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Transcription:

ドメイン名とIPアドレス管理の仕組み 奥谷泉 是枝祐 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター Copyright 2011 Japan Network Information Center

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このパートでお話すること ドメイン名 IPアドレスの役割 ドメイン名とIPアドレスの構造 通信におけるドメイン名とIPアドレス ポリシー レジストリとICANN Copyright 2011 Japan Network Information Center 2

コミュニケーションの基本 自分が誰とコミュニケーションをとっているのかが識別できることはコミュニケーションの成立に必要 顔を合わせたコミュニケーションでは自然にそれが成立 顔を合わせないコミュニケーションでは相手を識別するための 識別子 が必要となる 手紙では住所 電話では電話番号 インターネット上のコミュニケーションにおいても識別子は必要 A 03-5x97-2x11 B 03-x297-231x? Copyright 2011 Japan Network Information Center 3

ドメイン名 IP アドレスの役割 どちらもインターネットにおける通信元 通信先の識別子 ドメイン名 人がインターネット上 通信先を指定する上で利用される識別し Web サイトの URL や 電子メールアドレスなどに使われている (http://www.example.co.jp user@example.co.jp など ) IP アドレス コンピュータやルータなどの端末がインターネット上 通信元の確認や通信先を指定するうえで利用される識別子 (192.168.0.1 2001:db8:: など ) インターネット網における通信相手の識別子として 一意性を保つことが非常に重要 Copyright 2011 Japan Network Information Center 4

参考 : ドメイン名の構成 ドメイン名は右から順に トップレベル 第 2 レベル 第 3 レベル という階層構造を持つ ホスト名を. で区切って管理 =DNS の階層構造 第 3 レベルドメイン 第 2 レベルドメイン トップレベルドメイン.com.net 汎用 JP ドメイン名などの場合 www. example. com ひとつのラベルの長さは 64 文字以下 ドメイン名全体の長さは 255 文字以下 属性型 地域型 JP ドメイン名などの場合 第 4 レベルドメイン 第 3 レベルドメイン 第 2 レベルドメイン トップレベルドメイン www. example. co. jp Copyright 2011 Japan Network Information Center 5

参考 :IPv4 アドレスの構造 本来 IPv4 アドレスは 32 ビット (32 桁 ) の 2 進数 11000000000000000000001000000000 覚えにくいので 8 ビット毎に区切り それぞれを 10 進数で表記したものが普段良く見る IPv4 アドレス 11000000 00000000 00000010 00000000 192. 0. 2. 0 Copyright 2011 Japan Network Information Center 6

参考 :IPv6 アドレスの構造 IPv4 アドレスの 32 ビットに対し IPv6 アドレスは 128 ビット 0010000000000001000011011011100000000000000000000000000000 0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000 000000000000 長すぎるので16ビット毎に区切って16 進で表記する 2001:db8:0000:0000:0000:0000:0000:0000 先頭の0の省略や 0が連続するフィールドは :: で省略できるルールなどを適用 2001:db8:: Copyright 2011 Japan Network Information Center 7

ユーザはホストネームを利用する ホストネームを示すと 探している Web ページを特定して参照できる Web ページ : www.nic.ad.jp ip-service@nir.nic.ad.jp メールアドレスを示すと送りたい宛先へメールを届けてくれる インターネット ip-service@nir.nic.ad.jp へメール クライアント PC Copyright 2011 Japan Network Information Center 8

コンピュータは IP アドレスで解釈する ホストネームのみではコンピュータは識別することができない Web ページ www.nic.ad.jp 211.120.248.16 ホスト名は IP アドレスに変換され 通信先の端末を特定している 133.22.32.115 インターネット 211.120.248.16 クライアント PC www. nic.ad.jp? DNSサーバ Copyright 2011 Japan Network Information Center 9

インターネットは自立 分散 協調 インターネットは自律したネットワークの集合体 通信相手のネットワーク? 211.120.248.16 ip-service@nir.nic.ad.jp 自社ネットワーク? ドメイン名やアドレスの重複は通信の混乱につながる 211.120.248.16 ip-service@nir.nic.ad.jp 133.22.32.115 集合体の中で相手を一意に識別きることが通信上必要 ドメイン名 IP アドレスの一意性が非常に重要 Copyright 2011 Japan Network Information Center 10

DNS の階層的管理におけるドメイン名の一意性 ルート (root 根 ) を頂点としたツリー ( 木 ) 構造 ルート ドメイン名全体で一意の名前となっている ( 分岐した先でそれぞれ一意の名前を付ける ) TLD uk jp com net レベルごとに管理の委任が行える ( ドメイン名の登録 とは = 委任を受けること ) 2LD 3LD example ad co ne example www nic example www TLD= トップレベルドメイン 2LD= 第 2 レベルドメイン 3LD= 第 3 レベルドメイン 異なった分岐先なので同じ名前でも OK www www.example.co.jp 階層が違っているので同じ名前でも OK Copyright 2011 Japan Network Information Center 11

通信における IP アドレスの一意性 インターネットに接続する部分は世界的に一意なグローバルアドレスが必要 133.22.56.7 サーバ群 133.22.56.7 202.236.80.3 202.236.80.2 ネットワーク B 192.168.0.3 133.22.56.4 133.22.56.3 インターネット 192.168.0.2 サーバ群 192.168.0.3 ネットワーク A 192.168.0.2 ネットワーク内で一意であれば OK ( プライベートアドレスも OK) Copyright 2011 Japan Network Information Center 12

ドメイン名 IP アドレスのポリシー ドメイン名と IP アドレスはインターネット利用者全般にとって通信上 必要となる識別子 自律 分散した複数のネットワークがこれらを利用するうえでは協調して利用でき 全体の中で一意性が保たれることが必要 これがないと通信に混乱をきたす そのため ドメイン名 IP アドレスの利用について共通認識 = みんなが守るべき決まりごとが必要 これをポリシーと呼んでいる ドメイン名 IP アドレスそれぞれにポリシーがある Copyright 2011 Japan Network Information Center 13

レジストリ インターネット通信における識別子であるドメイン名 IP アドレスを管理する組織 ドメインと IP アドレスでそれぞれ複数のレジストリがあり 該当するポリシーに従って管理している 分配登録 WHOIS ドメイン名 IP アドレスを重複しないように分配 分配先が混乱しないように分配情報を管理 分配先と連絡先を誰もが検索できる Copyright 2011 Japan Network Information Center 14

ICANN Internet Corporation for Assigned Names and Numbers http://www.icann.org/ 全世界におけるドメイン名 IP アドレス管理の大元 レジストリの階層構造において頂点に位置する組織 インターネット全体における一意性の確保 ドメイン名および IP アドレスにおいて特定の国や地域に限定しないポリシーの策定 IANA - ICANNの一機能 全世界のIPアドレス AS 番号の台帳の源泉管理 ドメイン名のルートゾーンの管理 Copyright 2011 Japan Network Information Center 15

参考 :ICANN の組織構造 ICANN 組織構成図 技術リエゾングループ (TLG) 指名委員会 (NomCom) オンブズマン 理事会ガバナンス 理事会 (21 名 ) NomCom 選出 8 名 /GNSO 選出 2 名 /ccnso 選出 2 名 /ASO 選出 2 名 /At-Large 選出 1 名 + リエゾン 5 名 (GAC, SSAC, RSSAC, TLG, IETF より各 1 名 )+ 事務総長 委員会監査 IANA 一般参加危機管理 執行 財務 構造改革 グローバルリレーションシップ 報酬 助言 Internet Engineering Task Force (IETF) 政府諮問委員会 (GAC) 事務総長 スタッフ 勧告 DNS ルートサーバーシステム諮問委員会 (RSSAC) 分野別ドメイン名支持組織 (GNSO) GNSO 評議会 契約者会議 非契約者会議 gtld のポリシーはここ 国コードドメイン名支持組織 (ccnso( ccnso) ccnso 評議会 cctld のポリシーはここ アドレス支持組織 (ASO) アドレス評議会 (NRO Number Council メンバーにより構成 ) IP アドレスのグローバルポリシーはここ セキュリティと安定性に関する諮問諮問委員会 (SSAC) At-Large 諮問委員会 (ALAC( ALAC) 地域 At-Large 組織 NARALO( 北米 ) EURALO( 欧州 ) APRALO( アジア太平洋 ) LACRALO( ラテンアメリカ カリブ海 ) AFRALO( アフリカ ) Copyright 2011 Japan Network Information Center 16

IANA における IPv4 アドレスの台帳 IANA では /8 単位に区切って管理 ( 全 IPv4 空間の 1/256) 全 IPv4 アドレス空間 ( 約 43 億ホスト ) のうち 35 /8 ブロックは特定用途のために予約し 分配しない ( マルチキャスト プライベートアドレス等 ) IPv4 http://www.iana.org/assignments/ipv4-address-space/ipv4-address-space.xml Copyright 2011 Japan Network Information Center 17

IANA における IPv6 アドレスの台帳 グローバルユニキャスト インターネット接続用に指定された グローバルユニキャストアドレス空間は /3 ( 全 IPv6 アドレス空間の 1/8) これを /12 単位 ( 全空間の 1/4096) で IANA で管理 IPv6 http://www.iana.org/assignments/ipv6-address-space/ipv6-address-space.xml Copyright 2011 Japan Network Information Center 18

参考 : ルートサーバ DNS 階層構造の頂点に位置するサーバ 無いと名前解決のしくみが成り立たない トップレベルドメインのネームサーバを管理 ルートサーバは世界中に A~M の 13 組が存在 IANA がルートネームサーバにおけるゾーンを管理 ルートサーバと管理組織の一覧 A VeriSign, Inc. H 米国陸軍研究所 B 南カリフォルニア大学情報科学研究所 (ISI) I Netnod (Autonomica) C Cogent Communications J VeriSign, Inc. D メリーランド大学 K Reseaux IP Europeens -Network Coordination Centre(RIPE NCC) E 米航空宇宙局 (NASA) エイムズ研究所 L Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN) F Internet Systems Consortium, Inc.(ISC) M WIDE プロジェクト G 米国防総省ネットワークインフォメーションセンター Copyright 2011 Japan Network Information Center 19

ドメイン名の管理 Copyright 2011 Japan Network Information Center

このパートでお話すること ドメイン名の種類 ドメイン名の登録のしくみ ICANNを中心としたドメイン名の管理構造 ドメイン名関連のポリシー紹介 Copyright 2011 Japan Network Information Center 21

ドメイン名の種類 ドメイン名には の 3 種類がある gtld cctld Infrastructure TLD ユーザが登録できるのは gtld と cctld Infrastructure TLD はインターネットのインフラ用 ドメイン名の種類毎に登録管理組織も管理の枠組みも 運用管理ポリシーもそれぞれ異なっている Copyright 2011 Japan Network Information Center 22

gtld とは gtldは generic Top Level Domein( 分野別トップレベルドメイン ) の略 世界中から登録が可能 誰でも登録できる一般的なgTLDと 対象を限定したスポンサ付き gtld(stld) がある gtldの一覧 (2011 年 11 月時点 ) com 商業組織用 museum 博物館 美術館等用 net ネットワーク用 aero 航空運輸業界用 org 非営利組織用 coop 共同組合用 edu 教育機関用 jobs 人事管理業務関係者用 gov 米国政府機関用 travel 旅行関連業界用 mil 米国軍事機関用 mobi モバイル関係用 int 国際機関用 cat カタロニアの言語 / 文化コミュニティ用 info 制限なし asia アジア太平洋地域の企業 / 個人 / 団体用 biz ビジネス用 tel IPベースの電話番号用 name 個人名用 xxx アダルトエンタテイメント業界用 pro 弁護士 医師 会計士等用 Copyright 2011 Japan Network Information Center 23

cctld とは cctldは country code Top Level Domain( 国コードトップレベルドメイン ) の略 cctldはiso 3166-1により 自動的に各国 地域に割り当てられたドメイン名 独立して国が増えたり 国名が変わったりすると cctldも増えたりドメイン名が変わったりする 現在のccTLDの数は255(2011 年 9 月時点 ) Copyright 2011 Japan Network Information Center 24

gtld の登録のしくみ レジストリ レジストラモデルを採用 - 一意性を確保しつつ 競争環境を導入 - レジストリはデータベースの管理のみを行う データベース登録 レジストリ ICANN 認定レジストラ - レジストラは ユーザからの各種申請受付のみを行う レジストラ / リセラ経由のどちらの申請も可能 登録申請 リセラ 登録申請 申請者 登録申請 ドメイン名登録契約 Copyright 2011 Japan Network Information Center 25

cctld の登録のしくみ cctld 共通の厳密なモデルは無し レジストラ経由が多いが レジストリへの直接申請が可能な場合も ドメイン名登録契約 レジストリ 登録申請 レジストラ 登録申請 リセラ ドメイン名登録契約 登録申請 登録申請 申請者 登録申請 Copyright 2011 Japan Network Information Center 26

トップレベルドメインの管理構造 ICANN gtld レジストラの場合は レジストリとだけではなく ICANN とも契約がある 契約関係なし 書簡の交換 契約 契約 契約 us NeuStar cn CNNIC de DENIC uk Nominet au auda jp JPRS com VeriSign org PIR info Afilias 契約 契約 契約 契約 レジストラ リセラ 契約 レジストラ レジストラ 指定事業者 レジストラ レジストラ 契約 契約 リセラ リセラ リセラ リセラ リセラ リセラ リセラ Copyright 2011 Japan Network Information Center 27

JP ドメイン名の管理構造 ICANN JPRS 政府当局 JPNIC の四者による管理構造 JPRS が JP ドメイン名のレジストリとして適切である旨をエンドース JP ドメイン名の登録管理業務は 2002 年 4 月に JPNIC から JPRS に移管 ICANN 政府当局 cctld スポンサ契約 必要に応じて協議 意見 日本のインターネットコミュニティ JPRS JP ドメイン名登録管理業務の公共性の担保 JPNIC 共同して公共性を担保する責任を担っている Copyright 2011 Japan Network Information Center 28

ICANN 設立に至る背景 インターネットの爆発的な普及に伴い業務量が激増し それまで登録管理業務を行っていた米国の Network Solutions 社 (NSI) が 1995 年にドメイン名登録を有料化した これを機に民間企業である NSI が独占的に業務を行うことに対する批判が噴出した 同時に 以下のような不満も高まってきていた - gtld の数が少ないこと - サイバースクワッティング等の商標問題 - 価格やサービス面での競争がないこと - 登録ビジネスへの新規参入ができないこと Copyright 2011 Japan Network Information Center 29

ICANN の設立と問題解決のための動き 米国商務省との契約に基づき ドメイン名をはじめとするインターネット資源の源泉を管理し ポリシーを調整する非営利組織として ICANN が設立された ドメイン名を巡る諸問題を解決するために ICANN では以下のような方針が取り入れられた - 新 gtld の導入 - レジストリ レジストラモデルの採用 - ドメイン名紛争処理方針の策定 Copyright 2011 Japan Network Information Center 30

ICANN におけるポリシー検討 ICANN 内に gtld と cctld のポリシーを検討する場として それぞれ gnso と ccnso が存在する ICANN 設立の経緯から ICANN では gtld に関するポリシー検討がメイン ccnso Country-Code Names Supporting Organization ( 国コードドメイン名支持組織 ) GNSO Generic Names Supporting Organization ( 分野別ドメイン名支持組織 ) cctld レジストリにより構成 現在のメンバは 121 組織 (2011 年 11 月現在 ) 全ての cctld が加入しているわけではない (2011 年 11 月現在の cctld 数は 255) 契約者会議 レジストリ SG gtld レジストリ その他 レジストラ SG gtld レジストラ その他 GNSO 評議会 非契約者会議 商用 SG ビジネス部会 知的財産権部会 ISPCP 部会 その他 非商用 SG 非商用ユーザ部会 その他 SG = ステークホルダーグループ Copyright 2011 Japan Network Information Center 31

gtld 管理の現状 gtld は ICANN- レジストリ - レジストラという階層構造で管理されている レジストリとレジストラは ICANN と契約を締結した上で ICANN が定めるポリシーに従って それぞれ業務を行っている 基本的には gtld は共通のポリシーに基づいて管理 運用が行われている Copyright 2011 Japan Network Information Center 32

cctld 管理の現状 ICANN により設置が承認され 契約に基づいて運用されている gtld と異なり 各 TLD 毎に管理体制はまちまち もともとは管理者個人に管理が委任されていた TLD が多く 時代を経て組織が登録管理業務を行うようになっても ICANN と何らの契約も結んでいない TLD がかなりある 日本の cctld.jp も 2002 年に JPNIC から株式会社日本レジストリサービス (JPRS) に再移管されるまでは 村井純 ( 当時の JPNIC 理事長 ) 個人に委任されていた ポリシーを検討する ccnso が ICANN にあるが 全ての cctld が参加しているわけでもない Copyright 2011 Japan Network Information Center 33

ドメイン名に関する主なポリシーの例 gtld に関するもの 新しい gtld の追加 国際化ドメイン名 (IDN; Internationalized Domain Name) の導入 Whois Data Reminder Policy (Whois 情報の正確性確認 ) UDRP (Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy: 統一ドメイン名紛争処理方針 ) データエスクロー AGP (Add Grace Period: 登録猶予期間 ) RGP (Redemption Grace Period: 削除済みドメイン名のための 請戻猶予期間 ) cctld に関するもの Fast Track プロセスによる IDN cctld の導入 Copyright 2011 Japan Network Information Center 34

ドメイン名紛争処理方針 (DRP) とは? ドメイン名が転売目的や 他者のサービスなどを妨害したりするような不正の目的で登録されるケースはままある しかし 裁判などでドメイン名の取り消しや移転を求めると 費用も時間もかかる かといって 登録の際に審査をするとこれもまた費用も時間もかかるし そもそも 先願主義 (First-come,firstserved) の原則に馴染まない そこで限られた場合の紛争を 簡易迅速に解決することを目指して ドメイン名紛争処理方針 (DRP; Domain Name Dispute Resolution Policy) が用意されている いわゆる ADR( 裁判外紛争解決手続き ) の一つ Copyright 2011 Japan Network Information Center 35

DRP の特徴 書面のみによる審理が行われる 不正の目的 による登録のみを取り扱う - 商標権者同士などの争いは対象外 求められるのは 移転 と 取り消し のみ - 損害賠償なども対象外 DRP 以外の手続きも排除しない TLDによって採用しているポリシーが異なる TLD.jp gtld 採用ポリシー 紛争処理機関 JP-DRP(JPドメイン名紛争処理方針 ) 日本知的財産仲裁センター DRP の採用例 UDRP( 統一ドメイン名紛争処理方針 ) WIPO NAF ADNDRC CAC の 4 組織 Copyright 2011 Japan Network Information Center 36

JP ドメイン名紛争処理方針 (JP-DRP) UDRPを日本の事情に合わせてローカライズ JPNICが処理方針および手続き規則を策定 紛争処理機関は日本知的財産仲裁センター 申し立てから裁定までは最大 55 日 費用はパネリスト1 名の場合は18 万円 3 名の場合は 36 万円 JP-DRPとは http://www.nic.ad.jp/ja/drp/jpdrp.html 日本知的財産仲裁センター http://www.ip-adr.gr.jp/ Copyright 2011 Japan Network Information Center 37

データエスクロー gtld では レジストリやレジストラなどが業務を継続できなくなった時にも 登録者がドメイン名を失わないように 登録情報のエスクロー ( 預託 ) が実施されている JP ドメイン名では JPNIC JPRS エスクローエージェントの三者によりエスクローを実施 データエスクローの運用状況について報告 監督 監査 監査者 (JPNIC) 監督 監査 エスクローデータの検証結果を通知 データエスクローの運用状況について報告 レジストリオペレータ (JPRS) エスクローデータの生成 転送 エスクローエージェント エスクローデータの転送 検証結果を通知 JP ドメイン名レジストリのデータエスクロー Copyright 2011 Japan Network Information Center 38

参考 : 新 gtld 1998 年の ICANN 設立以来 新しい gtld の導入は ICANN の大きな目標 2000 年に 7 つ 2005 年に 4 つ 2006 年に 2 つ 2011 年に 1 つが承認され ICANN ができるまでは 7 つだった gtld だが 現在は 21 になっている Copyright 2011 Japan Network Information Center 39

参考 :2011 年からの新 gtld 導入プログラム 利用目的などを問わず 誰でも申請できるようになる これまでのようにICANNによるTLDの利用目的に関する審査などはない 技術要件など 定められた要件を満たしていれば申請が受け付けられるようになる Copyright 2011 Japan Network Information Center 40

参考 :IDN cctld 導入プロセス トップレベルドメインに国際化ドメイン名(IDN; Internationalized Domain Name) の技術を導入して cctldを表す文字列として漢字やハングル文字 アラビア文字などを利用できるようにしたものがIDN cctld 2009 年に始まった Fast Track と呼ばれるプロセスの元で導入が進んでいて 現在は2011 年 11 月時点で 29ヶ国 地域から46の文字列がICANNに申請されて そのうち20ヶ国 地域の35のIDN cctldが承認済み Copyright 2011 Japan Network Information Center 41

IP アドレスの管理 Copyright 2011 Japan Network Information Center

このパートでお話すること IPアドレス管理の特性 アドレス分配の基本的な仕組み アドレス分配の基準 方法 アドレスが分配された後 アドレスポリシー策定のフォーラム Copyright 2011 Japan Network Information Center 43

ドメイン名と IP アドレス空間の違い IPv4 アドレス空間 すべて利用できたとしても約 43 億 プロトコル仕様などの予約空間を除くと実際利用できる空間は約 37 億 IPv6 アドレス空間 実質的には無限と言われているが 空間の上限 (128 ビット ) が固定されているという意味では有限な識別子 インターネット接続用にグローバルユニキャストアドレスとして指定されている空間は /3 ( 全 IPv6 アドレス空間の 1/8) 上限のビット数が予め固定されている点では IPv4 IPv6 共に有限であることがドメイン名との大きな違い Copyright 2011 Japan Network Information Center 44

IP アドレスの管理はみんなでやっている インターネットの運用と密接な関係 ちゃんと分配管理がされないとネットワーク設計や分配されたアドレスの経路広告など通信において様々な影響が出てしまう インターネットの運用と同じくセルフ ガバナンス 利用者みんなが使うものなので みんなで管理方法も考える 運用状況にあわせて常に見直しの提案ができる インターネット運用は常に変化するので実態と乖離しないように状況に応じていつでも見直しができる Copyright 2011 Japan Network Information Center 45

アドレス管理を考えるうえで大事なこと 一意性の管理 アドレスが重複すると通信できないため インターネット通信の実現には不可欠 アドレスの分配時と分配後どちらも管理が必要 どう公平に効率よく配分していくか 有限でありながらも通信に不可欠な一意の識別子を インターネット利用者全体にどう配分するべきか 運用への影響への考慮 インターネット上のすべての端末で利用するものなので 適切に管理されないと通信に混乱を招く可能性もある Copyright 2011 Japan Network Information Center 46

管理上 考慮が必要なことを 5 原則にした アドレス管理に必要な要素をあげたものがアドレス管理の 5 原則 登録 経路集成 一意性 節約 公平性 Copyright 2011 Japan Network Information Center 47

アドレスポリシー 5 原則に基づきアドレス管理の方針 基準を明文化したものがアドレスポリシー アドレス利用者間で議論して賛同が得られたものをインターネットレジストリが文書化し 公開 インターネットレジストリはアドレスポリシーに基づいて分配管理を実施 Copyright 2011 Japan Network Information Center 48

インターネットレジストリ RIR ( 地域インターネットレジストリ ) NIR ( 国別インターネットレジストリ ) LIR ( ローカルインターネットレジストリ ) IANA(Internet Assinged Numbers Authority) は特定の地域に属することなく 全世界の IP アドレスの管理を行っている組織です その配下に地域単位で管理を行う RIR( 地域インターネットレジストリ ) NIR( 国別インターネットレジストリ ) その下に LIR( ローカルインターネットレジストリ ) と呼ばれるレジストリが存在し IP アドレスの分配はこの管理階層に従って行われています JPNIC はアジア太平洋地域の RIR である APNIC(Asia Pacific Network Information Centre) からの委任により NIR ( 国別インターネットレジストリ ) として国内の IP アドレス管理を行っています Copyright 2011 Japan Network Information Center 49

各 RIR の管轄地域 1992 年設立約 7,600LIR JPNIC 1993 年設立約 400LIR 1997 年設立約 3,800 会員 1992 年設立約 2,800LIR 2005 年設立約 1,200LIR 2002 年設立約 1,900 会員 * このスライドの一部は APNIC トレーニング資料から抜粋 統計は JPNIC 調べ Copyright 2011 Japan Network Information Center 50

IP アドレスが分配されるまで IANA(ICANN) 2008 年 3 月以降は独自の在庫を持たず APNIC 在庫を共有 実際のネットワークへの分配を実施 割り振り RIR ( 例 :APNIC) NIR ( 例 :JPNIC) LIR (IP 指定事業者 ) 各組織のネットワーク 割り振り 審議 割り振り 割り当て 211.0.0.0/8 2400:0000::/12 等 211.120.248.0/22 2400:0dc2::/32 等 211.120.248.64/29 2400:0dc2::/48 等 JPNIC の役割は在庫を持たない以外は APNIC と同じ Copyright 2011 Japan Network Information Center 51

アドレスの分配単位 IANA から RIR ( 全世界共通の分配ポリシー ) IPv4: 最小単位は /8 ブロック ( 全空間の 256/1) IPv6: 最小単位は /12 ブロック ( 全空間の 4096/1) RIR から LIR (RIR 単位の分配ポリシー ) 1 ビット単位で必要に応じたサイズを決定 クラスフルな分配 ( クラス A B C) は廃止してます 経路の細分化を防ぐために RIR ごとに最小割り振りサイズを定義 例 :APNIC は現在 IPv4=/24 IPv6=/32 分配サイズの判断分配時にレジストリが 審議 をして必要なサイズを判断過去の利用実績や今後の計画を参考として需要を確認 今必要なところに必要な分だけ ( 予約はできない ) が基本姿勢 Copyright 2011 Japan Network Information Center 52

分配される IP アドレスの分類 PA アドレス ( プロバイダ集約可能アドレス ) PI アドレス ( プロバイダ非依存アドレス ) 階層構造に従い LIR を介して ネットワークへ分配されるアドレス LIR から他の組織へ割り当てが可能 LIR を介さずに RIR/NIR から直接ネットワークへ分配される IP アドレス他の組織への割り当てはできない 歴史的経緯をもつ PI アドレス CIDR 導入前に分配されたクラスフルなアドレス 新たな分配は行っていない特殊用途 PI アドレス現在 PI アドレスマルチホームなど技術的な要件がある場合に限定して分配 昔の分配はすべて PI アドレスだったが今は PA アドレスの分配が中心 Copyright 2011 Japan Network Information Center 53

なぜ PA アドレスの分配が中心なのか PA アドレス LIR で集約した経路広告が可能 202.128.0.0/16 として経路広告 RIR/NIR PI アドレス ネットワーク単位で経路広告 経路集成 LIR 202.128.0.0/16 経路集成 133.22.0.0/24 ネットワーク 133.22.0.0/24 211.120.255.0/24 ネットワーク 211.120.0.0/24 ネットワーク 202.128.3.0/26 ネットワーク 202.128.1.0/25 Copyright 2011 Japan Network Information Center 54

IP アドレスの分配を受けたい場合 自社ネットワークのみで必要な場合 接続している IP 指定事業者から分配を受ける http://www.nic.ad.jp/ja/ip/member/cidr-block-list.txt マルチホームをしている場合 - JPNIC と特殊用途 PI アドレスの契約を締結し PI アドレスの割り当てを受ける 他の組織へのネットワークサービスを提供している場合 割り振り基準を満たせば JPNIC から割り振りを受けることが可能 分配済 IPアドレスの移転 IP 指定事業者 JPNICと契約締結済のPIアドレス割り当て先が対象 移転元 移転先両者合意のうえで移転申請をJPNICへ提出 JPNICは移転の調整 当事者間の合意条件には関与しない Copyright 2011 Japan Network Information Center 55

JPNIC から IP アドレスの分配を受けている組織 IP アドレス管理指定事業者 ( 約 400 組織 ) JPNIC から管理を委任されたアドレス空間からのネットワークへの分配 分配後のアドレスの管理 特殊用途 PI アドレスの割り当て先 ( 約 40 組織 ) マルチホーム接続などの技術的な要件を満たした組織 歴史的 PI アドレスの割り当て先 ( 約 1,300 組織 ) CIDR 導入以前にクラスフルな割り当てを受けた組織 JPNIC が管理している IP アドレスリスト http://www.nic.ad.jp/ja/ip/list.html Copyright 2011 Japan Network Information Center 56

分配後の IP アドレス 分配先情報の登録 アドレスの分配を行ったレジストリが分配先の情報を登録 WHOIS 正しい分配先 連絡先の登録情報を誰でも確認できる検索システム JPNIC の WHOIS のうち 英語の情報は APNIC にも転送し 世界中の人が参照している 番外編 :IRR (Internet Routing Registry) ルーティング情報を登録 検索できるデータベース ルーティングに利用するうえでは WHOIS と照らし合わせて正しい分配先の確認が大切 民間の RADB が主流だがレジストリでも運用しており JPNIC は JPIRR を運用 分配後の管理もアドレス管理の一部としてとても大切 通信における識別子としての一意性の管理に直結する Copyright 2011 Japan Network Information Center 57

分配後の IP アドレス エンドユーザ ネットワーク 割り当てアドレス 指定事業者 IP アドレス管理指定事業者 割り当て 割り振り 割り当て情報登録 JPNIC 割り振りアドレス 割り振り申請割JPNIC APNIC 在庫から DB JPNIC WHOIS *APNIC WHOIS とミラー 割り振り情報 PI 割り当て情報 =JPNICが登録 PA 割り当て情報 =IP 指定事業者が登録 り振りJPNIC Copyright 2011 Japan Network Information Center 58

分配された IP アドレスの WHOIS での確認 Network Information: [ ネットワーク情報 ] a. [IP ネットワークアドレス ] 211.120.248.0/22 b. [ ネットワーク名 ] JPNICNET f. [ 組織名 ] 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター g. [Organization] Japan Network Information Center m. [ 管理者連絡窓口 ] HH11825JP n. [ 技術連絡担当者 ] JP00000038 n. [ 技術連絡担当者 ] JP00000029 p. [ ネームサーバ ] [ 割当年月日 ] 2011/06/09 [ 返却年月日 ] [ 最終更新 ] 2011/06/09 19:44:04(JST) 上位情報 ---------- 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター (Japan Network Information Center) [ 割り振り ] 211.120.248.0/22 下位情報 ---------- 該当するデータがありません 割り当て情報 割り当てアドレス空間を含めた 割り振り情報 * クリックで詳細参照可能 Copyright 2011 Japan Network Information Center 59

インターネット通信における分配後のアドレス 211.120.248.35 を含むアドレスブロックはうちで運用してます ネットワークの かたまり の識別子として利用 ネットワークアドレス ( プレフィクス ) と AS 番号を組み合わせた接続情報を全インターネットへ告知 経路広告 AS2515 133.22.0.0/22 211.120.248.35 へパケットを送りたい AS64496 211.120.255.0/24 ルーティングテーブル ルーティングテーブル AS64499 133.61.0.0/16 ルーティングテーブル ルーティングテーブル AS64511 から到達できるよ AS64511 202.236.80.0/20 AS64502 211.120.248.0/22 ルーティングテーブル AS64502 につながってるよ ISP はお互いの経路情報を交換してルーティングテーブル ( 経路情報の表 ) に反映し パケット伝達のための最適な経路を判断 アドレスの正しい分配先を誰もが確認できることが大切 Copyright 2011 Japan Network Information Center 60

困っていることがあれば変えられる アドレスポリシーの策定は ボトムアップ オープン トランスペアレント が基本精神 アドレスポリシーの策定プロセスに参加すれば誰でも変更を提案できます RIR 単位でポリシーフォーラムを運営 参加者の コンセンサス に基づきポリシーへの反映を判断 ポリシー策定プロセス自体も提案して変更が可能 Copyright 2011 Japan Network Information Center 61

最近見直しが議論されたポリシー IPv4 アドレスの枯渇に向けた対応 最後の IPv4 アドレス在庫の分配方法 APNIC は /8 相当の在庫を残し 1 組織 /24~/22 に限定して分配 分配済 IPv4 アドレスの移転 本格的な移行を踏まえた IPv6 ポリシーの再考 長期的な需要にも対応する IPv6 アドレスポリシーの検討 10 年分や国単位でのアドレス空間の予約など 詳しくはこの後のセッションで Copyright 2011 Japan Network Information Center 62

アドレスポリシー策定への参加方法 RIR のポリシーフォーラム 提案は公募 提案への議論にも誰でも参加できる メーリングリストと年に 2 回カンファレンスを開催 国内のオープンポリシーフォーラム (JPOPF) はポリシー WG が運営 基本的な仕組みは APNIC と同じ 日本も APNIC 地域の一員として APNIC ポリシーに従うことが原則求められるため APNIC フォーラムと連携 ip-users メーリングリストに登録すると各種案内が送られます JPOPF http://venus.gr.jp/opf-jp/ Copyright 2011 Japan Network Information Center 63

ポリシーフォーラムの様子 APNIC フォーラムのチェア達 ( 左 3 名 ) 提案に対するコンセンサスの確認 @ APNIC31 ポリシー WG チェア藤崎氏 @JPOPM20 Copyright 2011 Japan Network Information Center 64

参考 :RIR ポリシーとグローバルポリシー ICANN RIR AfriNIC フォーラム APNIC フォーラム IANA グローバルポリシー ARIN フォーラム 全 RIR フォーラムのコンセンサス LANIC フォーラム RIPE フォーラム NIR LIR 各組織 AfriNIC ポリシー APNIC ポリシー ARIN ポリシー LACNIC ポリシー RIPE ポリシー Copyright 2011 Japan Network Information Center 65

参考 :RIR ポリシーとグローバルポリシー RIR ポリシー これまで紹介してきた RIR 単位で策定しているポリシー RIR ポリシーに基づき RIR は管理下の LIR( および NIR) へ分配を実施 事業者がアドレスを分配を受けるうえで直接影響あり グローバルポリシー IANA から RIR へのアドレス分配管理に関するポリシー 事業者への分配のうえで直接的な影響はない 全 RIR のポリシーフォーラムでのコンセンサスを経て ICANN 理事の承認が必要 ICANN の ASO( 各 RIR 地域から 3 名の代表者により構成 ) ICANN 理事へアドバイスを行う役割 Copyright 2011 Japan Network Information Center 66

参考 :ASO とグローバルポリシー ICANN 組織構成図 指名委員会 (NomCom) 理事会ガバナンス 理事会 (21 名 ) NomCom 選出 8 名 /GNSO 選出 2 名 /ccnso 選出 2 名 /ASO 選出 2 名 /At-Large 選出 1 名 + リエゾン 5 名 (GAC, SSAC, RSSAC, TLG, IETF より各 1 名 )+ 事務総長 監査委員会IANA 一般参加危機管理 執行 財務 構造改革 グローバルリレーションシップ 報酬 勧告 分野別ドメイン名支持組織 (GNSO) GNSO 評議会 契約者会議 非契約者会議 gtld のポリシーはここ 国コードドメイン名支持組織 (ccnso( ccnso) ccnso 評議会 cctld のポリシーはここ アドレス支持組織 (ASO) アドレス評議会 (NRO Number Council メンバーにより構成 ) IP アドレスのグローバルポリシーはここ ICANN 理事がグローバルポリシーを承認するうえでアドバイスを行う 各 RIR 地域から 3 名ずつ選出 Copyright 2011 Japan Network Information Center 67

まとめ Copyright 2011 Japan Network Information Center

まとめ インターネットの通信には ドメイン名 ( 人のための識別子 ) と IP アドレス ( 端末のための識別子 ) がそれぞれ必要 どちらも一意性が重要なのでレジストリが管理していることは共通 しかし 管理方針やその定義方法はそれぞれ異なる ドメイン名 ドメインによってレジストリが違うのでルールが違う gtld のルールは gnso で定義 cctlc のルールは原則として cctld 単位で定義 IP アドレス IP アドレスの管理は一意性も含めた 5 原則に基づき 利用者が アドレスポリシー と呼ばれる方針 基準を策定 インターネットレジストリは策定されたアドレスポリシーに基づいて分配管理を実施 アドレスポリシーを変えたければ ポリシーフォーラムに参加することで誰もが提案できる Copyright 2011 Japan Network Information Center 69

第 32 回 ICANN 報告会 日時 :11/29 ( 火 ) 13:00-17:00 会場 : 富士ソフトアキバプラザレセプションホール (5F) プログラム ICANNダカール会議概要報告 ccnso 関連報告 ICANN 政府諮問委員会 (GAC) 報告 ICANN At-Large 諮問委員会 (ALAC) メンバーからのメッセージ ( 録画 ) ICANNレジストラ部会の最新動向 ICANN 前理事長からのメッセージ ( 録画 ) The New gtlds: On the Edge of Innovation Copyright 2011 Japan Network Information Center 70

JPOPM21 日時 : 本日 (11/28) 13:00-17:00 会場 : 本セッションと同会場 富士ソフトアキバプラザセミナールーム 1(6F) プログラム IPv6 関連の提案 : IPv6 アドレスの割り振り基準の追加提案 IPv4 アドレスの移転関連の提案 : JPNIC の移転ポリシーにおける移転要件の変更 RIR 間のアドレス移転 移転時における IPv4 アドレスの利用確認の必須化 等 Copyright 2011 Japan Network Information Center 71

Q&A Copyright 2011 Japan Network Information Center 72