1 平成 28 年度 IoT 推進のための社会システム推進事業 既存の工場を スマート工場化 する実証事業 成果報告 2017 年 5 月 30 日 株式会社ジェイテクト
取り組み全体概要 2 ( フロアマネジメント ) E 社製ロボット F 社製ロボット G 社製ロボット H 社製ロボット A 社製 PLC B 社製 CNC C 社製 PLC D 社製 CNC 図 1 全体概要 取組み 1 : 設備をつなげる取組み 23: 人をつなげる ( テ ハ イス フロアマネシ メント ) 人 ( デバイス機器 )
取組み 1 設備をつなげる 3 取組み 3 ( フロアマネジメント ) 取組み 1 各種ネットワーク対応ロボット内蔵 (PCI バス対応 ) つながる PLC 情報系ネットワーク ソフトウェア構造 PLC 機能を持った G/W 上位インターフェースと下位インターフェースを標準化 既存の設備にアドオン コントローラネットワーク つながる PLC つながる PLC つながる PLC E 社製ロボット F 社製ロボット G 社製ロボット H 社製ロボット A 社製 PLC B 社製 CNC A ライン C 社製 PLC D 社製 CNC B ライン 取組み 2 図 1-1 取組み 1 概要 人 ( デバイス機器 )
取組み 1-1 PLC とロボットをつなげる 4 1) 目的 複雑なロボット側回路を必要としない 高速で複数のデータを送受信する仕組みを構築し データを上位にあげて生産の 効率化などを可能とする 2) 取組み内容 ジェイテクト製 PLC(TOYOPUC(*)) と 安川電機製ロボットをつなぐ仕組みを開発 ロボットのデータ ( 速度 トルクなど ) を PLCが収集可能とする TOYOPUC 通信仕様の開発 図 1-2 PLC とロボット ロボット (*)TOYOPUC は当社の登録商標です
取組み 1-1 PLC とロボットをつなげる ( 想定システム ) 5 TOYOPUC TOYOP UC 各設備への動作指令 GC70 TOYOPUC 工作機械 2 サーボと搬入出情報の記録 Hub AAA2 走行台車 GC70 TOYOPUC 工作機械 1 ロボット 複数の工作機械にワークを搬送するロボットシステムを想定 Hub サーボ情報の記録 既存の設備に追加 AAA1 Hub 上位サーバ 情報系ネットワーク データを上位に上げて活用 搬出 搬入 ロボットと走行台車を制御 図 1-3 想定システム ロボットコントローラ Hub ロボット情報 Plus 開発した通信仕様を利用 AAA3 ロボット情報の記録 サイクルモニタ
取組み 1-1 PLC とロボットをつなげる ( 実証システム ) 6 モータラックやシミュレータを使用して実証評価 上位サーバ サイクルモニタ ロボットシミュレータロボットと走行台車の動作表示 VMS 工作機械シミュレータ設備の動作表示 ロボットコントローラ ロボット情報 TOYOPUC AAA 工作機械 他設備用 Plus AAA ロボット用 モータラック実物のロボット 走行台車は使用せず モータのみを回転させる 図 1-4 実証システム写真
取組み 1-1 PLC とロボットをつなげる ( サイクルモニタ ) 7 システム内設備の状況を一度に把握可能 情報の共有可能 改善するべき点を抽出可能 ガントバー ロボットの動作情報 収集データのグラフ ロボットの速度アップが可能 走行台車の動作情報 走行台車の速度は限界 工作機械 1 の動作情報 この間を短縮する必要あり 工作機械 2 の動作情報 図 1-5 サイクルモニタ 待ち時間 正味時間
取組み 1-2 PLC とロボットをつなげる ( 画面分割 ) 8 画面分割で前後を比較 サイクルタイム変化の明確化 変更前 ロボットの速度を上げて短縮 変更後 サイクルタイム短縮を確認 図 1-6 画面分割
取組み 1-1 PLC とロボットをつなげる 9 3) 成果 PLC とロボット 設備をつなぐことで これまでは棄てられて しまっていたキメ細かい情報を集める事ができる これを使い生産性向上につながる正味率の見える化が可能となった 秒単位のサイクル短縮で成果を得ることが期待できる様な 量産での活用を期待できると考える 4) 課題 今回の通信仕様は安川電機製ロボットとの専用である 他のメーカー製の場合は同様の対応を行う必要がある 今後は ORiN などの標準的な物への対応を検討していく
取組み 1-2 OPC-UA 10 1) 目的 PLC 層より上位 (ERP,MES) への通信はIndustrie4.0において OPC-UAの採用を決定しているので 今後デファクトスタンダードとなることが予想される ERP そこで次世代 PLCとしてOPC-UA 対応を実施する ERP( 基幹系情報システム ) MES( 製造実行システム ) OPC-UA サーバ機能を開発 1 要求 MES 2 応答 2) 取組み内容 TOYOPUC-Nano 図 1-7 全体像 ジェイテクト製次世代 PLC TOYOPUC-Nano の通信モジュールに OPC-UA サーバ機能を開発 OPC-UA クライアント ( 上位層の ERP MES 及び対応装置等 ) との連携を可能とする
取組み 1-2 OPC-UA 11 3) 成果 デファクトスタンダードの通信規格となりうる OPC-UA の対応により 上位層 (ERP MES) へのインターフェースを担うことが可能となった 現状ではサーバとクライアントとの 1 対 1 の通信に対応した PLC の活用範囲が広がり要求される情報を容易に入手できることが期待できる
取組み 1-2 OPC-UA 12 4) 課題 OPC 協会から開示されている標準部分だけでは スムーズに開発を進めることができず 調査時間に多大な時間を要した 一般的にも情報が少ない スタックに関する開示がなく ソース解析を必要とした サンプルソースコードの不具合が多い等 標準化の際 巧妙にクローズド領域が埋め込まれている 標準化で出遅れると同様の構図となることが懸念される
取組み 23 人をつなげる 13 ( フロアマネジメント ) 取組み 1 各種ネットワーク対応ロボット内蔵 (PCI バス対応 ) つながる PLC 取組み3 情報系ネットワーク ソフトウェア構造 PLC 機能を持った G/W 上位インターフェースと下位インターフェースを標準化 既存の設備にアドオン コントローラネットワーク つながる PLC つながる PLC つながる PLC E 社製ロボット F 社製ロボット G 社製ロボット H 社製ロボット A ライン A 社製 C 社製 PLC B 社製 CNC PLC D 社製 CNC B ライン 取組み 2 図 2-1 取組み 23 概要 人 ( デバイス機器 )
取組み 23 全体システムイメージ 14 管理者が入力 MC1 MC2 MC3 MC4 MC5 MC6 MC7 MC8 生産管理サーバー 生産計画 月 日 プラットフォーム アプリケーション 作業工数 スキル更新ロジック スキルマップ DB 作業者設備品番 Lv 工程スケジューラ 能力データベース スキル更新 Aさん 設備 X 品番 A 2 品番 B 3 スキルデータ 能力 DB 設備 Y 品番 B 2 品番 C 4 人への作業指示 指示ツール 能力測定ツール 作業指示 見える化 アプリ 作業工数 図 2-2 取組み 23 システム 工程明細情報 工程情報
取組み 2 人をつなげる ( デバイス ) 15 1-1) 目的 ( 指示ツール ) ウェアラブル端末に 作業指示 と作業の 開始 / 中断 / 完了 を 表示/ 入力 することによって作業者の 移動のムダ を軽減する 1-2) 取組み内容 ( 指示ツール ) 従来型本システム 指示ツール 定位置に移動し次の作業を確認 定位置に移動し作業の 開始 / 中断 / 完了 を押下 開始 完了 中断要領 予備予備 ウェアラブル端末に表示 作業指示の表示 図 2-3 指示ツール 開始 / 中断 / 完了 の表示 * 例として 中断 を表示
取組み 2 人をつなげる ( デバイス ) 16 2-1) 目的 ( 能力測定ツール ) エリアセンサ及び積層信号灯の情報や指示ツールの開始 / 中断 / 完了の情報をもとに作業工数を算出する 発信器を携帯 エリアセンサ 受信機を装着 2-2) 取組み内容 ( 能力測定ツール ) 指示ツール 積層信号灯 エリアセンサ作業指示中断赤 ( 異常 ) 黄 ( 停止 ) 緑 ( 自動 ) ON ( 開始押下 ) ON ( エリア IN) ON ( 中断押下 ) 段取中 作業指示中 中断中 作業エリア内 OFF ( 再開押下 ) ON ( 自動運転開始 ) OFF ( 完了押下 ) OFF ( 段取り完了 ) 自動運転中 OFF ( エリア OUT) 作業工数 図 2-4 能力測定ツール 作業工数
取組み 2 人をつなげる ( デバイス ) 17 3) 成果 ( 能力測定ツール ) ジェイテクト刈谷工場で実証実験を実施し エリアセンサを用いて自動で作業時間を取得することが出来た 0:08:38 自動取得データ 作業時間 エリアセンサ取得データ 0:07:12 0:05:46 0:04:19 送信機 受信機 0:02:53 0:01:26 0:00:00 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 61 回数 図 2-5 能力測定ツール自動取得データ 図 2-6 エリアセンサ設置写真
取組み 2 人をつなげる ( デバイス ) 18 4) 課題 ( 能力測定ツール ) エリア内に作業者が居るのに検出できない時がある 作業者の姿勢によっては電波が届かない エリア内で複数作業を行った場合 作業時間が合算される 標準作業単位の見直し必要 エリアセンサが作業者の移動に反応してノイズデータとなることがある 他のセンシングとのハイブリッド等 今後検討が必要
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 19 1) 目的 取組み 2 で得られる人と設備の情報連携を行い その時 そのスキルにあった人の作業を指示 管理するフロアマネジメントに活用し 人と設備の協働コミュニケーションが確保された生産システムの実現を目指す 2) 取組み内容 作業者の作業時間を蓄積した能力データベースを基に自動的に作業者のスキルを更新する スキル更新ロジック その作業者のスキルにあった作業をスケジューリングできる 工程スケジューラ そして 稼働実績 作業スキル 作業の予実 設備状態 作業者の配置 を見える化した 見える化 アプリを開発した
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 20 工程スケジューラ 作業者のスキルを考慮した最適なスケジューリングが可能 上段 : 設備下段 : 作業者上段下段で 1 セット 汎用機では人と設備の作業時間は同じ 自動機では設備が自動運転中は人をスケジューリングしない 図 3-1 工程スケジューラ
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 21 見える化 アプリ 各作業者の作業時間の積み上げを 年 月 週 日 単位で見ることができる 図 3-2 人別可動実績確認 作業時間の積み上げ 作業者 品番 工程単位で作業レベルを見ることができる 作業レベルを星取表で表現 図 3-3 スキルマップ
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 22 標準工数を 予定 実作業時間を 実績 としてチャート表示することで視覚的に作業の進捗と予実の乖離を確認することができる 上段 : 予定下段 : 実績緑バー : 予定内に完了赤バー : 予定オーバー橙バー : 作業中 図 3-4 予実参照 設備付近にいる作業者の居場所を特定し地図上に表示することができる 作業者がどの設備で作業をしているかがわかる 設備の状態がわかる緑 : 自動運転中黄 : 段取り中赤 : 異常発生 図 3-5 人員配置図
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 23 スキル更新ロジック 標準工数に対してレベルに応じたスキル係数を乗じた値をレベル別標準工数と定義しスキルマップ更新の判断基準とする 図 3-6 スキル係数 レベルは 0~4 まで Lv0: 何もできない Lv1: 人に教えてもらえばできる Lv2: 一人でできる Lv3: 安定的にできる Lv4: 人を教えられる 作業実績 図 3-7 スキル評価範囲
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 24 3) 成果 自動的且つ定量的にスキル評価が可能 自動更新作業データ評価 更新能力 DB スキル更新ロジック Lv0 Lv1 Lv2 図 3-8 自動スキル更新 人のスキルを加味した最も生産性が良いスケジューリングが可能 2 つの作業に対してスキルを考慮しスケジューリングした結果 作業可能な人物が 1 人しかいないため 2 つの作業を 1 人で対応することとなる 図 3-9 スキル更新前のスケジューリング結果 スキル更新でレベルが上がったことにより 2 つの作業を 2 人で対応可能になった その結果 作業完了時間が 30 分短縮できた 図 3-10 スキル更新後のスケジューリング結果
取組み 3 人をつなげる ( フロアマネジメント ) 25 4) 課題 実作業では設備の多台持ち 特急品 ワークの熱変異等の様々な状況を考慮したスケジューリングが必要 作業時間のばらつきや品質等も考慮した能力評価が必要 現状は 見える化 しただけ 見える化 した情報から得られる閃きや気づきは人のセンスに頼っている 作業の標準化 が成されていることが前提でシステムを構築しているので 他社に展開する場合には これが成されていないと導入することが難しい