平成23年度

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Transcription:

スマートコミュニティを支える ICT 技術について 日本アイ ビー エム株式会社 第 1 章事業概要 日本アイ ビー エム株式会社 ( 以下 当社 ) では 2008 年に IT の活用により地球をより賢く スマートにしていく Smarter Planet( スマートな地球 ) というビジョンを掲げている これは 新しい時代の姿を描き出し IT の力で地球上の無駄や非効率 リスクをいかにして排除し より豊かな社会を実現するかという課題にチャレンジするものである そしてその中でも 都市における様々な課題を解決することを目指した Smarter Cities( スマートな都市 ) への取り組みを積極的に展開している その理由は 都市への人口の集中 エネルギー消費 CO2 排出の問題 社会インフラの老朽化 高齢化 交通渋滞など 都市には多様な問題が集約し 都市の問題を解決しない限り 地球規模での大きな問題を解決できないと考えたためである 図 1 Smarter Cities の主要な構成要素 Smarter Cities が実現する世界は 都市を構成する交通網 電力供給網などの物理インフラと センサーやネットワーク コンピュータなどのデジタルインフラが一体化した世界である 都市が抱える問題を解決してスマートにするためには 都市を構成するさまざまな要素を効率的に連携するようデザインすることが重要になってくる 次世代エネルギー 社会システム実証事業を通じて実現を目指すスマートコミュニティは まさに Smarter Cities を具体化し 実現する取り組みである たとえば スマートコミュニティの代表的な取り組みであるスマートハウスでは 宅内の家電製品やエネルギー機器 ( 太陽光発電や燃料電池等 ) や電気自動車をネットワークで接続し エネルギーの見える化を通じた省エネ意識の改善 ICT のサポートのもとで賢く機器を運転 制御すること等により エネルギーの効率的な利用が可能となる 更に スマートハウスは エネルギーに加えて 防犯 防災や健康 地域コミュニティなどのインターネットサービスへの展開により 需要家参加型コミュニティの拡大を目指している このように スマートコミュニティでは スマートハウスだけでなく スマートメータや ス - 1 -

マートなビルディング スマートな交通 スマートな工場など 多くのシステムが接続され これらシステムのデータをもとに 地域エネルギーマネジメントシステムや 多様なインターネットサービスが接続されることで ますますその価値を増大していくと考えられている しかし やビルに設置される機器や設備から エネルギーマネジメントを行うシステム 多様なサービスまでを 1 社単独で展開することは難しいと考えられる そのため スマートコミュニティを支える ICT には 役割分担型での新しいサービスやビジネス展開を支援することが求められている インテリジェント INTELLIGENT 相互接続 INTERCONNECTED Intelligent ダッシュボードビジネス連携統合管理分析 & 最適化 Interconnected 統合資産 & エネルギー管理オンサイト & 遠隔操作管理外システムとの連携データセンターのエネルギー管理 機能化 INSTRUMENTED Instrumented 空調 照明 消防 安全管理 電気 動 センサー セキュリティ 退館 エレベータ 電 ガスの検針 太陽光発電 燃料電池 蓄電池 図 2 Smarter Cities の基本システム構造 当社では Smarter Cities を実現する ICT インフラの基本構造を 状況を把握し データを集めて 最適化するという基本構造のもと 機能化 (Instrumented) 相互接続 (Interconnected) インテリジェント (Intelligent) という 3 つの階層で定義しており スマートコミュニティを支える ICT 基盤の実現に向けて 北九州スマートコミュニティ創造事業を通じ 当社では以下 2 点のテーマに取り組んでいる 1 機能化 相互接続の観点で スマートコミュニティを構成する機器を相互接続し 大量のデータを管理する の実現 2 インテリジェントの観点で スマートコミュニティを構成する大量の機器を効率的に管理するための 蓄電池等分散アセット管理システム の実現 スマートメータ スマートメータ ( 低圧 ) コンセントレータ CEMS iphone 向けスマートメータ える化システム スマートメータ ( 圧 ) Middleware 仕様 / 構成管理 設置 / 点検作業管理 計測情報管理 ビル 商業施設 場など BEMS 充電インフラ MQTT による相互接続 データ収集 規模データ集積 データ加 提供 状態管理 トレーサビリティ管理 地図情報 蓄電池等分散アセット管理システム 図 3 スマートコミュニティを支える情報基盤 - 2 -

第 2 章スマートコミュニティを構成する機器を相互接続し 大量のデータを管理する は 多様なシステムや機器を統一的な手法で接続 機能化 し 多様なシステムや機器のデータを統一的な形式で蓄積し サービス事業者へ提供する機能を提供する 相互接続 ことで スマートコミュニティの実現に向けて 役割分担型の取り組みの促進を目指すものである (1) 多様なシステムや機器を統一的な手法で接続 や BEMS などの多様なシステムや機器を 多様なネットワーク環境において統一的な通信手法で接続し 機器からのデータ収集や機器に対する指示や制御を可能とする (2) 多様なシステムや機器の大量データを統一的な形式で蓄積し サービス事業者へ提供 や BEMS などの多様なシステムや機器から収集したデータを統一のデータ形式に変換し 見える化に代表される多様なアプリケーションに対して共通の手法で提供することで 多様なアプリケーション間の連携を迅速に実現する IOC ( Intelligent Operation Center) 今後展開予定 インテリジェント Intelligent CEMS 地域エネルギーマネジメントシステム iphone 向けスマートメータ える化システム 蓄電池アセット管理システム 活者向け各種システム 相互接続 Interconnected 履歴データ 量蓄積データ ESB (Enterptise Serivce Bus) MQTT (MQ Telemetry Transport) リアルタイムイベントデータ 機能化 Instrumented スマートメータ MQTT BEMS MQTT MQTT 充電インフラ MQTT 電 設備 ビル 場 交通 図 4 におけるシステム 機器間の接続には メッセージ型の通信をおこなう MQTT (MQ Telemetry Transport) プロトコルを採用した MQTT により 各システムは送受信する電文内容に注力すればよく 接続先やネットワーク環境の差異を考慮する必要がなくなる また 実装が軽量かつ狭い帯域幅でも通信が可能なため スマートメータや BEMS における電力消費と通信量を最小限に抑えることが可能となる MQTT は と伊 Eurotech Group が共同で仕様を策定したプロトコルで その仕様はオープンかつロイヤリティフリーで公開されている また センサーや設備など機器同士をネットワークで接続し高度な制御をおこなう M2M( マシン ツー マシン ) の領域での標準メッセージングプロトコルとしての普及をめざして MQTT プロトコルを実装したソフトウェアを Eclipse に寄贈しオープンソースとして公開しており Facebook Messenger にも採用されているプロトコルである - 3 -

ュティ情報統合基盤第 3 章スマートコミュニティを構成する大量の機器を効率的に管理するための 蓄電池等分散アセット管理システム スマートコミュニティには 蓄電池や太陽光パネルといった様々な機器から構成され 様々な機器メーカーや CEMS 運営業者等の関連事業者が開発 運営に参入することが予想されている 蓄電池等分散アセット管理システム は 様々な関連事業者が運営に関わるスマートコミュニティの特徴を踏まえ 様々な事業者が連携して スマートコミュニティを効率的に運営していくために 統一的に現状把握 計画立案を行い それをユーザーごとや機器ごと あるいは利用形態ごと等 様々な視点で管理することを可能とする 様々な構成機器 様々な関連事業者 A 社製 NAS 電池 B 社製太陽光パネル C 社製燃料電池 D 社製 統 的なアセット管理 地域 EMS 保守 整備蓄電池公共機関 運営業者 業者 メーカー オープンで利 性の いシステムに 様々な視点での管理 ユーザー別機器別利 形態別 視点別の計画 蓄電池等分散アセット管理システム統 的な機器情報管理 ( 配置 稼動状況 充電容量 SOC など ) 属性管理 ( ユーザー 所属コミュニティ 利 形態など ) 蓄電池情報 蓄電池配置計画 予測 最適化アプリケーション 視点別のレポート 機器の異常検出 診断 ( 異常と程度の把握 原因推定など ) 配置 メンテナンス計画 ( スケジューリング リソース確保など ) 連携機能 その他システム 図 5 蓄電池等分散アセット管理システム 本システムでは スマートコミュニティを構成する各機器の構成情報および 履歴情報を蓄積することで CEMS の保守運営事業者が 24 時間遠隔監視と障害対応を行う利用シーンを想定している 機器の仕様 構成情報 点検 保守履歴情報をもとに その動作状況を定常的に監視し 地図情報と連携して 異常が発生した際には 作業員の手配 部品の在庫 発注管理などをおこなうととともに作業員が機器の点検 保守履歴情報を記録する等の保守作業を支援する 計測情報障害アラート 仕様 / 構成管理 蓄電池等分散アセット管理システム 設置 / 点検作業管理 計測情報管理 状態管理 トレーサビリティ管理 顧客管理 24 時間監視状況確認お客様確認契約確認スヘルプデスク 障害対応 マートコミ地図情報 保守運営事業者 状況確認設置場所確認 技術員作業指 1 次対応 技術員アサイン パーツ 配 図 6 想定する利用シーン 本システムは 当社のアセット管理を実現する汎用パッケージである Maximo の活用により 多様な機器の構成や管理要件に応じて 新たな開発を伴うことなくパッケージのカスタマイズにより対応が可能である - 4 -

ータ系EMS系 地域広告メスマートコミュニティ統合ネットワーMQTTによる相互接続共安全デバイス汎 双 向通信公ネット第 4 章さいごに 当社では スマートコミュニティを実現するためには 消費者 企業 自治体 コミュニティによる参加型取組みを実現する情報インフラが必要であるとの考え方のもと 平成 23 年度から と 蓄電池等分散アセット管理システム からなるスマートコミュニティを支える共通 ICT インフラの実現に取り組んできた 平成 24 年度からの地域実証を通じて により 低炭素社会の実現に大きく貢献する 太陽光発電 燃料電池 蓄電池などのエネルギー関連機器 電気自動車 エコ家電およびエコ設備などの我が国が持つ非常に競争力の高い技術や製品群を IT を活用して効率的に組み合わせることで 新しい社会システムの実現に大きく貢献していきます また 蓄電池等分散アセット管理システム については 蓄電池だけでなく 多くの事業者により分散設置 分散運用されるスマートコミュニティを構成する大量の機器を効率的に管理できるようにすることで 多様な事業者の連携により運営されるスマートコミュニティの運用効率 運用稼働率の向上に貢献していきます 電 ガス 道 クガス エネルギー & ユーティリティ スマートメータ デマンドレスポンス CEMS BEMS ビル 商業施設 BEMS 発電 蓄電設備 系系電 制御インターData Transformation Middleware Publish Subscribe データ収集 / 蓄積 SP 向けデータ加 提供 公共 安全 インテリジェントオペレーションセンター 地域防災無線 通報 情報提供 ( 天候 放射線 花粉 警報 注意報 ) 安否確認 避難情報提供 暮らし 活 宅内 CO2 える化 省エネアドバイス 地域 SNS 蓄電池等アセット管理システム 交通 交通情報管理 EV 充電 - 5 -