日 諮問 平成 30 年 11 月 13 日審議 ( 第 27 回第 4 部会 ) 平成 30 年 12 月 11 日審議 ( 第 28 回第 4 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1

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Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

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19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

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がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

kisaihouhou

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

平成14年7月3日

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

Microsoft Word - 調査結果

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

01 表紙

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

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して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

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異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

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無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

⑴ ⑵ ⑶

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から


目 次 第 1 趣旨 目的 1 第 2 ガイドラインの適用 1 1. 対象給付 1 2. 対象傷病 1 3. ガイドラインの運用 1 第 3 障害等級の判定 2 1. 障害等級の目安 2 2. 総合評価の際に考慮すべき要素の例 2 3. 等級判定にあたっての留意事項 2 (1) 障害等級の目安 2

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

第1 総 括 的 事 項

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

実務上の取扱い(改正)

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

仕事の依頼に諾否の自由はなく 業務の内容及び遂行方法について本件会社の指揮命令を受け アシスタント雇用等に関する規程等により 業務を他人に代替させえない 所得税の源泉徴収 雇用保険 厚生年金 健康保険の保険料徴収がある 営業所 机 パソコン 文具等は本件会社の提供に係るものであり 経費は立替精算であ

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

英和対照表

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな


Transcription:

答 申 審査請求人 ( 以下 請求人 という ) が提起した精神障害者保健福祉手帳 ( 以下 福祉手帳 という ) の更新申請に対する不承認決定処分に係る審査請求について 審査庁から諮問があったので 次のとおり答申する 第 1 審査会の結論 本件審査請求は 棄却すべきである 第 2 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は 東京都知事 ( 以下 処分庁 という ) が請求人に対し平成 2 9 年 5 月 1 9 日付けで行った 精神障害者保健福祉手帳 ( 以下 福祉手帳 という ) の更新申請に対する不承認決定処分 ( 以下 本件処分 という ) の取消しを求めるものである 第 3 請求人の主張の要旨審査請求書に記載された審査請求の理由は 次のとおりであり 請求人は 自身の精神障害の状態は法に定める精神障害の状態にあるから 本件処分は違法又は不当であると主張する 仕事 ( 業 ) をするのに都電や都営 博物館の展示物や映画を見るため 不承認では通いがたく支障がある また 日によっては同行者が必要となるため 第 4 審理員意見書の結論 1

本件審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 2 9 年 9 月 1 2 日 諮問 平成 2 9 年 11 月 21 日審議 ( 第 15 回第 1 部会 ) 平成 2 9 年 12 月 18 日審議 ( 第 16 回第 1 部会 ) 第 6 審査会の判断の理由審査会は 請求人の主張 審理員意見書等を具体的に検討した結果 以下のように判断する 1 法令等の定め ⑴ 法 4 5 条 2 項は 都道府県知事は 福祉手帳の交付申請に基づいて審査し 申請者が 政令で定める精神障害の状態 にあると認めたときは 申請者に福祉手帳を交付しなければならない旨を定め 同条 4 項は 福祉手帳の交付を受けた者は 2 年ごとに第 2 項で定める精神障害の状態にあることについて都道府県知事の認定を受けなければならない旨を定める 法施行令 ( 法 4 5 条 2 項にいう政令 ) 6 条は 障害等級 及び 精神障害の状態 について別紙 2 のとおり規定する また 法施行令 6 条 3 項の表が定める障害等級の認定に係る精神障害の状態の判定に当たっては 精神疾患 ( 機能障害 ) 及び能力障害 ( 活動制限 ) の状態が重要な判断資料となることから 精神疾患 ( 機能障害 ) の状態 ( 以下 機能障害 という ) と 能力障害 ( 活動制限 ) の状態 ( 以下 活動制限 2

という ) の二つの要素を勘案して 総合判定 すべきものとされている ( 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について ( 平成 7 年 9 月 1 2 日健医発第 1 1 3 3 号厚生省保健医療局長通知 以下 判定基準 という ) 及び 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項について ( 平成 7 年 9 月 12 日健医精発第 46 号厚生省保健医療局精神保健課長通知 以下 留意事項 といい 判定基準と併せて 判定基準等 という ) ) ⑵ そして 法 4 5 条 1 項及び法施行規則 2 3 条 1 号によれば 福祉手帳の交付申請は 医師の診断書等を添えて行うこととされ 2 年ごとの更新申請の場合も同様であるとされていることから ( 法 4 5 条 4 項及び法施行規則 28 条 1 項 ) 更新申請に係る本件においても 上記 ⑴ の 総合判定 は 提出された本件診断書により その記載内容全般を基に 客観的になされるべきものと解される このため 本件診断書の記載内容全般を基にした判断に違法又は不当な点がなければ 本件処分を取り消す理由があるとすることはできない 2 次に 本件診断書の記載内容を前提に 本件処分に違法又は不当な点がないかどうか 以下 検討する ⑴ 機能障害について ア 請求人の主たる精神障害として記載されている うつ病 I C D コード ( F 3 3 ) ( 別紙 1 1 ) は 判定基準の 気分 ( 感情 ) 障害 に該当する 気分 ( 感情 ) 障害 による機能障害については 判定基準によれば 高度の気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの が 1 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の 3

病相期があり かつ これらが持続したり ひんぱんに繰り返したりするもの が 2 級 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり その症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱんに繰り返すもの が 3 級とされている また I C D - 1 0 によれば I C D コードの F 3 3 は 反復性うつ病性障害 と分類され この障害は 軽症 ( F 3 2. 0 ) 中等症 ( F 3 2. 1 ) または重症 ( F 3 2. 2 と F 3 2. 3 ) のエピソードに特定されるうつ病のエピソードが反復し 躁病 ( F 3 0. 1 と F 3 0. 2 ) の診断基準を満たす気分高揚と過活動性の独立したエピソードの病歴を欠くことによって特徴付けられる しかしながら このカテゴリーは 軽躁病 ( F 3 0. 0 ) の診断基準を満たす程度の短期間の気分高揚と過活動性が うつ病エピソードの直後に ( 時には明らかにうつ病の治療によって誘発されて ) 起こったという証拠がある場合でもなお使用すべきである とされている F 3 3 は 現在軽症エピソード ( F 3 3. 0 ) 現在中等症エピソード ( F 3 3. 1 ) 現在精神病症状を伴わない重症エピソード ( F 3 3. 2 ) 現在精神病症状を伴う重症エピソード ( F 3 3. 3 ) 現在寛解状態にあるもの ( F 3 3. 4 ) 他の反復性うつ病性障害 ( F 3 3. 8 ) 及び特定不能のもの ( F 3 3. 9 ) に細分される このうち 現在寛解状態にあるもの ( F 3 3. 4 ) の確定診断のためには ( a ) 過去に反復性うつ病性障害 ( F 3 3. - ) の診断基準を満たし 現在の状態はいかなる重症度のうつ病エピソードあるいは F 3 0 - F 3 9 にある他のどの障害の診断基準も満たしてはならない ( b ) 少なくとも 2 回のエピソードが短くとも 2 週間続き はっきりとした気分障害の 4

ない数カ月間で隔てられていなければなら ず そうでなければ 診断としては他の反復性気分障害 ( F 3 8. 1 ) とするべきである このカテゴリーは 患者が再発を予防するために治療を受けている場合でも用いてよい とされている イこれを請求人についてみると 本件診断書によると 発病から現在までの病歴 の欄 ( 別紙 1 3 ) には この 2 年間は日中の抗うつ薬の服用は必要なくなった 眠前にテトラミド 1 0 m g ロヒプノール 1 m g マイスリー 5 m g を内服し 安定している と記載されている また 現在の病状 状態像等 の欄 ( 別紙 1 4 ) は 抑うつ状態 ( 憂うつ気分 ) 及び 躁状態 ( 感情高揚 易刺激性 ) に該当し その具体的程度として 感情の上下動が少なくなり 緩 ( や ) かになっている との記載がある ( 別紙 1 5 ) 以上の記載内容からすると 請求人は精神疾患を有し 機能障害は 抑うつ状態に相当する気分等の障害が以前にあったと思われる一方で この 2 年間は気分等の変動は消退し 病状が安定していると認められる また I C D - 1 0 における診断基準によれば 重症度のうつ病エピソードや F 3 0 - F 3 9 にある他のどの障害の診断基準も満たしていないため 反復性うつ病性障害 現在寛解状態にあるもの ( F 3 3. 4 ) に該当すると思料される ウ以上から 請求人の機能障害の程度を 判定基準等に照らすと その症状が 3 級の 気分 意欲 行動及び思考の障害の病相期があり その症状は著しくはないが これを持続したり ひんぱんに繰り返すもの に至っているとまでは認められないと判定するのが相当である ⑵ 活動制限について 5

次に 請求人の活動制限についてみると 本件診断書の 日常生活能力の程度 の欄 ( 別紙 1 6 ⑶ ) は 精神障害を認めるが 日常生活及び社会生活は普通にできる とされている 留意事項 3 ⑹ の表によれば 精神障害を認めるが 日常生活及び社会生活は普通にできる は 障害等級 非該当 の区分に相応し なお 普通にできる とは 完全 完璧にできる という意味ではなく 日常生活及び社会生活を行う上で あえて他者による特別の援助 ( 助言や介助 ) を要さない程度のものを言う とされている そして 請求人は 在宅で家族等と同居している環境にあり ( 別紙 1 6 ⑴ ) 日常生活能力の判定 欄 ( 別紙 1 6 ⑵ ) は全項目が 自発的にできる 又は 適切にできる とされ 生活能力の状態の具体的程度 状態像として 入眠時の内服を必要とするが 日中の生活はほぼ正常に近い と記述され 就労状況は 一般就労 とされており ( 別紙 1 7 ) 障害福祉等サービスの利用もなされていない ( 別紙 1 8 ) そうすると 請求人の生活能力は ほぼ正常に近く 通院及び内服の必要はあるものの 日常生活及び社会生活において一定の制限を受けるほどのものではないと考えられる 以上から 請求人の活動制限の程度は 判定基準等に照らすと 障害等級 3 級に相当する 精神障害を認め 日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける に至っているとは認められず 非該当と判定するのが相当である ⑶ 総合判定請求人の障害等級について 上記 ⑴ 及び ⑵ で検討した機能障害と活動制限とを総合して判定すると 請求人の障害程度については 日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか 又は日 6

常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの である 3 級に至っているとは認められず 政令で定める精神障害の状態にないと判断するのが相当であり これと同旨の結論を採る本件処分に 違法又は不当な点は認められない 3 請求人は 上記 ( 第 3 ) のとおり 不承認では 業である請求人の仕事に支障がある また 日によっては同行者が必要となると主張する しかし 福祉手帳は 申請者が 政令で定める精神障害の状態 にあると都道府県知事が認めたときに交付されるものであり 福祉手帳の所持の有無による申請者の利便性を判断要素とするものではないから 仕事に支障があるとの請求人の主張は 本件処分の取消理由として採用することはできない また 日によっては同行者が必要となる との請求人の主張を 日によっては同行者が必要となる ( ほど請求人の精神障害は重いので不承認とされるべきではない ) と善解したとしても 障害等級の認定に係る総合判定は 提出された診断書の記載内容全般に基づいてなされるべきものであるから ( 上記 1 ⑵) 本件診断書に記載のない請求人の主張も 本件処分の取消理由として採用することはできない 4 請求人の主張以外の違法性又は不当性についての検討その他 本件処分に違法又は不当な点は認められない 以上のとおり 審査会として 審理員が行った審理手続の適正性や法令解釈の妥当性を審議した結果 審理手続 法令解釈のいずれも適正に行われているものと判断する よって 第 1 審査会の結論 のとおり判断する ( 答申を行った委員の氏名 ) 7

髙橋滋 窪木登志子 川合敏樹 別紙 1 及び 2 ( 略 ) 8