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2. ユネスコ世界ジオパークの運営と変遷 (1) 運営主体ジオパークはユネスコ国際地質科学ジオパーク計画 (IGGP) の中の 1 プログラムという位置付けである 認定されると 4 年に一度の再認定審査が必須であり より高みを目指した恒常的な活動が求められる ユネスコ世界ジオパークネットワーク (GGN) 事務局が運営を行い 意思決定はユネスコ世界ジオパークカウンシルによって行われる カウンシルメンバーの専門性は 構成員のうち 88% が地質学を中心とする地球科学分野であった (2) 成立の経緯 ( 図 1) ジオパークのユネスコ公式事業化までの経緯は 関与する組織の活動から大きく 4 段階に区分された (ⅰ) ジオパーク萌芽期 (1998 年まで ) ユネスコでは IUGS( 国際地質学連盟 ) との共同による国際地質科学プログラム (IGCP) が始まり 地質学者とユネスコの関わりが生まれた この頃 ヨーロッパを中心に地質遺産を保護保全する重要性の機運が高まり 現在のジオパークの礎となる概念が成立した (ⅱ) ジオパーク誕生期 (1998 年 2004 年 ) 地質遺産の保護とジオツーリズムを通して地域経済の活性化を目指すヨーロッパジオパークネットワーク (EGN) が地質学者によって設立され 現在のジオパークの構想ができた 同じ頃 ユネスコでは 地質遺産の保護 保全 を目的としたジオパークプログラム化の議論が始まったが 世界遺産およびエコパークプログラムとの区分が不明瞭 予算確保が難しいといった理由から断念され 以降は地質遺産に IUGS 図 1. 国際社会におけるジオパークの動向 関するプログラムは加盟国に単発的な支援を行なっていくに止まることが決められた (ⅲ) ジオパーク活動乱立期 (2004 2011 年 ) EGN はユネスコと協力関係を結んで GGN となり ジオパークに関する活動は活発になった EGN の活動の影響を受け IUGS 国際地理学連合 (IGU) ProGEO 国際自然保護連盟 (IUCN) といった多くの組織が それぞれの理念を掲げながらジオパークや地質遺産保護の活動を始めた 各組織は独自に活動を行いながら 各組織を結びつける人物らの活動を通して少しずつネットワークを拡大していった ユネスコと IUGS は IGCP の枠組みのもとで 地球と関係するさまざまな社会的課題を考えることを目的とした 2007 年から 2009 年までを対象とする 3 年間のプログラムである 国際地球惑星年 (IYPE) の企画を始めた ユネスコの深刻な財政難を受け IYEP に GGN をはじめとする外部組織の活動を組み込むことで企画が実施された これは 各組織が独自に行っていたジオパークに関わるプロジェクトが 1 つに集約し始める大きな契機となった (ⅳ) ジオパーク集約期 (2011 年 2015 年 ) IYPE を契機に ユネスコ執行委員会ではジオパークの公式事業化が検討され始めた また 関連組織も GGN の支援を行うようになり ジオパークの活動は GGN を中心として 1 つにまとまっていった この GGN の活動が IGCP に吸収される形で 2015 年に IGCP とユネスコ世界ジオパークプログラムからなる IGGP が誕生し ユネスコの公式事業となり 世界遺産およびエコパークと共に 持続可能な開発 を目標として共有することとなった また 地域住民には 持続可能な開発の元でジオパークの計画 保全 利用の各段階に関わることが期待されるようになった (3) 小結地質学者が中心となって立ち上げた EGN が ユネスコとの連携によって GGN となり ネットワークを拡大してジオパーク活動が活発になった 多くの組織がジオパークに関する活動を行う 活動乱立期 続く 集約期 を経て ジオパークの理念に各組織のねらいが反映されていく ジオパーク理念の拡大 ともいえる現象が生じていた ジオパークがユネスコの公式事業となったことで 世界遺産やエコパークと 33

いった制度との連携が模索され 持続可能な開発 という共通の目標が設定された こうして 当初の 地質遺産の保護 保全 というジオパークの目的に 地域住民による活用が加わり その後現在の地域の資産を包括的に扱うという全体的な理念へと変化していったと考えられる この間に 地域住民は持続可能な開発の元でジオパークの計画 保全 利用の各段階に関わることが期待されるようになったが ジオツーリズム以外の具体的な関わり方は提示されていなかった ジオパークは地質学者の立ち上げた組織が母体であること さらに元来地球科学を活動の中心とした IGCP に組み込まれたことで 評価メンバーが地球科学の専門家に偏る状況であることが明らかになった 地質遺産に限定しない包括的な地域資産の活用が住民活動にも求められる一方で 実際の活動に対して地質的な評価に偏重する可能性が示唆された 3. 日本ジオパークの運営と変遷 (1) 運営主体日本ジオパークは 審査 認定に関する意思決定組織である日本ジオパーク委員会 (JGC) と 広報 普及 企画を行う日本ジオパークネットワーク (JGN) の 2 つの組織の活動からなる JGC に推薦された日本ジオパークのみが世界ジオパークになるための申請を提出することができる JGC は委員会の専門性が地球科学に偏っているといった課題を受けて 2018 年に組織の再編成を行なったものの 依然として地質学を中心とする地球科学の専門家の割合が高かった 特に現地審査を担当するジオパーク委員会調査部会は 78% が地質学を中心とする地球科学分野の専門家であった また GGN の申請書と比べると JGN の申請書では 文化 自然 無形遺産を独立して評価する項目がなく ジオサイトリスト の一覧 サイトの地質解説資料 等の提出が求められ 地質的要素を重視する内容となっていた (2) 成立の経緯日本におけるジオパークの成立経緯は 関与する組織から大きく 3 段階に区分された (ⅰ) 日本ジオパーク誕生期 (2004 年 2006 年 ) 日本では地質学者らの草の根活動によって 2004 年に地質学会を中心とするジオパーク設立推進委員会が設立された 地質学会を中心とする学会長の働きかけで 事務局は独立行政法人産業総合研究所 (GSJ) に置かれることとなった (ⅱ) 日本ジオパーク拡大期 (2006 年 2015 年 ) 2006 年までには 地域住民ではなく自治体主導でジオパーク活動を推進していくという我が国独特の方針が地質学者を中心に決められた ジオパーク設立委員会が国内外に活動を拡大する中で 2008 年に JGC と JGN が生まれた 室戸を含む 9 の日本ジオパークが認定され 続いて国内初となる世界ジオパークも誕生した (ⅲ) 日本ジオパーク委員会再編成期 (2015 年 ) 2015 年 総務省の予算停止を受け GSJ でのジオパーク業務が停止した これにより JGC と JGN の事務局が統合され NPO として独自に活動をすることになった 事務局の役割の肥大化や JGC メンバーの専門分野が地球科学に偏重していること等の課題を受けて 前述の通り JGC の再編成が行われた (3) 小結日本のジオパークが独特の特徴を持つ要因として 国際社会におけるジオパーク活動乱立期に 日本ジオパークの誕生 拡大期が該当しており ( 図 2) ジオパークが国際的に 1 つの制度に収斂されていない状況で 地質学者を中心として日本におけるジオパークの活動が展開されていったことが考えられる この結果 日本では地域住民によるボトムアップ方式のジオパークの展開が推奨されながらも 国の組織である独立行政法人と地球科学の専門家による方針付の元で地方自治体が運営を主導するという独特のアプローチ方法をとるようになっていた 日本版の審査項目の作成も地球科学分野の専門家によって担われたため GGN のものと比較して地学的要素が強調されていることが考えられる 2015 年から JGC の再編成が行われているが 特に現地調査を担当するジオパーク委員会調査部会では地球科学を中心とした地球科学の専門家の割合が高く GGN の評価体制と同様に 実際の活動に対して地質的な評価に偏重する可能性が示唆された 図 2. 国内外のジオパークの動向比較年表 34

4. 室戸ジオパークの運営と変遷 (1) 運営主体高知県室戸市の予算を財源とし 市長を会長とする室戸ジオパーク協議会中心に運営されている 黒潮による高温多湿の気候を生かした農業 自生するウバメガシを使った土佐備長炭の生産 ( 林業 ) 海底地形を利用した海洋深層水の取水や沿岸漁業等 地理環境を利用した産業が盛んである 一次産業の従事者割合は全国平均と比べて 15.4% 高い しかし 近年は高齢化や人口減少による産業の衰退が激しく 室戸ジオパークをツールとした交流人口の増加と地域経済の活性化が期待され 地質 地形遺産と産業 文化を一体化させたジオツーリズムの推進 が総合振興計画の目標として挙げられている (2) 成立の経緯室戸は世界で初めてプレートテクトニクス理論を陸上で実証した四万十帯を有するため かつてから地質学研究の対象地となっていた そのため 日本でジオパークが推進され始めた初期の段階からジオパーク認定に興味を示していた 2008 年に室戸ジオパーク推進協議会を発足し 初の日本ジオパークの 1 つとして JGC に認定された しかし より専門的な地質遺産の解説や 地質遺産を活用したジオツーリズムの強化が課題とされ 世界ジオパークへの推薦は 2 度見送られていた これを受けて室戸ジオパークでは 地質 地理専門員の雇用やジオパークガイドの養成講座といった地質遺産としての側面を強化する取り組みを進めた 結果 2011 年に JGC の国内推薦を獲得 GGN による審査を経て世界ジオパークに認定された 2015 年の再認定審査の際に GGN から ジオパークの見どころや活動の中心となる ジオサイト に文化的サイトや生態学的サイトを増やすこと という指摘を受けたため 2018 年に地質 地理専門員によってジオサイトの見直しが行われた ( 図 3) (3) 室戸ジオサイトの特徴室戸ジオパークでは 88 箇所のジオサイトを その特徴から地質サイト (51 箇所 ) 文化サイト (17 箇所 ) エコサイト (10 箇所 ) 施設 (10 箇所 ) の 4 区分に分類している これらの特徴を把握するため 環境省や文化庁 高知県などが提供している地図情報を用い 地質 植生 巨樹 巨木 特定植物群落 指定文化財との位置関係を把握した 2018 年のジオサイト見直しを受けて 22 箇所の面的なジオサイトが 88 箇所の点的なジオサイトに変 化していたことが分かった ジオサイトを 4 区分することで 複合遺産としての側面を持つサイトであっても 地質 文化 自然遺産のどれか一側面のみが強調されるようになっていた 特定植物群落や巨樹 巨木を有するサイトや 指定文化財として登録されている資産のジオサイトとの重複は少なかった 地質遺産としての側面が特に重視されている一方で 文化遺産や自然遺産としての側面を持つサイトがジオサイトに反映されていない可能性が示された (4) 小結室戸市がジオパーク認定を目指して活動を推進した時期が 国際社会における ジオパーク活動乱立期 国内における 日本ジオパーク拡大期 に当たっている ( 図 4) 当時の JGC 委員は地質学者に占められており 地質学的要素を重視する審査が 室戸において地質学的側面を強化する活動を誘発したと考えられる 現在のジオサイトも地質遺産としての側面が強調される傾向が示されたが この背景としてはジオサイトの指定が地理 地質専門員によって行われたため 彼らの専門外である文化遺産や自然遺産の評価がジオサイトに反映されなかった可能性が示された 図 3. 室戸ジオサイト分布図 (2018) ( 室戸ジオパーク推進協議会資料を元に筆者作成 ) 35

図 4. 国内外と室戸ジオパークの動向比較年表 現在 室戸ジオパークで目標とされている一体的なジオツーリズムの推進には 多様な専門分野による多角的な地域資産の評価を行うことや ジオサイトを面として捉えた上で地域資産の結びつきを見る必要性が示唆された 5. 室戸ジオパークにおける住民活動の実態 (1) 対象団体への聞き取り調査 JGN が公式ウェブサイトで紹介している以下の 3 団体を公式ジオツーリズム団体とし 団体の立ち上げに携わった人物に聞き取り調査を行った ( 括弧内は対象者の肩書き ) A 団体 ( 前会長 ) 1997 年から活動開始 K 地区の重要伝統的建造物群保存地区への選定を目指す過程で成立 高知の設計事務所社長 県庁の文化財保存課の担当 伝統建築に詳しい高校教員が K 地区で開催されたお祭りの際に知り合い 吉良川のまちなみを残そうと意見が一致 専門家が文化財的な価値を住民に伝える中で保存運動が加速 重要伝統的建造物群保存地区を中心とした文化遺産的ツアーを行っている B 団体 ( 会長 ) 2002 年から活動を開始 会長である T 氏が 自分が子供の頃に遊んでいた森をもっと多くの人に知ってほしい との思いから個人的にツーリズム活動を始めた 2012 年から対象エリアが 郷土の森 に指定されたことがきっかけで公式ツーリズム団体を立ち上げた 杉の巨木を巡る自然遺産的ツアーを行なっている C 団体 ( 前会長 ) 2008 年から活動を開始 ジオパーク認定を目指し 市長が主導して立ち上げを行った 基本的にはジオパーク専門員の指導の下 室戸岬における大地の隆起といった地質遺産に特化したツアーを行っている 市長が観光協会会長にガイドの会設立を依頼し 観光協会会長がツテをたどる形で中心人物を集めた 以上のように A 団体および B 団体は 室戸ジオパークが成立する前からツーリズム活動を行っていたが 室戸ジオパークが成立したことで ジオツーリズム に組み込まれていた (2) 聞き取り調査から得られた結果ジオパーク以前から活動していた A 団体および B 団体では ジオパークに関して理解しがたいと捉える一方 C 団体は肯定的な評価をしていることが明らかになった また 前者 2 団体とジオパーク専門員の関わりは希薄であるが A 団体では建築家 B 団体では樹木医といったように それぞれの活動と関連した専門家とのつながりが見られた C 団体は ジオパーク専門員の指導の下 地質遺産を中心としたツーリズムが展開されていた ツーリズム実施者の多くは ジオパーク活動が開始したことが契機となって地質遺産への理解や興味を示すようになっていた 活動が始まった当初は植生や文化財に関する自発的な勉強会を開催しており 地質学に限定しない活動を行なっていた しかし 室戸ジオパーク専門員の雇用などによって地質学の専門性が強化されたことで 活動が地質遺産に焦点を当てるものに変化していったことを感じていた また 3 団体はそれぞれ独立した活動を行なっており 団体間の連携には課題があることが明らかになった (3) 小結室戸市で公式にジオツーリズムを行う団体は 3 つあり 室戸ジオパーク認定のために JGC の指摘に対応した結果 専門的かつ地質的要素に特化した内容になってしまい 本来はどの資産にも何らかの形で存在している地質遺産としての側面が 地域住民にとって理解し難いものとして捉えられるようになってしまった可能性がある 結果としてそれぞれの団体の連携は未だ見出されておらず 総合振興計画では一体化したツーリズムが求められる一方で 各団体は独立してツーリズムを行う状況を呈していた しかし 3つの団体では 専門家が共通して大きな役割を果たしていることが明らかになった 専門家の存在は 地域住民に新たな地域の魅力や価値の発見をもたらし それが現在のツーリズム活動へとつながっていた このことから 分野を横断した専門家同士がつながり 地域の価値を多角的に示すことが結果的に地域住民の活動のつながりをもたらす可能性が示唆された 36

5. 総合考察 (1) 国際プログラムの拡大が地域に与える影響ジオパークは様々な組織においてプロジェクト化される中で その目的が徐々に拡大され ジオパーク理念の肥大 ともいえる現象が発生した この間に地質遺産の保護保全に加え 地域の持続的な開発や遺産の包括的な活用といった 分野横断的な意義がジオパークに見出されていった 国際的に目的が拡大していた時期に取り組みが始まった日本においては 地質学者による地質遺産中心のジオパーク活動が拡大された結果 ジオパークにおける地質 地形以外の分野が後手に回る結果となった 現在室戸ジオパークでは ユネスコの求める包括的なジオパークへの取り組みを目指しつつも 実際は地質的側面に特化した運営が顕著であり ジオパークというプログラムが 国際的に短期間で変容したことによる地域の混乱が現れていることが示された 国際機関がプログラムを拡大する際には組織内部でのプログラムの連結を意識するだけでなく 実際の地域および活動実態を把握した上で 地質 自然 文化を包括するプログラムに反映する必要があるだろう 一方で 日本のように早い段階からプログラムに取り組み始めた先進国が 課題を指摘 改善しながら活動を継続していくことで 国際プログラムの全体的な底上げにつながっていくと考えられる (2) 室戸ジオパークの住民活動への課題と展望本来室戸の人々が営んできた地域内での活動には 文化遺産 自然遺産 地質遺産としての側面がそれぞれ密接に関わりあっていた 地域を一体的に捉えようとしたとき それらの側面は分断して語られるものではないだろう それが 室戸市では室戸ジオパークの認定を目指して地質学的な側面を強調していった結果 本来はどの地域資産にも何らかの形で存在している地質遺産としての側面が 地域住民にとって理解し難いものとして捉えられるようになってしまい 文化遺産 自然遺産 地質遺産それぞれに特化した活動が分断した状態で行われていることが明らかになった 聞き取り調査でも明らかになったように 地域住民が地域への誇りや愛着 関わりを持つときの入り口となるのは 必ずしも地質的な要素ではなかった 室戸市では 地質遺産だけでなく 重要伝統的建造物群保存地区や国有林といった地域資産もその入り口としての機能を有しており 専門家が重要な役割 を果たしていた 室戸ジオパークにおいては 一貫して地質学を中心とする地球科学の専門家がジオパーク専門員を担ってきたが 現在それぞれの団体の運営に関わる専門家や 地球科学以外の多様な専門家を巻き込むことによって それぞれの地域資産が有する地質遺産 文化遺産 自然遺産としての側面が地域住民に分かりやすい形で結びついていくと考えられる JGN によるジオパークの概念図で考えれば 多様な専門性によって地域資産を再評価することが 地域の新たな結節点を生み出し ( 図 5) この結節点によって既存の住民活動の結びつきや 新たな地域住民活動を誘発する可能性が期待できる 図 5. 室戸ジオパークへの提言図注 1) GGN の公式ウェブサイトで紹介されている団体を 公式ジオツーリズム実施団体とした 主要参考文献 Cheryl Jones (2008) History of Geopark Geological Society, London, Special Publications, 300, pp. 273-277. Cynthia V. Burek, Colin D. Pross (2008) The History of Geoconservation, Geological Society of London. European Geopark Network, EGN magazine, EGN, 計 15 件. Guy Martini, Nikolas Zouros(2008) Geoparks: a vision for the future, Geosciences 7(8), pp.182-189. IUGS EXECUTIVE COMMITTEE MEETING Minute, 全 5 件. Nikolas Zouros (2004) The European Geoparks Network. Geological heritage protection and local development, Episodes 27(3), pp.165-171. Nikolas Zouros (2016) Global Geoparks Network and the New UNESCO Globak Geoparks Programm, Bulletin of the Geological Society of Greece, 50, pp.284-292. UNESCO (2016) UNESCO Global Geoparks, UNESCO, Paris. UNESCO Exective Board, UNESCO, Paris, 計 49 件. 吉田正人 (2012) 世界自然遺産と生物多様性条約, 地人書館. 渡辺真人 (2014) 世界ジオパークネットワークと日本のジオパーク, 地学雑誌 120 (5), pp.733-742. 渡辺真人 (2014) ジオパークの現状と課題, E-journal GEO 9(1), pp.4-12. 付記 : 本研究の一部は平成 30 年度糸魚川ジオパーク学術研究奨励事業の助成を受けて行われたものです 37