コンフィギュレーション レジスタの設定変更

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CHAPTER 7 コンフィギュレーションレジスタの概要 コンフィギュレーションレジスタ (confreg) の変更 コンフィギュレーションレジスタの設定の表示 コンフィギュレーションレジスタの概要 Cisco CSR 1000V では NVRAM の 16 ビットコンフィギュレーションレジスタがあります 各ビットの値は 1( オンすなわち設定 ) または 0( オフすなわち解除 ) です 各ビットの設定が次回リロードまたはオフ / オン時のルータ動作を左右します Cisco CSR 1000V では 他のシスコルータの ROMmon オプションと対比されるコンフィギュレーションレジスタオプションのサブセットをサポートしています コンフィギュレーションレジスタを使用すると 次の作業を行うことができます ルータで GRUB( ブートストラッププログラム ) を強制的に起動させる ブートソースおよびデフォルトのブートファイル名を選択する 忘れたパスワードを回復する表 1 に コンフィギュレーションレジスタの各ビットについての説明を示します 表 1 コンフィギュレーションレジスタビットの説明 ビット 番号 16 進数 意味 00 ~ 03 0x0000 ~ 0x000F ブートフィールド ブートフィールドの設定によって ルータがオペレーティングシステムをロードするかどうか どこからシステムイメージを取得するかが決まります 詳細については 表 2 を参照してください 06 0x0040 システムソフトウェアに NVRAM の内容を無視させます これは パ スワード回復に使用できます 7-1

コンフィギュレーションレジスタ (confreg) の変更 表 2 にブートフィールドについての説明を示します ブートフィールドは コンフィギュレーションレジスタの下位 4 ビット ( ビット 3 2 1 および 0) です ブートフィールドの設定によって ルータがオペレーティングシステムをロードするかどうかが決まります 表 2 コンフィギュレーションレジスタのブートフィールドビットの説明 ブートフィールド ( ビット 3 2 1 0) 意味 0000 (0x0) 0001 ~ 1111 (0x01 0x0F) 次回の電源再投入またはリロード時に ルータは GRUB( ブートストラッププログラム ) を起動します GRUB モードでは boot コマンドを使用して システムイメージまたはその他のイメージを手動でブートする必要があります 次回のオフ / オン時またはリロード時に ルータはシステムが正常に起動するまで コンフィギュレーションファイルに指定されているグローバルコンフィギュレーションモードの各 boot system コマンドを順番に処理します boot system コマンドがコンフィギュレーションファイルに指定されていない場合 またはコマンドの実行がすべて失敗した場合 ルータはフラッシュメモリの最初のイメージファイルを起動しようとします ( 注 ) ルータのブート時に自動的に GRUB モードになるように Cisco CSR 1000V を設定するには 0x000 設定を使用します コンフィギュレーションレジスタ (confreg) の変更 ここでは confreg GRUB コマンドを使用して コンフィギュレーションレジスタを変更する方法について説明します このコマンドは 他のシスコ製ハードウェアルータの confreg ROMmon コマンドに似ています Cisco CSR 1000V には ROMmon モードが含まれていないため 同様の機能は GRUB コマンドモードで処理されます グローバルコンフィギュレーションモードで config-register コマンドを使用して Cisco IOS CLI からコンフィギュレーションレジスタの設定を変更することもできます ( 注 ) 変更したコンフィギュレーションレジスタ値は NVRAM に自動的に書き込まれますが 新しい値が有効になるのは ルータをリセットまたはオフ / オンしてからです ステップ 1 コマンドまたはアクション confreg [value] 例 : grub > confreg 0x2102 目的 GRUB コマンドモードでコンフィギュレーションレジスタの設定値を変更します 任意で コンフィギュレーションレジスタに対応する新しい 16 進値を入力します 値の範囲は 0x0 ~ 0xFFFF です 値を入力しなかった場合 16 ビットのコンフィギュレーションレジスタの各ビットについて 入力が求められます 7-2

コンフィギュレーションレジスタ (confreg) の変更 次に コンフィギュレーションレジスタの使用例を示します GNU GRUB version 0.97 (638K lower / 3143616K upper memory) [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible completions of a device/filename. ESC at any time exits to menu. ] grub> help [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible completions of a device/filename. ESC at any time exits to menu. ] confreg [VALUE] help [--all] [PATTERN...] (Virtual Configuration Register: 0x0) boot: the boot loader (Virtual Configuration Register: 0x0) boot: the boot loader ignore system config info? y/n [n]: automatically boot default system image? y/n [n]: Configuration Register: 0x0 (Virtual Configuration Register: 0x0) boot: the boot loader ignore system config info? y/n [n]: automatically boot default system image? y/n [n]: Configuration Register: 0x42 0x2102 Configuration Register: 0x2102 (Virtual Configuration Register: 0x2102) boot: default image grub> grub> 7-3

GNU GRUB version 0.97 (638K lower / 3143616K upper memory) ------------------------------------------------------------------- 0: CSR1000v - packages.conf 1: CSR1000v - csr100v-packages-adventerprisek9 2: CSR1000v - GOLDEN IMAGE ------------------------------------------------------------------- Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, or 'c' for a command-line. Highlighted entry is 0: Booting 'CSR1000v - packages.conf' root (hd0,0) Filesystem type is ext2fs, partition type 0x83 kernel /packages.conf rw root=/dev/ram console=ttys1,9600 max_loop=64 HARDWARE= virtual SR_BOOT=harddisk:packages.conf Calculating SHA-1 hash...done SHA-1 hash: calculated 817e1716:e8e62778:7dd0b806:32db2bdd:13e51407 expected 817e1716:e8e62778:7dd0b806:32db2bdd:13e51407 package header rev 1 structure detected Calculating SHA-1 hash...done SHA-1 hash: calculated d4eaba99:34cbda63:26151233:9d0e9aa4:9c625302 expected d4eaba99:34cbda63:26151233:9d0e9aa4:9c625302 Package type:0x7531, flags:0x0 [Linux-bzImage, setup=0x2e00, size=0x2c18c00] [isord @ 0x7e6d0000, 0x191f000 bytes] コンフィギュレーションレジスタの設定値は GRUB からでも Cisco IOS XE CLI からでも変更できます ここでは Cisco IOS XE CLI からコンフィギュレーションレジスタの設定値を変更する方法について説明します Cisco IOS XE CLI からコンフィギュレーションレジスタの設定値を変更する手順は 次のとおりです ステップ 1 ステップ 2 ステップ 3 ステップ 4 ルータの電源を投入します 初期ダイアログを開始するかどうか尋ねられるので no と応答します Would you like to enter the initial dialog? [yes]: no 数秒後にユーザ EXEC プロンプト (Router>) が表示されます enable を入力して特権 EXEC モードを開始し プロンプトにパスワードを入力します Router> enable Password: password Router# グローバルコンフィギュレーションモードを開始します Router# configure terminal Enter configuration commands, one per line. 7-4

コンフィギュレーションレジスタの設定の表示 Edit with DELETE, CTRL/W, and CTRL/U; end with CTRL/Z ステップ 5 ステップ 6 ステップ 7 コンフィギュレーションレジスタの設定値を変更するには config-register value コマンドを入力します value は 0x を前に加えた 16 進数です Router(config)# config-register 0xvalue グローバルコンフィギュレーションモードを終了します Router(config)# end Router# 変更した設定を NVRAM に保存します Router# copy running-config startup-config 新しいコンフィギュレーションレジスタの設定値が NVRAM に保存されても 有効になるのは次回のルータリロード時またはオフ / オン時です コンフィギュレーションレジスタの設定の表示 現在有効なコンフィギュレーションレジスタの設定値および次回のルータリロード時に使用される設定値を表示するには 特権 EXEC モードで show version コマンドを入力します コンフィギュレーションレジスタの設定値は show version コマンド出力の最終行に示されます Configuration register is 0x142 (will be 0x142 at next reload) 7-5

コンフィギュレーションレジスタの設定の表示 7-6